ダンジョンに規格外がいるのは間違っているだろうか 作:イグレス
ちなみに主人公の見た目はFF15の王子をイメージしています。
それでは、続きをどうぞ
「近くで見るとデカいなぁ」
「おぉ〜〜」
巨大な外壁門を潜り抜け、遂に世界の中心と呼ばれる迷宮都市オラリオへたどり着いた一人と一柱。
ラグナとヘスティアは旅の目的地である迷宮都市オラリオの街並みを感慨深く見渡した。
「実際見るとマジで大きい街だなァ。これは世界の中心なんて言われるのも頷ける」
「遠くから見えたこの街の中心に聳え立っているのが【バベル】だね。全50階建ての巨大な摩天楼、公共施設や換金所、各派閥ファミリアの商業施設も充実してて、30階の大広間では数ヶ月に一回神会デナトゥスが開かれるみたいだよ」
見渡す限り続く街並み、その中心には巨大な白亜の塔が聳え立っている。空高く聳え立つ塔の迫力に圧倒していると、荷台に乗っているヘスティアからやたら詳しいうんちくが飛んできた。
「ヘスティア、やけに詳しいな」
「ガネーシャの
パタパタとこの世界のパンフレットを掲げてくるヘスティアにそんなものもあったのかと、自分の知らない文化にラグナは目を丸くさせる。
「……て言うかさっきから思ってたけど世界の中心って言う割にはなんか、妙な違和感を感じるような」
落ち着いて周囲を見渡せば、街の大きさに比べて道行く人の数が少ない気がする。一見すれば大都市らしく活気が伝わってくるが、ラグナはその中から言葉にし難い緊張感の様なモノを感じ取っていた。
他にも街に入る際もガネーシャの眷族を名乗る者達から審問紛いな質問責めにあった事も、違和感を覚えた一因となっている。
その時は幸いにも女神ヘスティアの擁護のお陰で何事も無く街へ入れた。
「気のせいなら良いんだが」
「ラグナくーん、なにブツブツ言っているのさ? さっさと宿を探して休もうぜ。僕はもう疲れたよ」
「その割にはのんびり荷台で休んでいた気がするんだが?」
そう言うとヘスティアは顔を逸らし冷や汗を流しながら口笛を吹いていた。
旅の途中で聞いたが地上に降りた事で全知零能の存在へと格が落ちていると彼女は語っているが……やっぱりヘスティアのズボラな所は原作通りだと思った。
「そういえばヘスティアの知り合いの鍛治神がこの都市にいるって話だったよな?」
「そうさ鍛治神へファイストス僕の大神友さ………所で、僕達の案内をしてくれる子って───」
「お待たせしました! ヘスティア・ファミリアの方々ですね!」
門の所から駆け出してくるのは一人の少女、元気良く此方に走り寄ってくる快活そうな娘。
短い髪が揺れ、ボーイッシュな彼女はラグナ達の前に現れるなり深々と頭を下げた。
「ごめんなさい、待たせてしまって。私はガネーシャ・ファミリアの団員、アーディ・ヴァルマって言います!」
【アーディ・ヴァルマ】ガネーシャ・ファミリアの眷族の1人で団長である【シャクティ・ヴァルマ】の妹、実際見ると誰にでも好かれる優しい雰囲気を感じる。
「おぉ、ガネーシャの眷族らしい元気な子じゃないか。僕はヘスティア、ヨロシクね。それで此方が……」
「初めましてラグナ・オラクルだ。この女神ヘスティアの眷族だ、君がヘファイストス様の所まで案内してくれるのか?」
「はい。迷宮都市はその名の通り迷宮ダンジョンの上に成り立っている都市ですが、人も物流の流れも速く、建物が軒並連なっていますから、初めての人は結構迷い易いんです」
「ウンウン、これにも書かれているけど、路地裏とか結構入り組んでて、迷子になる人は少なからずいるみたいだね」
「其処で、街の治安維持を担っている私達ガネーシャ・ファミリアが、街の案内と警護を任されているのです」
やはりこの街の安全面はガネーシャ・ファミリアなる派閥に一任されており、その人員の数は他の派閥を圧倒するらしい。目の前の少女も進んで都市の秩序を護る為に活動していると言うのだから、何とも凄まじいモノだ。
「それでは鍛冶神ヘファイストス様の本拠地ホームへご案内させていただきますね」
「「宜しくお願いします」」
丁寧に道案内をしてくれるアーディに、二人も丁寧に返す。
それから、オラリオの街と人を観察しながらアーディに付いていくこと数分、ラグナは彼女と他愛ない雑談を交わしていた。
オラリオに来ることになった経緯、女神ヘスティアとの出会いやオラリオに着くまでの道中の話、ガネーシャ・ファミリアの一員として、此方の事情を探っているつもりみたいだが、アーディとの会話は楽しく、不快にはならなかった。
ヘスティアも気兼ねなく会話しているし、彼女がガネーシャ・ファミリアの一員と言うのを改めて理解出来た気がした。
「そういえば気になったんだけどその荷台に乗ってる荷物の山は何?」
「ん?……ああ これは旅の途中で倒したモンスターの魔石や
「え?……ラ、ラグナ君、言いにくい話で申し訳ないんだけど………レベル幾つ?」
「いや、そもそも俺はまだ
「えぇ!? じゃ、じゃあその素材は……恩恵無しで手に入れたモノだと?」
「ふっふーん、そうだぜアーディ君。僕の眷族は恩恵を受ける前から凄いんだ! 見てろよー! これからはヘスティア・ファミリアの時代さ! すぐにこのオラリオ中に名を轟かせてやるぜ!!」
まだ本格的に眷族になっていないのにすっかり天下取りなヘスティア。ラグナは呆れこそすれど否定はせず、ただアーディはその会話に違和感を覚えていた。
神の眷族となった者とそうでない者との差、更にそこから上への位階へ至った者は恩恵無しの人類とは一線を画す存在へとなっている。
そして、そんな超人達でも時には敗北してしまうのが
かつて古代の英雄達、神々が下界に降りてくるまではそんな彼等が命懸けで戦い、打ち勝ってきたとされてきたが………まさか、彼がそんな才ある人だと?
否定は出来ない。このラグナという人物からは嘘は感じなかった。それはレベル3であるアーディ・ヴァルマの勘、あるいは冒険者としての本能がそう告げているのかは分からない。
ただ、底が見えなかった。恩恵無しで魔物モンスターを狩ったと豪語するラグナからは少なくとも悪意や害意といったモノは感じられない。
そうこうしている内に彼等は目的の場所に到着した
「あ……ここだよ、此方が神へファイストス様の
「へぇ……此処が鍛冶神ヘファイストス様の本拠地か。立派な建物だなー」
「流石はヘファイストスだぜ。それじゃあラグナ君、僕は彼女を呼んでくるから良い子にして待ってるんだよ!」
「アンタは俺のお袋か!うかれて転ぶなよー」
荷台から下ろし、建物の中へ消えていく主神を見送り、ラグナは通路の邪魔にならないように荷台を端へ寄せる。
「それじゃ私はこの辺で、頑張ってねラグナ君!」
「ああ、色々ありがとなアーディ」
バイバーイと手を振りながら去っていくアーディを見送ったラグナは、この都市に着いた時に感じた強い視線の方角 バベルの塔へ向いた。
「さっきまで感じた視線の正体って間違いなく“あの女神”だよな、もしかして俺が転生者だから魂を見て興味持っちまったか?」
それから人や街並みを見渡している事数分、本拠地からヘスティアがもう1人の女性を連れて出て来た。
「もーヘスティアったら、下界に降りているなら一言声掛けなさいよ」
「ゴメンゴメン僕も降りたばかりだったし、色々あったから許してくれ〜」
「まったく」
扉から出てきたのは赤い髪の女性、右目に眼帯を充てている。
「君がヘスティアの眷族になる予定の子ね。初めまして、私はヘファイストス。このオラリオで鍛冶職人をしているわ」
「初めまして、自分はラグナ・オラクル。これから色々とお世話になると思うので、ヨロシクお願いします」
「ヨロシク。大体の話はヘスティアから聞いているわ、素材と魔石の買取をウチで行いたいのよね?」
「ああ、ヘスティアが紹介した貴方なら任せられるって聞いたからな、俺も彼女が信頼している
「_______わかったわ。君からも詳しい話を聞きたいから荷物を持って入って来なさい」
へファイストスはそう言って戻り、2人も素材と魔石イッパイの袋を持って本拠地に入っていった。
◇
荷物を持った2人はへファイストスの館兼工房、その応接間に案内された。
「おお、すごく綺麗なじゃないかヘファイストス!」
「だな、流石オラリオでも名高いファミリアの本拠地だけのことはある」
「ありがと……それじゃあ早速、その袋の中身を見せてくれないかしら」
そう言われてラグナとヘスティアは袋を渡し ヘファイストスは中の素材を一つ一つ丁寧に調べていく、2人は応接間のソファでまった。
あれからしばらく経って鑑定を終えたヘファイストスは、ラグナに顔を向けて幾つか質問した。
「ラグナ君……ヘスティアから君についてある程度聞いたけど、君からも聞きたいの 良いかしら?」
「_____わかった」
「まず_______君が持ってきたこの素材と魔石達は、
「ああ、あっている」
「……(嘘はついてない)もう一つ良いかしら、君が魔物を倒す際その武器を使ったのよね。よければ見せてもらっても良いかしら?」
ヘファイストスのお願いにラグナは、腰に着いたショートソードを鞘ごと抜き取り「……どうぞ」と差し出す。ヘファイストスはそれを受け取り慎重に鞘から剣を抜いた、使われている鉄はこの都市の物と比べるとあまり良いとは言えないがなかなかの出来である。
その刃は多くの魔物を斬り裂いているのに対し、刃こぼれや傷が思いの外見当たらない。何よりヘファイストスが目を見開いたのは、この剣から感じる“魔力とは異なる力”の残滓だった。
「素材は何処にでもある普通の鉄だけどなかなか良い出来だと思うわ、これって何処で買ったヤツなの?」
「それは俺の手で鍛えた武器なんだ、故郷にいる工房の親方に教えて貰いながらでけど」
「何ですって!?」
「俺 元々物作りも得意で、旅に出るなら自分の武器を自分で作ろうと思ったんだ」
「……色々ツッコミたいところはあるけど今はいいわ、私が一番気になったのはこの剣から感じる【異質な力】なの」
「「………」」
「__________本来冒険者達の中に【魔力】を武器に通して戦う事はあるけど、君の
武器から感じるこの力は私がこれまで見た武器でも全く見た事もない未知の力なの
……君は心当たりがあるんじゃない?」
「……まあ、話せば長くなるんだが」
ラグナはオラリオに着くまでの経緯を話した、10年間行った修行内容とそれで得た能力とその効果を可能な限り話した。
因みにこの世界の神は相手の嘘を見破る事が出来るので、自分が転生者である事をバレないようにはぐらかした上で。
一通り話を聞いたヘファイストスはあまりの内容に頭を抱えてため息をついた。
「_____つまりこの剣から感じる力の正体はその【気】と【覇気】を流した事による結果っていうことね。ハア〜……ヘスティア、貴方とんでもない子を見つけて来たわね」
「そうさ!僕のラグナ君はスゴいんだ!!」
「アナタねぇ、そんな簡単な話じゃないのよ!!いい、その子の力は───」
その後ヘファイストスはラグナの力が如何にとんでもない事かを説教じみた説明をした。長い時を生きた神々でも、下界にこんな力がある事を知らなかったと。
古代の歴史でさえ存在しなかった人類史初の未知の力、これがもし他の神々に知られたらどんな手を使っても手に入れようとする奴が現れる。
そう説明されたヘスティアは、必死にラグナに抱きついて顔を青くしながら何度も頷いた。
そんなこんなでしばらく経って、ヘファイストスは鑑定した結果を伝えた。
「魔石はギルドに換金してもらうとして、この素材達はうちで買い取るわ、地上の魔物でもそれなりに役立つから。買取額は少し色を付けて五〇万ヴァリスってところね」
「「五、五〇万ヴァリス!?」」
ヘスティアはあまりの大金にひっくり返り、ラグナもこの金額には流石に驚愕の表情をうかべる。
「色を付けたとはいえ正当な報酬よ、安心して受け取りなさい」
そう言ってヘファイストスはヴァリスの入った袋を二人の前に差し出す、ヘスティアは「はわわわ!」と震えながら貰うのだった。
◇
本拠地から出るとあたりは夕焼け空に近づきつつあった、ヘスティアは貰った五〇万ヴァリスにホクホク顔になっている。
「これだけあれば少し良い宿に泊まれそうだねラグナ君!」
「そうだな、ついでに夕飯になりそうなヤツでも買っていくか」
そうして二人は移動しようとしたところにヘファイストスが待ったを出した。
「待ちなさい二人共、忠告しとくけど宿に泊まるのはあまりおすすめしないわ」
「え、なんで?───」
「実はここん所宿に泊まる金額をボッタくったり、泊まってる間に物が盗まれる事が増えているのよ」
「うええっ!?」
「マジか……でも忠告するって事は、何かアテがあるって事なのか?」
「まあね、それについての話なんだけど───」
『この地図のっている場所、タダで紹介してあげるけど住むときは覚悟しておいてもらうわよ』
それからヘファイストスに貰った地図を見ながら、二人は荷物を荷台にのせてある場所に向かっていた。
「ヘファイストス様が言うにはこのオラリオの北西区画にある目印の所に行けって言ってたな」
「紹介してあげるからそこを僕達の拠点にすれば良いって、ヘファイストスってば ヴァリスの件といいナカナカ太っ腹な事をするよね!」
荷台に乗ってるヘスティアはオラリオに着いて早々に、自分達の拠点を手に入れた事にウキウキしていた。
ソウコウしていると二人は地図に書いてある目印に到着した、そこにあるのは打ち捨てられた廃教会 ヘスティアは愕然としているが、ラグナは目の前の建物をただジッと見ていた。
「こ、これが僕達の本拠地?_____」
「……地図ではこの教会の隠し部屋が俺達の拠点らしい」
「え〜……取り敢えず中に入ってみようか」
ラグナは荷台を入り口の近くに下ろし、先に入ったヘスティアを追いかけた、教会の中はやはりボロボロになっており ホコリも大分積もっていた。
とてもではないが良い場所ではない、だが夕焼けが差し込むステンドグラスは、どこか暖かみを感じる気がする。
「うえ〜中もボロボロで埃っぽい〜」
「そうだな、ヴァリスに余裕が出来たら綺麗に修繕してもらおう」
「いや修繕より新しく建てた方が良いと思うんだけど______因みに隠し部屋って何処だいラグナ君?」
「確かこの先にあるはずだ」
ラグナはある場所に向かって隠し部屋の入り口を見つけた、二人は階段降りて扉を開けると薄暗い地下室に着いた。
「ほ、本当にここに住むのかい僕達!?」
「まああまり良い物件とはいえないけど住めば都って言うし、何とかなるだろ」
「そうかもしれないけどさ……もっと良い場所に住みたかったよ〜」ガックシ
ヘスティアは事前にヘファイストスから聞いてはいるものの、ショックで膝から崩れ落ちたのだった。
◇
隠し部屋を改めて見てみるとクローゼットやベットにソファが付いており、コンロ代わりの魔道具に水も通っていた。
落ち込んでいたヘスティアも多少ではあるが元気を取り戻し その後……外に置いてあった荷台から荷物を下ろした。
部屋に運んでひと段落したらもう夜になっていたので夕飯に市場で買った【ジャガ丸君】を食べ始めた。
「うん…美味しいねジャガ丸君!」
「だな…安い値段のわりに結構ボリュームがあるな(味はやっぱりコロッケに似ている)」
「そういえばヴァリス、結構余裕があるけどしばらくは節約したほうがいいかな?」
「魔石があるからもっと増えるだろうし、明日ギルドに行って換金すれば多少贅沢する分には問題ないだろう」
それからジャガ丸君を食べきったラグナは、歯を磨き寝るためにベットに向かう
________するとヘスティアがラグナの背中に抱きついて来た。
「ラグナ君……寝る前に済ませておきたい事があるんだ……」
「えっ……何かやり残した事ってあったか?」
「約束しただろう?……オラリオに着いたら君に、【
「ああ、俺はてっきり明日するものかと思ってたが?」
「__________オラリオに着くまでおわずけされてたんだ、無事着いたし拠点も手に入った……もう僕は我慢の限界なんだ!」
「わかった、わかったからその誤解を招くような言い方はやめてくれ!」
多少怪しい言い合いがあったが、気を取り直してラグナは上着を脱ぎベットで仰向けになった。
「(ゴクリっ) ラグナ君……相変わらずスゴい筋肉だね いわゆる細マッチョっていうヤツ、なんかこうドキドキしてしまうよ//////」
「なんかアブナイ空気になってるので真面目にやってしてください」
「ゴメンゴメン……それじゃあ気を取り直して、始めようラグナ君____」
気持ちを切り替えたヘスティアは針で指を軽く刺し、
そして一枚の羊皮紙を背中に貼り【ステイタス】を写したヘスティアはその内容を見た、すると___________
「これで、君は僕の眷族だ さて肝心の【ステイタス】はどうなって______________________________________________ん?、えっ!?はあっ!!??」
【ラグナ・オラクル】
Lv.1
《基本アビリティ》
力 : B 702
耐久 : C 655
器用 : B 789
敏捷 : C 697
魔力 : E 360
覇気 : E 348
気 : E 364
《スキル》
【
超早熟
《
《
【
限界突破
【
魔力を自在に操作可能
《発展アビリティ》【魔導】【精癒】を発現
イメージする事で魔法を行使可能
【◼️◼️◼️◼️】
◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️
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規格外……いや それでも生温いといえるほどの、あまりにも非常識過ぎるラグナの【ステイタス】にヘスティアは全身震えだし______そして
「なななななんじゃこりゃぁああああああああああああああああ!!!???」
オラリオ全域に響くだろう大絶叫を出したのだった。
はい盛りに盛りました、後悔はしていません。
書きたかった所
何故《基本アビリティ》に《気》と
《覇気》を入れたのかといいますと。
コレらは生き物や意志を持つ者に元々
あった、魔力とは異なる潜在能力という
認識で書きました。
賛否両論はあると思いますが、この作品はこういう設定でいこうと思います。
それでは、また次回でお会いできればと思います。