掲示板にいたヤチヨを偽物だと思って煽り倒したら本物にリア凸されるバカ 作:きゅうりにや
想像の10倍くらい見ていただいてめちゃくちゃ嬉しいです
今回の話は出会ってから3年以上経って主人公が高校卒業した後。テーマは「少し重めな感情を向けてる相手の性癖を覗いて暴走するヤチヨ」です。…あれ?前回とやってること同じでは?
ワインニキ帰国シーンですが、1990年代説と1960年くらい説があるらしいので当小説では1990年代説を採用し、1話2話が2010年代のどこかってことにします。
ワインニキ帰国→yachi8000ネットの海で大暴れ→ワインニキ何かの用事で来日→転生者煽りカスと遭遇(1話目)ってことにするとワインニキがナイスミドルなことにも説明つく、はず。あとは個人的にワインニキには健在で見届けてほしい気持ちがある。
「やぁ、久しぶり。すまないね、急にお邪魔して」
「お久しぶりです!何言ってるんですか。カーター氏ならいつでも大歓迎ですよ。今お茶淹れますね」
「あぁ、ありがとう」
久しぶりに茶飲み友達のカーター氏が尋ねてきた。仕事が仕事だからもう1年以上の再会に思わず笑みが溢れる。出会ってからもう数年経つが相変わらずのダンディだ。ほんといい歳の取り方してて憧れる。
「それよりもいつもいつもお土産品送ってもらっちゃってすみません。何か返せれば良いんですけど…」
「なに、贈りたくて贈っているんだ。気にしないでくれ。ヤチヨ用も合わせてるわけだしね。それに君だって毎回お土産をくれてるじゃないか。お互い様さ」
ありがとう、と言いながら湯呑みを受け取るカーター氏。一昨年の誕生日に贈った湯呑み。なんとなく宇宙をイメージするような濃い青色でグラデーションになっている湯呑みはずいぶんとカーター氏の手に馴染んでいる。
冗談だと思っていた茶飲み友達だが、ヤチヨという共通の友人もできた影響もあり、定期的に家に招いてゆっくりと話をするようになっていた。多い時には月一回来てくれたこともあったな。
「それで今日はどうしたんですか?何か伝えたいことがあるってい——」
「まぁそれは後々ね。それよりも去年の末に孫が産まれた話はしただろう?それでふと、君はそういう話はないのかなと気になってたんだ」
『会話はヤチヨに聞かれている』
「ッ…!」
言葉を遮られ、普段話題に出さないような話と共に掲げられた紙を見て思わずカーター氏の目を見る。
カーター氏はゆっくりと頷いてさらに話を続ける。
「ヤチヨに振り回されっぱなしだけど、浮いた話はなかったのかい?学校じゃ友人も少なくなかったんだろう?」
元ネタ的に緊張感出したけど、ヤチヨが盗み聞きしてるのなんてザラにあるのよな。テーブルのヤチヨ専用席。そこに鎮座するヤチヨ専用のタブレットにはその姿が映っていないが姿を見せないだけで居る時は居るのである。スリープモードの時は分体も寝るから流石に出来ないらしいけど。
「話する程度ですよ。放課後は全部ツクヨミのための勉強ばっかでしたし」
「それもそうか。一時期、よくヤチヨが怒っていたよ。君が寝る時間も削って無理をしているけど自分のためにしてくれているからあまり強くも言えないって」
「たまに直接注意されてましたよ。いつまで起きてる〜人の子よとく眠れ〜って。倒れた時なんかは初遭遇の時みたいな勢いで怒られましたし」
「あの時ほど心配そうにしてたヤチヨはなかったよ。まぁ過去の話を聞けばそうなるのも理解できる。ところで、あの時に看病しにきてくれた女生徒がいたと思ったが、あの子なんかとは何かなかったのかい?」
「それが看病に来てくれた時にヤチヨが顔出していたらしくて『二次元しか愛せなくて自作のキャラに心配してもらってる人』って勘違いされてまして…今もたまに連絡はとってるんですが、否定も肯定もできず…」
「それは……残念だったね……」
『この情報の取り扱いについては君に一任するつもりだ。ヤチヨに伝えるも伝えないのも君のしたいようにすればいい』
「いやまぁどのみち彼女作ってる暇なんてないですからね。付き合ったところで時間取れなくてギスってフラれるのがオチですよ。俺なんかに時間使わせるのも申し訳ないですし」
「そうか……前から言おうと思っていたが、君は自己評価が低すぎるきらいがある。友人のために全力で頑張れる君のことを、私は友人として誇りに思うよ。なんなら私の親戚の娘を紹介してもいい。もちろん紹介した後については君次第にはなるだろうが、相性さえ良ければ悪いことにはならないだろう」
……もしかして本国に存在がバレたとかか?でもそれなら俺に話を通す意味はないし。可能性があるとしたら俺がヤチヨの邪魔になる可能性が出てきたからフェードアウトした方がいいとか、か。親戚の紹介も一族に取り込んで守りやすくするとか良くある話だよな。そういうところまで考えてくれそうだし。
「そうだ、君の好みのタイプも聞いたことなかったな。率直にどんな好みがタイプなんだい?」
『ヤチヨが君のFAMZA購入履歴を閲覧した可能性がある』
「ヤチヨ!!!てめぇ!!!人の性癖勝手に覗いたな!!!」
人の心!!!絶対やっちゃダメだろうが!!!
「ヒィ!カーター氏!テンセイには内緒にしてって言ったじゃん!てか今どうやって伝えたの!」
タブレットの画面がついて頭を抱えるヤチヨが現れる。やっぱ居たな貴様。て言うかこの前プレゼントとか言ってたアバターネームのテンセイはリアルでも継続するんかい。
「ヤチヨ、私は常々言っていたね。監視もほどほどにしないと愛想を尽かされるよ、と。流石に今回の件については同じ男として彼に同情せざるを得ない。それになんでも監視できると思ったら大間違いだと身をもって知るといい」
最近妙によそよそしいなと思ったらそういうことだったのか。怒りよりも恥ずかしさが込み上げてくる。見られて不味い履歴何かあったかを必死に思い出すが普通の性癖しかない、はず。
「ちなみにカーター氏、どこまで聞きました?てか、どんな話の流れでこの状況になったんですか…?」
「そうだね。初めから説明しようか。あれは4日ほど前のことだ——」
*
*
*
「カーター氏、ちょっと、聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「おや、ヤチヨ。いらっしゃい。どうしたんだい急に。こちらにくるなんて珍しいね」
「ちょっと相談というか、聞きたいことがあってさ」
「他ならぬ君の頼みだ。できる限り力になろう」
「あの、さ。実は、テンセイがヤチヨが寝るたびにコソコソと何かしてたから気になってて」
「ふむ。まぁ彼も年頃だし、そういうこともあるだろうね」
「検索履歴とか閲覧履歴とかアクセス履歴とか色々調べたらエッチなサイトの履歴がたくさん出てきてね」
「」
「男の子がそういうの興味あって必要なのは分かるんだけど、その、FAMZAってところの購入履歴に『銀髪儚げ長命種お姉さんによるトロトロ甘やかしボイス』ってのがあって、あと二次元の女の子のやつしかなくて…ヤッチョのことそういうふうに見てるのかなぁってちょっと気になっちゃって」
「」
「カーター氏、来週久しぶりに日本来るんだよね?その時に聞いてくれないかな?」
「……一応聞くが何をだい?」
「その、テンセイってどんな女の人がタイプなのかなって。あとちゃんと現実の女の子の好きになれるのかなって。心配になっちゃったけど、ヤッチョが直接聞いても本当のこと言わなさそうだから…ダメ、かな」
*
*
*
「だいたいこんな感じだった。あまりのことに言葉が出なかったのは久しくなかったよ。今日ヤチヨの話に乗ったのはヤチヨに少しお灸を据えようと思ってね。あとは単純に君の好みは知りたかった」
余計なお世話すぎる!いやカーター氏じゃなくてヤチヨの方…カーター氏が好み知りたかったのもよく分からんが。とにかくヤチヨ!息子が二次元にどハマりして結婚できるか心配になる母ちゃんみたいなことすんな!
「見られた可能性じゃなくてガッツリ見られてるじゃないですか!そしてヤチヨ!覗いた挙句にあらぬ疑いをかけてるんじゃねぇ!今日日親でもそんなことしねぇぞ!」
しかもよりにもよって見られたのそれかよ!
「だってだって!ヤチヨにいっぱい時間割いてくれてるじゃん!その上あんなの見つけちゃって…それってやっぱヤチヨのこと好きなのかなって!でもヤチヨには彩葉が居るし、でもテンセイはヤチヨのこと支えてくれてるし、思い出を共有できる唯一の存在だし、でもヤチヨは8000歳のおばあちゃんだし、電子の海の生き物だし、輪廻のことだってあるしって色々考えてたらぐちゃぐちゃになっちゃって分かんなくなっちゃったんだもん!」
タブレット画面の中でうにゃー!と駄々をこね始めるヤチヨ。こ、こいつ自分で言ったこと覚えてないのか!ヤチヨのお願いだからやってんだぞ!
「そもそも時間割いてるのは無茶振りするからだろ!ヤチヨが言ったんだぞツクヨミの開発手伝えって!そんな無理難題がなければもう少し若者生活楽しんでたわ!」
「やっぱ無理してくれてるんじゃん!じゃあ恩返ししなきゃってヤッチョは思うんだよ!『銀髪儚げ長命種お姉さんによるトロトロ甘やかしボイス』だって頑張って覚えたんだから!「お帰りなさい。今日もお疲れ様。ご飯にしますか?お風呂にしますか?それとも…あっ、ふふっ。こんな玄関先で抱きついたら危ないですよ。動く気力もない?じゃあ先にお風呂ですね。大丈夫ですよ。一緒に入って、なーんにもしなくても綺麗に洗ってあげますからね。隅から隅まで、ね?」ほら!私だってテンセイを甘やかせるんだよ!」
ぬおおおお精神攻撃!カーター氏の目がおいたわしいものを見る目になってるじゃねぇか!そんなに疲れていたのかってボソッとつぶやいてんじゃん!
「ほら!じゃねぇよ!タイトル読み上げんな!冒頭部分も妙に力入れて演技すんな!なんでそんな行動力ぶっ飛んでんだよ!何よりヤチヨは儚くはないだろ!」
「なぁっ…!ヤッチョは儚いだろ!触れれば崩れそうな儚さがあるでしょ!彩葉に会いたくてその一心で頑張ってきたその信念が実はもうボロボロで何かの拍子で折れてしまいそうな儚さがあるでしょ!」
「そんな儚さがあるやつが人の性癖を覗いて勝手に妄想膨らませるわけないだろ!いい加減にしろよほんと!勝手にタブレットに来るの禁止にするぞ!そもそも、きっかけはどうであれ悩む必要なくキモい無理死ねで拒絶して終わる話だろ!」
「!!!なんでそんな意地悪言うの!テンセイだって——」
「そろそろそこまでにしようか2人とも。それ以上は売り言葉に買い言葉になってしまう」
お茶を淹れ直していたカーター氏から待ったがかかる。受け取ったお茶を飲んで心を一旦落ち着かせる。あ、美味しい。カーター氏また上手くなったな。
「ヤチヨ、先ほども言ったが心配だからと何でもかんでも覗いていいわけじゃないんだよ。親しき仲にも礼儀ありだ。やっていい事とやってはいけないこと、その分別をつけなければ本当に離れてしまうよ。それに他人に姿を見せたのも迂闊すぎる。たまたまその女生徒が無害だったから良かったが、例えば他人に話していたりしてたら彼にも危険が及ぶ可能性があった。焦ると視野が狭くなるのも君の悪い癖だ」
「うっ、その通りなのです…」
ヤチヨも少し落ち着いたのかよよよ、としょんぼりとしている。しょんぼりって最近全く聞かない表現なのにこんなピッタリ合う場面あるんだな。
「そして君もだ。今回の件に関しては完全に被害者だ。ヤチヨに隠していたのも責められるべきことではない。当然の配慮だからね。ただ、ヤチヨが君のことを心配する気持ちも分かってやって欲しい。それに最後のセリフ、あれは言っちゃいけない事だって分かるね?君の言う原作に君がいなかったとしても、ヤチヨにとって君はもう大切な友人なんだ。大切で切り捨てられる存在じゃないからこうして悩んでいたんだよ」
今度はこちらにカーター氏が振り返る。その表情を見てなんとも言えない気持ちになった。…こんな表情させるくらいには彼にも心配をかけてたんだな。
「自己評価が低く、自分がいてもいなくても同じだからと自分のために時間を使わせるのを嫌がる傾向にある。そのせいで誰かに頼らずに自分の力でどうにかしようとすることが多い。そう言う部分がヤチヨの想い人と重なってしまってヤチヨの心配が重くなった。君はもう少し、周りに甘えて欲しい」
気恥ずかしくて目を逸らしてしまう。親にも優しくしてもらっている。ただ、それはあくまでも親であるから。親が無条件に優しいわけじゃないのは分かってるが、それでも前提となる関係性があるのは確かだ。それがこんな不確定要素でしかなかったクソガキを心の底から心配して気遣ってくれている。そのことがやけに嬉しくてむずむずする。
「繰り返しにはなるが、私もヤチヨも君のことはかけがいのない友人だと思ってるんだよ。無理しないでくれとは言えない。ただ頼って欲しい。迷惑とか、邪魔とか何も考えず自分の都合だけでまずは頼ってくれないか?」
「これでも結構甘えてるつもりだったんですけど…これからはもうちょっと意識して頼るようにします、はい」
「今はその言葉を聞けただけで充分さ。ありがとう。さて、ヤチヨ。なにかいうことがあるんじゃかいかい?」
「テンセイ、ごめんね。ヤチヨ心配になっちゃってちょっと暴走しちゃった。でも、謝ってる身でこんなこと言うのもなんだけど、自分のこといらないみたいには言わないで欲しいな。テンセイもヤッチョにとって大切な人だから、だから……」
そのまま寂しそうな顔をして言葉を詰まらせるヤチヨ。そんな顔されたらもう怒らないなこれじゃあ。
「ハァ…いいよもう。ちょいちょい盗聴してたのは知ってたし。こうなるのも時間の問題だっただろうし。過ぎたことだし俺も不安にさせて余計なこと言ったのは悪かった。それはそれとしてプライバシーとか人間については今一度勉強してほしいけど」
「うん、うん。ありがとう、テンセイ。ごめんね。」
「さて、これでひとまずは解決かな?後の細かいことは2人で話し合ったほうがいいだろ。また拗れそうなら連絡してくれ今度はオンラインで三者面談しよう」
そう言いながら帰り支度を始めるカーター氏。その姿がなんだか学校の先生みたいで笑ってしまう。
「ごめんね、カーター氏。こんなことに巻き込んじゃって」
「なに、自分から巻き込まれにきただけさ。それに下手に掲示板なんかのネットに頼られるより幾分もマシだったよ。それこそ収拾のつかないことになってただろうからね。まぁ、この歳になって親のような悩みをまた抱えることになるとは思わなかったが」
「俺からも遠いところ、わざわざありがとうございました。せっかくのお休みなのにすみませんでした。これまたお土産によかったらどうぞ」
ヤチヨを持ちながら玄関先まで見送る。前日に準備しておいた手土産も渡すのを忘れない。今回は高級店の羊羹のセット。ひとつは通常のものでもうひとつは切る場所によって柄が変わるいわゆる錦玉洋羹である。久しぶりなこともあり、ご家族にも楽しんでもらえるように少し奮発した。
「ありがとう、君の選ぶものはどれも良いものばかりでね。妻も楽しみにしてるんだ。実は今日寄ったのはちょっとした仕事の帰りだから休みってわけでもないんだよ。時間内に終わらなかったら明日の便で帰る予定だったが、思ったよりもすんなり解消して何よりだ。私も安心して眠れるってものさ」
ほんとなんでこんないい人に気をかけてもらえてるんだろう。現金なものだがその事実が嬉しくて仕方ない。
「そうだ。親戚の件だがね、君が前向きであれば紹介するのもやぶさかじゃないよ。流石に銀髪はいないがね」
玄関から半分体を出して顔だけこちらに向けながら去り際にそんなこと言う。唖然としてる間にそれじゃまたね親友たちとウインクしながら帰ってしまった。歳を重ねるごとに茶目っ気が増している。なんだあの聖人は。なんか思ってる以上によく思われてんだな。こんなことで絆を再確認できたのが少し嬉しくて、しばらくそのまま閉じた玄関を見つめていると、視界の端で遺影みたいな持ち方をしてたタブレットの中でプンスカしてるヤチヨに気がつく。
「どうした?急にご機嫌斜めになって」
「べっつにー?なんでもないけどー?」
「いや明らかになんか機嫌悪い……もしかしてカーター氏が最後に言ったこと気にしてんの?」
それまでプンスカしてたヤチヨがキョトンとした様子になり、次の瞬間に慌ただしく言い訳じみたこと言い始める。
「いや!いや!そんなわけないじゃん!お見合いの話出た瞬間妙に嬉しそうにしてるのが嬉しいけどモヤモヤする、なん、て」
ヤチヨの顔が途中から少しだけ顔が赤くなっていく。こいつ言ってて自分で気づいたな。
「アッハハハハハ!!!ヤチヨ!もしかして嫉妬したのか!ハハハハハ!人の恋愛事情の心配したり嫉妬したり忙しいやつだな!ハッハッハ!」
もうおかしくて笑うのを我慢できない。こんなくだらないことで悩んで自分の気持ちの整理もつかなくて、どんな奴よりも人間だよヤチヨは。
「そ、そんな笑わなくてもいいでしょ!それに嫉妬じゃないし!」
「分かってる分かってる。嫉妬じゃなくてちょっとした独占欲出ちゃっただけだよな。あーおっかしぃ」
顔真っ赤にしながらムムムムムってわなわなと肩を震わせてるヤチヨを見ているとなんとなく愛おしく感じてしまう。
「しばらくはそんな余裕ないよ。ツクヨミだってまだ完成してないんだ。秘密を知る人間は少ないほうがいい。彼女なんて作れるわけないだろ?」
「でもそれじゃヤチヨが、ヤチヨのせいで人生縛ってるってことじゃ——」
「ヤチヨには感謝してるよ。転生したことなんて誰にも言えなかったんだから。掲示板でさ、ヤチヨを煽り倒した時もほんとは嬉しかったんだよ。同じ転生者がいる、前世で見たアニメとかの話ができるかもって。まぁ実際は本物のヤチヨだったわけだけど」
テーブルに戻り、ヤチヨを定位置に戻す。正面に座ってヤチヨを見つめる。俺の大切な友人であるヤチヨ。今まで感情を向けるのが怖かった。拒絶されたらどうしようって悩んだ。けどヤチヨが先にぶつかってくれた。なら俺も思ってること全部ぶちまけないとな。
「転生者じゃなかったけど、似たような立場で、前世で見た作品、今の俺にとっての昔話の登場人物で、前世の話ができる存在。そんなヤチヨを放っておいて自分だけ幸せになるなんて俺には出来ねぇよ。俺にとってもヤチヨは大切な友人なんだから。大変だけど退屈しない今の日常は俺にとってかけがえのないものだから。俺にとっても大切で大好きな存在なんだよ、ヤチヨ。だから、これからもよろしくな」
「もう、そう言うこと急にサラッと言うのずるいよね、テンセイは」
なるべく綺麗にまっすぐ伝わるように紡いだ言葉を受けて、少し呆気に取られたあとに仕方なさそうに少し嬉しそうに笑うヤチヨ。その表情はやっぱりこの世で1番綺麗だった。
カーター氏
言わずと知れたワインニキ。主人公は気のいい茶飲み友達でありヤチヨのことを任せられる貴重な友人。徐々に疎遠になっていたヤチヨとの交流がアホの奇行によってまた増えたことに感謝している。
誕生日プレゼントの湯呑みは実は2つある。主人公は予備のつもりで渡したが、1つは本国で使い1つは主人公の家に置いてもらってる。「これでいつでも君の家で茶をしばけるだろう」とカーター氏。主人公は夢女子だったら死んでいた。ちなみに湯呑みは萩焼の2個で7〜8000円くらいのやつ。
ヤチヨと主人公が妙に相性が良過ぎてヒートアップしやすいのをうまい具合に宥めてくれる頼れる大人。内心呆れ半分楽しさ半分である。
ヤチヨ
彩葉たちの話を出来る今日な相手であり、忘れかけていた記憶を思い出させてくれた恩人であり、やって見たいことを言えば文句を言いつつ一緒にやってくれる大切な友達。それが主人公。そんな相手が①1人暮らしで②親とろくに連絡取らず③ほぼ毎日バイトバリバリで④家ではひたすら勉強とヤチヨのわがままに時間を費やして⑤食事はロクなもの食べていないというどっか誰かみたいな状況の主人公を見てソワソワしてた。案の定、ぶっ倒れて怒りと不安で泣きながら怒った。肉体がない自分にできることがあまりにも少ないことに気がついてめそめそ。そしてまた重い女になった。今回のカオスでまたさらに重くなった。恋愛感情はない。あくまでもそれは彩葉だけのものである。(過激派)
少し前に名前を贈った。もちろん本名はあるので、いつかツクヨミで活動する時用のアバターネーム。贈った理由は彩葉から最初にもらった宝物を大切な友人にも贈りたかったから。ツクヨミができる前に配信に引っ張り出してそこでお披露目コラボ配信にしようかと密かに計画している。
主人公
本名より先にアバターネームが決まったアホ。罪悪感と異物混入の責任としてツクヨミのお手伝い。それはそれとして楽しんでる。自分はいてもないなくても変わらない存在だと思ってるためせっかくなら楽しもうと思ってる。それはそれとして邪魔と判断されれば潔く居なくなるつもり。今回もヤチヨの邪魔になるなら…と身構えたところに予想外からの一撃を喰らった。お前それはやっちゃダメだよ…
カーター氏からの説得とヤチヨの態度を見てもう少し自分のプラスの感情をぶつけてもいいんだって学んだ。後ちゃんと現実の女性も好きです。ほんとだよ?ヤチヨに対してより重い感情を向けられる相手ができるかは今後の活躍に期待。
ちなみに例のボイスは一度も使ってはいない。ただ眠れない時の睡眠導入ASMRとして何回か聞いている。内容は2時間の超大作で最後に一回だけエロシーンがあるタイプ。そのためソレ目的の紳士諸君にはあまり好評ではなく販売サイトでの評価はそこそこ。
クラスメイトの女生徒
委員長。定番ですね。主人公のヒロイン候補?文化祭の機材の手配ミスや各種書類作成などで超無理限界ギリだったところをたまたま気がついた主人公に助けてもらった。それまで授業中早く寝てるくせにテストの点数だけは良い、誰かと話してるところも見たことないよく分からない男子と言う印象が一変した。ちなみに主人公はこれがきっかけでクラスに溶け込めた。以降いることは決まってるが、今後出てくるかどうかは神のみぞ知る。
作者
隙自語の駄文製造機。前話ではウミウシの味覚と嗅覚についてとお茶の旬や種類、あとはネットミームについて調べてた。今回は湯呑みの種類とFA◯ZAの改名時期、あと羊羹について調べた。絶対に調べるべきところはそこじゃない。
ほんとはこんな重ための話にするつもりはなかった。なんなら最初は2000文字いかないで終わってたし、書けば書くほど全員キャラ崩壊してる気がしないでもない。でもヤチヨ!手が!手が勝手に!この手が悪いんです!後書きだってこんな長文書きやがって!本文を書け本文を!