ボッコボコにしてやんよ!! 作:おいらだぜ!
おいらボコだぜ!西住流のお屋敷に呼ばれてお話したら、なんと戦車に乗せて貰える事になったぜ!
しかもボコ仕様の戦車まで用意してくれるって言うから最高だな!
―――後で金銭を要求されたりしない?大丈夫?
だけど今はそんな事気にしない!おいらのボコ戦車が届くまで練習してろってさ!
―――練習終わったら試合なんだってさ、うぷぷぷぷ(クマ違い)
しかも今回は特別なゲストをお呼びしているらしいぜ!
―――おいら、結果出せなかったらどうなってしまうのでしょうか(震え声)
しかもよくよく考えたんだけど!おいら一人じゃ戦車の全力出せないんだぜ!!
「西住師範……私、友達が居なくて!乗員も、欲しいです!!」
「……用意しておきます」
なんか西住師範に抱きしめられた後、頭を撫でられたのは何だったんだろうな!
そして練習開始初日、一応これでも西住師範のコネでぶち込まれたとは言え初心者に渡せる戦車はねぇ!
でも西住師範が言うから仕方ねぇ!と38(t)戦車を用意してくれたぜ!
うわぁ~!戦車だ!夢にまで見た戦車だ!!おいらが全身で38(t)戦車にスキンシップを重ねていると西住師範がおいらの仲間を連れて来てくれた!
「この者達は一癖はありますが、貴女なら大丈夫でしょう」
おうおう!ついでと言わんばかりに厄介者を押し付けて来たな!上等だぜ!!
「おいらの事はボコと呼んでくれ!お前達よろしくな!!」
お?何でちょっと目を背けるんだ?ちゃんとこっち見ろぉ!!!
戦車道、それは伝統的な文化であり、世界中の女子の嗜みとして受け継がれてきた。
それは所謂、古き良き良妻賢母たる婦女子を育成する、人間教育の場であり――――ざっくり言うと不良や反抗期真っ盛りの娘をぶち込む隔離所としての機能も果たしていた。
学園艦であれば独自のコミニュティを構築したり所属する事も可能だが、進学するのでもなければ陸地に放り出される。(留年は除くが、大体降ろされる)
そして陸地に戻って来た娘達が社会に属する事が無い場合に職業訓練の更に前、縦型組織の慣習を叩きこむ為に戦車道へ放り込むのだ。
戦車一両や組織一つに関わる人間の数や企業形態は膨大で、そのまま二大流派の傘下で働く人間もいれば独立して戦車ショップなどを開く人間もいる。
そして、西住師範がこの度連れて来た不良娘達は未だリザーブされている娘達であり進路は未定なままであった。
そんな不良娘達であったが、上には逆らわない程度の物わかりの良さもあって素直についてきたが早速後悔した。
「おうおうおう!お前達がおいらの新しい仲間か!!」
茶髪の髪に眼帯と絆創膏、至る所に包帯を巻くこの女性、名前を聞けば小久保心穂だと言うではないか。
(((何で広島の人喰い熊がこんなところに!!?)))
小久保心穂はボコの魂を持ち、ボコの感性を持つオリジン少女である。
学園艦の中で表まで治安の荒れているベルウォール女学園や陸地で仁義なき戦いに巻き込まれるボコボコ少女であった。
本来ボコであれば返り討ちに遭うのが基本だったが、幼いころから歪んだ戦車道にどっぷりつかった結果―――西住みほ、島田愛里寿の戦車道も咀嚼して取り込んだ模様で。
集団相手にゲリラ戦を持ち込む事を前提に、遠巻きに虱潰しにしていくという脳筋戦法を確立するに至る。
ざっくり言うのであれば、こんにちは死ね!を連続で繰り返していくのである。
下っ端に絡まれて殲滅、お礼参りを返り討ち、上層部が集まった瞬間にカチコミをかける。
やってやーる、やってやーる、やーってやーるぜ。いーやな、あーいつを、ぼーこぼこにー。
未だこの世に広まっていないボコの歌を口ずさみながら、不良相手をボコボコにしていく。
そして逐次投入で来る不良が格の違いを悟り、数を用意してから集団で小久保心穂に襲いかかる。
ケンカは売るもの、堂々と。
「テメェが人喰い熊のボコかぁ!!」
「誰が人喰い熊じゃあボケがぁ!ア○顔で産卵するシャケみてぇなツラした奴達がゾロゾロとよぉ!!」
「他になんか例えなかったんか!?」
肩で風きり、啖呵きる。
「ボコられグマのボコがいつでも相手してやるぜ!!」
「ボコられてんのはこっちだよ!!?」
こうして肉体が戦車と化した暴走少女が真正面から小細工抜きで罠に嵌めた上で正々堂々とボコるという矛盾を巻き散らし、人喰い熊のボコの名前は伝説として広まっていく。
そして西日本で名を挙げた伝説の不良が西住流の下に現れ、不良少女達はドン引きした。
―――指定暴力団、西住流の誕生か……?
エアガンで遊んでいたガキの目の前にガトリング砲を見せつけような行為である、或いはロケットランチャーかもしれない。
そんなわけで小久保心穂の前に連れてこられた不良娘達は震えていた、一体何をされるか分かったもんじゃないから。
「それじゃあ皆は戦車の経験があるみたいだし、さっそく練習しようぜ!」
「「「は、ハイ!!!!」」」
「うーん、いい返事だ!早速今度試合があるから西住師範に顔向けできない様な事だけは避けないとな!!」
この人喰い熊の言う事を聞かせる西住師範とは一体何者なのか、裏で不良少女達の株が勝手に上がっていく。
「それじゃあおいらは戦車道初めてだけど、指示に従って動いてくれよな!」
「「「はい!」」」
そして、小久保心穂と不良娘三人の初練習が始まる――――!!!
「崖から降りろ!オイ、誰が滑って行けって言った!飛べよ!虎に翼」
「ドリフトと緊急回避以外でブレーキかけるんじゃねぇ!動摩擦係数:μ=F/N」
「装填!排莢確認!装填!」
「うお…急に走行間射撃のすげぇ吸い付き…!流鏑馬かな?」
「すべての人間は生まれながらにして敵の白旗を欲す」
小久保心穂は言いたい放題であった。
「後ろを向きながら前を向け!!」
「減速しながら加速しろ!!」
「右にスライドしながら左折!!」
「この虎の屏風の橋を渡れ!!」
小久保心穂はやりたい放題でもあった。
「Come on!Come on!Come on!You can this!」
「「「ボーコり、ボーコられ、生ーきていくー!!!」」」
小久保心穂達一行は戦車を家に寝床に、訓練場から一歩も出ずに二週間を過ごした。
そして仮設トイレと言うにも憚られる榴弾で開けた穴を戦車で踏みしめながら固く塞ぎ、一本の棒を突き立てた。
この地は朝と昼と夕と晩、太陽と月、陽と陰、その全てを共有した地である。
一切の隠し事はなく、その素肌や心すら曝け出し、時に罵り、時に殴り、時に慰め、時に騒いだ。
「おいら達は戦車道を進み、戦車道がおいら達の道を切り開く」
「おいら達はチームだ、時に血の繋がりすら超えてクィアプラトニック・リレーションシップよりも固くおいら達はここに結ばれる」
「おいら達は戦車の内外において永遠、そしてその繋がりはこの四人を超えてもなお不変」
「おいら達はここに誓う、おいら達が、おいら達であった事を遺すために!!!」
「「「はい、お姉さま!!!」」」
なんか思ったのと違うがここに西住流でも島田流でもないイリーガルな集団、後に「ボコミュージアム」と呼ばれる組織が誕生し、傭兵の様に様々な試合に参加する事になるが割愛する。
「さぁ、明日は試合だ!今日もさっさと一緒に寝るぞ!!」
「「「はい!お姉さま!!!」」」
なんか皆の視線が怪しいけど、友達が出来て嬉しくなった小久保心穂は気付く事はなかった。
―――そして試合当日。
「ど゛う゛し゛て゛だ゛よ゛ぉ゛ぉ゛!゛!゛」
「お、お姉さま落ち着いて!!」
そう、試合の当日である。つい先日まで訓練場に籠っていたボコ一行は知る由も無かったのだ。
「何で敵が島田流なんだよぉおおおおお!!!?」
オリキャラ三人はボコミュージアムでボコをボコボコにしていた猫二匹と鼠一匹を参考にしたものです。
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