やはり比企谷八幡の掃除の仕方は間違っている。   作:眠り羊

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やはり雪ノ下雪乃は理解している。

あれは一色とめぐり先輩かな?

良く見ると、戸塚と材木座もいるように見える、暗くてよくわからんな・・・

「ありがと」

と由比ヶ浜は小さく言うと校門へ駆け出していった。

「さいちゃ~ん」

明るい声で戸塚こと天使に笑いかけた

 

由比ヶ浜が俺の手を離した瞬間、自由になった俺の手に由比ヶ浜の手の暖かさが残っていた

水滴の感触は無くなっていた

由比ヶ浜が俺の横に並んだ時、由比ヶ浜の顔は・・・暗くて良く分からなかった

 

「優しいのね比企谷君」

ピタリと歩みを止めて雪ノ下が言う

何お前、後ろ全然見てなかったけど、背中にも目ついてるの?怖すぎて神々しさすら感じるわ

「別に何もしてねぇよ」

本当に何もしていない、由比ヶ浜が行動して、由比ヶ浜が納得しただけだ。

「私は・・・ああなった時にどうしたら良いかわからないわ」

沈んだ顔で言う、そうか、お前にも分からない事があるんだな

「何言ってるんだ?俺もわからねーよ。」

「ただ流れに任せただけだし、だからきっとお前も自然にそうなるだろ。俺でさえ出来たんだ、お前なら楽勝だろ」

俺は本当に出来たんだろうか、あれが正解だったのだろうか?まぁそれは置いても雪ノ下雪乃には出来るだろう

「そう、そうね、あなたにさえ出来たのだものね」

雪ノ下は力無く笑う。

と躊躇いがちに言った

「あなたと・・・あなたと由比ヶ浜さんと一緒にいる時、一人でいる時よりほんの少しだけ心地良いわ」

慣れって怖いわねと付け足した

「あれだけ由比ヶ浜といちゃいちゃしておいて少しだとか・・・由比ヶ浜が聞いたら泣くぞ」

「そう、やはり薄情かしら」

「いや、嬉し涙だろうけどな」

あの雪ノ下雪乃に一緒にいると心地よいと言わしめたのだから当たり前だろう

「なっ・・・」

抗議の声をあげようとした雪ノ下だったがくるりと180°回転した

「はぁ・・・あなたとはまともに話していられないわ」

と言って校門の方へ歩き出した、その顔はどんな顔をしているのだろうか

 

俺が牛歩のごとく校門に向かって行くと、反対に校門側からこちらに二つの影が来た

「先輩、お疲れ様です~」

「お疲れさま」

ニコっとあざとく笑う一色とめぐりんパワーのめぐり先輩だった

「うっす、まだ帰ってなかったんですね」

「私は早く帰りたかったんですけどねー」

と一色があけすけに言った

「一色さん、んん、いや、誘ったのは私達だしね、ここは待ってないとね」

最後は部活だったし、別に気にしなくてもいいのに、流石前会長律儀だな

「まぁでも良いもの見れましたし、ふふふ」

何か一色がニヤニヤしてるし、俺が言うのも何だけど気持ち悪いよ?

「それで先輩はどーするんですか?」

いきなり質問をぶつけられた

「あー?何がだ?」

わけわからん、どこかで問題提起されたか?

「私ってゆー手もありますけど?・・・すみません、やっぱり無理ですごめんなさい。」

何の事か判らないがすごくイラっとした・・・

「比企谷君?ちゃんとしないとダメだよ?」

何故だかしらないがめぐり先輩に怒られてしまった

「だから何がですかめぐり先輩」

言うだけ言うと一色とめぐり先輩も校門へと戻って行く

なんだったんだ・・・ふぅ・・・

どーにもしないよ、てかどうにも出来ないし、そんなこと言われると俺がどうにか出来るみてーに勘違いしちゃうじゃねぇか

俺にはどーにも出来ねーよ、と一人呟いていた

 

ふと学外清掃の前にめぐり先輩から受けたショックのことを思い出す・・・あの時のショックの理由がわかってしまった

 

俺は生徒会役員選挙の件で自分が正しいと感じたことを行った、非難されるのも覚悟していた

自分が正しいと感じた行動をとった結果、

めぐり先輩が期待した場所を奪い

雪ノ下を落胆させ

由比ヶ浜に慰められるという結末に終わった

 

俺がとった行動で出来た事は

ただ自分の居心地の良いように物を動かしただけだった

部屋を散らかしたままの自己満足なおかたづけだ

 

ヤンチャしてた(歪んだ)過去(こと)を良い風に飾ってみたり

相手にとって酷い過去(こと)を自分の都合の良いように改編(かたづけ)したり

なんだ俺もやってることはスクールカースト上位のやつらと何も変わりが無い

自嘲ぎみに笑った

 

あの時の雪ノ下言った言葉が思い出される

全てがあなたのせいでは無いわ、それは自惚れというものよ

 

すげーなあいつ、俺が自分でも正体がわからないものに正確に答えを出している

 

そう俺は自惚れていたのだ、自分は完璧に出来たと、これ以下にはならないと思っていた

しかしその期待は裏切られた。

だから皆そうなんじゃないかと、皆期待を裏切られたと思っているんじゃないかと思っていた

 

偉い人は言った、

貴方の心が正しいと感じることを行いなさい。行なえば非難されるだろうが、行なわなければ、やはり非難されるのだから。と。

 

自分が正しいと感じることを成したと思った、非難されるのも覚悟していた

非難されるのは自分であり、しかし、非難するのもまた自分だった

 

出た結果をすでに皆は受け入れていたが、誰より自分が受け入れてなかった、こんなはずではなかった、もっと何とか出来たはずだと自分を非難した

だから、めぐり先輩もそうだと思い、あの言葉に勝手に裏を作り、自己満足にそれを読み取っていた

でも現実はそうじゃなかった、皆は結果を受け入れていた

だから俺だけショックを受けた、自惚れていたのだ

ただのボッチの一人遊びだった

 

そして黒歴史が1つ増えただけだった

 

本物が欲しいとか恥ずかしい事言っておいて何てお粗末な考え方なのだろうか、粗末なだけに粗大ゴミの日に出したら回収していってくれるだろうか

 

雪ノ下は言った、

あなたと由比ヶ浜さんと一緒にいる時、一人でいる時よりほんの少しだけ心地良いわ

 

おざなりで曖昧で中途半端で他人から咎められるような関係だけれど、それが存外心地良い。

俺は本物が欲しいと言った、それではこれは偽物なのだろうか?

 

それは俺には分からない、しかし俺もその片付けられていないスペースはとても心地よいものに思えた

 

校門で早く来いと皆が手を振っている、皆早く帰りたいのだろう・・・俺はゆっくりと歩き始めた

 

結論、他人が見たら散らかっているように見えるものも、本人にとっては心地良い空間である場合が多い、そのことを考えると、疲れて帰って来た時自分を理解し、心地よいスペースを作ってくれる専業主夫は何ものにも変え難い

 

つまり、片付けをしなくても怒られない専業主夫超最高!

 




初めまして眠り羊です。
こんな拙い文章を、そしてこんな意味分からない結末を読んで頂いてありがとうございました。

原作を読んで、早く続きが読みたい!といてもたってもいられなくなったらなんか書いてたんです、すみません。
原作はもっと細かい描写で、一般教養、専門知識、オタ知識、何から何までずっと上のものなので
自分が書いたものなんてどんだけ劣化版なんだよ、って感じです

自分ももっと細かい描写書きたいなぁと思ったのですが、書いたらスグ上げたい!我慢出来ない!
ってたちなのでSSとか全然向いて無いと思います

次は、書けたら←(重要)ネタも時間も無いのでこのSSをちまちま細かく修正して
やはり比企谷八幡の掃除の仕方は間違っている。(改訂版)プラス由比ヶ浜結衣の場合
を、書こうかなと思っています

もしこのSSがちまちま修正されていたら生暖かい目で見守ってやってください。

PS
vita買ったんで、やはりゲームでも俺の青春ラブコメはまちがっている。を頑張ります(次書く気なさすぎだろ

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