ラブコメ世界のかませ友人キャラに転生して、ヤンデレヒロインにかました結果www 作:ねこスマ
俺はラブコメのかませキャラ「
野口は手当たり次第にヒロイン達に告白しては、気持ち悪がられたり、殴られて吹っ飛ばされたりとコミカルな主人公の友人キャラなのだが。
__俺もその性質を受け継いでしまったらしい
前世は年齢=彼女なしで、女性と会話すらままならなかったのだが。
転生してからは緊張どころか、可愛い同い年くらいの子が居たら彼女になってくれないか、アタックしないと勿体なく感じてしまうのだ。
そんなこんなで高校1年生になりラブコメ原作が始まった。
主人公、
「なぁ蒼、うちの高校って髪染め禁止だよな?」
「たぶんそうだけど」
「髪色がピンクやら黄色の女子いるけどヤンキーすぎだろ……」
「TVとかでもたまに観るし、普通じゃないか?」
入学式が終わり、後ろの席の蒼と駄弁りながら教室内のヒロインを確認していると、髪が床に着きそうなほど長く顔も前髪で確認出来ない女子がいた。
(
原作野口が唯一恐れた女、井戸冷子。野口は気配の薄い冷子にだけはいっつもビビっており、蒼に惚れた後はイメチェンし美少女になるのだが、その姿でも野口が冷子にビビるお決まりシーンがあった。
(井戸と蒼が良い感じになる展開って10巻以降で遅いんだよなぁ)
周りの生徒も明らかに冷子にやばい雰囲気を感じとっており、誰も寄りついていない。
(原作改変ねぇ、まぁバトル物で命に関わるとかのわけでもないし多少いいか)
このまま半年以上クラスのみんなから避けられる冷子も可哀想だ、さっさと蒼に惚れてもらってイメチェンして学校生活を楽しんでもらおう。
「蒼、ちょっくらナンパしてくるわ!」
「えぇ……入学初日でアレはキツいって……」
俺の一度も成功したことがないナンパ癖を知っている蒼は、呆れた顔で首を振っていた。
「俺、野口って言います、いきなりだけど付き合ってくださいっ!!」
「………」
さっそく近くに誰もいない冷子の席の前に座り後ろを向いて話しかける。
周りの視線が集まるが、原作野口のメンタルを受け継いだ俺にはそよかぜにしか感じない。
「えぇーっと席番は、井戸さんで良いよね?」
「………」
「明日から一緒に昼飯食おうぜ、あそこの席に座ってる蒼も一緒だけどさ」
「………」
「俺、鬱陶しいでしょ?ウザかったら首振ってw帰るからw」
「………」
「井戸さん無反応とかめっちゃ優しい、俺とかクラスの女子に話しかけるだけで『
「………」
俺は顔の見えない冷子の耳付近に近づき手を口に当て小声を出した。
「黒糖ピーナッツ」
「………」
「蒼!明日から井戸さんも一緒に昼飯食いたいってさぁ!」
「一言もそんなこと言ってないよな!?」
「さっき反応した奴が蒼ね、仲良くしてやってぇ」
「は〜い、全員席に着いてください。出席を取りま〜す」
「じゃあまたね井戸さん」
これで冷子は早々に蒼と接点を持って、イメチェンしてくれる筈だ。
第一声でいきなり『付き合ってください』とかいえる原作野口は凄いわ、いや俺か……。
・・・
キーンコーンカーン
__次の日、昼休み
「ふぃ〜最初の授業怠かったぁ、あ、そういえばさっきの休み時間に虹村さんと何処行ってたんだ?」
「ん?……あぁ、何でもない、なんでも」
「ふ〜ん、顔に何でもありますって書いてあるわ」
「別にいいだろ、ここで話すことじゃないからさ」
「グスッ、蒼くん遅めの反抗期がきたのね……」
「分かったから電話で話すって」
ゆるふわウェーブの胸の大きなピンク髪ヒロイン、
「おぉ…井戸さん来てくれたんだ!ささッ座ってください」
「広場蒼です、よろしく井戸さん」
「………」
気配もなくいつの間にか席の近くに立っていた冷子に俺と蒼も若干驚いていた、近くの座ってない席から椅子を借りて三人で狭くなった蒼の席で弁当を並べる。
「井戸さんの弁当めっちゃ可愛いじゃん」
「井戸さんのお母さん弁当上手だね」
「…………」
「俺とか冷食の茶色ばっかりでよぉ、文句言ったら母さんに殺されるけど」
「まぁ弁当も毎日作るってなったら大変だからなぁ」
「蒼の弁当って菜々ちゃんの手作りなんだろ?」
「うん、出来た妹だよ」
「クッソ羨ましいわ、井戸さんコイツね、学年一可愛い妹に弁当を作ってもらってるんすよ、どこのラブコメ主人公だとは思いません?」
「…………」
「井戸さんコイツも親友の妹に告白するような馬鹿なんで気をつけてくださいね」
「はぁ、何も行動しなくて彼女が出来るわけないだろ、だったら当たって砕けるぞ俺は」
「砕けすぎて自分を見失ってないか?俺の妹だぞ?」
「どう思う井戸さ〜ん」
「…………」
「蒼のムッツリスケベだってぇ」
「絶対言ってないだろ」
そんなこんなで弁当を食べ終わった時に、井戸さんが席に戻りバッグから何かを取りだした。
「…………」
「え、黒糖ピーナッツ?」
俺に渡されたのは、市販の黒糖ピーナッツだった。
別に好きでも何でもないお菓子だが、昨日適当に言った言葉を冷子が間に合うけたのだろうか?
「えっと悪い、というかありがとうだな」
俺は財布から500円を出して冷子のポケットにスッと入れた。
「お釣りはいいよ、わざわざ買ってきてもらったっぽいし。俺って適当なことしか言わないから基本スルーしていいからさw」
「…………」
「それより、蒼の顔って近くで見ると意外と可愛い系だろ?今彼女いないしアタックするならかなりお勧めだよん」
「お前何言ってんだよ……」
そうして、学校の帰りに蒼と一緒に黒糖ピーナッツを食べながら帰ったが、口の中がパサついて飲みの物必須だった。
・・・
「俺、野口って言います、いきなりだけど付き合ってくださいっ!!」
「………」『え……これって新手のイジメ……?』
「えぇーっと席番は、井戸さんで良いよね?」
「………」『はい……』
「明日から一緒に昼飯食おうぜ、あそこの席に座ってる蒼も一緒だけどさ」
「………」『………』
「俺、鬱陶しいでしょ?ウザかったら首振ってw帰るからw」
「………」『ウザいだなんて思いませんけど……急過ぎて……』
「井戸さん無反応とかめっちゃ優しい、俺とかクラスの女子に話しかけるだけで『
「………」『同じく…無反応の私をキモいと罵ってきた人ばかりでした……』
野口君が私に近付いて囁くように小声で言った。
「黒糖ピーナッツ」
「………」『黒糖ピーナッツ???すみませんが意味がわかりません……』
「蒼!明日から井戸さんも一緒に昼飯食いたいってさぁ!」
「一言もそんなこと言ってないよね!?」
「さっき反応した奴が蒼ね、仲良くしてやってぇ」
「は〜い、全員席に着いてください。出席を取りま〜す」
「じゃあまたね井戸さん」
「ア…………」
悪意を感じずに話しかけれられたのはいつ以来だろう……
黒糖ピーナッツなんて聞いたことないけど、野口君はそのお菓子が好きなのかな……?