ラブコメ世界のかませ友人キャラに転生して、ヤンデレヒロインにかました結果www   作:ねこスマ

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主人公の妹って大体家事得意だよね

 

__放課後

 

 

ピーンポーン

 

「はーい」

「緋色(ひいろ)ちーっす」

「あっ、勝兄(まさるにぃ)」

 

 蒼の妹、黒髪で赤い瞳の「広場 緋色(ひろば ひいろ)」が玄関を開けたが、疲れた顔で俺の名前をつぶやいた。両親が家にずっと居なくて家事する妹と兄(主人公)で暮らすというのもラブコメあるあるだな。

 

「蒼が急にいなくなってもう四日だろ?心配になって顔見にきたけど」

「ん……上がってく?」

「ご飯買ってきたよん」

「あ、それは助かるかも」

 

 緋色はツーサイドアップの髪を揺らしながら短パンのようなルームウェア姿で俺を家に招き入れた。

 顔や後ろ姿を見ていると、中3になってからますます可愛さに磨きが掛かっている気がする、やはり原作キャラの容姿は別格だな。

 

 リビングの大きな机に買ってきたものを適当に置いていく、ポテサラとか唐揚げとかその辺の惣菜を適当に置いて、冷凍物は緋色に入れてもらった。

 

「沢山買ってきたね、いくらだったの」

「お金は気にしなくていいぞい」

「ふ〜ん、わざわざありがとね」

「どいたま」

 

ガサガサ

 

 レジ袋の中は空になった、緋色の好きな焼きプリンと抹茶アイスも買ってきたからか、声音が優しいものに変わっていた。

 

「蒼はそろそろ帰ってくると思う……つっても心配だよなぁ」

「蒼兄ほんと信じらんない、急に女の人を家に連れ込んできたと思ったらその人と旅行に行ってくるって!!」

「蒼くん遅めの反抗期なのよ、許してやってぇ〜」

「それでも普通連絡くらいは入れるでしょ!?」

「正論っす」

 

 今頃電波のない無人島で虹村さんとドタバタ・ラブコメディ・サバイバルを繰り広げている蒼には同情するが緋色には知るよしもない。

 

 そもそも俺も三日で帰ってくると思ったが、漫画原作のせいで時間経過まではハッキリとしていなかった。

 

「じゃあ帰るよ、何かあったら俺に連絡してくれ」

「え、勝兄もう帰っちゃうの?」

「年頃の女の子と二人きりは不味いでしょー」

「別に……勝兄は変なことしないし」

「俺、緋色ちゃんに告白したけど?」

「あれはっ……ハァ……暇だし話し相手になって」

「ため息していたら美少女が勿体ないですぞ」

 

ガツ

 

「いいじゃん、どうせ暇なんでしょ?」

 

 緋色が軽く俺の足を蹴ると焼きプリンを持ってソファに座った。

 俺も空気を読みテーブルの椅子に座って、適当に流れているTV番組を眺める。

 

「ご飯前にデザートとは、蒼にチクらなければ」

「良いの良いの、あっちが反抗期なら私も反抗期になるから」

「蒼は機嫌直すのに土下座必須だなぁ」

 

 原作で家を空けることも珍しくない蒼だったが、現実になってみれば、俺も緋色もかなり心配するというものだ。

 

「勝兄もやっぱり蒼兄のこと心配?」

「するする、でも本当に危ないことだったら俺が止めてるから大丈夫よ」

「そうだね、うん……」

 

 それから一時間くらい緋色と世間話をした、TVの内容、勉強、部活のこととか。

 

「最近男子からの連絡が多くて返信が面倒なんだよね……同じクラスの人も多いし既読無視は感じ悪くなっちゃうから」

「ふ〜ん大変だねぇ」

「今どうでもいいって思ったでしょ!」

「異性からの連絡羨ましいなぁって〜」

「蒼兄が居なくなって毎日私に連絡くれるじゃん」

「そりゃ家に中学生一人だと心配でしょうよ」

 

 緋色はソファから立ち上がり手を後ろに組んで座っている俺の前に立った。

 

「蒼兄と私と一緒にデパートでゾンビ映画を観に行ったの覚えてる?」

「あぁ懐かしいなぁ、二年くらい前?」

「そう、その時に勝兄が可愛い同級生くらいの女の子5人にナンパしてたじゃん」

「5人もいたっけ?めっちゃ豊作!!」

「そのときと同じノリで緋色が可愛くなってきたから付き合ってって言ったのも覚えてる?」

「まぁ、そうでしたねぇ」

 

 緋色は怒ったような悲しいような表情をして台所に向かうと、プリンカップを水で流す音で小声の言葉は聞き取れなかった。

 

ジャーーーーーー

 

「……………『ばか』」

 

 

 

・・・

 

 

 

 井戸冷子は怪力である。

 数日前に手を押し付けられた太ももの部分が青痣になっていた。

 

(途中痛すぎて声も出なかったからね)

 

 気配を消しながら腕力で背後から邪魔者を仕留める暗殺者、井戸冷子。

 蒼に危害を加える『焼鳥学園』の連中を始末していくのだが、まさかその力をこの身で体験することになるとは……てか原作野口も冷子から拳でぶっ飛ばされて怯えてたな。

 

 とまぁそんなことは置いておいて、どうやら冷子さんは今俺に男友達を作ってもらいたくないらしい。俺も少し配慮に欠けていたかな、蒼との接点が出来れば冷子との関係は勝手に進んでいくと思ったのだが、色々タイミングが悪く蒼は欠席続き。

 

 そんな中で冷子の話し相手と言えば消去法で俺しかおらず、俺に新しい友人が出来たら冷子の話し相手がいなくなって困るという抗議(物理)だったのだろう。

 

(蒼が帰ってくるまでは友達作りは後にするか)

 

 今日も昼休みに冷子が俺の席の側にいつの間にか居たため、椅子を取って横に座らせた。

 

「井戸さんも学校生活慣れてきた?」

「…………」

「まぁ一ヶ月以上は掛かるよなぁ」

「…………」

「昨日蒼の妹、緋色って言うんだけどさぁ〜」

「…………」

「どうも俺が告ったのに相当怒ってるっぽいんだよねぇ」

「…………」

「確かに軽薄な男からいきなり付き合ってくださいとか言われたら、引くのは分かるんだけど」

「…………」

「そんな根に持つもんなの?ほら、井戸さんにも俺いきなり告ったから感想が聞きたくてさ」

「…………」

「なになに……漢らしいって?流石井戸さん、話わかるジャン(イケボ風、沼ボ)」

「…………」

「んで、その話をしたら緋色の機嫌が突然悪くなっ『ピロンっ♪』ごめんちょっとスマホ見るわ」

「…………」

「『今日も来て』って?緋色のやつ怒ってなかったのかよ?じゃあまたプリンでも買っ「イタタタタタッ!?井戸しゃんっ!?同じ箇所はヤバいんですけどぉ!!」

 

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