おっさんが幻想入り   作:柊の花

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妹紅の喋り方が中性的な所為で、沖田との区別がつけにくい事に気が付いた。原作では女の子(これも微妙だが)なのに、妹紅と言ったら男勝りな性格がしっくりきて仕方ない。



異変?

「いない?どういうことだ?」

妹紅に説明する。もしかしたら博麗の巫女は、何か異変が起こっていて、既に解決するために動いている可能性もある。

「とりあえず、この子は俺の魔法で応急処置をする」

ケアルを唱える。俺の魔法はまだ弱いが、それはこの妖怪の回復力でなんとかなるはずだ。

「どうするんだ?妹紅」

「……とりあえず里に行ってみよう。嫌な予感がする」

嫌な予感。俺も薄々気づいていたのだ。弾幕ごっこはこの先でも行われている事に。

もしかしたら博麗の巫女か、ほかの奴がこの子を傷つけたのかもしれない。

だとしたら、無駄な戦いはやめるよう止めるべきだろうか。

俺は妖怪退治とか、異変解決がどういう仕事なのか知らないが、この子らの見た目が人間に近いだけに、やりすぎだと感じる。

「おっさん、こっから先は空を行くぞ」

「空?」

「陸だとどこから襲われるか分からんからな」

襲われるって……

「どうやら、今日は妖精や妖怪たちの気性が荒くなってる。用心したほうがいい」

それは戦うという意味なのか。先に飛んだ妹紅を追いかけるべく、俺も空を飛んだ。

「妹紅、先に言っておくが、俺の飛行スピードは超低速だ」

実際には俺は空を飛ぶ魔法は持っておらず、幾つかの魔法を組み合わせて浮いてるに過ぎないのだ。

「安心しろ。私にくっついていれば問題ない。だからお前は攻撃を頼む」

そして、村に向かって進んだ。

 

「酷い光景だな」

妹紅がぼやいていたが、それも仕方があるまい。

俺たちを縄張り荒らしと思ったのか、妖精たちが弾幕を張り巡らせて俺たちを攻撃してくる。そのたびに俺や妹紅の攻撃によって落ちていく。さすがに、妖精も人間の見た目そっくりなため戦うのは気が進まないが、戦う利点もあった。

「こいつらを倒すとなんか光の玉が出るよな」

「? あぁ。それがどうした?」

「なんかあれを取ると力が出てくるんだよ。これが」

おそらく、妖精の魔力。ゲームで敵を倒すと経験値やパワーアップアイテムが出るみたいに。いままでの魔術修行がチュートリアルだとして、こっからは実際にモンスターを倒して強くなる。こんな体験を楽しいと感じる自分がいる。根っからのゲーマーか、俺は。

 

そこで、俺は陸に目がいった。

「……妹紅、ちょっと待っててくれ」

「ん?どこ行くんだ?」

空を飛んでいる最中、地面に落ちている光るものを見つけたのだ。

「これは……」

俺がミスティアにあげたペンダントだ。まさか

「ミスティア!」

俺は声を張り上げる。しかし返事はなく、変わりに妖精たちが襲ってくる。俺の中にはある考えがあった。ミスティアも犠牲になったのではないかと。

 

その時、近くで大きな音がした。

その音は、なにか金属同士がぶつかったような、鋭い音だった。

「! ミスティア!」

木の枝をかき分け、音のした方に進むと、そこにはミスティアがいた。しかし、名を呼んでも反応がない。

「怪我してるのか、待ってろ!」

辺りが血だらけで、いったいどこを怪我したのかわからなかった。それでも、回復魔法を唱える。そして、あることに気づいた。

「……ミスティア……お前腕が……」

腕がない。この大量の出血は左肩からだ。肩から下がない。俺もこの前右腕を失った。しかし、自分の時は気にしなかった状態が、ミスティアの事になったらとても焦る。とりあえず、ミスティアは魔法壁で保護しておいた。

 

「おっさん!」

妹紅の声、どうやら妹紅も気づいたようだ。

「妹紅……ついさっきまでここにいた奴は何処に行った」

気がつくと、俺は立ち上がっていた。しかし、すぐに駆け付けた俺がわからないのに妹紅が知ってるはずはない。

「おっさん、もしかして敵討ちを考えているんだろ? でもさ、ミスティアはこう見えても結構弾幕勝負は強い。でも、そのミスティアがこんな状態にされるってことはかなり危険な敵ってことだ。だから――」

「だが、敵討ちが出来なくても、ミスティアをこんな風にした奴を許すわけにはいかない」

「……だから、あんたがその気なら力を貸してやる」

驚いた。てっきり俺を心配して止めてくるのかと思った。まぁ、止められても、行ってたが。

「私も友人を傷つけられたら黙ってられないからな」

「妹紅……すまない」

「だが、どうやってそいつを見つけるんだ? 私はそんな奴見なかったぞ」

「安心しろ、いい考えがある」

 

***

「うーん、小骨が……」

「幽々子様、結局食べてるじゃないですか」

それにしても、この異変の犯人ってどんな奴なんだろ……

この異変に気付いたのはついさっき、本来なら満月であろうこの日、私たちは月見をするつもりだった。

しかし、幽々子様が満月が偽りの満月であることに気付き、自らこの事件の首謀者に会うつもりらしい。

で、私も付添い。今日が満月じゃないことに気付くのは妖怪あたりだろうから、てっきり霊夢は動かないのかなとか思ったりした。でも、どうやら霊夢は紫様と共に行動してるらしい。夜を止めたのもあの二人だろう。

 

その時、殺気を感じた。

「! 幽々子様!何か来ます!」

簡潔に行ったが、敵が来るという意図は伝わっただろう。

その瞬間、何もなかった空間から突如二人組の男女が現れる。私達と同じ異変解決かと思ったけど。

「見つけたぞ!貴様ら!」

初対面にも関わらず罵声を浴びてしまった。

「……どうやら敵ですね。とりあえず斬っておきますか」

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