「うわあああっ! 見て、レオ兄さん! あれがお城!?」
ホグワーツ特急を降りたハリーは、夜の湖畔にそびえる城を見上げ、思わず声を張り上げた。
山の上に広がる巨大な城。その窓には無数の灯りがともり、尖塔が夜空へと伸びている。水面には黄金色の光が揺れ、岸辺を吹き抜ける風が、ハリーの黒い髪をくしゃくしゃに乱した。
「本当に大きい……! あそこに僕たちが通うんだよね?」
「そうだよ。これから毎日、あの城で授業を受けるんだ」
レオはハリーの隣で、穏やかに笑った。
「毎日あんなにすごい景色が見られるなんて、贅沢だね」
「毎日!? 毎日だって!?」
ハリーはレオの腕をつかんだ。
「ねえ、レオ兄さん! 窓から湖が見える部屋とかあるかな? あの塔には何があるんだろう? それに、あの橋! あそこを渡って学校に行くのかな?」
「順番に確かめよう。まずは先生の話を聞かないとね」
「うっ……! そうだった!」
ハリーは慌てて口を閉じた。しかし、数秒後には再び城を見上げている。
その様子を見て、少し離れたところにいたロンが笑った。
「ハリー、お前、本当に楽しそうだな!」
「だって、楽しみだろ!? ロンだってそうじゃないの?」
「そりゃそうだけど、そこまで興奮するか?」
「するよ!」
ハリーが即答すると、ロンはとうとう声を上げて笑った。
「はははっ! そうかよ!」
「二人とも、置いていかれないようにね」
レオが声をかけると、二人はそろって「あっ!」と叫んだ。
新入生を案内するハグリッドの大きな背中が、すでに先へ進んでいたのである。
「おーい、新入生! こっちだぞ!」
「待ってくださーい!」
ハリーはカートを置き、慌てて駆け出した。
レオはロンと顔を見合わせ、苦笑しながらその後を追った。
湖を渡る小舟は、夜の水面を静かに進んでいた。
ハリーは舟の縁から身を乗り出し、湖面を覗き込んでいる。
「ハリー、落ちるよ!」
ロンが慌てて袖を引っ張った。
「わっ! ご、ごめん!」
「何を見てたんだよ?」
「魚がいるかなって!」
「こんな暗いのに見えるわけないだろ!」
「でも、魔法の魚だったら光るかもしれないじゃないか!」
「……それは、いるかもしれないけどさ」
ロンは言い返しかけて、結局、窓ならぬ舟の縁から湖を覗いた。
「なあ、レオ。魔法の魚っているのか?」
「いるよ。種類によっては、鱗が光るものもいるね」
「ほら! いるんだって!」
ハリーは嬉しそうにロンを指さした。
「まだこの湖にいるとは言っていないよ、ハリー」
「うっ……。でも、いるかもしれない!」
「それはそうだね」
レオが笑うと、ハリーは満足そうに頷いた。
やがて小舟が岸に着き、新入生たちは石段を上がっていった。大きな扉の前に集められると、ハグリッドは一人ひとりを見渡し、満足そうに頷いた。
「よし、みんな揃ったな。ここから先はマクゴナガル先生に任せる。いいか、騒ぎすぎるなよ!」
「はい!」
ハリーたちが返事をすると、ハグリッドは豪快に笑って去っていった。
その直後、大きな扉が開いた。
現れたのは、緑がかった黒いローブをまとった、背筋の伸びた女性だった。厳しい目つきに、きちんと結い上げられた髪。新入生たちの間に、自然と緊張が走る。
「新入生の皆さん。私はミネルバ・マクゴナガルです。これから大広間へご案内します」
マクゴナガルは一同を見渡した。
「ホグワーツでは、皆さんが魔法使いとして成長するために必要なことを学びます。ですが、その前に、皆さんがどの寮に所属するかを決めなければなりません」
「寮……」
ハリーが小さく呟いた。
「グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、スリザリン。四つの寮には、それぞれ異なる伝統があります。組分けは、これからの学校生活において大切なものです。名前を呼ばれたら前へ出て、組分け帽子をかぶってください」
マクゴナガルが説明を終えると、扉の向こうから、楽しげなざわめきが聞こえてきた。
ハリーは胸を押さえた。
「……なんだか、急に緊張してきた」
「大丈夫だよ、ハリー」
レオはそっとハリーの肩に手を置いた。
「どの寮になっても、ハリーはハリーだからね」
「うん……!」
ハリーは深呼吸をした。
「よし! 頑張るぞ!」
その声に、ロンも力強く頷いた。
「俺もだ!」
大広間の扉が開いた瞬間、ハリーは目を見開いた。
天井には夜空が広がっていた。無数の星が瞬き、雲がゆっくりと流れている。頭上には何百本もの蝋燭が浮かび、長いテーブルには金色の皿や goblet が並んでいた。
四つのテーブルには、すでに上級生たちが座っている。彼らの視線が一斉に新入生へ向けられた。
「すごい……」
ハリーは思わず呟いた。
「天井、本物の空みたい……!」
「魔法でそう見えるようになっているんだよ」
レオが小声で答える。
「ええっ、これ全部魔法なの!?」
「うん。実際の空をそのまま映しているわけではないけれど、かなり精巧だね」
「すごい! どうやって作ってるんだろう!」
ハリーが興奮する横で、ロンも天井を見上げていた。
「こんなの、家じゃ絶対に見られないぞ……」
「そうだね。僕も、こうして新入生と一緒に入るのは楽しみだったよ」
レオは微笑みながら、並んだテーブルを見渡した。
そのとき、上級生の間から囁き声が聞こえてきた。
「見ろ、あれがハリー・ポッターだ」
「本当にあの傷がある……」
「隣にいるのはスキャマンダー家のレオか?」
「古代ルーン文字の研究で有名な……?」
ハリーは周囲の視線に気づき、首を傾げた。
「みんな、こっちを見てるね」
「ハリーのことを知っている人が多いんだろうね」
「そっか。……あ、でも、僕の顔に何かついてるのかな?」
「ついていないよ」
レオはハリーの前髪を軽く整えた。
「大丈夫。いつも通りでいいんだ」
「うん!」
ハリーは元気よく返事をした。
マクゴナガルが組分け帽子を置いた椅子を前に立てる。帽子は古びていて、あちこちに綻びがあった。
やがて、その帽子が口を開き、歌い始めた。
四つの寮の創設者たちが、それぞれどのような生徒を求めたか。勇気、勤勉、知恵、野心。歌は大広間に響き渡り、新入生たちは息を呑んで聞き入った。
歌が終わると、拍手が広がった。
マクゴナガルは羊皮紙を広げた。
「それでは、組分けを始めます。アボット、ハンナ!」
呼ばれた少女が、緊張した足取りで前へ出た。
次々に名前が呼ばれ、帽子が生徒たちの頭に載せられていく。帽子が寮の名を叫ぶたび、各テーブルから歓声や拍手が上がった。
ハリーは自分の番が近づくにつれて、指先をぎゅっと握りしめた。
「ハリー、手、すごい力が入ってるよ」
ロンが囁いた。
「えっ? あ、本当だ……!」
ハリーは慌てて手を開いた。
「なんだか、試験を受けるみたいだね」
「試験より緊張するかもしれないぞ。帽子が頭の中を読むって話だし……」
「頭の中を!?」
ハリーは目を丸くした。
「じゃあ、今、僕が何を考えてるかもわかるのかな?」
「たぶんな」
「うわあ……。変なこと考えないようにしなくちゃ!」
「考えたって、もう遅いだろ!」
ロンが笑いをこらえる。
レオも肩を揺らして笑った。
「帽子は、君の考えを全部暴露するためにあるわけじゃないよ。安心して」
「そ、そうだよね!」
ハリーはほっと胸を撫で下ろした。
そして、ついに。
「ポッター、ハリー!」
大広間のざわめきが、すっと静まった。
ハリーは一瞬だけ足を止めた。
数えきれないほどの視線が、自分に集まっている。少し前まで楽しかったはずなのに、急に足の裏が床へ張りついたような気がした。
「ハリー」
レオが優しく呼びかける。
「行っておいで」
その声を聞いた途端、ハリーの顔にいつもの笑顔が戻った。
「うん!」
ハリーは胸を張って椅子へ向かい、腰を下ろした。
マクゴナガルが組分け帽子を彼の頭に載せる。
帽子は少し大きく、ハリーの目元まで覆ってしまった。
そして、耳元で声が響いた。
『ふむ……なるほど。これは興味深い』
ハリーはびくっと肩を揺らした。
『勇気がある。好奇心も強い。人を信じる心があり、友を大切にする。学びたいという気持ちも、ずいぶん強いようだね』
ハリーは心の中で答えた。
(うん! 魔法をいっぱい覚えたい! それから、レオ兄さんやロンと一緒に学校生活を楽しみたい!)
帽子はしばらく黙り込んだ。
『ふむ……知恵を重んじる気質もある。だが、君が何より大切にしているものは……』
ハリーの心に、家族の顔が浮かんだ。
アリシアの温かい笑顔。ロイドの大きな手。いつも隣にいてくれたレオ。
(僕は、みんなが大好きだ。だから、ここでも友達をたくさん作りたい!)
帽子が、ふっと笑ったように感じられた。
『よろしい。ならば――』
「グリフィンドール!」
帽子の声が大広間に響いた。
一拍遅れて、グリフィンドールのテーブルから大歓声が上がった。
「やったあ!」
ハリーは帽子を脱ぎ、満面の笑みで立ち上がった。
ロンが手を叩きながら叫ぶ。
「ハリー! こっちだ!」
ハリーはグリフィンドールのテーブルへ走り、上級生たちに迎えられた。
そして、席に着く直前に振り返った。
「レオ兄さん! 僕、グリフィンドールだよ!」
「おめでとう、ハリー!」
レオは心から嬉しそうに拍手を送った。
ハリーは何度も手を振り、ようやく席へ腰を下ろした。
その後も組分けは続いた。
「グレンジャー、ハーマイオニー!」
名前を呼ばれた瞬間、ハーマイオニーはびくっと肩を揺らした。
「は、はい!」
彼女は慌てて椅子へ向かった。途中でローブの裾を踏みそうになり、危うくつまずきかける。
「あっ……!」
何とか踏みとどまったものの、頬が赤くなった。
グリフィンドールのテーブルから、ハリーが心配そうに声をかける。
「大丈夫?」
「だ、大丈夫よ!」
ハーマイオニーは急いで椅子に座った。
帽子が頭に載せられる。
『ふむ。頭の回転が速い。知識を求める気持ちも強く、学ぶことに喜びを感じている……』
ハーマイオニーは、ぎゅっと拳を握った。
(どこでもいい……とは言えないわ。私は、私に合った場所で、たくさん勉強したい!)
帽子は少し考えた。
『知恵を愛する心は見事だ。だが、勇気も持っているね。自分の信じたことを貫こうとする強さがある』
ハーマイオニーは目を閉じた。
『ならば――』
「グリフィンドール!」
歓声が響いた。
「やった……!」
ハーマイオニーは立ち上がり、ほっと息を吐いた。
グリフィンドールのテーブルへ向かう途中、ハリーが手を振っているのが見えた。
「ハーマイオニー! こっちだよ!」
「ハ、ハリー!」
ハーマイオニーは嬉しそうに駆け寄りかけ、すぐに姿勢を正した。
「ええと、その……よろしくね!」
「うん! よろしく!」
ハリーはにっこり笑った。
ハーマイオニーも笑い返したが、その視線はすぐに、レイブンクローのテーブル近くに立つレオへと向かってしまった。
レオはハーマイオニーに気づくと、穏やかに手を振った。
彼女は目を見開き、慌てて手を振り返した。
「……っ!」
頬が熱い。
(だ、だめ! 今は組分けの最中なんだから!)
ハーマイオニーは両手で頬を押さえ、慌ててハリーの隣に座った。
その様子を見て、ロンが首を傾げた。
「ハーマイオニー、顔が赤いぞ。大丈夫か?」
「だ、大丈夫よ! 何でもないから!」
「そうか? 熱でもあるんじゃないか?」
「ないわよ!」
ハーマイオニーは慌てて否定した。
ハリーは二人を交互に見て、きょとんとしたあと、楽しそうに笑った。
「二人とも、仲良くなれそうだね!」
「「どこが!?」」
二人の声がぴたりと重なった。
その瞬間、三人は顔を見合わせた。
そして、ハリーが吹き出したのをきっかけに、ロンも笑い、ハーマイオニーもつられて笑ってしまった。
組分けは終盤に差しかかっていた。
レオの名前が呼ばれると、大広間の空気が少し変わった。
「スキャマンダー、レオ!」
レオは落ち着いた足取りで前へ出た。
「頑張って、レオ兄さん!」
ハリーが両手を口元に添えて叫ぶ。
「レオ! 頑張って!」
ハーマイオニーも思わず声を上げた。
叫んだ直後、彼女は自分の声が思ったより大きかったことに気づき、慌てて口を押さえた。
(ああっ、私、何をしてるの!?)
けれど、レオは振り返って微笑んだ。
「ありがとう、二人とも」
その一言だけで、ハーマイオニーの顔はまた赤くなった。
レオは椅子に腰を下ろし、組分け帽子をかぶった。
帽子が彼の頭を覆う。
『おや……』
その声は、ほかの生徒たちのときより少し長く続いた。
『優れた知性。知識を積み重ねるだけではなく、仕組みそのものを理解しようとする。魔法の構造に手を加え、別の形へ組み直す才能……』
レオは静かに耳を傾けた。
『そして、強い意志。身近な者を守ろうとする心。君は、力を見せびらかすために学ぶのではないね』
(知りたいから学ぶ。それに、僕が学んだことが誰かの役に立つなら、嬉しいからね)
『なるほど。知恵を重んじ、探究を楽しむ心……レイブンクローにふさわしい』
「レイブンクロー!」
青と青銅のテーブルから、大きな拍手が起こった。
レオは帽子を脱いで立ち上がり、軽く頭を下げた。
ハリーは少しだけ残念そうに口を尖らせた。
「レオ兄さん、別の寮なんだ……」
けれど、すぐに顔を上げた。
「でも、レオ兄さんがレイブンクローなら、僕もグリフィンドールで頑張るよ!」
レオはその言葉を聞き、優しく微笑んだ。
「うん。寮が違っても、僕たちは家族だからね。困ったことがあったら、いつでも相談して」
「うん!」
ハリーは大きく頷いた。
ハーマイオニーも、少し寂しそうにレオの席を見つめていた。
(同じ寮だったら、もっと気軽に質問できたのに……)
そう思った直後、彼女は慌てて首を振った。
(ううん! 寮が違っても、勉強のことを聞くくらいできるわ! それに、レイブンクローなら図書館にも詳しいかもしれないし……!)
そこまで考えたところで、ハーマイオニーは自分が何を考えているのかに気づき、テーブルへ顔を伏せた。
「……私、何を考えてるのよ……」
「ハーマイオニー?」
ハリーが心配そうに覗き込む。
「何でもないわ!」
彼女は勢いよく顔を上げた。
「それより、あなたたちもこれから頑張らなくちゃいけないんだからね! 授業の予習も、復習も、忘れちゃだめよ!」
「う、うん!」
ハリーは目を丸くした。
「わかった! 一緒に頑張ろう!」
「……え?」
あまりにも素直な返事に、ハーマイオニーは一瞬言葉を失った。
「そ、そうね! 一緒に頑張りましょう!」
彼女は嬉しそうに笑った。
その笑顔を見て、ロンが小声でハリーに囁いた。
「なあ、ハリー。俺たち、勉強で大変なことになりそうじゃないか?」
「そうかな?」
「絶対そうだって!」
「でも、わからないことを教え合えば大丈夫だよ!」
「……お前、本当に前向きだな」
ロンは呆れたように言いながらも、笑っていた。
組分けが終わると、ダンブルドア校長が立ち上がった。
長い銀色の髭に、星模様のローブ。半月形の眼鏡の奥で、青い目が楽しそうに輝いている。
「新入生の皆さん、そして在校生の皆さん。ホグワーツへようこそ!」
大広間に拍手が広がった。
「新しい一年が始まります。皆さんにとって、学びと発見に満ちた一年になることを願っています。もちろん、学校生活には守らなければならない規則もあります。廊下を走らないこと、立ち入り禁止の場所へ入らないこと、そして――」
ダンブルドアは少しだけ間を置いた。
「食事を楽しむことを忘れないように!」
その言葉と同時に、テーブルの上に料理が現れた。
焼きたてのローストチキン、山盛りのローストポテト、色とりどりの野菜、パイ、パン、スープ。甘い香りが一気に広がり、ハリーのお腹が盛大に鳴った。
「……あ」
ハリーは真っ赤になってお腹を押さえた。
ロンが笑いをこらえながら言った。
「お前、すごい音だったぞ」
「だ、だって! 列車の中で食べたのに!」
「俺も腹減ってるから気にするな。ほら、これ食えよ!」
ロンがチキンを取り分ける。
「ありがとう、ロン!」
ハリーはさっそく料理を口に運んだ。
「おいしい! これ、すっごくおいしいよ!」
「だろ? ホグワーツの食事はすごいって兄貴たちも言ってたんだ」
「毎日こんな料理が食べられるの!?」
「たぶんな!」
ハリーは嬉しそうに頬張りながら、テーブルの上を見渡した。
「レオ兄さんにも食べてほしいなあ」
レイブンクローのテーブルでは、レオも料理を取り分けていた。
こちらに気づくと、ハリーへ向かって軽く手を振る。
ハリーは嬉しそうに手を振り返し、また料理に向き直った。
向かい側では、ハーマイオニーがナイフとフォークを手に、少し戸惑っていた。
「ええと……この料理、全部食べていいのよね?」
「もちろんだろ?」
ロンが答える。
「でも、さっきまで何もなかったのに、急に料理が現れたのよ? どんな魔法なのかしら……。食材をどこかから転移させたのか、それとも、あらかじめ別の場所で調理しておいたものを運んでいるのか……」
「ハーマイオニー、まずは食べようよ!」
ハリーが笑った。
「料理が冷めちゃうよ!」
「あっ、そうね!」
ハーマイオニーは慌ててナイフを動かした。
ところが、緊張していたせいか、ポテトを一つ皿の外へ転がしてしまった。
「あっ!」
転がったポテトは、テーブルの端で止まった。
ハーマイオニーは真っ赤になってそれを拾い上げ、皿へ戻す。
「……見なかったことにしてちょうだい」
「うん! 見てないよ!」
ハリーは笑顔で答えた。
「俺も見てないぞ!」
ロンも真面目な顔で頷いた。
「二人とも、絶対見てたでしょう!」
ハーマイオニーが抗議すると、三人はまた笑い出した。
遠くのテーブルでその声を聞いたレオも、思わず頬を緩めた。
新しい学校。新しい友達。そして、これから始まるたくさんの授業。
ハリーが笑っている。
ロンも、ハーマイオニーも。
レオはグラスを手に取り、静かに思った。
――これからの毎日が、みんなにとって楽しいものになるといい。
彼は小さく笑って、食事を続けた。
その夜、ホグワーツの大広間には、いつまでも明るい声と笑い声が響いていた。