魔法少女ノ魔女裁判~No Continue~   作:イ―グル

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第4話 Im a 仮面ライダー

恐れていた最悪の事態に発展してしまった。

閉鎖的な環境での殺人事件。

そのうえで仲良くなってきた仲間の処刑を行う、最悪の儀式。

状況に各々絶望しながらも、屋敷内を調査していた。

この屋敷の規則によると、魔女裁判までの時間は拘束時間を含めて「捜査」が可能らしい。

僕も只々指を加えて見ていられないと思い、調査をしている。

はじめに調査に向かったのは遺体発見現場の中庭。

死体の痛々しさと蝶の美しさという、相反する2つがある空間でノアさんは倒れている。

「………」

あんなに無邪気で良い子が死んでしまうなんて。

今でも信じることができない。

仮面ライダーであり、医者であるからこそ命の大切さは強く知っている。

だが、眼の前の光景はそれを告げている。

一先ず、証拠品として場の写真をスマホで取る。

目立った外傷と見られるのは喉と胸の2箇所の刺し傷。

喉の方は中庭の柵が貫通しているが、胸の方は穴が空いているだけになっている。

おそらく犯人は殺意か、確実に殺害するためか、二撃目を与えたことになる。

「ん?なんだコレ?」

遺体の下を見てみると、何か細い物の破片と四角い跡を見つけた。

「あら、なにか見つけたのかしら?」

後ろを向くとナノカさんが立っていた。

「いや、遺体の下を見たらなんか細い破片と四角い跡があって」

ナノカさんも遺体の下を覗き込む。

「…本当ね。見た感じ金属製ね」

「柵の一部かとも思ったけど、色が違うんだよな…」

「それに四角い跡も気になるわね…」

「なんか見たことある大きさなんだよな…」

「写真には取っておきましょう。なにかに使えるかも知れないわ」

同様に写真に取っておく。

「ところで、ナノカさんは何をしに?」

「目的はあなたと同じよ。流石に裁判で何もせず犯人になっては困るもの」

そんなこんなで会話をしつつ、僕とナノカさんは2階のアトリエへと上がっていった。

 

2階のアトリエへと上がったのには理由がある。

ノアさんの死因はあの二つの刺し傷なのは間違いないだろう。

少女達が特段抵抗の音なども聞いていないとなると、2階からの突き落としがあり得る。

そして、ノアさんの遺体の上にある部屋はアトリエ。

なのでここを調べるに至った、というわけである。

アトリエは昨日あんなに賑わっていたのに、とても殺風景で冷たさをひしひしと感じた。

「あ、永夢さんとナノカさん!」

シェリーさんとハンナさんが先客として来ていた。

「あなた達も捜査ですの?」

「僕も裁判に参加するので」

「私も何もせずに処刑は納得できないもの」

そうしていると、シェリーさんがベランダの前で止まる。

「ん?シェリーさんどうしたんですの?」

「いや〜名探偵シェリーちゃん、重要な証拠を見つけちゃったかも知れないです!!」

ベランダの方に駆け寄ってみると、5本の線が書かれていた。

「コレは…少なくとも血ではなさそうね」

血なら蝶になるはずなので、おそらくここにあったペンキか何かだろう。

「もしかしたらダイニングメッセージかも知れませんね!!」

そのことを聞き、すぐに僕とナノカさんは中庭へと降りた。

「やっぱりね」

ノアさんの指を見てみると、ペンキの跡のようなものがあった。

その後も外や牢屋等を見て回ったが、特に異常な点は見つからなかった。

そして遂にその時間がやってくる。

重々しい鐘の音が屋敷全体に響き、それと同時にメールがスマホに来る。

『魔女裁判の時間となりました』

『至急、裁判所へとお集まりください』

『なお、従わないものは看守によって連行いたします』

かならず来るものだと分かっていたが、気が重い。

だが、やるしかない。

あんな純粋無垢な子を殺めた犯人を探し出さねば。

コツコツという音を残しながら、裁判所へと向かう。

「あ…、永夢さん」

後ろを見ると、エマさんが居た。

「………………」

「………………」

お互いに気まずい時間が流れる。

「…エマさん」

「は、はいっ!!」

僕から声をかける。

「犯人、見つけ出しましょうね」

「…うん」

そうして、二人で裁判所の扉の前に立つ。

ここから始まるのは命を懸けた人狼ゲーム。

十二人の少女と一人の小児科医の残酷な物語の始まり。

その覚悟とともに、二人は裁判所の中へと進む。

 

裁判所の中はにはすでに僕たち以外の11人が揃っている。

各々、重苦しい空気を出しながら証言台の前に立っていた。

僕たちが裁判所内に入ると事前に待機していた看守が入り口の前に立つ。

「どうやら全員揃ったようですね」

声の方向を見ると、上の手すりにゴクチョーがとまっていた。

…くそ。

どうにかしてこの運命を変えられないのか…

「それでは魔女裁判、開廷です!」

 

「さて、まずは状況からまとめようか」

最初に口を開いたのはレイアだった。

「被害者は城ケ崎ノアくん。死因は胸と喉の傷からの出血死。これで間違いないかな」

「多分あの感じだと、それで間違いないんじゃねぇの」

ぶっきらぼうにアリサさんが答える。

「当日は特に雨も降っていなかったし、犯人につながるめぼしい物もない感じですね」

「足跡とかあればよかったんですけどね~」

シェリーさんがむむむむと顔に手を当てながら考えている。

「一応死亡推定時刻をかじり知識で調べたんだが、大体昨日の21時半から22時の間みたいだね」

レイアさんそんな知識もあるのか。

そう感心していると、焦点はアリバイへと移る。

「昨日のその頃は私とシェリーさん、エマさんで図書館にいましたわ」

「そうね、私も二人がいたのは見ているわ」

一先ず、マーゴさん、ハンナさん、シェリーさん、エマさんはアリバイがある。

「私は外の探索をしていたわ。紫藤アリサを途中で見かけたわね」

「あぁ、確かにいたな」

ナノカさん、アリサさんもある。

「わ、私は倒れていたアンアンさんと一緒に医務室に…」

『それはわがはいが保証する』

メルルさん、アンアンさんもOK。

「おじさんはココちゃんと一緒に娯楽室にいたかな…」

「そうそう!なんか配信のネタにならないかな〜って!」

配信とはここに来た初日からやっているスマホの昨日を利用したものだ。

僕もやることがない時は見ている。

「…私は少し館内を調べようと見回っていた」

ヒロさんが口を開く。

どうやら単独行動だったようだ。

「私はラウンジで休憩してて、その後部屋に戻ったね」

レイアさんも同じようだ。

「僕は部屋で休んでいましたね」

ここで全員の行動が出たが、その内立証できないのが僕含めた3人。

「怪しいのは永夢さん、ヒロさん、レイアさんですね!!」

シェリーさんが快活な声でそう言う。

「じゃあ、3人の行動を整理していきましょうか」

 

少し時間が立って3人の行動の説明が終わり、残り15分というところになった。

「う〜ん、3人とも証拠に欠けますね〜」

事態が膠着しており、このままだとルールに従って全員処刑という最悪の未来も見えてくる。

「ちょ、ちょっといいかな!」

その膠着を破ったのはエマさんだった。

「実は皆に話していなかったことがあるんだ!」

なんだなんだとエマさんに注目が集まる。

「その時間帯にボクはレイアちゃんに電話を掛けてるんだ」

「それはなんでですか?エマさん」

当然の疑問をシェリーさんが投げかける。

「その時は間違ってボタンを押しちゃって…でも、その場面はシェリーちゃんも見てるはずだよ」

「あ〜そういえば、あの時のレイアさんだったんですね」

初めて会った時にレイアさんの提案で全員とは連絡先を交換している。

そのため、間違って掛けてもおかしくないだろう。

「話は戻るけど、その時に水音がしたんだ」

「水音?」

つい反応してしまった。

「昨日は雨は降ってなかったよね?」

「う、うん。でも、確かにその音が聞こえたんだ」

そして、エマさんとシェリーさんが少し考えた後、エマさんが先に口を開いた。

「もしかしてだけど、これなら筋が通るかも知れない!」

全員の注目がエマさんに再び集まる。

「じゃあ、説明してもらいましょうか!その説とやらを!」

 

「レイアちゃんは多分シャワーを浴びていたんだ」

「シャワー?なんでそんなん断定できるん?」

「レイアちゃんがシャワーを浴びた理由、それは…」

少し言葉をつまらせながら、話す。

「血を、洗い落とすために…!」

その発言を聞いたレイアさんは驚きを隠せないようだ。

「ちょ、ちょっと待ち給えよエマくん!流石に話が飛躍しすぎじゃないかい!」

「理由もあるんだ。ノアちゃんがアトリエに行った後に、レイアちゃんも行ったのを見たこと」

「そして、棒状の近接凶器をもってる唯一の人であること。最後に…」

「君の行動からだよ!」

その発言に全員があっけにとられる。

「おい、桜羽!流石にそれは意味がわかんねぇぞ!!ちゃんと説明しやがれ!」

「ちょっと私も納得できないわね」

アリサさんとマーゴさんがそう発言する。

そりゃそうだ、僕だって困惑する。

「も、もちろん順を追って説明するよ」

「まず1つ目の理由は図書室を出る時にノアちゃんが入った後、レイアちゃんも入ったこと」

「これはハンナちゃんとシェリーちゃんも見てるはずだよ」

「それは私たちも見てましたわね」

「ですね〜その時、レイアさんは背を向けていたのでわからなかったかも知れませんね」

コレに関しては信憑性はありそうだ。

「2つ目はノアちゃんの胸に開いた穴だよ」

「穴?あれくらいなら柵壊して刺せば開くんじゃないの?」

ココさんが疑問を呈する。

「あの中庭で柵が壊された形跡はなかった。となると細い凶器を持っていたことになるんだよ」

「この中で細い凶器ってなると、レイアちゃんが持ってる凶器のレイピアしか無いんだよ」

レイピア………もしかして。

「そして、最後にレイアちゃんの行動だけど…君は全体の中心にいたよね?」

「ま、まぁ、音頭は取ってるからね」

「そしてレイアちゃんは芸能人。人の注目が集まる職業」

「其処から考えられるのは、ただ1つ…」

裁判所がしん、と静まり返る。

「レイアちゃんは自分以外に注目が集まるのが嫌だったんじゃないのかな?」

まさかの回答が出てきた。

「レイアちゃんは注目を浴びるのが生きる目的だった、それがノアちゃんに取って代わられた」

「そのことはレイアちゃんの心に深い傷を負わせた。それが犯行原因なんじゃないかな?」

その理論はどこか頼りないが、どこか信憑性も感じさせる。

「………エマくん」

レイアさんが少し力が抜けたように話す。

「それで、証拠は何処だい?」

「ウグッ!!」

「証拠がないなら立証はできない。それをどうするつもりだい?」

形勢がエマさん不利になりかけていた時、僕は動いた。

「証拠なら、あるよ」

「えっ!」

そう言って、スマホの画面を共有する。

「これって、まさか!」

「何かしらの破片、と思って撮影したんだけど」

金属製の細い物体。

この証拠たちはそれがレイピアの破片であろうことを示していた。

「さぁ、レイピアを見せてもらおうか」

レイアは俯き、表情は分からない。

「……やってしまったんだね、私は」

全てを諦めたかのように、喋るレイアさん。

「否定はしないのか」

「こんな証拠が出てては言い逃れもできないからね」

その言葉を最後に、議論の時間は終了となった。

 

投票で選ばれたのは蓮見レイアだった。

「レイアちゃん。何であんなことを…」

「私は…許せなかったんだ。私より目立ったことが」

彼女は少しだけ昔話をしてくれた。

彼女のお母さんが病で彼女を見ないほど、心を閉ざしてしまったこと。

視線を向けてもらうために芸能界にデビューしたこと。

でも、母親は自分を見てくれなかった。

自分がもっと一番にならなければ。

そう思う中で視線誘導の魔法に目覚め、事件でも視線を固定して、ベランダから突き落とした。

「結局、こんな結果を招いてしまったのは私自身だけどね」

「…………………」

場が静まり返るとともに、ゴクチョーが話し出す。

「あの~、もういいですかね?処刑の方始めちゃいたいんですが」

あまりの呑気さに呆れすら覚える。

「それでは、各自のスマホに表示されたボタンを押してください」

スマホにはいつの間にか、『処刑』と書かれたボタンが表示されていた。

この屋敷には、一体いくつ人を追い詰める要素があるんだ?

「長めに、グ~~っと押していただけると」

尋常ではない罪の意識を背負い込むことを強要されながら、ボタンに手を置く。

押すと、ゲージが溜まっていき満杯になると同時にチェックマークが出た。

ある者は躊躇いながら、ある者は苦痛の顔でボタンを押していく。

「はい!ではこれから魔女の処刑を始めていきます~」

その声と同時に、中央の台座のようなものが歯車の回る音とともに下降していく。

そして、その台座と入れ替わるように出てきたのは立像だった。

まるで処刑には似つかわしくない、女神の立像。

だが、その立像には中央に細い一本線が入っている。

そして完全に立像が上昇しきると同時に、その一本線を中心に立像が開いていった。

「なるほど…、アイアンメイデンというわけね」

その中は青い薔薇と数え切れないほどの針が中を埋め尽くしていた。

「!ま、待ってくれ!!あの処刑方法だけは!」

これを見た途端、レイアさんが動揺する。

拒否する彼女に目もむけず、看守は彼女を処刑台の前に連れていく。

すると、青い薔薇の中から次々と腕が伸びてきて彼女を捕らえて、内側に引き込んでいく。

まるで獲物を前にした怪物が食らいつくように。

「こ、これだけは嫌だ!!別の処刑方法にしよう!!」

アイアンメイデンが閉まりかけている状態でも、必死に抵抗して話し続ける。

「だってこれじゃあ!!みんなから見れないじゃないか!!」

自分を貫いているのか、それとも醜くあがいているだけなのか。

そんな中、彼女の体に変化が起こる。

彼女の顔がひび割れるよに傷が出来始めた。

本能的に、これが魔女化が進行しているのだと理解した。

そして彼女の抵抗も歯が立たず、アイアンメイデンは閉まる。

それと同時に、この世のものとは思えない絶叫と彼女から流れているであろう血が流れる。

「彼女はなれはてとなりましたので、永遠の牢獄に閉じ込めます」

そう言って彼が裁判を終わらせようとした時だった。

突然処刑台の立像が割れ始めた。

小さなヒビから大きなヒビへと段々と広がっていき、遂に立像は完全に壊れた。

「!あれは!」

その中から出てきたのは僕にとって見覚えのあるものだった。

茶色く凸凹した肌に、ゲームのような不安定な四肢を持つウイルス(・・・・)。

バグスターユニオン。

ゲーム病を発症した患者がはじめになる姿。

「うわ!何アレ!キモ!」

「な、何なんですの、あれは〜!」

裁判も終わったことでここにいる必要もないし、むしろいるほうが危険だ。

「みんな!急いで出口に!」

そう声をかけて、あっけにとられていた少女達もハッと気づき、急いで出口へ向かう。

「キュオオオオオオ!!!!!」

叫び声を上げながら、少女たちを蹂躙しようと腕や足を振り回すバグスターユニオン。

「皆待っ、キャンッ!」

声の方向を見ると、エマさんがつまずいて転んでしまっていた。

「キュオオオオオオオオオ!!!!!」

転倒したエマさんに向けてバグスターユニオンの拳が振るわれる。

「危ないっ!!!」

間一髪の所でエマさんを抱え込んで救出し、出口へ向かう。

後ろを見ると、看守がバグスターユニオンと交戦している様子だが、拮抗しているようだ。

看守が鎌を振るって、その刃を突き立てようとするが、体表に防がれているようだ。

一方で、バグスターユニオンも攻撃しているが看守の高い機動力で躱されている。

このままじゃ、いずれ被害が出ちまう!

ゴクチョーは飛び回ってユニオンの注意を引いているが、あまり効果が出ている様子はない。

そうしていると、ユニオンは両手を振り回し始めた。

やがてそれは竜巻がごとき速度となり、看守とゴクチョーを吹き飛ばす。

看守はあまりの速度で吹き飛ばされたあまり、天井の通気口に挟まってしまった。

ゴクチョーはというと、木端微塵になったのか羽が散乱している。

「クソ、藁でも縋りたい気分だ…!」

その時、エマさんが何かに気づいたような声で話しかける。

「え、永夢さん!指輪が!」

指輪?と思い、指輪をつけている右手を見る。

すると、その指輪は光りながら形を変えていた。

その光が収まると、指輪はアタッシュケースに変化していた。

なんでだ?何でこんな時にアタッシュケースに?

だが、変化する前の指輪に同封されていた手紙

『最後の希望 

      ピンチの時、欲しいものを願って』

の内容を思い出す。

この状況で欲しいもの……まさか!

「な、なんでアタッシュケースに…って永夢さん⁉」

俺は急いでアッシュケースのロックを外し、中身を確認する。

「やっぱりだ!」

中は上面と下面で内容物が違っていた。

上面は手のひらより少し大きいくらいのカセットのようなものが整列して入っている。

下面には黄緑を基調とした機械が入っていた。

「なんだろう、これ…?」

エマさんは困惑しているが、俺はこれが何なのか分かっていた。

すぐに黄緑色の機械、通称ゲーマドライバーを取り出し腰に装着する。

そしてケースの上面から幾つかののカセット、ガシャットを取り出す。

「マイティアクションX!!」

その音声が流れると同時に、ゲームエリアが展開される。

「え、永夢さん?」

エマの前に立ち、俺は構える。

「ここにいる全員の運命は!」

「俺が変える!!」

「変身!!!」

「ガシャット!!」

そしてガシャットをドライバーに差し込む。

「レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネイム?!」

そして俺の姿が変わる。

「Im a 仮面ライダー」

その姿は初めて見た人なら可笑しく思うだろう。

何せ3頭身の姿なのだから。

だが、この状態がないと治療が始められない。

そのことを俺は良く知っている。

「よし!まずは武器だ!!」

「ガシャコンブレイカー!!」

武器を出現させ、本格的な治療を開始する。

「キュオオオオ!!」

ユニオンが俺を潰さまいと拳を振るってくるが得意のジャンプで躱す。

「今度はこっちの番だ!!」

交わした先にあったブロックをブレイカーで破壊し、エナジーアイテムをゲットする。

「アイテムゲット!!パワーアップ!!」

マッスル化のアイテムをゲットし、一転攻勢に回る。

ブレイカーのBボタンを押し、マッスル×チャージ攻撃で一気にダメージを与える、

次々と『HIT!!』の文字を生み出していき、段々敵の動きも鈍っていく。

ブロックを経由し、裁判所の天井を蹴って頭上に攻撃を叩き込む。

『PERFECT!!!』

それと同時にバグスターユニオンは爆散し、レイアさんと複数のバグスターウイルスに分かれる。

「や、やったの⁉」

エマは分離したレイアを抱えて、退避していく。

レイアは処刑されたのもあって、もう生きてはいないようだ。

……こんなことに巻き込まらなければ、人を殺すことも、殺されることもなかったのに…!

そう後悔する暇もなく、次の敵がやってくる。

分離したバグスターが結集し、怪人の姿と化していく。

その姿は騎士のようで、レイピアを構え複数の騎士型バグスターを率いている。

「よし、一気に殲滅だ!」

俺はドライバーの持ち手に手をかけ、勢いよく開く。

「ガチャッード!!!」

「レベルアップ!!」

そして前に出現したホログラムに飛び込む。

「マイティジャンプ!マイティキック!マイティマイティアクション!X!」

そうして俺の姿がレベル2へと変わる。

三頭身とは打って変わって、完全に人型となる。

「ノーコンティニューで、クリアしてやるぜ!!」

再びガシャコンブレイカーを取り出す。

そしてAボタンを押し、ハンマーモードからソードモードに切り替える。

手始めに、襲いかかってきたバグスターの集団を切り払う。

鮮やかな斬撃とともに『HIT!』の文字が量産されていく。

切り払う隙を突いて、他のバグスターが攻撃してくる。

それを宙返りで躱しながら後ろに回り、斬りつける。

「うおおおおおおおお!!!!」

完全な乱戦状態だったが、それでもエグゼイドは圧倒し40体はいたであろうバグスターを殲滅。

すると、ボスキャラに見えるレイピアを持った敵がこちらにやってくる。

ある程度の距離まで近づくと、レイピアと盾を構える。

なるほど、一騎打ちというわけか。

「なら、その誘いに乗ってやろうじゃねえか」

ガシャコンブレイカーを構え、荘厳な雰囲気が漂い始める。

その張り詰めた空気は一瞬にして崩壊した。

相手がこちらへ向かって走り出すと同時に、こちらも走りだした。

「はあぁぁぁぁあ!!!!!」

互いの剣先が交差する。

そして、たがいに裁判所の端まで走り抜けた。

直後は何も起こらなかった。

だが、数秒後にはバグスターに『HIT!』という文字が次々と出現。

一気にバグスターの体勢が崩れ、息も絶え絶えのようだ。

だが、まだ戦う覚悟はあるようでまだレイピアを向けてくる。

「なら、必殺技で決めてやる!!!」

ガシャットを横のホルダーに差し、ボタンを押す。

「キメワザ!!」

俺の足にエフェクトが出始める。

「マイティー!!クリティカル!!ストライク!!」

そして、一気に飛び上がってキックを繰り出す。

「HIT!!」

「GREAT!!」

「PERFECT!!!」

そのキックは綺麗に決まり、怪人は爆散した。

だが、永夢の胸には裏腹に空虚さが残っていた。

死んでしまったレイアさんとノアさん。

恐らくこんな屋敷に来なければ、殺人なんかと関わりはなかったであろう少女。

こんな風に仕向けたやつがいるなら、そいつを許さない。

そのオレンジ色の目は何処か怒りに燃えていた。

Game Clear......?

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