ONE PIECE episode Marine ~異世界から来た海兵さん~ 作:酉野笹実
「…あれは…」
目の前に見えるのはかの有名な、正義の門。
あの、門の向こうに…マリンフォードがある…。
明らかに違う潮風にぞくりと背筋を伸ばす。
ここにくる途中、エ二エス・ロビーからスパンダムの下品な通信があったから……白ひげとの戦争前、ロビン救出前と言うことだ。
さて、どうしたものか…
(あ、そう言えば、海楼石って具現化できるかな…?)
前世の俺は変化系能力者だったが、今の俺はうちは一族に生まれて、独特な環境で育ったせいか、具現化よりの特質系だ。元々は具現化系だったが、写輪眼を開眼したら特質系になったようだ。
通常、具現化系は人間の力を越えるものは具現化できない。が、俺の特質系能力「
「三界輪廻」は分かりやすく言うと、前々世と前世と今世の系統3つを120パーセント使用できるうえに、他の系統を5割引き出せる能力だ。
俺は三回の生を経験している。
転生するごとに記憶はついてはくるが、育った環境で性格も変わってくる。
平凡サラリーマン時代は強化系、ハンター時代は変化系、そして今、ナルトの世界は具現化系と特質系。さらに、写輪眼状態だと操作系がプラスされる。
つまり、俺の特質系能力は具現化、操作、変化、強化の4つを最大限に引き出せるのだ。
さらに、万華鏡写輪眼になるとちょっと面白い事になるのだが…それはまた今度。
クラピカの「絶対時間」と違うとしたら、放出系の性格を経験していないからだろう。…ハンター時代に欲しかったな…この能力。
もし、それを使えば、海楼石を好きに具現化 できるとしたら…試してみるのもありだな。
「おい、見習い!!さっさと甲板を洗え!入港するぞ!」
「へーい。」
現在、俺はジャージから、海兵姿で甲板にいる。入隊したが、見習い扱いだ。デッキブラシを片手に歩きだす。
…なんで、甲板を綺麗にするのかと言うと、黄猿の凱旋式アンド、海軍将校達の出迎えがあるらしい。
「見習い!大将がお呼びだぞって…ピカピカー!?」
「軍曹殿、大将の部屋に行けばいいんすね?」
「あ、ああ。さっさといけ!」
「へーい。」
甲板掃除を綺麗に終えたので、デッキブラシを置いて、 そのまま、船内に入ると奥の部屋から黄猿が出てきてゆったりとこちらに歩いてきた。
「…大将、お呼びですか?」
「ん~~…船、降りるから後ろ着いてきてねぇ~。」
「俺を…誰に会わせるつもりなんですか?」
「まあ~着いてくればわかるでしょ~」
…正直、この時の俺は正直、アホ面だったと思う。
「…あの、なんでここにヤクザが?」
「あ゛?」
連行されたのはセンゴクさんのとこでした。…しかも、そこにはモクモクの実の煙人間、スモーカー大佐がいるではないか…実物はマジ怖い。眼光がぱねぇです。
「やめなさい。おい、ボルサリーノなんだ、その海兵は。」
「こいつぁ、うちは・サク。わっしの新しい部下でさぁ~。お~い、サク坊、これが海軍元帥閣下と、ついでにそこにいる、ヤクザっぽいのは一応海軍大佐のモーカー君だからねぇ。」
俺は無言で背筋を伸ばし、敬礼する。
「階級は?」
「雑用です、階級はまだありません。」
「おい、…なんでここに連れてきた?」
ですよねー
同じ、黄色い閃光でも四代目火影の部下になりたかったなぁ…と、思わず死んだ魚みたいな目をしていると、センゴクさんのペットのヤギにズボンをあまがみされる。
俺の一張羅が早速ヨダレまみれだぜ。(泣)
黄猿の気の抜けた言葉に、スモーカーは困惑した様子でこちらに視線を寄越す。
「なんだ、その適当な紹介は!まったく、報告ならさっさとせんか!」
「報告ねぇ~…カイドウ傘下のベルカルカ海賊団を捕縛。船長以下乗組員はそのままインペルダウンに収監してきやした。以上~」
「エニエス・ロビーを素通りしおって、あのはな垂れのスパンダムから苦情が来ておったぞ!」
「おおげさだねぇ~…アイツらの船に乗ってたニコ・ロビンは4年前から行方不明なのに、行先きいても無駄だろうにねぇ~」
…行先はたぶんアラバスタです。
バロック・ワークス副社長をしてますがな。
とは言えず、沈黙する。
「それでもだ、ベルカルカは偉大なる航路に入ったニコ・ロビンが、最後に乗ってた船だ。その後の消息がしれぬ今、CPは是が非でも、情報を欲するはずだ。協力してやれ。で、そのサクとか言う小僧をなんでここに連れてきた?」
「ちょ~っと、面白い子でねぇ~…あ、スモーカー君はなんでここにいるんだい~」
「負傷してローグタウンに漂着した、ルケス少将を届けに本部に来ただけですよ…。」
「おぅ~ルケス君の怪我と被害状況の報告かぁ~調度いいや、君、うちのサク坊とちょっと手合わせしてくれなぁ~い?」
「「はぁ!?」」
今まで黙っていたら、思わない申し入れに俺とスモーカーは目が点となる。
なんでこうなった?
センゴクさんは、眉間に皺を寄せて、冷めた目線をこちらに向ける。
「ほう?スモーカーと勝負させて、何が望みだボルサリーノ?」
「う~ん、このサク坊の強さを知るには、普通の海兵じゃ話にならんのでねぇ~…ロギア系のスモーカー君が調度いいのがまずひとつ。
そうだねぇ~、もし、うちのサク坊がスモーカー君に勝ったら、サク坊を大尉にしてくれるのはどぉ~う?」
「な、」
絶句するその場の人間に、黄猿はのんびりと笑う。
「…なんの冗談だ。」
「生憎冗談にできないんでぇ~、この坊や、なりはひょろいんですけどねぇ~覇気使えるんで、下士官クラスにするにはもったいないんだよねぇ~…即戦力にしたいのが本音かなぁ~?」
「そんなに強いのか?」
すいませんね、外見、低血圧系草食男子なんで…。
そうなんです。俺、非常にもやしなんです。脱いだらスゴいわけでもありません…里では医療忍者してました。
治療も出来て、強い忍者めざしたら医療忍者になってたわけです。だってダンゾウに目をつけられたくなかったし、暗部に入りたくなかったんだもん(本音)
こっそり動くには医療忍者が、よい隠れ蓑だったしね。
え?師匠?綱手様ですがなにか?
「海王類を蹴り殺して、強くないわけないでしょ~」
「わかった…スモーカー、到着早々に悪いが相手してやれ」
「……はぁ。」
こうして、前代未聞の手合わせをすることになる。
さて、どうしたものか…。
時間軸
アラバスタ編2年前
スモーカーさん
たまたま、ローグタウンにたどり着いた大怪我の少将と、海兵たちを保護、貴重な情報とインペルダウンLevel,6クラスの海賊を少将が命懸けで逮捕していたため、怪我人の少将と凶悪な海賊の護送をするはめになった。インペルダウンに海賊を収監すると、少将を海軍本部に連れてくることになり、怪我人の少将のかわりに報告するはめになった。と言う設定
因みに、留守は少将の部下(怪我人)とたしぎで預かっている