ラブコメ世界のかませ友人キャラに転生して、ヤンデレヒロインにかました結果www 作:ねこスマ
「……あなた達とはお友達になれません」
休み時間、その一言で冷子の周りに居た女子達は眉をひそめた。
トゲのある発言、わざわざ敵なんて作らなくてもいいはずなのに。
そして女子達を置いて俺の隣に蒼の椅子を持って座る冷子。こちらを向いた目は渦巻いているのに、口元が少し上がって微笑んでいるのが器用に怖い。
「今すぐ謝ってきなさい、これから三年間一緒のクラスなんだぞ?」
「………分かりました」
おぉ、素直だ。なんとか緋色とのお泊まり会も煙に撒きつつ、女子達とも良好な関係を築いてほしいが……
いやちょっと待て、何かよくない歯車が回り出したような……とにかく冷子さん、目のハイライトだけは灯してくれない?昨日はちゃんとした綺麗な目だったよね?
女子グループに謝りに行った冷子の後ろ姿を見守る、もし何か変なことを言ってもすぐに助けに行けるように。
「……ごめんなさい、三年間私と野口くんには話しかけないでください」
「ちょいちょいちょいちょいーーッ!!」
「?」
「『?』じゃないからッ!?最初に謝ったら後半なに言ってもいいと思ってるッ!?」
女子グループの一人が俺たちの前に出てきた。
「わかった、野口と井戸さんには、私達関わんないようにするから」
「いやぁ〜、俺は困るっていうか!」
「……ありがとうございます」
「こっちこそ、今まで無視してごめん」
なんかお互い意固地になっているし、ここで俺が無理に仲裁に入っても話がややこしくなりそうだ。
(……教室の雰囲気が最悪なんですけど)
すぐに戻ってきた俺の隣にまた冷子が着席。俺もしかしてヤバい?
あの腕力でどこか捻られたら普通に骨まで逝くから怒らせたら終わりなんだけど…。
「井戸さんあの〜〜……怒ってます?」
「……怒られるような方と昨日お泊まりしたんですか?」
「ないです!緋色が一人だと危ないんで泊まっただけっす……」
「制服の上着、アイロンをかけた後に……メスの残り香が漂っています」
「メ……メス?」
(あ、あれ?この世界少年誌だったよね?いや、冷子は結構ギリギリを攻めてたっけ)
「これが緋色ちゃんの臭いですね……覚えました」
「…………」
後ろを見て俺達の様子を遠目で見ている男子に助けの視線を送ったが、すぐに顔を逸らされた。くそッ!誰でもいいから仲良くしておくべきだったッ!!
「……野口くんそんなに怯えないでください、私達はあくまでお友達です」
「そ、そうだよな」
「……はい、心が繋がっていなくとも……こうやって周囲に友好を示せます」
「なんか重くなーい…?もっとこう、みんな仲良くフラットに……ヒンッ!」
冷子に顔をグイッと近づけられ、俺は反射で仰け反った。
あら♪鼻にまとわり着くような甘くて重い香りっ♪
「虹村さんと広場くんは……許しましょう、それ以外の有象無象は時間の無駄ですよね……野口くん?」
あ、この二人は許されたんだ(?)
お腹いっぱい食べてきたから胃がキリキリしてきた……
蒼助けてくれぇ……
「朝から教室が騒がしいわね、幽霊女」
「…………」
「東つ「雑魚は黙ってなさい」「はいッ」
腕を組んで突如やってきた東辻凛奈。凡人には厳しいが能力が高い者には公平に評価する性格。原作で蒼を狙う者同士で認め合っていたこの二人なら、今からでも上手くやっていけるかもしれない。
「……なんでしょうか」
「顔を見に来ただけよ。どんなシケた面をしてるのかと思えば、悪くないじゃない」
「……そうですか、私は野口くんとお話ししたいので、今後話しかけないでもらえると助かります」
「つまらない男を相手しても、自分の価値が落ちるだけよ」
「つまらない女を相手してくれたのは……野口くんだけでした」
「そう、じゃあ雑魚同士ずっと群れてなさい」
そう言い残して立ち去った凛奈、孤高って感じがカッコよくて推せるよね。
(やっぱり凛奈推しだなぁー、俺とか眼中にも入ってなさそうだけど、そこがイイのよ。読者が凛奈と相対しても相手にされなそうって、ファンの間の認識が実際に叶ったわけだから)
「……また休み時間に来てもいいですか?」
授業がそろそろ始まる頃だ、冷子の目も相変わらず濁ったまま。
「こうなった以上いいけど、結構喋れるようになったよね?」
「……はい。心細い私を1人店に置いて、違う女性の所に向かった野口くんを見て……私が変わらないといけない決心が付いたので」
「うーん……緋……いや俺が悪いのか……」
戦犯は俺なのか?
もっと寄り添ってあげてたら冷子はこんな過激派厳選厨にはならなかったのか?
店で金は渡しただろ!?優しさは金だろっ!!
(まぁ、虹村さんと蒼が友達判定なら、良い方向になったと思うかぁ……)
・・・
__放課後
ピロンッ♪
「蒼のやつ、やっと家に帰ってきたって」
「……広場くん、何をしていたんでしょうね……」
「今からそれを蒼の家に聞きに行くんだけど」
「…………」
なんだ、このおやつを待っている犬のような冷子の顔は
ここで誘わなかったらまた目の中が渦巻くんだろうなぁ……
「……井戸さんも一緒に来る?」
「はい、お友達ですから。それと確認したいこともありますし」