バ☆ン☆ド☆王-少女達の決闘王国-   作:ツナ缶マン

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おはよーございます。

えっ?《ロキ》とか《トール》出すくらいなら、《バロネス》なり《承影》なり出したほうが強いって?
おっしゃる通りですが
うーん。1ターンで《極神》を3種類コンプする方がロマンが詰まってますからね。
それを成し遂げたイヴちゃんがロマンの塊過ぎる……

と言うことは置いておいて……そこからの続きになります。





仇討3-絶望の中で芽吹いたモノ

若宮イヴ LP:4000 手札:0枚

 

<若宮イヴのフィールド>

極神皇トール ☆10 ATK3500

極神皇ロキ ☆10 ATK3300

極神聖帝オーディンロキ ☆10 ATK4000

極星工イーヴァルディ ☆4 DEF700

 

伏せ2枚

 

vs

 

白金燐子 LP:4000 手札:5枚

 

 

「リンコさんのターンです…!!」

 

「うぅ……」

 

先行1ターンでイヴが超大型のモンスターである《極神》3体 が呼び出して従える。

 

その光景を見た燐子は心が折れかけてしまい、ターンを進める素振りすら見せずにその場を動かなくなってしまっていた。

 

「リンコさん……?」

 

「どうしよう……」

 

 

「リンコさん……」

 

「うぅ……」

 

 

「リンコさん」

 

「ぁ………」

 

ターンを進めない燐子の事が気になったイヴは呼びかけてみるが、その言葉が耳に入っていないのか燐子はどうすればいいかと1人でオロオロし始めている。

 

イヴは何度か呼び掛けたが声を燐子は声に答えないで1人の世界に逃げ込んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

「リンコさん!!」

 

「っ……!?若宮さんが……怒ってる………?」

 

そんな状況に耐えかねたのかイヴが彼女にしては珍しい大声で燐子を呼ぶと、流石にそれには気がついたのか燐子はイヴの方へと視線を向けるが、燐子の視線の先にいたイヴは彼女らしからぬ怒りの様子を見せていた。

 

「リンコさん!!何処を見てるんですか!!」

 

「えっ……」

 

 

「……今は私との勝負の最中です!!」

 

「でも……」

 

イヴは燐子が自分のモンスターを見て委縮して自分を見ていないことを見抜いており、その事を指摘すると燐子は困惑した表情のままイヴからの怒りの感情を感じてビクビクして勝負を見ていない。

 

「………リンコさんは私の出した神様達を倒せないと思って動けなくなっていますね?」

 

「それは……」

 

燐子からすれば巨大なモンスター達の姿に圧倒されてしまっていたことでちゃんと答えを返せないでいた。

それがイヴの不満を募らせてしまったが、イヴは静かに今の燐子が何を考えているかを言い当てていた。

 

「こんなのどうやって……。今井さんみたいに前にやってたらどうにか出来たのかもしれないですが……」

 

自身の想いを言い当てられた燐子は思わず俯いてしまったが、イヴはその燐子の態度を見て感情が爆発した。

 

 

 

「リンコさん!!私との勝負なのに相手を見ない上に、自分が倒せるイメージが出来ないからと挑みもしないで諦めようとするなんて最低です……!!」

 

「……っ!!」

 

温厚なイヴが相手の事を”最低だ”と言う事に燐子は驚いてしまったが、イヴは未だに動こうとしない彼女に言葉をぶつけ続けていた。

 

「私は今回のイベントに参加することが決まって初めてカードに触りました!!リンコさんと同じです」

 

「それは……」

 

「勝負は時の運も絡みます。この状況は今の私の運が良かったのとこれまでの練習の成果です!!」

 

「運……」

 

イヴも燐子と同じで今回のイベントに参加が決まって初めてカードに触れたのは2人で全く同じ。

ただの運だと言われても燐子には戦うビジョンが全く見えていない。

 

「経験の差があったとしてもそれが直接、ゲームの勝敗に関係する訳ではありません」

 

「でも、今井さんは……凄く強くて……だからすぐにイベントを終わらせて――――――」

 

「なら、アヤさんとカノンさんはどうなんですか…?あの2人は経験者のリサさんと勝負を挑んだんですよ。

 

おそらく3人が出くわしてアヤさんが軽いノリで提案したと思いますが、リサさんなら勝負をする直前に経験者だと打ち明ける人なのはリンコさんの方が知っているはずです!!」

 

「それは………」

 

リサを引き合いに出した燐子だったが、イヴはその言い訳を即座に切り捨てる。

 

彼女の人となりを知っていれば、勝負を始める前に経験者であることを伝えているはずだと言うのは燐子も理解は出来るが、それと今の状況はまるで別だと彼女は思っていた。

 

「今井さんは伝えると思いますが……でも……」

 

「なら経験者と言ってアヤさんもカノンさんも勝負を挑んだんです!!

 

結果は負けだとしてもちゃんと相手と向き合って戦おうとしたはずです!!

それなのに今のリンコさんの様に何もせずに諦めようとするのは、堂々と戦ったアヤさん達に対する冒涜です!!私はそんなの許せません!!」

 

「……っ!?」

 

燐子も知っているがリサは彼女から見てもとてつもなく強かった事など、叩きのめされていた自分がよく知っている。

 

 

 

 

練習では燐子は笑顔にリサに何度もバーンダメージでライフを根こそぎ焼きつくされたり、完全な制圧盤面を展開して動きを封殺されて敗北など日常茶飯事。

仮に燐子が運よくカードを展開したとしても一瞬で盤面をひっくり返されたり、挙句の果てには関係のない友希那や紗夜やあこが気になったカードを使って即興で組んだデッキで蹂躙され続けていた。

 

 

そんな相手に対して彩と花音は結果は負けでもちゃんと勝負をしたのに対して、燐子が戦っているのは自身と同じスタートラインのイヴ。

 

リサの強さを一番体験させられている燐子からしたら、彩と花音が挑んで負けた理不尽の権化―――リサに比べれば、先ほどまで絶望しか感じられなかったイヴの場など乗り越えられる程度の障害物程度にしか感じなくなっていた。

 

 

「………すいませんでした。やっと目が覚めました」

 

「それなら良かったです!!……ですが、私も言い過ぎました。いくら発破をかけるつもりだとは言えどあんな風に……」

 

「気にしてません。若宮さんの言葉で目が覚めました。

あの理不尽の権化―――じゃなかった……今井さんに真剣勝負を挑んだ丸山さんと松原さんに比べたら、高い壁だとしても攻略出来るはずです……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……失礼ですが、同じバンドの仲間の事を悪く言い過ぎでは……?」

 

「若宮さん……!!ここからが本当の勝負です!!」

 

「………望むところです!!」

 

イヴの言葉ですっかり自信を取り戻した燐子。

途中でリサに対して凄く失礼な事を言っていたが、イヴはこれ以上は燐子の闇を掘り起こしてしまいそうだと直感的に感じたのかこれ以上の追及を止めて勝負に集中し始めた。

 

 

「私のターン……ドロー……よし…これなら……!!」

 

ようやく燐子は自分のターンを始めてカードを引く。

そして、そのカードを見ると笑みを浮かべた彼女は目の前の壁を攻略するべく動き出した。

 

 

 

 

 

「私は《レッドローズ・ドラゴン》を通常召喚」

 

「今引いたのはそのカードですか…!!」

 

「そうです……

《レッドローズ・ドラゴン》はドラゴン族のチューナーなので、手札から《ホワイトローズ・ドラゴン》を特殊召喚します」

 

白金燐子 LP:4000 手札:4枚

 

<白金燐子のフィールド>

レッドローズ・ドラゴン ☆3 ATK1000(チューナー)

ホワイトローズ・ドラゴン ☆4 ATK1200

 

「レベル7……その名前だと……あのカードが……」

 

イヴは燐子の場に揃った2体のモンスターとその名前を見て、ここで出てくるモンスターが何なのかを即座に察していた。

 

「そして、私もシンクロ召喚をします。

レベル4の《ホワイトローズ・ドラゴン》にレベル3の《レッドローズ・ドラゴン》をチューニング…」

 

「やはりそう来ますか…!!」

 

「『冷たい炎が世界の全てを包み込む。漆黒の花よ、開け!!』シンクロ召喚!!現れよ《ブラックローズ・ドラゴン》……!!」

 

 

白金燐子 LP:4000 手札:4枚

 

<白金燐子のフィールド>

ブラックローズ・ドラゴン ☆7 ATK2400

 

 

「シンクロ召喚に成功した《ブラックローズ・ドラゴン》の効果を発動。

それにチェーンしてシンクロ召喚の素材として墓地に送られた《ホワイトローズ・ドラゴン》と《レッドローズ・ドラゴン》の効果も発動します」

 

「《ブラックローズ》は知っています!!それを通すわけにはいきません!!

私もその効果にチェーンして永続罠カード《極星宝スヴァリン》を表にして効果を発動します!!

このカードは私のフィールド上に《極神》が存在する場合、発動した時に相手フィールドの全ての表側表示のカード効果を無効にします!!」

 

燐子の出したモンスターを知っていたイヴはしっかりとその効果を妨害して行くが、妨害が出来るのはフィールド上のみで、墓地のカードは止めることが出来ない。

 

「《ブラックローズ・ドラゴン》の効果はスヴァリンで無効になりますが、墓地で発動する2枚は止められません。

 

《レッドローズ・ドラゴン》は手札かデッキから《ローズ・ドラゴン》モンスターを1体特殊召喚します。

私はデッキから《ブルーローズ・ドラゴン》を特殊召喚し、更に《ブラックローズ・ドラゴン》の素材として墓地に送られた《レッドローズ・ドラゴン》は更にデッキから《漆黒の薔薇の開華(ブルーミング・ローズ)》を手札に加え、次に《ホワイトローズ・ドラゴン》の効果でデッキからレベル4以上の植物族モンスターを1体墓地に送ります。

 

私はこの効果で《ステイセイラ・ロマリン》を墓地へ送ります。

 

このタイミングで《ホワイトローズ・ドラゴン》の効果で墓地に送った《ステイセイラ・ロマリン》の効果を発動し、デッキかEXデッキからレベル5以下の植物族モンスターを1体墓地に送ります。

私はEXデッキからレベル5のシンクロモンスター《ガーデン・ローズ・メイデン》を墓地に送ります」

 

 

白金燐子 LP:4000 手札:5枚

 

<白金燐子のフィールド>

ブラックローズ・ドラゴン ☆7 ATK2400

ブルーローズ・ドラゴン ☆4 DEF1200

 

 

「危なかったです……。《ブラックローズ》の破壊が辛いですからね……」

 

 

 

 

 

「私は《ブラックローズ》を対象に手札から魔法カード《シンクロキャンセル》を発動します。

このカードは対象のシンクロモンスターをEXデッキに戻してから、墓地に素材にしたモンスター1組が揃っていればその1組を特殊召喚できます。

私はレベル4の《ホワイトローズ・ドラゴン》にレベル3の《レッドローズ・ドラゴン》を特殊召喚……!!」

 

「くっ……!!2回目ですか……」

 

イヴは辛くも燐子の狙いを防いだと思ったのも束の間、燐子は即座に《ブラックローズ》を出し直す体勢を整える。

流石にこの状況はイヴも防ぎようがなく、厳しい状況に立たされたと苦い表情を浮かべずにはいられなかった。

 

「レベル4の《ホワイトローズ・ドラゴン》にレベル3の《レッドローズ・ドラゴン》をチューニング……

漆黒の花よ、返り咲け……!!《ブラックローズ・ドラゴン》をシンクロ召喚……!!

そして、もう1度召喚時の効果を発動してフィールドのカードを全て破壊します……!!」

 

「《スヴァリン》の効果は1ターンに1度だけなので使えません……

ですが、私はもう1枚の伏せカード―――《黒魔導のカーテン》を発動!!

お互いはデッキから闇属性魔法使い族を特殊召喚出来ます」

 

「……今出しても破壊されますが?」

 

「破壊されるのは承知ですが、ただ破壊されるよりもデッキを1枚でも減らして次のドローで勝負を賭けます!!私はデッキから《霊滅術師 カイクウ》を特殊召喚します。

……リンコさんも出せますが、出しますか?」

 

「私は何もしません。

そして、《ブラックローズ・ドラゴン》がフィールドの全てを吹き飛ばします…!!『ブラック・ローズ・ガイル』!!」

 

「くっ……!!ですが、これでお互いにモンスターは……」

 

 

「私は《ブラックローズ・ドラゴン》の効果で破壊された《ブルーローズ・ドラゴン》の効果を発動。

このカードは破壊されて墓地に送られた時に、墓地の《ブラックローズ・ドラゴン》を蘇生させることが出来ます。

もう一度咲け……《ブラックローズ・ドラゴン》…!!」

 

 

白金燐子 LP:4000 手札:5枚

 

<白金燐子のフィールド>

ブラックローズ・ドラゴン ☆7 ATK2400

 

vs

 

若宮イヴ LP:4000 手札:0枚

 

2度の《ブラックローズ》にはイヴも耐え切れず、互いの場が全て破壊された。

これで互いの場が空になったと思ったがが、燐子の場には効果によって《ブラックローズ》が舞い戻って盤面の形勢が一気に燐子へと傾く。

 

ここから更に追撃の為にモンスターを揃えていきたい燐子。

 

 

 

「……(手札はもう何も出来ない。無理して防がれたら今度はこっちが苦しくなる………)バトルフェイズへと移行します。

《ブラックローズ・ドラゴン》で若宮さんへダイレクトアタック………!!」

 

しかし、燐子の手札にはモンスターをこれ以上展開する方法がない。

墓地からモンスターを増やすこと自体は出来るが、ここで無理をして倒せなかった時のリスクを回避する事を選んでいた。

 

 

 

 

「……(《超電磁タートル》、《タスケルトン》、《ネクロ・ガードナー》……攻撃を防ぐ手段はいくつかありますが……)

 

私はこの瞬間に墓地の《ネクロ・ガードナー》を除外して効果発動!!その攻撃を無効にします!!」

 

「最初の時に墓地に送られてたんですね……。これなら無理しないで正解でしたか……」

 

 

彼女の墓地には攻撃を無効にする手段が複数揃っており、その内の1つを使ってイヴは燐子の攻撃を難なく防いだのを見て、燐子は自身の考えが間違っていなかったと確信したが、それはイヴが次のターンへと繫いだという事。

そうなれば、イヴは最初に大量に墓地に送られたカードを駆使して再び自身に襲い掛かってくると言うことでもあった。

 

「私はカードを3枚伏せて、ターンエンドです」

 

燐子はとりあえず自身が生き残る可能性に賭けるしかなく、カードをセットしてターンを終了を宣言するしか出来ない。

しかし、燐子の中では先ほどのような盤面が出てこないと思っていたのだが、彼女はカードの知識が足りていなかった。

 

 

「リンコさんのターン終了時、私は墓地に送られた《極神》達の効果をそれぞれ発動します!!」

 

「このタイミングで……?」

 

「はい…!!《極神》の3体は相手によって破壊されたターンのエンドフェイズに墓地にある特定のカードを除外することで墓地から復活します!!

そして、《極神》達はただ復活するだけじゃなくて、自分の効果で復活した時にそれぞれの神様が効果を発動します!!」

 

「そんな……っ!?」

 

燐子は何とかイヴの《極神》達を破壊したが効果で復活する。

復活するだけでも厄介なのだが、その上ただ単に復活するだけではなく更なる効果も上乗せして来ると言うイヴの言葉に燐子は驚きを隠せなかった。

 

 

 

「まずは墓地から《極星獣》チューナーの《グリンブルスティ》を除外して墓地の《極神皇トール》を特殊召喚!!」

 

<若宮イヴのフィールド>

極神皇トール ☆10 ATK3500

 

 

「《トール》は自分の効果で特殊召喚した時、相手のライフに800のダメージを与えます!!」

 

「うっ………出ただけでダメージ……」

 

 

白金燐子 LP:4000 → 3200

 

 

「更に私は墓地の《極星霊》チューナーの《デックアールヴ》を除外して、《極神皇ロキ》を特殊召喚!!

そして《ロキ》は自分の効果で特殊召喚した時に墓地の罠カードを手札に加えます!!

この効果で《極星宝スヴァリン》を手札に!!」

 

<若宮イヴのフィールド>

極神皇トール ☆10 ATK3500

極神皇ロキ ☆10 ATK3300

 

 

「そして、最後は墓地の《極星天》チューナーである《ヴァルキュリア》を除外して《極神聖帝オーディン》を特殊召喚!!

《オーディン》は自分の効果で特殊召喚した時にデッキから1枚ドローします!!」

 

 

若宮イヴ LP:4000 手札:2枚

 

<若宮イヴのフィールド>

極神皇トール ☆10 ATK3500

極神皇ロキ ☆10 ATK3300

極神聖帝オーディンロキ ☆10 ATK4000

 

 

「このターンで倒したと思ったのに……また振り出しに………」

 

燐子はイヴが従えた神を乗り越えたと思っていたが、彼女の神は再びフィールドへと舞い戻り、再び燐子の前には巨大な壁が立ちふさがっていくのだった。

 




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