いよいよ佳境に入ります。
どうぞ楽しんでください。
ーサラ・ヒューイットー
ポヨ・レイニーデイさんのアーティファクトで目の前が真っ白になってしまいました。
確か、組織名ではない「
脱出のキーワードは「
「どうして、取り込まれてないポヨ?」
あら?
ポヨさんの声が聞こえますね。
と言いますか、私の見える風景はほとんど変わってません。
私以外は倒れてしまってますが。
あ、船からちうっちとまき絵ちゃんが出てきました。
「おかしいですね?私はリア充じゃないと思ってたんですが…。いや、いろんなものを抱えている私はリア充じゃないはずですし、何かが皆と違う…」
「おい、サラ!皆はどうした?」
ちうっちが倒れた龍宮さんの頬を叩きながら私に声をかけます。
「皆さんは魂だけですが、『完全なる世界』という異界に送られてしまいました」
ん?魂だけ…?
「なるほど、私が皆と違うのは魂でしたね」
「何を言っているポヨ?」
「いえ、私の魂は少々特殊でしてね。だから『完全なる世界』に取り込めなかったんだろうという推測ですよ」
ただ単純にこの世界の人達の魂よりも、バカでかいというだけの話なんですが。
その大きさゆえに「完全なる世界」の術式の方が保たなかったんでしょうね。
ネギ君達も起き上がりました。
「大丈夫ですか、ネギ君?」
「麻帆良にいたような気がしたんですが…。何があったんですか?」
「皆さん『完全なる世界』に取り込まれかけてたんですよ。しかし、術式に異常をきたしてしまった。それは私の魂が普通ではなかったから、ですよね?ポヨさん」
「サラさんの魂が普通でないというなら、その可能性もあるポヨ。ならば力尽くで送らせてもらうポヨ」
ポヨさんの姿が魔族としての姿に変わっていきます。
「龍宮さん、お願いします」
私がそう言うと、龍宮さんが仕掛けた重力地雷が発動し、ポヨさんを押し潰します。
まぁ、それだけでは潰れないんですが、龍宮さんがさらに床を銃で撃ち抜き、重さに耐えられなくなった床がポヨさんごと落ちていきました。
「サラ、これも予想通りか?」
いつものように龍宮さんに声をかけられました。
「ええ、予想通りです。しかし、これは悪い予想ではありません。龍宮さんなら対抗できる、それだけの切り札があると知ってますから」
龍宮さんは魔族と人のハーフ、半魔族という存在ですからね。
「そこまで信頼されてるなら、それに応えないといけないな」
そう言いながら、龍宮さんは自ら開けた穴へと飛び降りていきました。
「龍宮さんっ…!」
「真名ならばきっと大丈夫でござるよ」
長瀬さんが心配そうに穴を覗くネギ君に声をかけます。
「龍宮さんが心配なら、早くフェイト達を止めることです。あちらの計画が失敗すれば、ポヨさんも諦めるでしょう」
私の言葉で意を決したように、ネギ君も全員に指示を出します。
まず、計画変更に伴い班分けのしなおしです。
第1班が脱出路であるパル様号とフライマンタの護衛。
これにはハルナちゃん、茶々丸さん、美空ちゃん、高音先輩、愛衣ちゃん、美空ちゃんのマスターのココネちゃん、フライマンタの持ち主ジョニーさんが担当します。
第2班はアーニャちゃんの救出です。
これはコタロー君、夏美ちゃん、和美ちゃん、さよちゃん、夕映ちゃん、ビーさんが行います。
第3班がグレートグランドマスターキーの奪取を行います。
これにはネギ君、アスナちゃん、せっちゃん、このちゃん、本屋ちゃん、長瀬さん、
戦闘も隠密行動もできない運動部4人組の亜子ちゃん、まき絵ちゃん、祐奈ちゃん、大河内さんはどの班も安全ではない中で、比較的マシだろうと思われる3班に入ります。
長瀬さんの「
実際は仮契約してない大河内さん以外は、この後フェイトガールズとの戦いで活躍するんですけど。
そして第3班の戦闘要員以外を長瀬さんのアーティファクトに隠し、ついに行動を開始します。
船の着陸地点から飛び出し、迎えうつ召喚魔をネギ君が術式兵装「
なんていうか、ネギ君の独壇場、ネギ君無双状態ですね。
私も能力で召喚魔の魔力を吸収したかったんですが、ネギ君が先行して接近戦で敵をあっさり倒してしまうので、何もすることができませんでした。
あっという間に螺旋階段の頂上に到着です。
ルーナさんが「天狗之隠蓑」から出てきて、この先の道程を説明します。
その指が差した向こうにデュナミスが待っているのでしょう。
魔力や気を隠さずにいるのがわかります。
この後すぐに戦いになるので、これ以降ネギ君に声をかける時間もありません。
なので、今のうちに一言声をかけておきましょう。
「ネギ君、何かあっても前を向いて歩き続けてくださいね。その先で皆待っていますから」
「え?それってどういう…」
「さぁ、皆さん。向こうにはデュナミスと月詠さん、フェイトガールズが待ち構えてますよ!気合を入れていきましょう‼︎」
ネギ君の疑問を遮って、皆にも声をかけます。
そして墓所へと通じる扉を開きました。
「ようこそ、
デュナミスが告げると、ネギ君が雷速瞬動で文字通り一瞬で近付き、攻撃を仕掛けます。
デュナミスは障壁で防御しますが、ネギ君は障壁を破砕し、さらに攻撃をします。
しかし、デュナミスはグランドマスターキーでネギ君を吹き飛ばしました。
やはり、もう1本出してきましたか。
あれも奪ってやりましょう。
長瀬さんの後ろに隠れて影の
転移先はデュナミスの後ろにいた竜族の子の足下。
「世界の命運を懸けた戦いに、傍観者を気取る者がいるのは面白くないな。どれ…『
長瀬さんの「天狗之隠蓑」に干渉されて非戦闘要員が追い出されてしまいましたが仕方ありません。
多分、彼女達なら大丈夫でしょう。
すぐに能力を発動し、魔力の糸でグランドマスターキーを絡めとります。
「っぐ⁈また貴様か、小娘!」
魔力を吸収されているからでしょう、デュナミスが少し呻きます。
グランドマスターキーを手繰り寄せ、影の袋に収めました。
これで残りは4本ですね。
フェイトガールズと月詠は皆のところに行ってしまいましたが、問題ありません。
デュナミスは私の能力範囲外まで離れてしまいました。
もう少し魔力を補給したかったんですがねぇ。
「はい、また私です。いいんですか、そんな普通の格好で?戦闘形態とやらにならなくて大丈夫ですか?」
「そこまで言うなら、いいだろう!我が戦闘形態、とくと味わうがよい‼︎ふんっ」
デュナミスが裂帛の気合いを込めると、被っていたフード以外がビリビリに破けてしまいました。
確かに筋肉ムキムキなんですが、おっさんの裸体を見せつけられても嬉しくありません。
この世代はアルビレオさんといい、ラカンさんといい変態ばかりなんでしょうか?
早く闇の魔素で全身を覆ってくれませんかね?
「では参るぞ?」
そう言って、魔素で作られた巨大な右腕を振り抜きます。
迫ってくる拳を右腕と左手で逸らし、
「
その右腕をスパッと斬り落とします。
能力は発動したままなので、すぐにその魔素も吸収しました。
「何だ…その能力は⁈」
そう言いながら、右腕を魔素で編み直し両方の拳で正拳やら裏拳を打ち込んできます。
「頭がいいデュナミスさんですから、気付いてるんでしょう?」
それらを悉くいなしながら、魔素を吸収します。
「馬鹿な⁈それはあり得ない!」
「では、先程からあなたが感じている倦怠感はなんですか?私に近付くにつれて、触れられるにつれて、魔力が抜けていく感覚も強くなっているんでしょう。ならば私の能力も予想がついているはずです」
「…魔力を吸収できると言うのか⁈」
仮面を被っているのでわかりませんが、声だけ聞くと驚いているようですね。
そして動きが一瞬止まりましたが、その一瞬が命取りです。
両手の指先に「断罪の剣」を装備し、デュナミスの肩から生えてる大きい方の両腕を細切れに斬り落としました。
さらに虚空瞬動で足場と勢いを作り、回し蹴りでデュナミスを吹っ飛ばします。
ネギ君を見ると、本屋ちゃんとちうっち、アスナちゃんを杖に乗せ、墓所の上層部へと向かいました。
その進行方向の空間に亀裂が入り、デュナミスの腕がネギ君の腹部を貫きます。
「不覚を取ったが、悪の秘密組織の大幹部を甘く見てもらっては困る。簡単には行かせぬよ」
甘く見たわけではありません。
フェイトと戦うためには、ここで「
ちゃんとこちらへ戻ってくると信じてますよ、ネギ君。