エーリアスには住人を模した魔法で動く人形がある。
プチ〇〇というシリーズなのだが、なぜか一体だけその法則から外れている物がある。
スピキ。
プチスピッキーではない。何故かスピキである。半角カタカナである。
実際は日本語ではないらしいのだが教主の目にはそのように映っている。
「なんか、多くない?」
ふと周りを見まわすと、スピキがあちこちにいる。
中には持ち主がカスタマイズしたのか、他とは違う服装のスピキがいたりする。
教団にも一体スピキがいるが、特に何もしていない素のままのスピキだった。
チョワヨーチョワヨーという鳴き声はなんだか教主の故郷、地球のとある国の言葉に聞こえるが、これも世界樹の加護で異邦人である教主にはそう聞こえるという事なのだろうか?
何にせよ、妖精王国は現在空前のスピキブームだった。
「そんな事があってさ、何か気がついたら大人気だよね。スピキ」
いつものように劇場の地下で駄弁る教主とリニュアだが、この話を聞いたリニュアの様子がおかしい。
何だか深刻そうな表情で口を開く。
「教主様、これは少し気をつけなければいけないかもしれません」
「えっ、何急に真面目な顔して。スピキがどうかしたの?」
リニュアは深刻な表情を崩さずに続ける。
「実は、昔訪れたあるエーリアスの滅亡の原因がスピキなんです」
「うっそだろマジでッ?!」
その理由はなんとエーリアス滅亡の原因の一つがスピキだからだという。ばんなそかな。
「そのエーリアスでもスピキが大人気で、果てには世界樹の半分もの大きさの超巨大スピキを作ろうということになりまして…」
「馬鹿なのかな?いや、それで滅んだんだから馬鹿だったか」
そのエーリアスでは聞くだけで頭が痛くなるような事をやらかしたらしい。
「大きくなっても行動パターンは変わらないので、ほら、スピキってぴょんぴょん飛び跳ねて移動するじゃないですか」
「うわぁ…嫌な予感しかしない」
「お察しの通り、世界樹の半分の大きさの人形が小さいのと同じようにぴょんぴょんジャンプしまして…」
「ああ、うん。だいたい分かった」
いくら半分の大きさといっても比較対象があの世界樹である。余裕で妖精王国の城を踏み潰せるだろう。
「にしたって妖精たちも黙ってないだろう。大きくても結局は人形だろう?なんで止められなかったんだ?」
「大きさに比例して頑丈になる魔法を使っていたらしくて…」
「なんでそう下らないことに全力を出すんだアイツラは」
「エルフが対抗して巨大ロボット・メカスピキを作り上げたんですが…」
「なんでそこでまたスピキなの?!その次元どこまでスピキに汚染されてるのさ!」
スピキ対メカスピキ、なんだか砕け散るまで戦えというフレーズを思い出す教主だった。
「なんか巨大スピキと仲良しになっちゃいまして…」
「エルフのアホー!!」
「そんなこんなで地上はスピキが支配するかぼちゃ王国になって、追い出された妖精たちは地下の魔女王国に逃げ込むことになって…」
「まぁベリータならエルフィンを見捨てたりしないよな」
「その後妖精たちが魔女たちとの食の好みで内乱を起こしまして…」
「ああ……うんそりゃそうなるよね」
甘味狂いの妖精と野菜オンリーの魔女たち、そりゃあ同じところにいれば軋轢も起きようものだ。
「そこまでいったらもうこの次元は諦めようと思い移動しました」
「うん、むしろよくそこまで付き合ったよ」
巨大スピキを作る計画が出てきたら止めようと固く心に誓う教主だった。
スピキのフィギュア大と小出るんだよな…買うか?