ボッコボコにしてやんよ!! 作:おいらだぜ!
「つまり、戦車が届いてから二週間だと言ったのに勘違いしてすぐさま訓練の開始を始めたと?」
「ええ、しかも二週間後の試合を楽しみにしていると言ってすぐに出かけてしまって……」
「その上でほぼド素人を私の前に出すとは……島田流舐めてます?」
「ごめんなさい……ド素人にボコボコにされる島田流の姿を想像したらつい……」
「戦争か?おどれ戦争したいんか!?」
「素が出ていますよ、淑女の仮面は何処に行きました?」
試合が行われた会場に備え付けられたテントにて二人の長が先程の試合とボコの件で話し合いを続けていた。
一人は師範の身でありながら、実質的に西住流を運営している西住しほ。
もう一人は若くして家元を襲名し、島田流を取り仕切る島田千代。
そして、話の中心となっているのが暴れ散らかした小久保心穂である。
「それで?そもそも今回の件について、大事な話があると聞いたのですが」
「ええ、それこそが先程の選手。小久保心穂なのです」
切っ掛けは偶然だった、娘達がボコられグマの動画を見ていた事がきっかけだった。
その中で行われている戦いがどう見ても西住流と島田流を相手にしているような構成だった事。
そして呼び出してみれば彼女は寝ても覚めても戦車道、しかも西住流と島田流を相手に叩き潰す事を考えている
「彼女は言っていました、西住流と島田流を相手に戦車道で戦う事は何よりも幸福だと」
「それだけ聞けば、ただの戦車道ファンでなくて?」
「この日本で西住流と島田流を相手にするという事がどういう意味か、分かりませんか?」
「……端的に言えば、ドン・キホーテのようね」
「実際、西住流に所属していた
「それで、何が言いたいのかしら」
手持ちの扇子を広げて口元を隠し、視線が西住しほを突き刺す。ふざけた用事ならそれ相応の対応をするという意思を叩きつける。
「……戦車道に、歪みが生じ始めています」
「戦車道の歪み、ですか」
「その通り、本来武道とは己の心技体を鍛える道。それがいつの間にか己とはこうあるべしという外界からの抑圧が強くなっています」
「確かに、戦車の道に数多くの思惑が乗っている事は認めます。しかしそれが何になると?」
そこで西住しほは口を一度噤み、そして声を抑える様にして呟いた。
「おそらく、彼女はいずれ辿り着くでしょう。戦車道が、政治と経済の代理戦争へと変わっている事に」
「それで?いずれは知りうる暗黙の了解でしょう?」
「戦車道をこよなく愛する彼女が、西住流と島田流を相手にする理由があるとすれば……」
「まさか、日本戦車道を終わらせるつもりだとでも?」
「日本は世界に比べて小国、そして戦車道の普及率が落ちつつあるのは島田流も知っての事かと」
「……それで?」
「あるものは、活かすべきかと」
「成程……パワーバランスの調整と新しい風を吹き込み活性化を図る。良いのではなくて?」
「それでは、早速聞きに行きましょうか」
『やってやーる、やってやーる、や~ってやーるぜ♪』
「小久保さん、少しよろしいかしら」
「はい!西住師範!!」
凄まじい速度の変わり身でボコを部下に預けて馳せ参じるボコ、まだ褒めて貰ってないので瞳は期待で一杯だった。
「まず初めに、戦車道を始めて間もなく、しかも組んだばかりのメンバーでの勝利。お見事でした」
「ありがとうございます~!!」
西住みほに褒められた秋山優花里の様に身をくねらせながら栄誉に浸るボコ。
「そこでですが、幾つか質問させていただいてもよろしいでしょうか?」
「はい!なんでも聞いてください!!」
「この先、貴女の将来のビジョンはどうなっているのかしら」
「仲間を集めて、(ボコ販売の)組織を大きくします!!」
(やはり二大流派に与さず、独立するのね)
「貴女が今後も勝ち続けるのであれば、我々がアナタの事業に出資する事も考えています」
「やったー!勢力をドンドン拡大して一層(企業)努力に励みます!」
(やはり、少人数のチームで収まるつもりはないと)
「今後はどのような人材を求めているのかしら?」
「そうですね……各種(販売)ルートや(工場とか店に)コネクションを持っていて、事情に詳しい人材が欲しいですね~」
(政界や経済界に詳しいスパイ、そして諜報ルートを確保していきたいと)
「成程、よくわかりました」
「はい!こんな事でよければいくらでも!!」
「後日、しっかりと詰めていきましょう」
「……はぇ?」
おいらボコだぜ!ネーコ、チュー子、マオマオと三人で夜に語りあい、そして勝利した日は大切な思い出だぜ!
こうしておいらは、戦車道活動を通じて
そして企業を拡大し、社会で悩む人間を雇用し、ステークホルダーの拡大を目指していく。つまりは不良とか社会で生きづらい人間の受け皿を作っていく!
社会に蔓延る闇で苦しむ人々を受け入れ、戦車道を以って心技体を鍛え!そして社会の一部として生きていける様にするのさ!!
今の内に大洗の人間が放り出されても受け入れられるくらいに会社をデカくしたいな~。
そういう話をしたら、滅茶苦茶三人にビックリされた。
「え?ボコっちって戦車道で二大流派を潰すんだよね?」
「潰さないよ!!?流石に無理っしょ!?」
「ボコさんは選挙活動を始めるって聞いたけど?」
「誰から!?流石にそこまでの学はないよ!!?」
「ボコねぇは、経済界を乗っ取ってゴッドマザーを目指すって聞いたけど?」
「だから誰から!!?ボコで経済界乗っ取るのに何年かかるのさ!?」
「それじゃあまるで、会社の金で社会人チーム作って世界を目指す経営者みたいだね」
「まるでじゃないよ!実際目指してるんだよ!!!?」
「なんだ、不良とか元レディースとか集めて社会に反抗する暴走族とか作るんだと思ってた」
「おいら達がやったら捕まるじゃん……」
「「「で?いつ世界を滅ぼすの?」」」
「滅ぼさないよ!!?」
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