冷静に考えてみた。
魔法使いってすごくないか?
この前は血が足りなくてあまり考えられなかったが、だんだん治ってきた今ならわかる
そう昔、俺は魔法使いに憧れていた。
きっかけは単純で、ゲームだった。
RPGを初めて買った俺は、魔法のエフェクトの迫力に圧倒された。俺もこんな技を使いたい!と、友人に石を投げつけ「メテオ!」とかアホやってたこともあったっけか。
まぁ、実際なれるわけがなく、元の世界の魔法使い(意味深)にもならなかった。
二日経った。
慧音たちが心配してそうで気が気でないが、どのみち今の俺はただの慧音の重りになる。
それに、こうやって魔道書を読むだけで楽しくなってくるんだ。
なぜかって?それは、あれだ
元の世界ではまったく理解することのできなかった特殊理論や、魔道書を読むための言語など、あたらしい知識を取り入れるのが楽しくなってきた。もうすでに10冊以上読んだのだが、だんだん魔術に対して耐性がついてきたのがわかる。あの上級本に触れてもある程度平気になってきたんだ(内容を見たら頭痛がひどくなったが)。昨日魔理沙が来て、俺の魔道書の読破ペースに驚いていたようだ。
そして、俺がけがをして四日目。今日も魔理沙が来た。
「香霖、邪魔するぞー」
今思ったのだが、この子らは女の子しゃべりできないのか?妹紅といいお前と言い。
「あぁ、八卦炉の調整は終わったよ」
「サンキューな」
香霖(俺もこう呼ぶことにした)が魔理沙に何かを渡す。好奇心からそれが何か尋ねた
「これはミニ八卦炉。僕が作ったマジックアイテムさ」
マジックってことは魔法に関係するのか……
「そうそう、君にはこれを作っておいたよ。今日から修行だって聞いたから」
そういって渡されたものは杖だった。
しかし、形が賢者の杖っぽい以外なんの変哲もない杖。特に魔術的な力は感じなかった。でも、やっぱりこれって本当は……
「あぁ、バランスを取るのに使ってくれ」
……まぁ、本来の役割なんだが、少々残念。そして何気にいい素材でできてるのが……
「……で、ある程度の知識は知っている前提で行くぞ?」
そして、魔理沙から直接魔法を習う時が来た。
「まずは……これをやってみろ」
そういって魔理沙は近くの枯れ木に魔法で火をつけた。
「火、水、雷は魔法の基本だからな。まずは火だ」
「……よし」
魔道書をよんである程度の魔力は扱える。これであとは形にするだけだ……
俺はガスコンロの火をつけるイメージでやった
ボッ…… 火が付いた
「熱ッ!!」
しかし、俺のゆびに直接……
「アホか、もっと遠くに飛ばすイメージでできないか?」
よ、よし……
そこでふと疑問に思った。
「……なぁ、詠唱って必要か?」
「ん?あぁ、まぁ最初のウチはな。慣れてくると大技以外の基本技の詠唱は必要ないんだ」
よし……魔道書の通りに詠唱を……
「ブツブツブツブツ……」
ボッ…… 火が付いた
「うーん、お前詠唱に気を張って力の放出ができてないぞ……」
「う、」
……まさか、こんなに難しいものだとは思わなかった……
その後、三時間ほど続いたが、うまくいくことはなかった
「はぁ……はぁ……」
「まいったな、ここでつまづかれると、どうしようもないぞ」
「ハッキリいいやがって……」
「うーん。技術の面だけじゃなくてさ、もっとイメージで技を出せばいいんじゃないか?」
イメージ……いめーじ……これか
▽たたかう
くろまほう
しろまほう
たたかう
▽くろまほう
しろまほう
たたかう l ▽ファイア
▽くろまほう l
しろまほう l
◆
「ファイア!!」
そしたらイメージ通りに火を放つことができた
「お、それだ!今みたいにやればいいんだ!」
「おう、なんかコツつかんだ」
俺はその後、サンダー、ブリザド を覚えることができた。
だが……
「……はぁ……ひぃ……」
「んー。あんたいいセンいってるんだけど……年齢も考えた方がいいぞ?」
どうやらMPが底をついたらしい。スゴク辛い。魔理沙から変なキノコをもらい少し楽にはなったか。
「……てか、まだ俺は30だぞ……」
「今から始めるのは少し遅かったってことだ。じゃあまた明日くるから、休んどけよ」
そういって、魔理沙は箒で飛んで行った。
「……レビテト」
そう唱えると体が浮いた。しかし数センチ。
「……これじゃあカッコ悪いよな……」
今度は空を飛ぶ魔法でも教わるか……
「……ん、おかえり」
「あぁ、ただいま……」
もうここに住み着いてしまったようだ。私は。
とりあえず、体の汚れを落とし、食事を終えひと段落がついた。
さて……おれは魔道書に手を伸ばす。
どうやら、読むだけでMPが増えるらしい。なんてすばらしいアイテムだろう。
……今更だが、魔法を使う時には、わかりやすいようにゲームの単語で呼んでいる。実際MPとか魔理沙に言ったら「?」マークが浮かんでいた。
「どうだった?杖の使い心地は」
「あぁ……杖としての機能はよかったが……どうせなら魔術的な力もつけてくれればよかったのに」
「そうか……その考えはなかったな」
おいおい……
「わかった。そのうち改良しておくよ」
そのうち……か
俺はいつまでここにいるつもりなのだろうか……。
どうやら次の満月は来週……八月十五日だそうだ。
せめて……ミスティアと慧音……そして妹紅にお礼はいいたい。
そうなるとやはりいつまでもこうしてはいられまい……。
そう思った俺は魔道書の読むペースを上げた。
少しでも……少しでも早くに魔法を身につけておきたい……。
俺は香霖が寝たことにも、夜が明けたことにも気づかず、ただ机の前に向かっていた。