ブルーアーカイブ二次創作短編集(健全版) 作:ダルメシアン0426
本日はまさに真夏日和と言った天気だ。
太陽が燦々と肌をチリチリと焼く。暑いというより痛い。そういった方が良いと思える程で。
空には雲一つも無い。詩的に表現するなら、蒼穹、と呼ぶに相応しい。
そんな猛暑の中、長袖のワイシャツを二の腕付近まで捲り黒いスラックス姿で歩いている人物が一人。
「あぁ、暑い……」
額に噴き出た汗をハンカチで拭いつつ溜息を吐く。
そんな思いをしてまで外に出たのには理由があった。
その理由とは──とある学園の生徒に会いに行く為だった。
汗だくになりつつも息絶え絶えで辿り着いたその先に在ったのは荘厳な建物だった。
トリニティ総合学園。
大きいチャペルが特徴的なキヴォトス最大級の学園の一つだ。
正門付近にまでなんとか辿り着くもそこで力尽き倒れ伏す。
地に額をつけていたが熱くて半回転し瞼を閉じて空を仰ぐ。
眩しい……。
太陽を直視する訳にはいかない為、瞼を閉じていたが……それでも貫通する日光。顔の前で腕を組む。腕が焼けるように熱い。それに背中も熱い。熱せられていた地面に寝転がるものじゃない。気付くのが遅すぎた。
溜息を吐いて起き上がる。
日陰に移動し持参していたスポーツドリンクを口に含む。
唇を湿らせるようにしてゆっくりと飲み込む。
はぁ……。再び溜息を吐く。よし……っと気合いを入れ直す。
立ち上がる。急に立ち上がった為かくらっと目眩がし視界が白く染まる。
倒れ込む寸前に誰かに支えられる。
「先生!」
「……マリー?」
鈴を転がしたような綺麗で優しい声音。
先生と呼ばれた人物を支えた声の主は──。
その人は修道服に身を包み、耳付きのベールにそこから見えるオレンジ色の綺麗な髪。普段は優しさに溢れている瞳が今は涙で潤んでいた。
「はい、マリーですよ。先生」
「今は何も言わずに私に身を任せていただけませんか?」
柔らかい言い方だが有無を言わせない様子をそんな気迫を感じた。
「う、うん……ごめんね、マリー」
先生は申し訳無い気持ちでいっぱいになったが身を預ける。それがわかったのか安堵したように微笑むマリー。
「では、先生。私にちゃんと掴まっていてくださいね?」
「……はい」
それしか言えない。
マリーは先生を支えながら寮がある方へと歩き出す。
「先生? 大丈夫ですか?」
「もう少し頑張れますか?」
「後少しで着きますからね」
定期的に声掛けし顔を見て様子を確認するマリー。
その顔は心配と後悔で泣きそうだった。
悪いことをしたな……。
先生は心の中で呟く。
マリーへの罪悪感で考えこんでいたせいか、気が付いたら寮へと着いていた。
「先生。お部屋に案内しますね」
「ごめんね、マリー」
ガチャッ……。ドアが開く。
「どうぞ」
微笑み、先生を招くマリー。
「……お邪魔します」
少し緊張しながらゆっくりと部屋へと入っていく先生。
「先生、ベッドに座って待っていてくださいね? 今なにかお飲み物をお持ちしますので」
返事を聞かずにキッチンへと消えていくマリー。
先生がマリーの部屋に入るのはこれで二回目だ。
あの時と状況が反対みたいだ。
あの時はマリーが風邪引いたと聞いた先生がお見舞いに行ったのだ。その時にマリーの部屋で彼女が眠るまで一緒に過ごしたのだった。
そんなことを思い返しながら見渡す。
質素だが何処か女の子らしさがある部屋だ。
ほっと一息を付けたからか、はたまた疲れからベッドに横になる。
ふわっ……と女の子の、マリーの香りが鼻をくすぐる。
「良い匂いだなぁ……」
つい、言葉が溢れる。
はっとし、口を両手で押さえる。
きょろきょろと辺りを見渡す。
マリーに聞かれてないよね……?
心の中で呟く先生。
マリーが来るまでに座っていないといけないな……そう思いつつも先生は横になったままだった。
ぐったりとしている先生にベッドに座っていただき飲み物を取ってくる為に私はキッチンへと向かいます。
シスターフッド特製のドリンク。
製法はシスター見習いの私にはまだわかりませんが……聞く所に依ると飲むとたちまち疲労が回復するという不思議な物です。
それを手に取り先生の元へと戻ります。
「先生、お待たせしました──」
そこに居たのはベッドに横になり枕を抱きしめて顔を埋めている先生でした。
ぇ……えぇええええ!?
……せ、先生!? な、何をしているんでしょうか……!?
えっと……わ、私はどうすれば……!?
あたふたと慌ててる私に気が付いていないのでしょうか、先生は枕をぎゅっと抱きしめ深呼吸をしているようでした。
「あぁ、マリー……ほんと良い匂いで落ち着くなぁ」
先生はそう呟くと顔を上げました。
ばちっ……と目が合います。
「「……………………」」
2人して固まりました。
先生は少し引き攣ったような顔をしていて。
私もきっと引き攣ったような顔をしているのでしょうね……。
「……ごほん。やぁ、マリー」
先生は何事も無かったように座り私に話し掛けます。
「え、えぇと……せ、先生……その……こ、これをどうぞ!」
動揺してしまい少し乱暴にドリンクを手渡してしまいます。
「あ、ありがとう、マリー」
先生はドリンクを受け取ってはくれましたが……気まずい雰囲気が漂っていました。
これから、ど、どうすれば!?
恥ずかしくて逃げ出したい気持ちと先生を放っておけない気持ちがせめぎあい立ち竦んでいました。
そんな私に先生は──
「えっと……とりあえず、座る?」
ぽんぽん、とベッドを叩き私に座るように促しました。
「そ、そう……ですね」
座った場所は、先生と肩が触れ合う程の距離で。
身じろぎをしただけで触れてしまいました。
「マリー?」
「ぁ……い、いえ、その……」
何か言わないと……そう思いつつも言葉が出てこなくて。
先生はそんな私を心配そうに見つめていましたが、ふっと私から視線を外して先生は手に持っていたドリンクを口にしました。
私はそれを見て祈るように手を組みます。
先生の疲れが少しでも取れますように……。
「あ、美味しい……。それになんだか疲れが取れていくような気がしてきたよ」
良かった……。ほっと一息吐きます。
「ありがとう、マリー」
すっかり元気になった先生。
そのお顔からは疲労感は見られなくて。
私は嬉しくなって無意識的に先生の手をぎゅっと握っていました。
「ま、マリー!?」
先生の慌てた声と表情。
???
どうしたのでしょうか?
先生の視線の先を辿ると……手を見ていました。
……手? ……っ!?
「あ、あの……これは、その……!?」
急いで手を離そうとしました。
でも、その手をぎゅっと握られました。
!?
「せ、先生!?」
「……ぁ、ご、ごめんね」
「い、いえ……」
心臓がバクバクと音を立てています。
き、聞こえてないですよね?
うぅ……顔が熱いです……。
「……そ、そういえば! 先生、本日はどうしてこちらへ?」
ふと、思い浮かんだ疑問。
「うん? マリーに会いに来たんだ」
「私にですか?」
「マリーに渡したい物があってね」
先生が持ち歩いていた鞄の中から黒を基調とした着物? が出てきました。
「着物……いえ、浴衣、ですか?」
広げて確認して見ると浴衣のようでした。
黒い生地にスノーフレークの白い花が描かれていました。
「うん、正解。浴衣だね」
「あのどうして私にこれを?」
「え? マリーと夏祭り一緒に行きたいな、って思ってね」
だから──。
そう言葉にし私に浴衣を手渡す先生。
「えっと……私で良いのでしょうか……?」
先生と一緒に夏祭りを過ごしたい生徒はトリニティの生徒だけでもたくさん居るはずです。それなのに私で良いのでしょうか? そんなことを考えてました。
「それは違うよ。私はマリーと夏祭りに行きたいんだ」
真剣な顔でした。
「あ、そうだ。お祭りの日は一日、マリーの時間貰えないかな?」
「え? えっと……」
良いのでしょうか……先生の時間を一日貰えるだなんて……。
「駄目、かな?」
期待を込めた先生の目。それが私を見つめる。
「先生……。はい、私で良ければご一緒させてください」
先生の手を取り約束をしました。
先生は「良かった」と嬉しそうに笑いました。
じゃあ、またお祭りの日に──。
そう言って先生は帰っていきました。
私が渡した水分補給用のドリンクを片手にしっかりとした足取りで。
──あれから、数日が過ぎて夏祭り当日になりました。
今日は先生とお出掛けの日。
今、私は鏡の前で何度も何度も服装を見直してます。
おかしなところはないでしょうか?
くるり、と回る。
ふわり、と広がった裾が視界に映りこみます。
……大丈夫でしょうか?
な、悩みますね……。
もう少し大人っぽい服の方が良いのでしょうか……。
ベッドに並べた服を今一度見ます。
黒のオフショルダーにスカート。
……これは少し大胆でしょうか。
白のブラウスに膝上までの短いスカート。
シスターフッドの先輩方に相談をして、その結果いただいた服装ですが……こ、これは恥ずかしいですね!?
私が着ているのは白のサマードレスですがどれが良いのでしょうか……。
こっちにしましょうか……いえ、こちらの方が……。
悩みますね……。
そういえば、今の時間は……?
懐中時計を手に取り時間を確認します。
あ……いけない。もうこんな時間!?
急がないと……!
あ……洋服仕舞わないと……。で、でも時間が……。
いえ、もうこのまま行きましょう。
貰った浴衣や水着を鞄に詰めます。
遅れる訳にいきませんからね。
外に出ると、熱風が肌を撫でていきました。
あ、暑いですね……。
蝉の鳴き声があちらこちらから聞こえてきます。
それらを聞きながら歩いていました。
もうすぐ、待ち合わせ場所の噴水広場に着きますね。
時間を確認しほっと息を吐きました。
まだ待ち合わせの時間より10分程ありますね。
そう思った瞬間、一際強い風が吹いたため思わず髪を押さえます。
ざぁ……と木々が揺れる音がし舞い散る木の葉が私をすぐ側を通り抜けていきました。
どうしてか、木の葉の行方の追ってしまっていました。
その先には先生が居ました。
先生は私が初めて見るラフな格好をしていました。
いつものスーツ姿ではなくて。無地の白いシャツに青いジーンズ、でしょうか?
きっとこれが先生の普段着なのでしょうね。
先生も今日のお出掛けを楽しみにしてくれてるのでしょうね。
すぅ〜…………はぁ〜……。
深呼吸をして先生に声を掛けます。
「……先生、こんにちは。……お、お待たせしました」
先生に私服姿を見せるのは初めてで。
緊張して真っ直ぐに顔を見られない。
声を掛けると先生はこちらを向く気配がしました。
「……綺麗だ」
どこかぼーっとした様子でぽつりと言葉を溢す先生。
「せ、先生!?」
き、綺麗だなんて……!
恥ずかしくなり身を捩り顔を隠そうとする。
だけど、先生はそれを許してくれなくて。
「綺麗だよ。本当に、綺麗だ」
「もちろん、普段も綺麗で可愛いのだけれどね」
「その白いサマードレス、とても良く似合っているよ」
「マリーの清楚な雰囲気と容姿にぴったりだね」
肩に手を置き、目を合わせ一瞬たりとも逸らさずに。
恥ずかしげもなく褒めてきます。
「せ、先生……!?」
「その……恥ずかしいです……!」
おそらく、私の顔は赤くなっているでしょうね。
それでも真剣な眼差しの先生の瞳から目を逸らすことが出来なくて。
そのまま、見つめ合う。
ドクドク……ッと高鳴る心臓。
何かを言おうとして口を開いてはまた閉じる。
その繰り返しで……自分自身でも何を言おうとしたのかわからないままで。
……でも、何か言わないと。
そう思うものの何も言えなくて。
せ、先生のお顔を見つめるのも段々と恥ずかしくなってきましたね……。
きゅっ、と目を閉じます。
どうしてか、先生から戸惑ったような気配を感じますね?
ごくり……と唾を飲み込む音が聞こえました。
???
なんだか徐々に先生のお顔が近付いてきてるような……。
ぁ……先生の吐息が……。
「……あの、先生?」
目を閉じたまま問いかけます。
「っ!? あ、ああ、いやっ!?」
ばっ、と音が聞こえてきそうなくらい急に離れる先生。
「きゃっ!?」
「あっ、ご、ごめん!」
目を開けると罪悪感を滲ませた先生が居ました。
「……だ、大丈夫ですよ」
「う、うん……」
お互いに言葉を失い再び見つめ合います。
そわそわ……もじもじ……。
「「あの」」
「せ、先生からどうぞ?」
「マリーからどうぞ?」
「「えっと」」
「「その!」」
「「ふふっ、あはは!」」
顔を見合わせて笑い合います。
なんだか可笑しくて。でもどこか幸せな気分でした。
「それじゃあ、行こうか」
「ふふっ、はい」
先生は私をエスコートするかのように手を差し伸べます。私はその手を取り、離さないようにきゅっと指を絡めます。
先生は少し驚いたような感じでしたが……すぐに微笑んで、きゅっと絡め返してくれました。
2人並んで本日のお出掛け先の海へと向かう為に歩き出しました。
──しばらく歩いて駅に着きました。
少し待っていると電車が来ました。
通学時間や通勤時間外の為でしょうか?
電車内は空いていました。先生と並んで座ります。
なんだか視線を感じますね。誰かに見られてるような……。
どこかおかしな所があるのでしょうか……。
不安になって髪を整えたりしていると先生がこちらを見て不思議そうに。
「マリー? どうしたの?」
「あの……誰かに見られている気がしまして……」
「あぁ、なるほど。それはマリーが可愛いからだよ」
納得したように頷いて、さらっとそう言う先生。
!?
「も、もう……先生ったら……!」
そんな当然のように言わないでください……!
うぅ……は、恥ずかしい……。
顔が赤くなっているのがわかります。見られないように俯きます。
ぽん……と頭に手が置かれ、ゆっくりと優しく撫でられました。
「せ、先生?」
「マリーは可愛いなぁ……。耳、触っていい?」
「っ!? ……え……えぇと……その、先生が触りたいのなら……いいですよ?」
先生が私の耳をさわさわと撫で、揉みます。
「んっ……ひゃっ!? せ、先生……そこは……んんっ……」
敏感な所を撫でられ思わず声を上げてしまいました。
はっとし口を手で押さえます。
「ご、ごめんね」
先生はそう謝るも撫でる手を止めてくれなくて。
私は先生にされるがままでした。
──どれくらいそうされていたのでしょうか?
ふと、顔を上げて窓の外を見て見ると陽に反射し輝いている海が視界にいっぱいに映り込みました。
「……綺麗ですね」
ぽつり。言葉が溢れる。
「マリーは海に来るのは初めてかな?」
「いえ、初めてではないですね。シスターフッドの一員として何度か来たことはあります」
「プライベートでは?」
「えぇと……ほとんど無いですね」
「……そっか。じゃあ、今日は目一杯楽しもうね」
「はい!」
そんな会話をしていると電車が止まりました。
「お、着いたね。じゃあ行こうか」
はぐれないようにと先生が手を差し伸べて。私はそれを手に取りました。
お互いに歩幅を合わせてゆっくりと海へと──。
「では着替えて来ますね」
「うん。私も着替えて来るね。じゃあ、着替え終わったらここに集合だね」
「はい」
先生と別れて更衣室へと。
個室タイプの更衣室ですね。良かった……人前で裸になるのは同性相手であってもなんとなく恥ずかしいですから……。
私は持って来た水着を今一度見ます。
セパレートタイプの黒色の水着で腰の辺りに猫の肉球スタンプが入っているのがワンポイントの可愛いらしいものです。
……もう少し、大人っぽい水着の方が良かったでしょうか?
先輩方にオススメされた、白いビキニの方が……い、いえいえ! あ、あれは大胆過ぎでしたし!?
い、いけません。こういう時は深呼吸を……。
すぅ〜……はぁ〜……。
…………早く着替えましょうか。
先生も待っていることでしょうし。
鞄を起き、一息吐きます。
しゅる……ぱさっ……。サマードレスを脱ぎ、ハンガーへと掛けます。
一糸纏わぬ姿になり、水着を着ます。
衣ズレが無いように姿見で確認しながら。
……大丈夫そうですね。
胸に手を当てて深く息を吸い吐きます。
「ふぅ……先生の元へと参りましょう」
更衣室から出て、ロックを掛けます。
それを確認して先生が待っている方へと──。
マリーと別れた後、更衣室で着替えた先生。
サーフパンツに薄いパーカーを羽織ってマリーの元へと。
女子更衣室。
それが視認出来る距離まで近付く。
腕を組み、水平線を睨むように見ながらも横目で確認出来るような位置取りで待つ。
海水浴客が不審者を見るような目で先生を見る。
居心地が悪い……。
そう思うもののここから動くとマリーを見つけられなくなるかもしれない。
だから、ここで待つ。そう決めた。
「……マリー、早く来ないかな」
視線にいたたまれなくなり独りごちる。
ああ、そうだ。マリーの水着を想像して待てば良い。
と、先生は思い至る。
ビキニだろうか? それともパレオ? セパレートかもしれない。いや、スク水という可能性も捨てきれない! ……絶対に無いだろうけどMBだったらどうする!?
妄想が留まるところを知らない。
知らず識らずににやにやと笑う先生。
幸せそうだ。
──そうこうしていると視界端にオレンジ色の髪を靡かせ猫耳を揺らした黒色のセパレートタイプの水着に身を包んだ少女が。マリーが先生の方へと歩いて来る。
「お、お待たせしました……」
恥ずかしそうに頬を染めて上目遣いで先生を見るマリー。
何処か期待に満ちた目をしていた。
「…………」
見惚れてしまい言葉が出て来ない。ただただ、惚けたようにマリーをじっと見つめる先生。
何も言わない先生に不安になったのだろうか。
マリーは徐々に顔を曇らせていく。
それを見て先生は慌てて褒める。
曰く─綺麗で見惚れてた。
曰く─女神が降臨したのかと思って惚けてた。
曰く─鎖骨がえっちで。お御足に触れたくて理性が決壊しそうだった。
さらっとセクハラ発音をしていく先生。
先生自身が気が付いた時にはもう遅かった。
顔どころか全身を真っ赤にして恥ずかしがるマリー。
その姿がたまらなく可愛いくて愛おしさが溢れるがまま先生はマリーをぎゅっと抱き締めてしまう。
女の子特有の柔らかさ。それを全身で感じ取る先生。
決して豊かとは言えないマリーの胸。だが、それでもしっかりと先生にその感触を水着越しに伝える。
柔らかくて気持ちいい……。
先生はその言葉だけは口には出さなかった。
……でも、その顔はだらしなかった。
「きゃっ!?」
可愛いらしい悲鳴。
「本当に綺麗だよ。その水着似合っているよ」
囁く。先生の吐息がマリーの耳を擽る。
「んんっ……」
ぞくっ……と快感のような物を覚え、身を捩るマリー。
密着していた身体を少し離し、蕩けたような笑顔をして「先生、ありがとうございます」とマリーはそう言った。
一頻りマリーを褒めた先生。
手を握り合い歩くが……砂浜に足を取られバランスを崩すマリー。
「きゃっ?!」
咄嗟にマリーを支える先生。
「大丈夫?」
「は、はい……」
「危ないから腕でも組む?」
一握りの下心を隠して先生は提案をする。
「そう、ですね。お願い出来ますか?」
それに気付かないマリーは少しの申し訳無さと共にお願いする。
「じゃあ、掴まって」
腕を差し出す先生。マリーはその腕に自らの腕を絡める。
そして再び歩き出す。
先生はマリーの胸の感触を堪能しながら。
それから──。
2人は海に入り水の掛け合いしたり、海の家で名物料理を堪能したり等をし海を満喫したのだった。
太陽が沈み、空には月が、星が顔を出していた。
蝉も鳴りを潜めていた。
何もせずとも汗が噴き出すようなことはなく。
木々がざわめき風が吹く。
そして──。
ひゅぅ〜……と光が夜空へ駆け上がり数瞬の後に轟音と共に花を咲かせた。
それを黒い生地にスノーフレークの白い花が描かれた浴衣を着たマリーと甚平を着た先生。
が2人並んで見ていた。
「「綺麗……」」
と呟きながら。
その姿は何処までも幸せそうだった──。
2022年7月22日
『第一回ブルアカ概念祭』用の作品です。
マリーかわいいよマリー。
ぎりぎりで申し訳無い⋯⋯。
しかもめっちゃ端折ったんで⋯⋯。
いつか加筆修正します………………………………。
スノーフレークの花言葉は「純粋」「純潔」「汚れなき心」「皆をひきつける魅力」です。
2026/10/12追記:いやぁ、懐かしい。まじでデスマーチでしたね。4〜5時間くらい書いてたけど終わらなくて焦った記憶が蘇ってきた。主催者の方、大変申し訳ございませんでした!
水の掛け合いだったり浮き輪でイチャイチャのシーンだったり、料理を食べさせ合ったりとか書きたいシーンはあった。後は浴衣デートのシーンとかも。R18にするのなら、この後、ホテルか先生の家に行ってイチャラブセックスになるけど。でもまぁ、確かR18は駄目だったような記憶はあるしこれはこれで良かったのかもしれない。加筆は色々片付いて要望があればかなぁ⋯⋯。マリーの口調とかは自分が書いた短編見直せば大体わかるし、加筆はそんなに難しいことではない。ただ、気力が湧かないだけで()