「うえ~」
「……大丈夫か?おっさん」
遭難二日目、当たった。弁当に。
「まぁ、普通に考えれば夏に常温保存は危険だよな」
「……おまえは平気か?」
「私は問題ないが……」
若さっていいなぁ……いや、そういう問題じゃないだろ。
「おっさんが動けないなら、今日もここで過ごすか?」
「あぁ……早く家に帰りたい」
「子供みたいなこというなよ」
「お前は逆に子供のくせにしっかりしてるよ」
「うぇ~」
さっきよりもひどくなった気がする
妹紅がいろいろな果物や水を持ってきてくれるが、一向に良くならない。
「おいおい、本当に大丈夫なのか?」
「……大丈夫だ。それよりも歩こう」
「いやいや、ムリすんなよ」
はやく帰らんことには安心して寝ることすらできない。妹紅にばっか看病させるのもかわいそうだし……。
いや待て、今もしかして慧音の世話になろうとしたのか?
ん?慧音……
「慧音!!」
「あ」
しまった。ついこっちに夢中で慧音の事を忘れていた。てか妹紅、お前もか。
「……大丈夫だよな?あいつ大人だし」
「いや、それでも心配でしょ……」
「……やっぱり先を急ぐか」
「ああ。ちょうどいい杖も見つけておいたさ」
「ありがとう妹紅」
一時間後。
うぅ、腹痛と肉体的疲労のせいで汗が止まらん。体力が倍減っている気がする。
「おっさん、休むか?」
「……妹紅、俺を置いていけ」
「まったくしょうがないな。わかった」
「……え、本当に行く気か?」
「おまえはどうしてほしいんだよ」
う、格好つけたかったのに。
そんで返す言葉を考えていると……
「ん?あんたらここでなにしてるんだ?」
ひょこっと茂みからミスティアが現れた
「あぁ、ミスティア。ちょっと食あたりになってしまって」
「そうか……じゃあ、この薬草を食べな。楽になるよ」
「おぉ、ありがとう」モグモグ
「じゃあ、私は山菜採ってくるから」
「あぁ。ありがとうな」
そういってミスティアが飛んで行った。
「……おいおっさん」
「……妹紅……そうだったな」
「待ってくれミスティア!!俺たち遭難しているんだ!!」
その後、俺たちはミスティアの案内のもと、無事人里へと帰ることができた。
「すまなかったな、ミスティア」
「いんや、山菜取りも手伝ってもらったし」
「そういやおっさんってこいつの屋台で働いてるんだっけ」
「ミスティア・ローレライよ」
「あぁ、そうミスティア。私の事は妹紅と呼んでくれ」
「じゃあ妹紅。今回のお返しとしてでも、いつかうちの屋台にきなよ」
「あぁ。そうさせていただく」
なんだ、二人とも初対面だったのか。道中口喧嘩してたから知り合いかと思っていたが。
「じゃ沖田、明日よろしくな」
「あーもう日曜か。わかった」
結局、キャンプも楽しめず、とんだサバイバルになってしまったな
「……で、妹紅。慧音はどこにいるかね」
「とりあえず、家に行ってみてさ。いなかったら……」
「……怒られるよな。絶対」
「おっさんのせいだからお前が謝れよ」
「わかってる」
しかし、慧音の家にもキャンプ場にもいなかった慧音は、俺たちを探していて同じく迷子になっていたそうだ。