ブルーアーカイブ二次創作短編集(健全版) 作:ダルメシアン0426
・マリーの口調等におかしな点があるかもしれません
・オリジナルキャラ(モブ生徒)が出てきます。
上記3点を許せる方のみ推奨です。
今日は良く晴れていますね。
絶好のガーデニング日和です。
お悩み相談も一区切りが付きましたし植木鉢の水やりでも致しましょうか。
水滴が日に反射してとても綺麗……。
穏やかな気持ちになれますね。
ああ……そういえばそろそろ時間ですね。
大聖堂に戻って祈りましょう……。
今日も平和と安寧が皆さんと共にありますように……。
そして、先生の選ばれる道……。
そこにどうかできるだけ多く平和と、幸せがありますように……。
そういえば……先生は今頃何をしているのでしょうか。
……見守る相手が多い方ですから。
おそらく、いえきっと今も生徒たちのために頑張られているのでしょう。
モモトークで時々連絡を取りあってますが、今日こうして会えるとなると気分が高揚してしまいますね。
思えば、あの時のバレンタインデー以来です。
先生と直接『話す』のは。
……甘えたがりな私ですけど、先生に甘えるのは中々に難しくて。
先生からは「どんと甘えておいで!」と言われてるのですが、どうしても気恥ずかしくて。
バレンタインデーの時に甘えた方が良かったのかもしれませんね……。
いえ、あの時はそういう雰囲気では無かったですし……。
……………………。
先生……早くあなたに会いたいです……。
祈りながら私はそんな事を考えていました。
ですが……そろそろ、時間ですね。
相談室に戻りましょう。
私にできることは、ただお聞きすることだけですから。
相談室に戻ってしばらくすると、ガチャッ……と相談室の扉が開かれたのです。
「こんにちは。何かお悩みでしょうか?」
いつも通りに声を掛けます。
「は、はい……あの……実は……とある方に恋をしてしまったようなのです……。
でも身分差がありまして……この想いは秘めていた方が良いのかもしれない……。
そう思うもののあの方への想いが日に日に強く大きくなってしまって……。
どうすれば良いのでしょうか……?」
この声は以前にも相談に来ていたあの方ですね。
それにしても、恋……ですか。
私にはまだ良くわかりませんね……。
ですが……良くわからないからと言って思考を放棄するべきではありませんね。
「そうですね……。思いきって伝えてみては?」
「で、でも……相手に迷惑なのでは……。
それにどうせ叶わない恋ですから……」
叶わない恋……?
お相手の方はそんなに身分が上の方なのでしょうか。
「きっと大丈夫ですよ。それに抑えきれないのでしょう?」
このままではこの方も良くはないと思っているはず。
だから、私はそう声を掛けました。
……それが最適解だとその時は思っていたのです。
「そう……ですね……。
ありがとうございます、シスター。
これから、その方……先生に想いを伝えてきます!
では、ごきげんよう」
え……?
今、あの方は何と……?
先生、とそう言ったのでしょうか?
え? ……あの方が先生に告白をする?
もし、先生とあの方が恋仲になったら……?
そう考えた瞬間に鋭い痛みが胸に走りました。
胸の奥が酷く痛み、モヤモヤしたものが……。
これは一体何なのでしょうか……。
胸がズキズキと痛みます……。
この感覚はなんでしょうか……?
「いやだ……」
思いがけず口をついてしまう。
っ!?
ばっ、と……反射的に口を押さえる。
私は今、何を……?
……先生。
今までに感じたことがない感覚に戸惑ってしまいます……。
考えれば考える程、ドツボにはまっていくに感覚。
もしかして……私は先生のこと……?
いえ! 確かに先生のことはお慕いしてますがこれは恋愛感情ではなくて!?
ですが……私が先生に甘えたいのは好き、だからなのでしょうか?
……おそらく、そうなのでしょうね。
先生と大聖堂の花壇でお会いしお話をしたあの日には好意を抱いてたことは隠しようのない事実ですね。
それに……先生のことを思い、祈りを捧げたあの日には既に一人の異性として好きになってしまっていたのでしょうね。
先生の幸せが私の幸せだなんて……。
どうして……あんなことを言ってしまったのでしょうか……。
今、思い返すと先生への恋慕を口にしたようなものではないですか……。
うぅ……恥ずかしくなってきました……///
ああ……顔が熱くなってきました……。
おそらく、今の私の顔は真っ赤でしょうね……。
「先生……私は、マリーは貴方のことをお慕いしております……」
無意識に気付かないようにしてた先生への想い。
自覚した想いを小さく、小さく……誰にも聞こえないように呟きます。
それでも、私は見習いとはいえ、シスターです。
いくら私が先生をお慕いしているからと言って、この想いを先生に告げてはいけないでしょうね……。
戒律にも異性との交流は望ましくないと書いてありますし……。
ああ、困りましたね……。
先生……私はどうすれば…………。
いっそのこと先生にこの想いを告げるべきでしょうか?
他の方と恋仲になった先生を想像する度に胸の痛みにくらっと視界が揺らぐような感覚。
……先生を誰にも渡したくはありませんが……断われた際に以前と同じように接することは出来なくなる……。
お互いの手を重ね祈ることも……。
そう考えると現状維持が良いのでしょうか……。
……私は私が思っていたより独占欲が強かったのですね……。
先生を誰にも渡したくない、だなんて……。
いくら考えても同じところで悩み迷い続けて、まるで出口の見当たらない迷路に迷い込んでしまったような……。
纏まらない思考の中、ふと見上げると時計が目に入りました。
え? ……も、もうこんな時間?!
先生とのお約束してた時間が過ぎてしまいます!
急がなきゃ……!
慌ていたせいか、椅子から立ち上がった際にガタッ! と大きな音が響き渡りました。
「ぁ……」
……こほん。
スッと静かに椅子を戻し何事もなかったかのように懺悔室を出ます。
そーっとそっと、扉の音が微かに聞こえるくらい静かに開けて、中の様子を窺います。
……大聖堂には誰も居ませんでした。
……良かった……祈りを捧げている方が居なくて。
さて……先生が来るまでまだ少し時間がありますね。
先生の幸せ……それを祈ることがこんなにも苦しい思いをする日が来るだなんて……。
私はなんて罪深いんでしょうか……。
跪き、目を閉じ、祈るように手を組んで、懺悔するかのように……先生が訪れるのを待っていました。
それからどれくらい時間が経ったのでしょうか。
ふいに。
ガチャッ、ギギゴゴゴ……。
大聖堂の扉が開く音が聞こえてきました。
コツ、コツ、コツ……と規則正しい足音が聞こえてきました。
この足音は……先生ですね。
先生が近付いて来てるのを耳で、肌で感じます。
そうわかっていても、合わせる顔がない私はだんまりを決め込んでしまったのです。
「……マリー」
と、私を呼ぶ先生の優しい声。
すぅ~……はぁ~……と気付かれないように深呼吸をして立ち上がり、いつもと変わらないように心掛けます。
「先生……こうしてお会いするのはお久しぶりですね」
声は上擦っていないでしょうか?
顔は赤くなっていないでしょうか?
恥ずかしくなりながらも先生を見上げます。
……見上げた先には、ぼーっとしてる先生が居ました。
「……先生?」
「え、ああ、ごほん……。ごめん、見惚れた」
はっ、とした様子で笑う先生。
「っ!? み、見惚れっ……!? も、もう、先生ったら……///」
ああ……顔が熱くなってきてしまいました……赤くなってるでしょうね。
顔を見られないように俯きます。
「でも、本当に見惚れたんだ」
「そ、そうですか……///」
も、もう……!
嬉しくはありますが……恥ずかしいです。
顔を上げるタイミングを失ってしまいましたね……どうしましょう?
そう思っていると。[newpage]
「……ねぇ、マリー。相談事があるんだ。聞いてもらってもいいかな?」
何処か苦しそうで後悔が入り混じったような声が聞こえてきました。
見上げると真剣な表情をした先生が居ました。
「……はい、私で良ければ。先生のお悩みを聞かせて下さい」
「ありがとう。実はさっきね……とある生徒に告白されたんだ」
「え?」
聞きたくない……!
そう思っても聞かないわけにはいかなくて。
逃げ出したい……。
初めてそう思ったのです。
「あはは、やっぱり驚くよね」
困ったように笑う先生。
「え、えぇ……そう、ですね……」
なんとかそう返すものの、ズキズキと激しい胸の痛みが……。
気付かれないようにさり気なく胸に手を当てて、両手を重ね胸の痛みを誤魔化すようにします。
……例え、それが意味のない行為だとしても。
そうすることで少しでも痛みが和らぐようにと。
顔に出さないようにしないと……。
「それでね……。……マリー?」
様子がおかしいことに気付かれたのでしょうか?
私を呼ぶ、訝しむような声音。
「はい、どうされましたか?」
「いや、なんだか様子がおかしいような気がしたんだけど……大丈夫?」
「はい、大丈夫ですよ。……それでそのお話の続きを聞かせていただいてもよろしいでしょうか?」
先生……。
私の様子がおかしいことに気付かれたんですね……嬉しい。
つい、頬が緩みそうになり、殊更丁寧に問い掛けてしまいました。
「そう? マリーがそういうならいいんだけど……。
……それで、その生徒から告白されたんだけど……断ってしまったんだよ。
私は先生であの子は生徒だから……。
あの子は『そんなの関係ない。キヴォトスでは生徒との恋愛は犯罪じゃない』とそう言ったんだ。
それでも私にもどうしても譲れないラインがあってね……。
そういうわけだから君とは付き合えない。
そう告げたら泣いて何処かに走り去ってしまって……。
もう少し言い方があったんじゃないか? って思ってね……」
後悔してる、苦しそうに吐き出した先生を見て思わず、ぎゅっ、と抱き締めてしまいました。
「ま、マリー!?」
驚く先生の声がします。
「今だけは……」
私に甘えてください……。
囁くように先生に告げます。
先生は慌てふためいていましたが、私に委ねてくれました。
断った。
そう聞いて嬉しい、という感情が溢れ出しそうになりました。
ですが、先生の様子を今一度確認し自分自身の感情より先生のことを優先すべきだと思いました。
後悔に塗れ、このままでは心の傷になってしまう……。
優しく子供をあやすように頭を撫でます。
「大丈夫ですよ。その方もきっとわかってくれますから。先生……。先生にも事情や都合があるでしょうから……」
これで少しでも楽になって欲しい……。
その一心だったのです。
「……ありがとう、マリー。
少し楽になったよ。
やっぱり、マリーはもう立派なシスターだと思うよ」
心苦しそうな声は聞かれなくなりましたね……良かった……。
「ふふっ。先生、私は『まだ』シスターではありませんよ?」
その言葉を皮切りに真剣な雰囲気は霧散し、大聖堂の荘厳な雰囲気が戻ってきました。
「ははっ、そうだったね」
吹っ切れたかのようにスッキリした笑顔を見せる先生。
「さぁ、先生も目を閉じて……呼吸を落ち着けて……」
「祈りましょう。先生のために……」
「……そして私たちのために」
一緒に、手を握り祈ります。
先生の選ばれる道……。
そこにどうかできるだけ多く平和と、幸せがありますように……。
祈りを終え、先生は時計を確認し、申し訳無さそうな顔で「ごめん、次の仕事があるから。また来るよ」と言って去って行きました。
……先生……大丈夫でしょうか……。
いえ、きっと大丈夫でしょうね。
今度はこちらからシャーレにお邪魔するのも良いかもしれませんね。
2022年4月25日
※批評等はお手柔らかに・・・!
2026/10/12追記:懐かし過ぎる。うーん、まぁ、拙い文章。地の文を直したい衝動に駆られる⋯⋯。口調とかはズレてはいないはず。