TSした俺は爆乳美少女 ~爆乳お姉さんたちに愛される百合ハーレム迷宮譚~ 作:TS百合好き
ミアさんの宿『旅人の休息亭』へ戻ってきた頃には、すっかり日が暮れていた。
夕食を済ませた俺たちは、それぞれの部屋で休むことになったのだが、その前に一つ、やらなければならないことがある。
そう。お風呂である。
「……それにしても、本当に部屋にお風呂があるんだな」
自分の部屋に戻った俺は、奥にある扉を開け、思わず感心してしまった。
そこには身体を洗うための場所だけでなく、一人でゆったりと浸かれそうな浴槽まで設けられていた。壁や床には水に強い石材が使われ、さらに給湯用の魔導具まで備え付けられている。
男だった頃に利用していた安宿には風呂そのものがなく、身体を洗いたければ公衆浴場へ行くしかなかった。それを考えれば、宿泊客の部屋ごとに浴室を用意しているこの宿が、少々値の張る理由も納得できる。
「……そりゃ、宿泊料金も高いわけだ」
とはいえ、今の俺にはありがたい設備だった。
何しろ、銭湯の女湯に入りたいと言ったら、リオナから猛反対されてしまったのだ。身体は完全に女性になっているのだから問題ないと思うのだが、どうやら彼女には彼女なりの言い分があるらしい。
……まあ、男だった頃から女の子が好きだと公言していた俺にも、少しくらい原因があるのかもしれないけど。
そんなことを考えながら魔導具を眺めていると、部屋の扉が控えめに叩かれた。
「レイン、入ってもいい?」
「ああ、どうぞ」
返事をすると、リオナが大きなタオルを抱えて入ってきた。
「お湯はちゃんと出た?」
「いや、まだなんだ。使い方がよく分からなくてさ」
「もう、しょうがないわね。こっちに来なさい」
リオナに教えてもらいながら魔導具を操作すると、ほどなくして温かな湯が流れ始めた。浴槽が満たされるまでには少し時間がかかるらしく、その間に入浴の準備を済ませることになった。
「じゃあ、私はちょっと準備してくるから。レインは先に服を脱いでおいて」
「分かった。……なあ、リオナ」
「何よ?」
「本当に手伝ってもらっていいの?」
「今さら何言ってるのよ。あんたが教えてほしいって言ったんでしょうが」
「いや、そうなんだけどさ。何か、改めて考えると悪いなって」
「別にいいわよ。髪の洗い方くらい教えてあげるから、さっさと準備しなさい」
そう言い残して、リオナは一度部屋を出ていった。
……本当に、頼りになる相棒だ。
俺は言われたとおり服を脱ぎ、浴室へと向かった。
昨日までは当たり前のように男の身体を洗っていた俺だが、今は事情がまるで違う。背中まで流れる長い髪に、細くなった腕や脚。そして何より、胸元には自分でも信じられないほど巨大な二つの膨らみが存在している。
これをどう扱えばいいのか、正直なところ見当もつかなかった。
そんなことを考えていると、再びリオナの声が聞こえてきた。
「レイン、もう入っても大丈夫?」
「ああ、いいよ」
「……じゃあ、入るわね」
そう言って姿を現したリオナを見て、俺は思わず目を丸くした。
「…………おお」
「……何よ、その反応」
リオナは大きなバスタオルを胸元から身体に巻きつけていた。
普段の探索者用の服や装備はもちろん、いつもの部屋着とも違う姿だ。赤茶色の長い髪は邪魔にならないようにまとめられ、露わになった肩や腕からは、日頃の鍛錬によって引き締まった身体つきがよく分かる。
それでいて、女性らしい曲線もしっかりと残っているのだから、何とも目に毒である。
……いや、リオナって改めて見ると、本当に美人だよな。
「……レイン?」
「あっ、ごめん。ちょっとびっくりして」
「もう……。あんたが手伝ってほしいって言うから、こうして来てあげたんでしょうが」
「いや、てっきり服を着たまま教えてくれるのかと……」
「そんな格好じゃ濡れるでしょ。それに、私は手伝うだけなんだからね?」
リオナは念を押すようにそう言うと、自分のバスタオルを軽く押さえた。
「……というか、同性同士とはいえ、さすがにまだあんたの前で裸になるっていうのは……」
「ん? まだ?」
「い、いや! まだって、そういう意味じゃなくて!」
何気なく聞き返しただけなのに、リオナは急に慌て始めた。
「そ、その……あんたとは一年半も相棒だったし、昨日まで男だったわけでしょ!? だから、いきなりお互い裸でお風呂に入るのは、ちょっと心の準備が……!」
「……ああ、なるほど」
確かに、それはそうかもしれない。
今の俺たちは女同士だが、リオナにとっては昨日まで男だった相棒である。いくら身体が女性になったからといって、すぐに何もかも気にせず接するというのは難しいのだろう。
「ごめん。無理に付き合わせるつもりはなかったんだけど」
「……別に、嫌だなんて言ってないでしょうが」
「え?」
「だから! 手伝うのは構わないって言ってるの! ほら、準備できたなら始めるわよ!」
「あ、ああ。よろしく」
何だかよく分からないが、どうやら機嫌を損ねたわけではないらしい。
俺はひとまず安心すると、最後に残っていた胸の補助具へ手を伸ばした。
ベルナさんに調整してもらったおかげで、今日は随分と楽に歩けるようになっていたのだが、さすがに風呂に入るときまで着けているわけにはいかない。
「……さて、と」
留め具を確かめ、慎重に補助具を緩めていく。
そして、胸を支えていた最後の部分を外した、その瞬間だった。
「……うおっ!?」
どぷんっ、と。
支えを失った巨大な胸が一気に下がり、遅れて大きく揺れた。それまで補助具に分散されていた重みが突然身体へとのしかかり、反射的に両腕で胸を支えたものの、予想以上の重量に思わず上体が傾いてしまう。
「ちょ、ちょっと! レイン!?」
「だ、大丈夫! 大丈夫だから!」
「全然大丈夫そうに見えないんだけど!?」
慌てて駆け寄ってきたリオナが俺の腕を掴み、倒れないように支えてくれた。
どうにか転ばずに済んだものの、補助具を外しただけでここまで身体の感覚が変わるとは思わなかった。
「……いや、これ、きっついな……」
「だから、ちゃんと支えてあげないと駄目だって言ったでしょうが」
「分かってたつもりなんだけどさ。まるで身体の前に重い米袋でも抱えてるみたいだ」
「……あんた、自分の胸をそんなものに例えないの」
「いや、だって本当に重いんだって……」
実際に何キロあるのかは分からないが、補助具を外した途端に感じる負担を考えれば、相当な重量があることだけは間違いなさそうだった。
……というか、こんなものを抱えていて、よく普段は普通に歩けているよな、俺。
そんな疑問が頭をよぎったものの、今はそれより先に身体を洗わなければならない。
「……よし。じゃあ、お願いするよ」
「ええ。まずは髪からね」
浴室に備え付けられた椅子へ腰を下ろすと、リオナが俺の背後に回った。
まずは長い髪を湯で濡らし、今日買ってきた洗髪料を使って洗っていくらしい。男だった頃の俺は短髪だったので、それほど手間をかけていなかったのだが、今の髪は背中まで届くほど長く、濡らすだけでも結構な時間がかかってしまう。
「……女の子って、毎日こんなに大変なの?」
「人によるわよ。短い髪ならもっと楽だし、あんたみたいに長ければ、その分だけ手間もかかるわ」
「なるほどなぁ……」
「だから、ちゃんと手入れしないと駄目なの。絡まったり傷んだりすると大変なんだから」
そう言いながら、リオナは俺の髪に洗髪料を馴染ませ、指の腹で丁寧に洗い始めた。
……おお。これ、なかなか気持ちいいな。
「……ああ、気持ちいい」
「ちょっと、寝ないでよ?」
「寝ないって。ただ、人に髪を洗ってもらうなんて久しぶりだからさ」
「……まったく。子供じゃないんだから」
呆れたように言いながらも、リオナの手つきは優しかった。
こうして世話を焼いてもらっていると、何だか本当に小さな子供に戻ったような気分になる。もっとも、身体は小さくなってしまったものの、胸だけはまったく子供らしくないのだが。
「……それにしても、やっぱり不思議ね」
「何が?」
「あんたの髪よ。昨日からお風呂に入ってなかったっていうのに、全然べたついてないし、絡まりもほとんどないの」
「ああ、それか。俺も気になってたんだよな」
女性化してからというもの、身体は不思議なくらい清潔な状態を保っている。
単に女性化した際に身体が綺麗な状態へ変化しただけなのか、それとも何らかの魔術的な効果が働いているのか。どちらにせよ、今のところは原因が分からなかった。
「そのあたりも、魔術の研究者に相談してみましょうか」
「そうだな。明日、誰か詳しい人を探してみよう」
そんな話をしているうちに髪を洗い終えたらしく、リオナが丁寧に泡を流してくれた。俺が礼を言うと、彼女は少し照れくさそうに笑いながら、今度は身体を洗うよう促してくる。
「そこは自分で洗えるでしょう?」
「うん。それくらいなら大丈夫だと思う」
「本当に?」
「……たぶん」
「もう……」
リオナが呆れたように笑った。
とはいえ、俺だって十九年間生きてきたのだから、身体くらい自分で洗える。今は少々事情が違うとはいえ、何もかもリオナに頼るわけにはいかないだろう。
そう考えながら身体を洗い始めたのだが、早々に一つの問題へ突き当たった。
「……なあ、リオナ」
「今度は何?」
「胸の下って、どうやって洗えばいいんだ?」
「……はい?」
リオナが何とも言えない表情を浮かべた。
いや、別にふざけているわけではない。腕や脚を洗う分にはそれほど困らなかったのだが、いざ胸元を洗おうとすると、予想以上に勝手が違ったのである。
谷間を洗うだけならともかく、胸の下側となると、自分の胸に隠れて見えない部分がかなりある。しかも、補助具を外した状態では胸の重みがそのまま身体にかかるため、少し前屈みになるだけでもバランスを崩しそうになるのだ。
「普通に持ち上げて洗えばいいでしょうが」
「いや、それは分かるんだけどさ……」
試しに片方の胸を手で支えて持ち上げてみると、確かにその下へ手が届きやすくなった。しかし、そうすると片手が塞がってしまううえ、慣れない姿勢で身体をひねろうとしたところ、危うく椅子から滑り落ちそうになってしまった。
「わっ、とと……!」
「ちょっと! 危ないってば!」
「ご、ごめん!」
慌てて姿勢を立て直すと、リオナが深々とため息をついた。
「……もう。だから大丈夫なのかって聞いたのに」
「いや、まさか自分の胸がこんなに邪魔になるとは思わなかったんだよ……」
「まあ、その大きさじゃね……」
リオナは俺の胸元を見つめると、何やら考え込むように腕を組んだ。
「……仕方ないわね。少し手伝ってあげるから、あんたは洗うことに集中しなさい」
「えっ、いいの?」
「そのまま無理して転ばれるよりはマシよ。……ほら、動かないで」
「う、うん」
俺が頷くと、リオナは背後からそっと手を伸ばし、両手で俺の胸を支えてくれた。
「……んっ」
不意に触れられた感覚に驚き、思わず妙な声が漏れてしまった。
「…………っ!?」
すると、なぜかリオナまでびくりと肩を震わせた。俺の胸を支えたまま一瞬固まり、それから慌てたように口を開く。
「ちょ、ちょっと! 変な声出さないでよ!」
「いや、急に触られたからびっくりしただけだって!」
「そ、そういうのは先に言いなさいよ!」
「そんなこと言われても……」
何とも理不尽な言い分に困っていると、リオナは気を取り直すように小さく咳払いをした。
「……そ、それにしても、これ……お、重っ……!」
「……だろ?」
「ちょっと待って。何これ……。こんなのを毎日支えてるわけ?」
「俺だって好きでこうなったわけじゃないんだけど……」
リオナは信じられないものを見るような顔で、俺の胸元へ視線を落とした。
「……私だって、そこらの巨乳って言われる人たちよりずっと大きいほうなのよ?」
「うん。知ってる」
「なのに、あんたのはそれより遥かに大きいじゃない……。見た目でも分かってたけど、実際に支えてみると全然違うわね」
「……俺も補助具を外すたびにそう思ってるよ」
男だった頃から、リオナの胸が非常に豊かなことは知っていた。普段は装備である程度抑えられているものの、それでも十分に目立つ体型だったし、少なくとも俺の周囲では彼女ほど胸の大きい女性は滅多にいなかった。
そんなリオナが、俺の胸を支えながら真顔で驚いているのだから、改めてとんでもない身体になってしまったものだ。
「……というか、リオナ。大丈夫? 結構重いだろ?」
「……そうね。正直、思ってた以上だわ。でも、これくらいなら大丈夫よ」
そう答えながらも、リオナは少しだけ腕の位置を調整し、どうにか支えやすい姿勢を探しているらしい。
「ほら、今のうちに洗っちゃいなさい」
「う、うん。ありがとう」
リオナに支えてもらっている間に、俺は胸の下側を丁寧に洗っていった。普段は自分の胸に隠れてしまう部分にも無理なく手が届くので、ようやく落ち着いて身体を洗うことができる。
「そこは汗が溜まりやすいから、ちゃんと洗っておいたほうがいいわよ。あと、石鹸が残らないようによく流して、上がったら水気もしっかり拭き取ること」
「なるほど……。覚えておくよ」
「……それにしても、本当に大きいわね」
「……さっきからそればっかりだな」
「だって、しょうがないじゃない。私だって自分の胸は大きいと思ってたけど、あんたを見てると感覚がおかしくなりそうなんだもの」
「ははっ。まあ、俺も自分で見てておかしくなりそうだけど」
そう言って笑うと、リオナもつられたように小さく笑った。
もっとも、その直後、彼女は自分が何をしているのか改めて意識したらしく、急に口を閉ざしてしまった。
「……リオナ?」
「……な、何でもないわよ! ほら、もう洗い終わったんでしょう!? だったら離すわよ!」
「あっ、ちょっと待っ――」
リオナの手が離れた瞬間、支えを失った胸が大きく揺れ、俺は慌てて両腕で支え直した。
「……うおっ!? い、いや、急に離すから!」
「ご、ごめん! つい……!」
二人して慌てる羽目になったものの、どうにか無事に洗い終えることができた。
……ああ、もう。補助具がないだけで、ここまで大変になるとは思わなかった。
とはいえ、いつまでもリオナに手伝ってもらうわけにもいかない。これから少しずつ自分に合った洗い方を覚えていけば、そのうち一人でも何とかなるだろう。
残った泡を丁寧に洗い流し、ようやく身体を洗い終えたところで、俺は浴槽へ向かった。
「……それじゃ、入るか」
「足元、気をつけなさいよ」
「分かってるって」
ゆっくりと湯の中へ足を入れ、そのまま慎重に腰を下ろす。
肩まで湯に浸かったところで、俺は思わず長い息を吐いた。
「……はぁぁぁ。生き返る……」
「ふふっ。随分気持ちよさそうね」
「いや、本当に気持ちいいよ。昨日から色々ありすぎたから、ようやく落ち着けた気がする」
温かな湯の中では、普段よりも身体が軽く感じられる。特に驚いたのは胸の重さで、湯に支えられるおかげなのか、補助具を外したときに感じたような負担がかなり和らいでいた。
「……おお、すげえ。風呂に入ると胸が軽くなるんだな」
「……あんた、そんなことまでいちいち感心するの?」
「いや、だって今までこんな経験なかったしさ。何というか、普段と全然感覚が違うんだよ」
「……まあ、そうでしょうね」
リオナは苦笑しながら、浴槽の脇へ腰を下ろした。
「……リオナは入らないの?」
「だから、今日は手伝うだけだって言ったでしょ。私は自分の部屋で入るわよ」
「そっか。……何だか申し訳ないな。せっかく来てもらったのに」
「別にいいのよ。あんたが慣れるまでの間くらい、手伝ってあげるって」
そう言って笑うリオナを見ていると、何だか胸の奥が温かくなってくる。
男だった頃から、俺たちは色々なことを一緒に乗り越えてきた。迷宮で危険な目に遭ったこともあれば、依頼が上手くいかず落ち込んだことだってある。それでも、互いに助け合いながら探索者を続けてこられたのは、リオナという相棒がいてくれたからだ。
そして今は、こんなことにまで付き合ってもらっている。
「……なあ、リオナ」
「何よ?」
「本当にありがとうな」
「……急にどうしたの?」
「いや、昨日からずっと助けてもらってるなと思ってさ。迷宮から連れ帰ってもらって、服のことも色々調べてくれて、今日はお風呂まで手伝ってもらってるだろ?」
「……そんなの、別にいいわよ」
「でも、俺一人だったら絶対に困ってたと思う。リオナがいてくれて、本当に助かったよ」
そう伝えると、リオナは一瞬だけ目を丸くした。そして、何かを言いかけたように口を開いたものの、結局何も言わず、少しだけ顔を赤くして視線を逸らしてしまった。
「……まったく。そういうことを、あんたは平気で言うんだから」
「え?」
「何でもないわよ。……私が好きでやってることなんだから、いちいち気にしなくていいの」
「……そっか」
そう言われると、こちらとしても素直に甘えてしまいたくなる。
もちろん、頼りっぱなしではいられないけれど。
「じゃあ、いつかリオナが困ったときは、俺がちゃんと助けるよ」
「……ええ。期待してるわ」
リオナは小さく微笑んだ。
その表情を見て、俺も自然と笑みを返す。
身体が女性になってしまい、これまで当たり前だったことが随分変わってしまった。それでも、リオナとの関係だけは、これからも大切にしていきたい。
……まあ、今の俺が以前のように彼女を守れるかどうかは、まだ分からないけれど。
まずは新しい身体に慣れて、もう一度まともに戦えるようにならないとな。
◇ ◇ ◇
入浴を終えたあとも、慣れない長い髪を乾かしたり、補助具を着け直したりと、何かと時間がかかってしまった。
結局、最後までリオナに手伝ってもらうことになり、彼女が自分の部屋へ戻っていったのは、夜もだいぶ更けてからだった。
「……ああ、疲れた」
ようやく寝間着へ着替えた俺は、ベッドへ腰を下ろし、深々と息を吐いた。
女性になって初めての風呂は思っていた以上に気持ち良かったが、同時に、自分の身体について知らないことがどれほど多いかを思い知らされる時間でもあった。
補助具を外したときの重さもそうだし、長い髪を洗う手間だって男だった頃とは比較にならない。特に胸の下側を洗うだけであれほど苦労するとは、さすがに予想外である。
……まあ、それでも。
俺は鏡に映る自分の姿へ視線を向けた。
手入れを終えた長い茶色の髪は、昨日よりもいっそう綺麗に見える。湯上がりの頬はほんのりと赤く、琥珀色の瞳もどこか柔らかい印象になっていた。
「……うん。やっぱり可愛いな、俺」
思わずそんなことを呟いてしまう。
もちろん、男に戻りたい気持ちがなくなったわけではない。けれども、この姿で生活することになった以上、少しくらい自分の容姿を楽しんだって罰は当たらないだろう。
そんなことを考えながら寝具へ潜り込み、明日の予定を頭の中で整理する。
教会で呪いの可能性を調べてもらったが、結局、原因は分からなかった。となれば、次は魔術そのものに詳しい人物を探すべきだろう。
幸い、迷宮都市には様々な専門家が集まっている。ギルドへ相談すれば、そういった人物を紹介してもらえるかもしれない。
「……よし。明日はギルドだな」
小さく頷くと、俺は目を閉じた。
明日こそ、何か一つでも新しいことが分かればいいのだが。