自滅戦隊ウチゲバン 作:将棋には804枚の駒を使うものがある
『ゲーバゲバゲバゲバ!』
『私は怪人ゼニゲーバ!お前らの国の金を横領してやるゲバ!!』
「キャー!怪人よ!!このままじゃ何がとは言わないけれど今年の逮捕件数が増加しちゃうわ!何がとは言わないけれど!!!」
「そこまでだ!」
『ゲバッ!?』
どこだかよくわからない崖の上にまるで寄生されたカタツムリのような色とりどりの人影が現れる。
『お前らは、自滅戦隊ウチゲバン!最近司令官が暴力沙汰起こして捕まったはずじゃ!?』
「司令なんていてもいなくても変わらん!」
『結構変わると思うゲバ』
「うるさい。ゼニゲーバ、お前の悪行の数々、許してはおけん!お前のせいで俺らのスーツの予算消えて今ドンキで売ってそうな全身タイツ着てるんだからな!!」
『多分それ私関係ないゲバ』
「うるせえ知らねえ!!!とにかく!ここでお前は倒す!!八つ当たりだ!!!」
『八つ当たりって言っちゃってるゲバ!頭おかしいゲバ!!』
『行くぞ、とうっ!!』
「火傷のダメージでチクチク削る!溶接技能者の資格持ってます!バーンレッド!
お前の四肢をはんだ付けして固定してやる」
「死なないギリギリを攻める!99mAを食らえ!第二種電気工事士資格あります!アンペアイエロー!
お前の家のアース外してやる」
「氷の角に頭ぶつけて死んでください。雪玉の中に石入れて道ゆく人に投げるのが趣味です。ヘディックブルー!
行く先々の階段凍らせておきます」
「最近は適度にキマる薬作ってます!合法だからセーフセーフ。薬剤師資格あります!コカ◯ングリーン!
ところでこの粉をメキシコの知人に届けてくれない?」
「好きなことはみんなの検索履歴を閲覧すること!喫茶店でバイトしてるわ!ルナティックピンク!
ちなみにこれはレッド君の検索履歴ね」
「僕だけスーツが200色あります。今日はちょっと黄ばんだ白。まともなのは僕だけです。歯垢ホワイト!
そういえば神って信じますか?」
「お前の情報をネットにアップ!ダークネットで晒されちゃうんだな〜これが。主な仕事は戦隊の悪評を削除すること!戦隊BLACK!!
レッドの個人情報1000円で売れたって!よかったな!」
「我ら!」
「「「「「「「自滅戦隊ウチゲバン!!!!!!」」」」」」」
映像が止まる。
「これが俺らの前回の戦闘記録ね」
「はい!」
「どうぞ」
「あの!流石に酷くないですか?」
借りたビルの一室。
ホワイトの一言に秘密基地兼会議室の空気が沈んだ。
俺は泣いた。
「ちょ!?そんな泣くことないじゃないですか事実なんですし」
「そうよ、こんなことで泣くようなら、私がぶっ飛ばしちゃうわよ?それに酷いのは事実だし」
「そういう時はこの最近作った精神安定剤を飲むといい、トブぞ」
「お前らの辞書に慰めるという言葉はないのか?」
まあこいつらの辞書にまともな単語が載っているわけがないので期待はしていなかったが。
涙を吸い込んで枯らす。
いい水分補給だ。
何故だかこの場にいる半数以上に引かれている気がするが。
本当になんでだ?泣いたあと水飲みたくなることってよくあるだろ?
え?俺だけ?
「きったね…」
「涙の98%は水だぞ」
「普通飲まねえんだよ涙は」
「そんなんだからこの戦隊の世間体が危うくなるんだぞ」
「は???なんだお前俺のせいだってのかよ!!確かに俺のせいだわ」
「情緒不安定か?」
「まあまあ、落ち着いてくださいよ。それより今回は反省会でしょう?映像の続き、観ませんか?」
正論。
仕方がないので続きを再生する。
「我ら!」
「「「「「「「自滅戦隊ウチゲバン!!!!!!」」」」」」」
「ふっ、決まったz」
決めポーズに一歩遅れて爆発が発生し、寄生されたカタツムリみたいな全身タイツの変態が吹き飛ばされる。
『………結局こいつらは何がしたかったゲバ?』
停止。
これは酷い。
酷いってもんじゃない、もはや地獄だ。
観てられん。
この映像を観る者一切の希望を捨てよ。
「流石に酷すぎる」
「結局この怪人ってどうなったの?」
「えーと…確か『爆裂戦隊ニトログリセンジャー』って戦隊が代わりに倒したみたいね」
「だから俺らがいるビル以外の周囲の建物全壊してんの?戦隊ってか災害だろそれ」
「ちなみに怪我人の治療が専門の戦隊よ」
「うそでしょ」
嘘だろ?こんなあまりにも『私たち、これから爆破します!』みたいな名前してる戦隊が治療専門?世界は広いなあ。
というか治療が専門のサポート戦隊に戦闘力で負けたの?終わりだろ。
「ってか、イエロー!お前の名乗りどうなってんだ!何が『お前の家のアース外してやる』だ地味なんだよ脅しが!!」
「なんでだよ家のアース外しとけばどっかぶっ壊れたとき感電で倒せるだろ!」
「怪人が普通の家に住んでるわけなくない?」
「そうじゃん………」
馬鹿か?こいつ。
お前の第二種電気工事士資格は偽者なのか?
「ホワイトとかグリーンのセリフには触れない感じ?」
「そうだぞブラック何お前かっこよく戦隊BLACKとか名乗ってんだ」
「ああ触れられないのね」
「BLACKだめか?じゃあBLACK SUNとかどう?」
「絶対お前最近仮面ライダー見ただろ、だめに決まってんだろアホ」
「アホども、そろそろ黙んないとネットにあんた達の検索履歴晒すわよ?」
「すみませんでした」
ピンク の 威圧!
俺は恐れ慄きすぎて斧になった。
斧が刺さってオーノー!!
頭に斧が突き刺さった、いたい。
「ほんとすいません。許してください」
これが我が伝家の宝刀その名も土下座、スキマ時間に腕立て伏せできるぞ。
「どうせならこのまま頭踏んでくだs」
頭が地面に突き刺さった。
もうピンク一人で良いんじゃねえかな?