妖ばなしにひかりを灯す   作:名栗谷

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第5話 河辺に住まうもの・弐

 

 上から見れば、何か分かると思った。

 今のところ分かったのは、多摩川が広いということだけだった。

 

 橋の灯りが、水面で細く揺れている。

 その光を避け、私は川沿いの闇を飛んでいた。鳶色の翼へ風を受けると、身体が少し持ち上がる。白い袖が膨らみ、緋の袴の裾が脚を叩いた。

 電車を乗り継ぎ、川辺へ出て、人目のないところで姿を変えた。今はもう、虎ノ門学園の制服ではない。

 嘴のある面の内側で、息を吐く。

 

 相模様に指定された場所は、さっき一度通り過ぎた。

 戻って、今度は少し低く飛ぶ。草が倒れているところも、岸が暗く窪んでいるところもある。けれど、人が歩けば草は倒れるし、窪みには影ができる。

 全部を怪しんでいたら、夜が明けてしまいそう。

 

 笑い声が流されてきた。

 

 岸の方へ顔を向ける。

 橋から少し離れた河川敷に、人が集まっていた。四人。その足元に、もう一人いる。

 一人が脚を振った。

 地面に丸まっていた人の身体が、横へずれた。

 

 私は翼を傾けた。

 

「立てよ。聞いてんのか」

 

 風に混じって声が届く。

 水際に下りる道を確かめたところで、川の中に、別の動きが見えた。

 黒い水面が割れ、小さな頭が出て、きらりと、かすかに光を反射する。

 岸へ両手を掛けた影が、音も立てずに這い上がった。

 

 人ではない。

 

 濡れた背が灯りを返した。

 私が高度を落とすより先に、その影は草の間を駆け抜けた。

 

「何だ、おま――」

 

 一番川に近かった男が、横へ吹き飛んだ。

 隣の男が振り返る。その腕を影が掴み、別の男へ投げつける。二人がもつれ、残った一人は逃げようとして足を払われた。

 地面に落ちる音が、続けてした。

 

 私は二度、大きく羽ばたいた。

 草が伏せ、土埃が舞う。

 

「そこまで」

 

 影が、倒れた男へ伸ばしていた手を止めた。

 私はその前へ降りる。

 

 小さい。

 子供ほどの背丈なのに、顔には深い皺が刻まれていた。薄い頭髪、突き出た口、ずり落ちかけた眼鏡。

 そして、全身が緑色だった。

 

 喉の奥が、きゅっと縮んだ。

 塗った色ではない。全身の濡れた皮膚が呼吸に合わせて動き、水掻きのある指が土を掻いている。

 人間に似た顔なのに、人間ではない。そのことが、近くで見るほど怖かった。

 由奈の肩にいた、あの白い顔も気持ち悪かった。今、目の前にいるものは、あれとはまた違う生々しさがある。

 できれば、近寄りたくない。

 

「……何してるの」

「見て分からんか」

「分からない」

 

 自分の声が、思いのほか普通で驚いた。

 逃げたいと思っているのに、相手の手が届く距離を測って、ちゃんと話しかけている。脚も竦まない。

 私は、昔からこんな性格だっただろうか。

 怖がっている自分と、平気な顔で応対する自分が、どうもうまくつながらない。

 

 目の前の妖が首をひねった拍子に、背負い物のような甲羅が見えた。

 頭の上には浅い皿。そこに残った水が、街灯を反射している。

 河童だ。

 眼鏡をかけた、全裸の中年の河童。

 

 殴られていた青年も、地面に倒れたまま動かない。

 顔を確かめようとすると、河童が言った。

 

「全員、気絶しとる。そっちの一人は、おいらが来る前からだ」

 

 そう言って、倒した男へまた手を伸ばす。

 

「まだ何かする気?」

「これからだ。こいつらはおいらの獲物だぞ。横取りはさせん」

 

 私は一歩、河童と男の間へ入った。

 小さな目が面から翼へ動き、白い袖で止まった。緋の袴へ視線を下ろして、眉を寄せる。

 

「木の葉天狗か? にしても、なんだその格好は。人間の娘の真似事か」

 

 天狗の翼に、巫女装束。やはり、見慣れた組み合わせではないらしい。

 私はその問いには答えず、倒れた男の前に立った。

 

「横取りじゃないよ。でも、手を出すのをやめて」

「なら、なおさら引っ込んでろ」

 

 水掻きのある手が伸びてくる。

 私は左手に童子切を呼び出した。

 鞘ごと立てた刀で腕を外へ払い、そのまま両手で握って胴へ打ち込む。

 鈍い手応えがした。

 

 河童は背中から転がり、甲羅を下にして止まった。

 

「ぐえ、てめ……」

 

 なお起き上がろうとする前へ、抜いた刃を向ける。

 河童の口が開いた。

 眼鏡の奥の目が、刀身を追って動かなくなる。

 

「ま、待ってくれ!」

 

 さっきまでより、高い声だった。

 

「おい。それ、妖斬りの刀か……?」

 

 河童がぶるりと震えた。

 次の瞬間、股の間から尿らしき液体が漏れ、足元の土を濡らした。

 失禁ってやつだ。

 

 私は刃を向けたまま、一歩下がった。

 もう何歩も、下がりたくなった。

 

「……ちょっと」

「木の葉天狗の分際で、なんでそんな刀振り回してんだよ! そいつが斬るのは鬼だろ!? おいらみたいな愛らしい河童に向けんな!」

 

 大声を出す元気はあるらしい。

 刀の向きを少し変えると、河童は「ひえっ」という情けない声とともに、両手で頭の皿を覆った。

 

 鬼、妖狐、天狗、河童。

 四大妖怪に数えられていても、強さまで同じではない。最強の鬼に対して、河童は一番下。木の葉天狗ならどうにかなると思ったのかも。

 それにしても、これは困る。

 

「斬らないから。立って」

「さ、先にしまえ!」

「もう、あの人たちに手を出さない?」

 

 河童は何度も頷いた。

 私は刃を鞘へ収めた。ただし、手からは離さない。

 

 倒れた男たちの間を回った。

 殴られていた青年を含め、五人とも息はしていた。ただ、呼びかけても返事はない。

 動かさず、その場から警察へ電話をかける。近くの橋と河川敷の位置、複数人が倒れていることを伝え、救急車も必要そうだと話した。

 説明している間、河童は刀から目を離さなかった。

 

「あなたは、こっち」

 

 電話を終え、河童を少し離れた草地へ歩かせる。

 警察の来る道と倒れた男たちを避け、私たち二人だけを囲うように人払いの結界を張った。

 これで人が来ても、こちらへは足を向けない。

 

「さて」

 

 河童は眼鏡を押し上げた。

 何事もなかったような顔をしている。

 私は、さっきまで河童が寝転がっていた場所を見ないようにした。

 

「おいらは、かわわらべ、さらたろうだ。河童と書いて、かわわらべ。皿に太郎で皿太郎。覚えとけ」

 

 河童皿太郎。

 ずいぶん丁寧に教えてくれたが、何とも適当な名前だなと思った。私も、人のことは言えないけど。

 

「おまえは?」

「この川のことで、聞きたいことがあるの」

 

 名乗るつもりはなかった。

 対する河童は、不満そうに鼻を鳴らした。

 そのまま、もう一度鼻をひくつかせる。今度は確かめるように、こちらへ首を伸ばした。

 

「おまえ、本当に天狗か? いろんな匂いが混じってるが」

 

 私は鞘を持ち直した。

 

「何の匂い?」

「天狗だけじゃない。人間のようでもあるし、もっと――」

「それ、今の話に関係ある?」

 

 河童の視線が鞘へ落ちた。

 伸ばしていた首が引っ込む。

 私も、自分が何なのか説明するために来たわけではない。

 

「あの人たちに、何をするつもりだったの」

「尻子玉を取る」

 

 即答だった。

 

「助けたんじゃないんだ」

「一人を袋叩きにするような連中だぞ。少しくらい構わんだろう」

「少しって、どのくらい?」

「一人につき一つ。全員分だ」

「殴られてた人のも?」

「五人いるんだから、五つだろう」

 

 数を教えてほしかったわけではない。

 尻子玉を抜かれれば死ぬ。運良く死ななくても、正気を失うそうだ。

 身体が生きていても、それまでの暮らしも人との関係も失ってしまう。社会的には死ぬ、ということなのだろう。

 どちらにしても、少しでは済まない。

 

「誰の分も駄目。あの人たちが何をしてても、それで殺していいことにはならない」

「殺すとは限らんだろう」

「正気がなくなればいい、って話でもないよ」

 

 河童は口を尖らせた。

 

「最近、この川で人が亡くなってるの。知ってる?」

「知っとる」

「あなたが引きずり込んだ?」

「違う!」

 

 河童が背を伸ばした。

 

「おいらは川に引きずり込まん。溺れさせてもいない」

「今、襲ってたのに?」

「陸でやっただろうが」

「場所の問題?」

「主様との約束だ。人を川へ引きずり込んで殺すな、川を汚すなと。おいらは守っとる」

 

 主様。

 私は川の方へ目を向けた。

 橋の灯りが、さっきと同じように揺れていた。

 

「この川の主?」

「ほかにどこの主がおる」

「じゃあ、その主様は、何が起きてるか知ってるの?」

 

 河童の口が閉じた。

 眼鏡のつるに触り、甲羅を揺すって座り直す。

 

「聞くばかりだな」

「調べに来たんだもの」

「ただで教える義理はないぞ」

 

 さっきまで両手で頭を守っていた相手とは思えない。

 刀を見せれば話すかもしれないが、もう一度あれを失禁されるのは嫌だった。

 

 それに、何が欲しいか先に言ってくれるなら、その方がいい。

 人ならざるものとの間に、借りを残してはいけない。先生にも相模様にも、そう教えられていた。

 お礼はいつか、何かで。人間同士ならそれで済むことも、相手が妖では、後から何を要求されるか分からない。

 だから、何をしてもらい、何を渡せば貸し借りがなくなるのか、先に決めておく。

 

「何を渡せば話してくれる?」

「服」

 

 私は河童を見た。

 見て、すぐに顔へ視線を戻した。

 

「着る気はあるんだ」

「合うものがないんだ。丈が合えば背中が入らん。背中が入れば裾を踏む。水にも入る。すぐ破れるものは駄目だ」

 

 甲羅を叩いて、注文を並べる。

 背丈だけなら、子供用だろう。でも、甲羅ごと包む服など売っているだろうか。

 

「何か、いいのあるかな」

「背中も、頭も隠せるやつだぞ。甲羅と皿が見えてたら、人間に紛れられん」

「人間に紛れて、どうするの?」

「エロ本を買いに行く」

 

 私は黙った。

 

「この前、河原に落ちとってな。拾って読んだら、続きが気になった」

 

 なんだ、こいつ。

 主様との約束だの何だの言っていた口で、実に堂々と言う。

 そもそも、令和の時代にエロ本なんて、あるんだろうか。見たことない。

 

「……本は、自分で買ってね」

「分かっとる。だから服が要るんだ」

「頭は帽子でもいい? 服だけじゃ、全部は隠れないかもしれない」

「隠れればいい」

「今は、どっちも持ってないよ」

「なら、用意してから出直せ」

 

 私は少し考えたが、条件に合う服は思い浮かばなかった。

 相模様なら、何かご存じかもしれない。仕事で必要なものなのだから、相談してもいいはずだ。

 

「相模様に相談してみるね」

 

 河童の指が止まった。

 

「相模?」

「相模伯耆様。相模大山の大天狗」

 

 背筋が伸びた。

 今度はゆっくりと。

 

「……おまえ、あのお方に言われて来たのか」

「うん。だから、服を買っていいかも聞いてみる」

「そうか。なら、服は後でいい」

「そう?」

「後でいいから、座れ。話くらい聞いていけ」

 

 急に親切になった。

 

「じゃあ、甲羅の入る服を一着と、皿を隠せる帽子を一つ。今日、川のことを教えてもらうお礼は、それでいい?」

「ああ。それでいい」

 

 そこは、きちんと確かめた。

 座れと言われた場所は湿っていたので、私は立ったまま聞くことにした。

 

「主様は、古い蛇神だ」

 

 河童が川へ顎を向けた。

 

「川石みたいな鱗でな。胴が動くと、向こう岸まで水が盛り上がった。昔は、主様に叱られると思えば、大抵の奴は大人しくした」

「あなたも?」

「おいらは聞き分けがいい」

 

 刀を向けられるまでのことは、忘れたらしい。

 

「昔は、ってことは。今は違うの?」

 

 河童は甲羅の縁を掻いた。

 

「川が変わったからな」

 

 遠くでサイレンが聞こえた。

 橋の方に赤い光が現れる。私は男たちのいる場所を確かめ、こちらへ戻った。

 

「昔は、ここも水の通り道だった」

 

 河童が、私の立つ地面を指した。

 

「水が増えれば溢れる。土を運ぶ。水が引けば草が生えて、虫も魚も集まる。人間の畑にも、いい土が入った」

「でも、家も流されるでしょう」

「流されたさ。だから恐れた。でも、恵みもあったから、礼もした。あの上に、主様の祠があったんだ」

 

 川から土手へ、短い指が動く。

 今は道と街灯しか見えなかった。

 

「工事のときにどかした。それっきりだ。岸を固めて、水を閉じ込めて。人間は、もう安心だと言った」

 

 河童の声から、さっきまでの威勢が消えていた。

 

「水が来なくなったと喜んで、水が運んでいたものまで来なくなったことは、気にもしなかった」

 

 私は川を見た。

 あの水が家の中へ入ってくるのは、やはり困ると思う。

 けれど、土手の向こうで暮らす私と、川の中で暮らす河童では、見えているものが違うのだろう。

 

「工事をしない方がよかったの?」

「おいらに聞くな。したのは人間だ」

 

 河童は膝を抱えた。

 

「ただ、安心を買った分だけ、豊かさを手放したこともあるだろう。それを全部、よくなったと言われてもな」

 

 私は返事を探したが、うまく見つからなかった。

 学校で習った治水の話と、裸の河童の話を、すぐには並べられない。

 

「主様も、祈る人が減ったのね」

「堤防が守ってくれるんだそうだ。主様に何を頼む」

 

 河童の眼鏡に、向こう岸の灯りが映った。

 

「昔みたいには動けん。それでも川を見ておられる。おいらたちも、約束は守っとる」

「人を襲ってはいるけど」

「……川には引き込んどらん」

 

 そこだけは譲らないらしい。

 

「けれど、よそから来る奴は別だ。主様に世話になったこともない。昔の川も知らん。弱っていると見れば、好きにする」

「そういう妖が、今いるの?」

「いる。川底の流れが鈍くなったところに、妙なものが溜まる。魚も寄らん。古くからいる連中は避ける。その空いたところへ、新しいのが入る」

 

 私はスマートフォンを取り出した。

 地図を開いて河童へ見せる。

 

「どのあたり?」

 

 濡れた指が伸びてきたので、端末を引いた。

 

「言って。私が動かすから」

 

 河童は不満そうな顔をしたが、橋の位置を確かめ、少し上流を示した。

 

「ここから、水の出る口が見えるだろう。その下だ」

「何を見たの?」

「見とらん。声を聞いた」

 

 私は地図に印をつけた。

 

「水の中から、助けてくれとな。おいらが通り過ぎようとしたら、今度は名を呼びおった」

「知ってる相手?」

「声は、おふくろだった」

 

 河童の顔を見た。

 

「お母さん?」

「河童が全員、泥から生えると思っとるのか」

「そういう意味じゃなくて」

 

 河童は川へ目を戻した。

 

「もうおらん。とっくの昔に」

 

 私は画面へ置いていた指を止めた。

 

「だから、近づかなかったの?」

「おふくろが、水の中で助けを求めるか。おいらより泳ぎが達者だったぞ」

 

 河童は鼻を鳴らした。

 けれど、さっき示した場所を、もう見ようとはしなかった。

 

 遠くで人の声がした。

 河川敷に下りてきた人たちが、倒れた男の周りに集まっている。救急隊の姿を確かめてから、私はスマートフォンに短く書き足した。

 死んだ母親の声。水の中から呼ぶ。

 河童がそう言った、ということも添える。

 

「それが、人を引きずり込んでると思う?」

「知らん。引きずり込むところを見たわけじゃない」

 

 そこは、はっきりしていた。

 私にも、河童の話が全部本当かどうかは分からない。

 それでも、相模様に報告することはできた。

 

「主様に会うには、どうしたらいい?」

「今夜は無理だ。お目通りが叶うかは、おいらが聞いておく」

「それも、服と帽子のお礼に含めていい?」

「……分かった。忘れるなよ」

 

 私は頷いた。

 

「それから、あの五人の尻子玉は諦めて。あとで追いかけるのもなし」

「なら、きゅうりを持ってこい」

「服と帽子は?」

「それは色々教えてやった分だ。あの五人の尻子玉を見逃してやる分は、別だろう」

 

 河童は眼鏡を押し上げた。

 こういうところだけ、妙にきっちりしている。

 

「何本?」

「百本」

「……百本?」

「五人分を諦めるんだぞ」

 

 きゅうり百本。袋に入れて持つには、ずいぶん重い。

 けれど、その百本と引き換えになるのは、五人分の命だった。

 この河童にとっては、取り替えてもいいものなのだ。

 食べ物の値段を相談するような口調に、さっき緑色の姿を見たときとは違う寒気がした。

 

「一度、百本持ってくれば、あの五人にはもう手を出さない。後から足りないって言わない?」

「言わん。百本でいい」

「じゃあ、服一着と帽子一つ、きゅうり百本。それを渡したら、今回の貸し借りはなし。あの五人は、今から見逃してね」

「しなびたのは駄目だぞ」

「約束は?」

「分かった。あの五人分は見逃してやる」

 

 やっと頷いた河童を、私はもう一度見た。

 服と帽子と、きゅうり百本。調査に来たはずが、買い物まで増えてしまった。

 それでも、いつか分からない日に恩を返せと言われるよりはいい。

 この川を調べるなら、また話を聞きに来ることもあるだろう。付き合いが続く相手なら、なおさら、前の借りは前の借りで返しておく。

 

 私は刀を消し、人払いの結界を解く前に河童を水際まで見送った。

 小さな甲羅が沈んでいく。

 消えかけた頭が、もう一度浮いた。

 

「頭の分も忘れるなよ」

「覚えてる」

 

 今度こそ、水面が閉じた。

 

 人払いの結界を解き、橋の灯りから離れて翼を広げる。

 来たときより少しだけ、川の暗いところが気になった。

 でも、今夜は声のする場所まで一人で確かめに行かない。

 

 調べたことを持ち帰る。

 ついでに、河童の服と帽子ときゅうりを誰が買うのかも聞く。

 私は川に背を向け、街の灯りへ飛んだ。

 

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