迦具土・炎次郎   作:KAGUTSUCHI

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迦…神… 著 1…0…年 作製 この…文…あくまで…すぎない…私は…隠し…秘密…火之…シャ…イフリートである…礼を言う。

(ところどころ文字が擦れている)


迦具土家の歴史(設定)

【迦具土家の歴史】

 

ときは奈良時代。ある2組の男女が火を操り、その火はあらゆる事象をあるときには焼き尽くし、またあるときには浄化するという奇跡的なものであった。

 

その力を『火之迦具土神』の力と信じた人々はその男女を神の依り代と崇めた。やがて、2人は結ばれ、夫婦となる。その際、彼らは神を降ろすことが可能になり、神の声を聞くことができた。そして、火之迦具土神から名を与えてもらい、自らを『迦具土』と名乗る。その後は人々の信仰も広がり、一時期、迦具土家の当主は教皇のような扱いを受けたことものあった。その際、親戚である『縣家』も迦具土家を守護する役割を担うこととなった。

 

しかしその数年後、迦具土家に災いが降りかかる。迦具土家の発端となった当主とその妻が子を産んだ後、何者かに殺害された。その後も迦具土家に名を連ねる者は次々と命を落としていった。それは後に『イフリート』と呼ばれるダークネスの仕業である。一応、迦具土家の中には自らの火を操る力でイフリートを倒した剛の者もいたが、大抵はイフリートの猛攻の前に敗れ、死亡する者がほとんどだった。

 

そこで火之迦具土神と迦具土家の人間を崇め奉る人々はイフリートから迦具土家を隠すために迦具土家の人間を中心とした秘密結社を立ち上げた。その組織は京都のある社に匿われ、これを境に日本の表舞台から迦具土家は姿を消した。ちなみに組織の人間の9割はただ火之迦具土神と迦具土家を崇める一般人である。つまり、組織の人間すべてが特殊な力を使えるわけではない。

 

秘密結社となった迦具土家は以前よりはイフリートによる被害は減ったものの、やはりイフリートの襲撃は終わることはなく、戦いを避けることはできなかった。

 

以上が迦具土家に伝わる古文書の内容である。しかし、これは不確かな部分が多く、所謂伝説やお伽話の類いとも言える。そして、現在は『火産霊の会』などと呼ばれ、京都で細々と存在が噂される秘密結社となった。その実体や具体的な活動を知る者はこの日本には組織に属する人間以外、誰もいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、迦具土家の人間や結社のに所属する人々の信じているものは果たして正しいのだろうか…。神の力と信じているものはサイキック、いや、ダークネスが影響している可能性も十分あり得る。神の力=サイキックと考えれば辻褄が合う部分も多い。真実はどちらなのか。この考察を続ければきりがないので、歯がゆいがこの言葉で締めさせていただこう。

 

『真実は神のみぞ知る』


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