多分コレで気を紛らわせてるに過ぎない
続くかどうかは全く分からない
開戦してから数日後の事だった。
ガリア開戦は予定より早くも帝国軍が侵攻してくるのである。
案の定東部森林地帯や南方方面のガッセーナル一家統治領からも侵入してきた。
しかし予想外なのはギルランダイオ要塞は完全に無視されていた事である。
これに関してダモン大将はある事を思い付く
「ギルランダイオ要塞を時限爆弾で遅延爆破を行い、要塞防衛全軍を持ってして東部南部侵攻帝国軍を強襲する!」
若干焦土作戦のように見えなくもないが、ダモン将軍率いるギルランダイオ駐屯正規軍は爆薬を仕掛けてそのまま南下していく
…
……東部方面及び中央方面
…
ここを任されていた将兵は転生組ではないので案の定撤退戦を強いられている。
しかしそんな事も分かりきっているラム技師長の備えによって中央防衛軍は着々と準備を終えている。
<東部方面軍。帝国軍の侵攻速度が凄まじく戦闘もままならない!中央防衛軍に編入許可を!>
「承認。ダモン将軍もその内来る。東部方面監視隊に直ちに合流しろ、通信終了」
中央防衛を任せられていたのは転生組の正規軍将官、直ぐに必要な部隊を動かし偵察部隊を潜り込ませる。
偵察部隊は直ぐに平野から出て路道横の茂みに潜む
<何か変化はあったか?>
中央方面軍作戦司令部からの通信に応えて、侵攻してくる帝国軍の装備を確認した。
「ライフルグレネード付き、後期型対戦車槍、人造ヴァルキュリアユニット、突撃戦車と他旧式戦車複数…」
<36年に登場する人造ヴァルキュリアがもう既に実戦投入されているだと…よし帰還せよ!>
こうして中央方面軍はようやく本格的な攻撃を始めるのであった。
軽量型戦車の自走榴弾砲型による一斉砲撃で帝国軍を叩き、正面を駆逐戦車型で帝国軍戦車隊を足止めさせる。
従来のアート版駆逐戦車型と異なりより長砲身の長距離戦闘様に改造が施されている。
重心位置調整の為か、後部に擲弾発射器が据え付けられていた。
…帝国軍視点
前方から山なりに描く榴弾の弾道と、茂みから突然の高初速砲弾が突撃戦車の傾斜装甲を容易く貫いた。
「おかしい…軟弱ガリア正規軍とは何かが違う!」
「隊長!グレゴール将軍からの全体命令で、北部へ転進しろとの事!ここは撤退すべきです!」
「ぐぬぬ…旧式戦車隊は殿を務めて他は北部ギルランダイオ方面へ転進しろ!」
旧式戦車隊を残して歩兵隊や砲兵に新式戦車隊は直ぐに北部へと攻め込むのだが、ここで奇跡的にも南下してくるギルランダイオ要塞守備隊全軍と衝突するのであった。
「しょっ…正面にガリア正規軍!」
「……読まれていたか、ワシの想定を遥に越えている」
前後を挟まれて包囲された帝国軍
東部方面侵攻作戦総司令官グレゴールはこの戦いにおいてダモン大将の計らいによって捕虜となった。
尚ギルランダイオ攻略する帝国軍はマクシミリアン直接指揮下にあったが、後の帝国新聞にて
【ガリア侵攻!マクシミリアン皇太子戦死!】と帝国全体に動揺が響き渡るのは後々の話。
…
……ガッセーナル一家領・南方方面軍
…
ガッセーナル城を中心に作戦指揮所が至る所に点在し、細かい軍指示をオドレイとバルドレンは出していた。
そしてここにはラム技師長が視察に武装状態で来訪していた。
「貴方は技術者でしょう、何故ここに来られたのです」
「新装備の試験ついでですよ、圧縮ラグナイト機関の小型化に成功したから耐久実験」
「フン、精々その頭が消し飛ぶ事を願うその汚らしい手と足で我が城に足踏みいれようとは」
取り敢えず周囲の正規軍兵は素のガリア兵なので本来の振る舞いをやってもらうことにした。
早速ラム技師長は前線に出る。
この辺りはイェーガー将軍率いる大戦車隊が森林の中を突き抜けてくる。
旧式戦車は一つもなく突撃戦車や何故かヴォルフ重戦車が量産されている。
隊長車は赤塗の突撃戦車か追加装甲付きのヴォルフで構成されているようだ。
「速いし、アレは硬すぎる!対戦車槍がもっと遠くまで届けば!」
「よお?実験部隊の指揮官が到着したぞ〜」
「何で民間人が!ってそれって対戦車槍か!」
ガリア正規軍を脇目にセコセコと作業を進めて新型対戦車槍を構える。
盾型のバイポッドを突き立てながら圧縮ラグナイト機関を始動させた。
「機関問題なし、ラグナイトエネルギー変換効率よし。これより威力及び耐久試験を実行する!」
「分かった」
付き添いのイムカと共に新型対戦車槍を調整し、標的を追加装甲付きヴォルフ重戦車に向ける。
「エネルギー充填完了、安全装置解除!イムカ、近くの正規軍を巻き込む可能性があるから引き離してくれ!」
「言われなくとも分かっている」
「うおっ!まぶしッ!」
蒼白い光が対戦車槍を包み込み、そしてラム技師長は引き金に指を添える。
「対衝撃!対閃光防御装具装着!…発射!」
発射と同時に青白い閃光の光柱と共に調整固定具も反動で外れ、光柱が上方の青空に向けられた。
放たれた圧縮ラグナイト光線は途轍もない衝撃波とラグナイト機関の共鳴作用によって前方の帝国軍戦車隊は次々と連鎖爆発を起こしているが、余波による友軍戦車も巻き添えを食らっていた。
「やはり実戦投入は先送りだな、制限仕様ならまだいけそうか…ん?」
後ろには上せているイムカが居たのでそっと担ぎ上げようとしたその瞬間、彼の右膝に流れ弾が当たった。
…
……ところ時間は過ぎて諸々ランドグリーズ郊外戦
…
さていきなりで悪いがこれに至るまでの経緯を簡潔に説明しよう
ラム技師長が、昔は一般兵だったんだが膝に銃弾を受けちまってな…技術屋を始めたんだ。
ところがまた同じ古傷に銃弾を食らった。
しばし研究開発は停止し彼名義による各前線の補給物資が行き届かなくなり、全ての戦線にある正規軍は止む得ず撤退することとなった。
ファウゼンの人員や労働者以下民間人の避難もさせるのだが、突然の飛行船団に対処しきれず捕虜にしたグレゴールをまた帝国軍側に実質戻してしまった事である。
幸いにしてセルベリアは確認されていないのだが、全体の帝国軍の質が向上しているせいで原作世界線より苦戦している。
しかし橋の一歩手前で辛うじて踏みとどまっているのが現状だ。
「聞いたか?正規軍が全面撤退だとよ」
「あのダモン将軍がファウゼンの民間人を優先避難した影響か、ランドグリーズに人が入り切らない」
「そのファウゼンの民間人の大半が「ダルクス人」」
「おい口を慎め、ダモン殿に聞かれたら除隊処分される!」
「どうせソイツらの賄賂だろ、どれもこれもダルクス人がガリアの国土を蝕んでいる。いつだってそうだ!見ろよそこに松葉杖で歩いているダルクス人がいるじゃないか」
待てと止める正規軍兵士と、ブルール地方から撤退命令を受けてここに来た自警団員二人が彼に迫る。
「散々俺達の住処を食い潰してくれたな!その怪我はお前にとっての因果応報だろうよ!」
「確かにそれは間違いない、実験には失敗は付き物だ」
「あぁ?ダルクス人の学者かおめぇ」
「二人共よせ!そいつは銃傷を受けてる」
「だから何だ?こんな奴に同情してんのかよ正規軍さんはよぅ!」
自警団員二人が彼に蹴りを入れて倒す。松葉杖はへし折られ、割れたところで出来た針山で脚を突き刺しては引き抜くのを繰り返し…血の海が少しずつ広がりつつある。
そこに他の正規軍兵士が寄ってくることによって事態は収束しつつある。
「えー…全治3カ月ですね」
「技師長を頼みます。昨日なんか病院を脱走していたんですよ!」
「えぇ…?」
「なんでも、ラム技師長にコーデリア殿下直々の呼び出しがあったんだそうで…しかし何故前よりも酷い怪我に?」
現場に居合わせていた正規軍兵に合流した正規軍兵がその事情を聞いたのだった。
その翌日ダモン将軍が直々来院し彼を車椅子で移動させることになる。
橋を渡って城下町を合計四時間かけて城門に辿り着くのである。
一方の帝国軍はランドグリーズ目前に迫っているにも拘らず補給線が整っておらず進軍停止状態にあった。
…
……ランドグリーズ郊外 帝国軍占領地
…
「傾注!今日もガリア軍の偵察部隊が来ないか巡回に当たれ!以上、行動に移れ!」
原作時空なら既に橋周辺を占領し渡ろうとしている頃合いなのだが、今時空においてはまだ郊外都市部外縁の草原で足を止めているのである。
未だ作戦司令部からの命令は降りておらず、グレゴールの入念な巡回警備任務を兵士達は確実に凝らしていた。
「おい、昨日のガリア兵で20人は居たよな?」
「いつもより数は少ないが、偵察の頻度がここより多くなっている。だが橋付近の部隊よりはマシだろう」
「あっちは小競り合い程度の撃ち合いになっているそうだな」
ランドグリーズ城下町に繋がる大橋の手前で攻防戦が繰り広げられているが、どちらも進展がなく定期的な銃撃戦が起きている。
「なる程なぁ…しかし今日でガリア兵の捕虜は何て言っていたか?」
「また俺達帝国軍側に入りたいそうだ。なんでもダルクス人に統治された国には居たくないらしい」
「はぁ…ガリア共も御苦労なこった」
更に日が進みガリア公国内で記憶を引き継いだ民間人自警団もとい元革命軍組織及び、帝国亡命部隊が新たに確認されていたのである。
コーデリア公はこの事態を重く見つめながらラム技師長への記憶の照らし合わせも終わらせ王室会議は無事終了した。
…
……ランドグリーズ郊外 ガリア公国領地
…
「まさかコーデリア殿下も原作転生者だったとは」
「いやぁ驚きだわい、しかし中将。これで我々の情報も共有出来たことだろうし活動しやすくなるかと」
「ああ、だがまずトリガーを引くために一旦正規軍には情けない姿を見せびらかす必要がまたあるという事だ」
翌日
補給と再編成の為に正規軍はランドグリーズ城下町内まで全軍撤退命令が下され、前線に残ったのは各街の自警団のみとなった。
敵を目の前にしてまだ戦えそうな正規軍兵も含めてダモン将軍は全軍撤退命令を下した。
これを見て怒りに表した自警団長の一部と正規軍の一派閥が民間人による募兵として義勇軍を募ることにする。
発行されてから数時間足らずに志願者が多発し、武器装備が不足する事態になった。
そこに実験部隊が温存していた数々の試作品や量産品を義勇軍に流す事が予めコーデリア公によって決められていたのである。
「よし…リストに第7小隊があるな」
「おい、そんな足で何処に行く」
「イムカちょっとした野暮だよ、息抜きの一人散歩さ」
「またこの前の様な事が起きたらたまったものではない」
「止めても付いてくるんだろう…?いいよ行き付けの場所があるんだ」
そして二人で第7小隊の絡みがある場所へと移動する。
時期的には帝国軍が城下町手前の城門の奪還戦闘中だ。
「おぉ流石だねぇ、何かいつもより進軍速度も速いし何故かアリシアだけ突出してるし他の面子も堅実に強気で攻め上げてるねぇ」
イムカが車椅子押しているところをラムが車輪を手で掴み停めると、何故か狙撃銃用のスコープを車椅子のポーチから取り出す。
「それは何だ?」
「信号銃だよ」
「先端にグレネードが付いているように見えるのだが」
「まあ見れば分かるよ」
折りたたんであったストックを展開し、中折って薬室に装薬を装填…狙撃銃用スコープと思われていた物は専用のスコープだったらしく、スコープに引き金が付いていた。
「距離1500メートル…角度は42度かぁ〜着弾まで15秒って言ったところだね」
「弾種は榴弾か」
「正確には対戦車榴弾、一番遠くの軽戦車に…撃つ!」
そう言った瞬間に発射し、反動を車椅子の車輪で後退しつつ下がり加速しないようにイムカが押さえ込む
強力な反動を抑えるべくバックブラストを側面に流し出す設計の戦車兵用擲弾発射器である。
発射後は時計を見て実際に着弾する時間を計った。
「着弾…今!」
数秒遅れて敵戦車付近に着弾した。
少し満足したのか彼はこのまま城壁の上から下りるため、またイムカに頼んでいたのだった。
…
……攻防戦 第7小隊視点
…
「兄さん、前方の敵戦車の履帯が破壊されたようです」
「ふぅ…これで回り込まれる事はなくなった。一体誰の仕業なんだろう?よし、105ミリ徹甲弾自動装填!」
装填が終わると元ネームレス戦車である試作重戦車から強烈な砲撃が行われて、回り込もうとした帝国軍軽戦車は砲塔を天高く吹き飛びながら車体は跡形も無く消し飛んだ。
しかし相変わらず速度は遅く遮蔽物を利用しながら前方を駆け抜けるラルゴとロージーに追いつくのに手いっぱいだった。
「何か遅くねぇか?」
「アタイも見たことの無い戦車だねぇ…何処の何だいねぇ」
「うーむ…後で聞いてみようじゃねえか、何か事情があるんだろうな俺達の隊長はよう」
城門側からの突破部隊の先鋒はアリシアとたまたま避難して軽量型戦車駆逐戦車版を受理したザカが突破しつつある。
「何なんだ?戦車のクセして旋回砲塔がねえのに発射速度がおかしいだろ」
「そうは言ってもザカの兄貴、凄く操縦しやすいっす!」
「技術研究開発実験部隊に配備されていた物の御下がり品だからな、いやすげぇ良い整備している」
そんな車内と違ってアリシアは全然前に来ない駆逐戦車から完全孤立、帝国兵から集中砲火を浴びるものの傷が急速的に塞がったり
内部まで浸透した鉛弾が押し上げられるように飛び出て治っていく。
「うおっ何だコイツ!」
「ガリア軍の違法生物兵器だ!逃げろ!ぐぉぁぁっ!」
「まずい!全部隊撤退しろ!マクシミリアン殿下の勅命ぞ!撤退だぁっ!」
全然怯みもしないアリシアに対し帝国兵は橋を渡って撤退していった。
「ウェルキン、正面大橋の入り口を確保したわ」
<了解、よし作戦成功だ!みんなよくやってくれた>
一段落が付いて第7小隊全員が集合して休息を取っていると、ダモン大将がやって来た。
「皆御苦労、そして直ぐで申し訳ないのだが…川を挟んで向こうの地に橋頭堡を築いてもらいたい」
第7小隊の者達は静かにダモン将軍の話しを聞いている。
「可能であればそのまま付近の補給拠点を叩き、橋の制御装置の確保だ。なるべく霧があって干潮の時に進軍するのじゃぞ?では頼んだ」
「はっ!…でラルゴ、前にこんな事無かったよね」
「ウェルキン、確かにダモン自ら言いに来る事は無かった筈だが…それよりあの戦車は一体?」
ロージーも指を指して気になっていた。
操縦しているイサラが車内から出てくる。
「すみません、私にも分かりません。整備の仕方はテイマー父さんに教わったのですが…」
「そうか…いやまてテイマー技師?」
「何か分かったのか?ラルゴ」
「いや…ぱっとしない二等兵がそんな事言っていたような思い出を思い出したくらいだ」
一同全員が考え込んだが、誰一人このネームレス戦車の所在を全く知らないのである。
そんなことよりアリシアの焼いたパンを食べてすっかりどうでもいい事にして流されたのであった。
…
……数ヶ月後
……帝国連邦、ギルランダイオ要塞跡地
…
野戦テントに一同集まる帝国将校と、後からやってきたマクシミリアンとイェーガーにグレゴールの姿が見えるのである。
「イェーガー将軍。部隊の再編成整いました」
「ああ、あの光の槍がまた飛んでこない事を願うばかりだ」
「しかしイェーガーよ、敵も人造ヴァルキュリアを用意しようとしているのだろうか?もしそうであればファウゼン確保の不安要素になりかねん」
「おいおい幾ら何でも心配し過ぎだろう、アレは試作品ぽかったぜ」
マクシミリアンが大きく咳き込め唸り将校と二人は黙った。
翌日。帝国連邦内でマクシミリアン皇太子戦死は誤報だと知らされ、瞬く間に広まり一部戦線は大きく動くこととなった。
…
……帝国領内 連邦方面及びガリア南部
…
「ここは何としてでも守り抜け!」
「敵の攻撃が激しすぎる!隊長!砲兵に火力支援を!」
「今は無理だ!砲兵は陣地転換中だ!持ち堪えろ!」
クロード・ウォレス率いる第32機甲レンジャー大隊E小隊がこの森林による天然要塞を攻略中である。
今現在連邦軍はレンジャー大隊を中心に大攻勢を仕掛けているのであった。
「ラズ!前に出過ぎだ!ちゃんと周りを見ろ!」
「わっーてるよリナ、今度は死なねぇ程度に前に行く事なんだろ!」
ハーフェン号と少数の支援兵と共にF小隊も迂回戦術で敵の砲兵を叩いていた。
「隊長!足回りにかなり無茶かけてるぜ!?ちょっと止まってくれ!」
「あぁ助かるよオラール。マイルズ、停車して応急点検だ」
「了解っす先輩」
停車して足回りの点検と整備にそう時間は取らなかったが、それでも数分は掛かった。
そこで無線機からF小隊の通信が繋がる。
<敵の自走榴弾砲を5両撃破した。E小隊クロード班は敵の背後を突いてくれ>
「ありがとう。ロナルドさん、よし本班は敵の背後を叩く!前進する!」
…これが後々ガリア公国と連邦最初の接触と成り得る出来事になるのはそう遠くない
クロード達は急に空が暗くなった事に気が付くと、空には帝国軍の爆撃飛行船がE小隊を襲っていた。
「おいおい!マジかよリナ!ここは危険だ行くぞ!」
「行くって何処に!…そっちは!?」
「取り敢えずその家屋に入るぞ!お前等ッ!しっかり俺様に付いて来い!」
上空の飛行船は連邦軍や帝国軍を無差別爆撃してはそのままガリア公国南部へと侵入していき、過ぎ去るのだった。
クロードもこの出来事は前の記憶に無かったと発言し、もしその先に飛行船の補給施設があるならとそれを叩く為にレンジャー本部とは別で、独断行動に走るのだった。
…
……ガリア公国南部 ガッセーナル部隊
…
未だにランドグリーズの正規軍から孤立し、補給もままならないのに今も戦い続けている。
「妹よ、次の補給は何時ごろだ?」
「あと2週間。戦車を動かすラグナイト燃料はもう尽きている…医療用ラグナイトもこのままでは明日には枯渇する」
「……仕方あるまい、敵の装備を奪うしかなさそうだな?不幸中の幸いか弾薬だけは余らせる程に在庫はある」
動けない戦車隊はそのまま臨時の砲兵として榴弾砲撃支援を徹底して行い、戦車の移動は古典的な低摩擦移動法による丸太で転がす方法で微調整していた。
「また帝国軍の飛行船か…」
「伝令!」
「どうした!帝国軍が攻めて来たのか!?」
バルドレンは偵察兵の報告をしっかり聞こうと、資材不足もありながらまだ書けそうな部分に木炭の粉をしっかり準備する。
「いえ…ですが帝国軍でも友軍でも無いのがこちらの監視網に入りました。」
「何?…もしや連邦軍か?協力出来そうならここの場所を伝えてやってほしい」
「りょ…了解!」
「無茶はするな、膝に銃弾を食らって後方送りにされた人にはなるなよ」
「はい!」
ここでガリア公国正規軍と連邦軍E小隊との絡まりが始まるのである。