TSした俺は爆乳美少女 ~爆乳お姉さんたちに愛される百合ハーレム迷宮譚~ 作:TS百合好き
探索者ギルドを出た俺とリオナは、セレナさんから受け取った紹介状を頼りに、迷宮都市の魔術研究所へ向かっていた。
魔術研究所は、未知の魔導具や術式の解析を行う専門施設だ。普段なら探索者には縁遠い場所だが、迷宮産の品の鑑定を通じてギルドとも交流があるらしい。
「……ここか。思ってたより、ずっと立派な建物だな」
白い石材で造られた建物の正門には複雑な魔術紋様が刻まれ、奥にはいくつもの研究棟が並んでいる。窓越しには、分厚い書物を抱えた研究者らしい人影も見えた。
「この国でも有数の研究施設らしいわよ。特に迷宮に関する研究では、相当な実績があるみたい」
「へえ。それなら、俺の身体についても何か分かるかもしれないな」
紹介されたアステリア・ルナヴェールという名前には覚えがあった。前世で遊んだ美少女ゲーム『爆乳迷宮ハーレム』に登場する、銀紫色の長髪と紫色の瞳を持ったエルフの魔術研究者だ。名前も種族も職業も一致している以上、本人かもしれない。
……いや、落ち着け、俺。今日の目的は美女に会うことじゃなく、元の身体へ戻る手掛かりを探すことだろう。
「……レイン。さっきから何をにやにやしてるのよ」
「べ、別に! ちょっと考え事してただけだって!」
「ふうん。まあ、何でもいいけど。先生を待たせるわけにもいかないし、入りましょ」
表情を引き締め、リオナと門をくぐった。
◇ ◇ ◇
受付へ紹介状を差し出すと、ほどなくして面会の許可が下り、研究室へ案内された。
「……どうぞ、お入りください」
扉の向こうから聞こえたのは、落ち着いた女性の声だった。
書物や魔導具の並ぶ部屋の奥で、一人の女性が読んでいた本を閉じ、こちらへ顔を上げた。
「初めまして。アステリア・ルナヴェールです。探索者ギルドからご紹介いただいた方々ですね」
「…………っ」
思わず息を呑んだ。銀紫色の長髪に宝石のような紫色の瞳、片目には精巧な片眼鏡。白と黒を基調とした衣装は長身によく似合い、豊かな胸元から細い腰へと続く体つきまで、前世のゲームで見慣れた姿そのものだった。
……やっぱり、本人だ。画面の向こうでしか知らなかった美女が目の前にいるなんて、何とも不思議な気分だ。
「……どうかなさいましたか?」
「あっ、す、すみません! 初めまして、レインです。今日はよろしくお願いします!」
「リオナと申します。突然お邪魔して申し訳ありません」
リオナも続いて挨拶すると、アステリアさんは椅子を勧め、必要なら検査もできると説明してくれた。
「それでは、詳しい事情を伺いましょう。身体に不可解な変化が起きたとのことですが」
「はい。実は俺、数日前までは男だったんです」
我ながら無茶苦茶な話だが、俺は迷宮で突然魔法陣が発動し、気がついたときには女性の身体になっていたことを説明した。途中からはリオナにも補足してもらい、意識を失った俺がどのような状態だったのか、覚えている範囲で伝えていく。
「つまり、十九歳の男性探索者だったレインさんが、迷宮内で発動した魔法陣に包まれ、現在の姿へ変化した。その後は一度も男性の姿に戻っていないのですね。身体に痛みや不調などはありますか?」
「痛みはないです。ただ、身長も体格も変わったせいで、動くときの感覚が全然違って……特に、この胸が重くて大変なんですよ」
胸元へ視線を落とすと、アステリアさんも納得したように頷いた。ベルナさんの補助具で随分と楽にはなったものの、重さまで消えたわけではない。
「確かに、現在の体格では負担も大きいでしょうね。……教会では既に診察を受けたそうですが、結果はどうでしたか?」
「ルシアさんという神官の方に診てもらいました。一般的な呪いではないらしいんですけど、原因までは分からなくて」
「ルシアさんですか。お名前は存じています。では、呪術以外の可能性から調べましょう」
アステリアさんは手帳を開いた。
「身体を変化させる魔術自体は存在します。幻術のように見た目だけを偽るものとは違い、実際に肉体の一部を変える術式もありますから」
「本当ですか!? だったら俺も、元の姿に戻れるかもしれないってことですよね!」
身を乗り出す俺に、彼女は慎重に言葉を続けた。
「可能性は否定しません。ただし、現在知られている変身魔術には大きな制約があります。変化させられる範囲は限られますし、維持にも魔力が必要です。一般的な術式なら数時間程度で元に戻るでしょう。男性の肉体を完全に女性へ作り替え、その状態が何日も安定して続くような術式は、少なくとも私は存じません」
「……じゃあ、俺の場合は普通の変身魔術じゃないんでしょうか」
「まだ結論を出すには早いですね。まずは調べてみましょう」
取り出されたのは、銀色の台座に固定された透明な結晶だった。俺がその前に立つと、アステリアさんが指先から魔力を流し込み、淡い紫色の光を生み出す。柔らかな光が全身を包み、結晶の内部に複雑な紋様が浮かび上がっていった。
光が収まると、彼女は考えるように目を細めた。
「……既知の変身魔術が持続しているような反応は見られませんね。呪術的な異常も確認できません。ただ、現在の身体そのものが、妙に安定しています」
「それって、何かおかしいんですか?」
「魔法で一時的に姿を変えられているのではなく、魔法陣によって肉体そのものが作り替えられた可能性があります」
胸の奥が冷たくなった。元の身体が魔術で隠されているわけではないなら、術式を解除するだけでは戻れないのではないか。
「……あの、それって、俺はもう男には戻れないってことなんでしょうか」
「申し訳ありません。現時点では分かりません。ただ、戻れないと決まったわけでもありませんよ。肉体を変化させた仕組みが存在する以上、それを解明できれば逆の変化を起こせる可能性もあります。もちろん、安全に実現できるかどうかは別問題ですが」
断言はしてくれなかったが、分からないことを分からないと告げてくれるからこそ、その言葉には信頼が持てた。
「……ありがとうございます。俺、元に戻る方法を探したいんです。詳しく調べてもらえませんか?」
「承知しました。では、もう少し詳細な身体検査を行いましょう。……レインさん、服を脱いでいただけますか?」
「……はい?」
あまりにも自然な調子で言われたので、一瞬、何を要求されたのか分からなかった。
「正確には、魔力を通す衣服や補助具を外していただきたいのです。検査用の衣服はこちらでご用意しますし、必要な部分以外を露出することはありません」
「そ、そういう問題じゃなくてですね……!」
検査に必要なのは分かる。けれど、目の前にいるのは年上のエルフ美女だ。そんな人の前で服を脱ぐことになるなんて、男だった頃には想像もできなかった。
「……レイン、何をそんなに慌ててるのよ。ちゃんと説明してくれてるんだし、必要な検査なんでしょ?」
「そりゃ分かってるけどさ! リオナだって、初対面の人に服を脱いでくださいって言われたら恥ずかしいだろ!?」
「私だって恥ずかしくないとは言ってないわ。でも、今回は事情が事情でしょ」
アステリアさんが不思議そうに首を傾げた。
「……なるほど。恥ずかしさへの配慮が足りませんでしたね。申し訳ありません。無理にお願いするつもりはありませんので、レインさんご自身で決めてください」
せっかく元の身体へ戻る方法を探してもらっているのだ。恥ずかしいからと検査を断るわけにもいかない。
「……分かりました。お願いします」
「承知しました。リオナさんは、レインさんが希望されるなら立ち会っていただいても構いませんが」
「私は外で待っています。本人も、その方が落ち着くと思いますから。……レイン、終わったら呼んでね」
「えっ、リオナもいてくれないのか? 一人だと余計に緊張するんだけど……」
「……あんたねぇ。私までいたら、もっと恥ずかしいんじゃないの?」
俺が頷くと、リオナは部屋を出ていった。
◇ ◇ ◇
研究室の奥にある検査室で、服と補助具を外して検査着へ着替えると、胸の重さが一気に戻ってきた。
……やっぱり、ベルナさんの補助具は偉大だったんだな。
「準備はできましたか? まずは肩や腕、それから背中の状態を確認します。痛みや違和感があれば、すぐに教えてください」
「は、はい。よろしくお願いします」
アステリアさんは肩から腕、背中へと手を添え、魔力を流して状態を確かめた。身体の奥をなぞられるような不思議な感覚だったが、真剣な診察ぶりに俺も少し落ち着いてきた。
「骨格や筋肉に目立った異常はありませんね。現在の身体に合わせて内部の構造も変化しており、魔力で無理に形を保っているような兆候も見られません」
「じゃあ……本当に、身体そのものが女の子になってるんですね」
「その可能性が高いでしょう。……では次に、胸部の状態を確認します。よろしいですか?」
「……っ! は、はい。大丈夫です!」
……やっぱり、落ち着くのは無理かもしれない。
アステリアさんが慎重に胸元へ手を添える。必要な検査だと分かっていても、年上エルフ美女に身体を調べられるのは心臓に悪い。
「……胸部の組織も自然な状態ですね。表面的な膨張ではなく、現在の身体に適合しています。ただ、この大きさは非常に珍しい」
「……えっ、何か異常があるんですか?」
「いえ、異常という意味ではありません。私の知る限り、これほど豊かな胸部をお持ちなのは、エルフの最長老様くらいでしょうか」
「さ、最長老様!? えっ、エルフの最長老様って、そんなに……!?」
「はい。あの方も非常に豊かな体格をされています。ただ、レインさんは身長が百五十四センチですから、体格に対する比率ではさらに珍しいかもしれませんね」
エルフの最長老様といえば相当な大人物だろうに、こんな形で名前を聞くとは思わなかった。しかも比較されているのは胸の大きさである。
アステリアさんは淡々と記録を書き続け、研究以外の感情はまるで見えなかった。
「あの……アステリアさん。検査が必要なのは分かるんですけど、その……やっぱり少し恥ずかしくて……」
「……失礼しました。研究に集中しすぎていたようです。不快な思いをさせてしまいましたか?」
「い、いえ! そうじゃないです! 検査は続けてもらって大丈夫ですから!」
「承知しました。では、必要な確認だけ済ませますね」
診察を再開するアステリアさんは、相変わらず冷静そのものだった。丁寧に気遣ってくれる声まで魅力的で、つい聞き惚れそうになる。
……いやいや。相手は真剣に調べてくれているんだから、俺も少しは集中しないとな。
◇ ◇ ◇
「……以上で検査は終了です。お疲れさまでした」
「ありがとうございました。……何だか、思った以上に緊張しましたけど」
服と補助具を身につけ直し、ようやく人心地がついた。診察は終始丁寧だったのに、これほど疲れたのは、俺が勝手に意識してしまったせいだろう。
「結果ですが、やはり既知の変身魔術が持続している兆候はありません。骨格や筋肉も、現在の身体として安定しています。肉体そのものが作り替えられたという仮説は、さらに有力になりましたね」
「……そうですか。じゃあ、普通の変身魔術みたいに解除するのは難しいんですね」
「少なくとも、解除すべき術式は見当たりません。ただ、元へ戻せないと決まったわけではありませんよ。何が起きたのかを知るためにも、魔法陣について詳しく伺う必要があります」
そこで、魔法陣の発動を目撃したリオナにも同席してもらうことになった。
待合室へ戻って声をかけると、リオナはすぐに立ち上がり、心配そうに俺の顔を覗き込んできた。
「……どうだった? 何か分かったの?」
「普通の変身魔術じゃない可能性が高いって。戻る方法はまだ分からないけど、魔法陣の仕組みを調べれば手掛かりが見つかるかもしれないらしい」
「……そっか。すぐに分かるとは思ってなかったし、焦らず調べていきましょ。私にもできることがあったら言ってね」
肩へ手を置いてくれるリオナの気遣いに、胸の奥が温かくなった。
「ありがとう。……それにしても、検査って思ってた以上に疲れるな」
「そんなに? 痛いことでもされたの?」
「いや、そうじゃなくてさ。アステリアさんって、すごく綺麗な人だろ? そんな人の前で服を脱いで診察してもらうなんて、さすがに緊張するっていうか……」
「…………あんたって、本当に変わらないわね。身体が女の子になっても、頭の中はそのままなんだから」
「何だよ、それ! 俺だって好きで緊張してたわけじゃないぞ!」
リオナは呆れたように肩をすくめているが、口元には笑みが浮かんでいた。
◇ ◇ ◇
「では、魔法陣について、改めてお二人からお話を伺いましょう」
俺たちは改めて事情を説明したが、宝物庫の詳しい場所と財宝については伏せた。宝箱を開けたことは重要な情報でも、発見場所を明かす必要まではないはずだ。
俺が最初に罠を調べたときの様子を話し、リオナは俺が光に包まれ、消えた直後には少女になって倒れていたことを説明してくれた。
「つまり、最初に室内を調べた段階では、床に魔力の反応を感じなかったのですね?」
「はい。宝箱を開ける前に、一通り確認しました。もちろん、俺が見落としていた可能性もありますけど、その時点では異常を感じませんでした」
「その後、いくつか宝箱を開けてから床の紋様に気づき、魔力が反応し始めた……。なるほど」
記録を見つめていたアステリアさんが、ゆっくりと顔を上げた。
「もしかすると、宝箱を開けるという行為そのものが、魔法陣の起動条件だったのかもしれません」
「宝箱を開けたことが、ですか?」
「はい。特定の場所を通過する、あるいは何かに触れるといった条件で起動する術式は存在します。今回も同じような仕組みだったと考えれば、最初の確認で反応がなかった理由は説明できますね。ただし、どの宝箱が条件だったのか、複数の条件が必要だったのかまでは分かりません」
確かに辻褄は合うが、それでは最初にいくら調べても防げない。財宝を発見してから突然罠が動き始めるなんて、どうやって避ければいいんだ。
「だけど、それじゃ最初に罠を調べても意味がないですよね。宝箱を開けるまで何も起きないなら、気づきようがありませんし……」
「ええ。そこが特に興味深い点です。迷宮に存在する罠の大半には、何らかの形で回避する余地が用意されていますから」
アステリアさんによれば、床の魔法陣なら微かな魔力の反応や紋様、宝箱の仕掛けなら鍵穴や蝶番の不自然な構造など、注意深く観察すれば何かしらの手掛かりが見つかることが多いらしい。
「もちろん、必ず発見できるわけでも、見つければ安全に解除できるわけでもありません。ただ、知識や技術によって危険を避けられる余地がある。それが、これまで確認されてきた迷宮の罠に共通する傾向なのです」
「……確かに、俺も今まではそういう罠ばかり見てきました。見落としたら危険だけど、調べれば何かしら手掛かりがあるというか」
「今回の仕掛けが本当に何の前兆もなく発動したのなら、かなり珍しい事例になりますね。少なくとも、私は同様の報告を知りません。ただ、別の方法なら回避できた可能性もありますし、現場を調べない限り断定はできませんが」
アステリアさんの紫色の瞳が、僅かに輝いた。
「……それにしても、不思議ですよね。どうして迷宮の罠には、わざわざ見抜くための手掛かりが残されているんでしょう? 侵入者を排除するのが目的なら、もっと確実に発動する罠を仕掛けてもおかしくないと思うんですけど……」
「それも大きな謎の一つです。迷宮がいつ、誰によって、何のために造られたのか。あるいは誰かが造ったものですらないのか。根本的なところから、まだ分かっていません」
迷宮は自然の洞窟では説明できない構造を持ち、通路や階層の配置さえ時折変わる。魔物や宝箱が現れる仕組みも謎だという。今まで当たり前のように潜っていたけれど、改めて考えれば不思議な場所だった。
「そのため、一説には『迷宮は神々が人類へ与えた試練である』という考え方もあります」
「……神様の試練、ですか?」
「はい。危険な魔物や罠がある一方で、知恵や技術を使えば乗り越えられる余地があり、奥へ進めば報酬も得られる。その仕組みから、迷宮は探索者の能力を試すために存在するのではないか、と考える方々も少なくありません」
確かに試練という言葉は似合うが、迷宮では多くの探索者が命を落としている。神様の試練にしては、随分と容赦がない。
「もっとも、神々が人々にそのような危険を与える理由は何なのか、そもそも神々が造ったという証拠があるのか、といった疑問も残ります。迷宮を巨大な魔導装置と考える説もあれば、特殊な空間が自然に発生したという説もありますが、いずれも決定的な証拠はありません」
「……じゃあ、本当のところは誰にも分からないんですね」
「そのとおりです。私自身、長年研究を続けていますが、分からないことばかりですよ……だからこそ、研究する価値があるのですが」
そう言ったアステリアさんは、ほんの僅かに口元を緩めた。
「今回の魔法陣も同じです。宝箱を開けたことが起動条件だった可能性はありますが、なぜレインさんだけが対象になったのか、なぜ肉体を変化させたのかまでは分かりません。今後、新しい情報が得られたら教えていただけると助かります」
「……俺も、そこが一番知りたいんです。もちろん、何か分かったらお伝えします」
「ありがとうございます。私も今日の検査結果を整理し、関連する術式の資料を調べてみましょう。ただ、すぐに答えが出るとはお約束できませんので、その点はご了承ください」
「はい。それでも、調べてもらえるだけでありがたいです」
手帳を閉じたアステリアさんが、俺へ視線を戻す。
「それから、レインさん。身体を調べた際、魔力の流れにも気になる反応がありました。次回は魔力量や魔力操作の適性について、もう少し詳しく確認させていただけますか?」
「魔力量、ですか? 身体強化なら男だった頃から使ってましたけど、何かおかしいんでしょうか」
「まだ分かりません。今日は診察と聞き取りで十分な情報をいただきましたし、改めて測定した方が正確でしょう。必要な準備もありますから」
俺自身も魔力の感覚が変わったことは気になっていたので、異論はなかった。
「分かりました。ぜひお願いします!」
「承知しました。日程については、研究所の受付を通して調整しましょう」
次回の診察を約束して席を立つ。元へ戻る方法は見つからなかったが、俺の身体が既知の変身魔術では説明できないことと、あの魔法陣が特殊な仕掛けだった可能性は分かった。何も分からなかった頃より、確かに前へ進めた気がする。
「レインさん。原因が不明な以上、身体に変わったことがあれば無理をせず相談してください。……それでは、またお会いしましょう」
「はい! 今日は本当にありがとうございました!」
隣のリオナと一緒に頭を下げ、俺たちは魔術研究所をあとにした。
外へ出ると、迷宮都市には相変わらず人々の声が響いていた。数日前と変わらない街並みを眺めながら、俺は少しだけ肩の力を抜いた。
「……どうだった、レイン。少しは気が楽になった?」
「まあな。すぐには戻れないみたいだけど、アステリアさんが調べてくれるって言うし。何も分からずに悩んでるより、ずっといいよ」
「……そうね。私も協力するから、焦らずやっていきましょ」
「ああ。頼りにしてるぞ、リオナ!」
照れたように顔を逸らす相棒を見て、俺も自然と笑顔になった。……それにしても、次は魔力量の検査か。まだまだ自分の身体について知らないことがありそうだ。
そんなことを考えながら、俺はリオナと肩を並べ、宿へ続く通りを歩いていった。