転生したらエースだった件 作:みけまる(AI執筆)
また、少し旅行に行ってくるので明日から1週間くらい投稿は休止しますね。
アーロンを倒したところまではよかった。
問題は、その後だった。
「……多すぎるだろ」
改めて中庭を見回すと、アーロンにクロオビ、チュウ、ハチの四人に加え、覇王色で気絶させた魚人たちがあちこちに倒れていた。戦いの途中で壊れた石畳や壁の破片も散らばっていて、なかなか酷い有様だ。
賞金首を捕まえたら海軍へ引き渡す。これまでならそれで済んだが、さすがに今回は人数が多すぎる。
ストライカーは三人で乗るだけでも狭い船だ。アーロンみたいな大柄な魚人を何人も積めば、ローグタウンへ戻るどころか、まともに航行できるかも怪しい。
「仕方ねえか。取りに来てもらおう」
幸い、ここは海賊団の本拠地だ。電伝虫くらいあるだろうと思って建物の中を探してみると、案の定すぐに見つかった。
ただ、近くの海軍支部がどこにあるのかまでは知らない。適当な支部へ連絡しても構わないが、せっかくなら村の人たちにも事情を聞いておきたかった。
それに、魚人たちを放っておけば、そのうち目を覚ます奴も出てくるだろう。
おれは建物の中で見つけた縄を持ち出し、まずはアーロンと幹部たちを縛り上げることにした。
◇
ココヤシ村へ戻ると、行きに通ったときとは随分と雰囲気が違っていた。
道端で話していた男たちがおれに気づき、一斉に口を閉じる。そのうちの一人が家の中へ声をかけると、窓から顔を出す者や、仕事の手を止めてこちらを見る者が増えていった。
もっとも、誰もすぐには近づいてこない。
アーロンパークへ向かった人間が一人で帰ってきたのだから、何があったのか気になるのだろう。それでも、期待して裏切られるのが怖いのか、遠巻きに様子を窺っている。
「おい!」
最初に声をかけてきたのは、頭に風車をつけた男だった。
あの風車、どうやって固定してるんだろうな。
少し気になったが、男の方はそれどころではないらしい。足早に近づいてくると、険しい顔でおれを見た。
「アーロンは……どうなった?」
「倒したぞ」
「……倒した?」
「ああ。幹部も全員な。ほかの奴らも気絶してる」
男は口を開いたまま動かなくなった。
周囲の村人たちも同じだった。おれの言葉が聞こえていなかったわけではないらしく、互いに顔を見合わせている。
「もう、来ないのか……?」
少し離れたところから、か細い声が聞こえた。
「アーロンたちは……もう、村へは……」
「海軍に引き渡すつもりだからな。近くの支部に連絡して、まとめて持ってってもらおうと思ってんだ」
それを聞いた途端、風車の男が俯いた。
肩が小さく震えている。
泣いているのかと思ったが、やがて顔を上げた男は、目を潤ませながらも大きく息を吸い込んだ。
「みんな!」
村中に響きそうな声だった。
「アーロン一味は倒されたぞ!」
最初に歓声を上げたのが誰だったのかは分からない。
ただ、一人が叫ぶと、それまで黙っていた村人たちも次々と声を上げ始めた。隣の人間に抱きつく者もいれば、家へ駆け戻って家族を呼んでくる者もいる。
「やった……!」
「終わったんだ!」
「本当に終わったんだ!」
「アーロンがいなくなった!」
あっという間に人だかりができた。
さっきまでおれを遠巻きに見ていた連中まで近づいてきて、肩を叩いたり、手を握ったり、口々に礼を言ってくる。
「ありがとう! 本当にありがとう!」
「お兄ちゃんがアーロンを倒したの!?」
「おう。だから引っ張んな、帽子取れるだろ!」
子供がおれの腕にぶら下がり、帽子まで掴もうとしてくる。
慌てて母親らしい女が引き離したが、今度は別の子供が反対側から飛びついてきた。
「こら、お前ら! 賞金稼ぎさんが困ってるだろ!」
「いや、別にいいけどよ。ちょっと待てって!」
どうやら、アーロンと戦っていたときより身動きが取れなくなってしまったらしい。
それでも、悪い気はしなかった。
村の人たちがどれほどアーロンを恐れていたのかは、昨日どころか、今日ここへ来てからの短い間でも十分に伝わっていた。そんな連中が、今は子供も大人も揃って笑っている。
しばらく騒ぎに付き合っていると、風車の男が人をかき分けて戻ってきた。
「すまん。名乗るのが遅れたな。私はゲンゾウだ。この村では駐在をしている」
「これはご丁寧に。おれの名前はエースだ」
「ああ。ありがとう、エース」
ゲンゾウは笑ったが、すぐに表情を引き締めた。
「海軍へ連絡すると言っていたな」
「おう。そのことなんだけどよ。この辺だと、どこの支部が近いんだ?」
「第77支部がいいだろう。プリンプリン准将という人がいる。少なくとも、ネズミよりは信用できるはずだ」
「ネズミ?」
聞き返した途端、ゲンゾウの顔が露骨に歪んだ。
「第16支部の大佐だ」
「そいつじゃ駄目なのか?」
「……アーロンと繋がっている」
その言葉を聞いた周囲の村人たちが、口々に不満をぶつけ始めた。
「何度訴えても何もしてくれなかった!」
「あいつら、海軍まで買収してやがったんだ!」
「ネズミの奴がここへ来ても、アーロンたちは平気な顔をしてたぞ!」
なるほど。確か、原作にもそんな海兵がいたな。
名前を聞いて思い出したが、アーロンから賄賂を受け取っていた大佐だったはずだ。
そうなると、アーロンの懸賞金が二千万ベリーで止まっていることにも納得がいく。
実際に戦った限り、アーロンは東の海で捕まえてきた賞金首の中でも頭一つ抜けていた。幹部たちもそれぞれ相応の実力があり、何十人もの魚人を従えている。おまけに、村を支配して金を巻き上げていたというのだから、単純な戦闘力以上に危険な海賊団だ。
懸賞金は強さだけで決まるものではないが、これだけのことをしていて二千万というのは、やはり安すぎる。
「そいつのことも話しといた方がよさそうだな」
「……信じてもらえるだろうか?」
「さあな。でも、言わなきゃ始まらねえだろ」
おれは肩をすくめた。
「それに、アーロン本人と戦ったおれから見ても二千万は安すぎる。村を何年も支配してたことまで海軍が知らなかったんなら、誰かが隠してたって話にもなるだろ」
ゲンゾウは少し考えてから頷いた。
「分かった。私も話そう」
「おう、頼む。おれ、ネズミって奴の顔も知らねえからな」
「それは私たちが証言する。ほかにも話せる者はいるはずだ」
「助かるぜ。じゃあ、アーロンパークへ戻ろう。電伝虫も向こうにあるんだ」
そうして、ゲンゾウと何人かの村人たちを連れ、もう一度アーロンパークへ向かうことになった。
◇
第77支部への連絡は、思っていたよりすんなり通った。
もっとも、最初から話を信じてもらえたわけではない。
『アーロン一味を捕縛した……? 君は何を言っているんだ?』
「だから、アーロンと幹部を倒したんだって。ほかの魚人もまとめて気絶してる」
『待ってくれ。君は一体、何者なんだ?』
「賞金稼ぎだよ。エースってんだ」
相手はしばらく黙り込んだあと、改めて状況を確認してきた。
どうやら、二千万ベリーの賞金首を一人で捕まえたという話が信じられないらしい。仕方がないのでゲンゾウにも代わってもらい、村の駐在として事情を説明してもらった。
その後、何度か担当者が替わり、ようやくプリンプリン准将本人へ繋がった。
『……確認する。アーロン一味は、本当に全員戦闘不能なのだな?』
「ああ。今なら縛り放題だぞ」
『縛り放題……』
「幹部もアーロンも気絶してる。雑魚の方はそろそろ起きるかもしれねえから、早めに来てくれ」
実際、戻ってきたときには何人かが目を覚ましかけていたので、ゲンゾウたちにも手伝ってもらって縛り上げてある。
『了解した。直ちに部隊を向かわせる』
「ああ。それともう一つ」
『何だ?』
「アーロンの懸賞金、二千万だよな?」
『そうだが』
「安すぎるぞ」
電伝虫の向こうが静かになった。
『……どういう意味だ?』
「そのまんまだ。おれ、東の海で賞金稼ぎやってるから、何人か賞金首とも戦ってるけどよ。アーロンは二千万って強さじゃねえ。幹部もいるし、魚人の部下も数十人はいた。おまけに何年もこの辺の村を支配してたらしいじゃねえか」
横で話を聞いていたゲンゾウが口を開いた。
「五年だ。少なくとも我々の村は、それだけの間支配されていた」
「だってよ」
『五年……?』
プリンプリンの声が変わった。
どうやら、そこまでの被害は把握していなかったらしい。
「それで、ここの連中が言うには、第16支部のネズミって大佐がアーロンから金を貰ってたらしい」
『……何だと?』
「おれは今日来たばっかだから、そこは知らねえぞ。ただ、実際にアーロンと戦った感じじゃ、二千万は妙に安い。これだけ長い間こんなことやってて海軍が知らなかったってのも変だろ」
海軍の情報がどこで止まっていたのかまでは分からない。ネズミが具体的に何を隠していたのかも、村人たちの証言だけでは確定できないだろう。
だからこそ、調べてもらう必要がある。
『……分かった』
少し間を置いて、プリンプリンが答えた。
『こちらでも確認する。村の者からも詳しく事情を聞きたい』
「おう。そっちは任せる」
『君にも事情聴取を――』
「おれはアーロン倒しただけだからな。できても戦った話くらいだぞ」
『それで構わん』
「ならいいや」
『それと』
「まだ何かあるのか?」
『不甲斐ない我々に代わり村を救ってくれて、ありがとう……!』
「へへ、どういたしまして」
思いがけず真面目な礼を言われ、少し照れくさくなった。
そのまま電伝虫を切ると、隣で聞いていたゲンゾウが呆れたような顔をしている。
「……准将相手でも随分と気軽に話すんだな」
「そうか?」
「いや、いい」
「何だよ。気になるじゃねえか」
「別に悪いとは言ってないさ」
ゲンゾウはそう言って笑い、拘束した魚人たちの様子を確かめに向かった。
◇
第77支部の軍艦が島へ到着したのは、それから数時間後だった。
上陸した海兵たちは、アーロンパークの惨状を見るなり足を止めた。
吹き飛んだ門に、ひび割れた石畳。壁や柱もところどころ壊れており、その中庭には何十人もの魚人が縄で縛られている。
さっきまでおれとゲンゾウたちで見張っていたのだが、海兵たちはどうにも信じられないものを見るような顔をしていた。
「……これを、一人で?」
若い海兵が尋ねてきた。
「ああ」
「全員?」
「そうだけど」
「……そうですか」
何だ、その顔。
聞いてきたのはそっちだろ。
プリンプリン准将は軍艦から降りると、まずアーロンたちの拘束を確認した。部下に指示を出して魚人たちを船へ運ばせる一方、自分はゲンゾウたちから話を聞き始める。
おれも呼ばれたので、アーロンパークでの戦いについて説明した。
門を火拳で吹き飛ばしたことや、魚人たちをまとめて気絶させたこと。覇王色については説明が面倒だったので、威圧して気絶させたとだけ伝えておいた。
それからは、幹部連中とアーロンをまとめて相手をした話をした。
すると、プリンプリンはしばらくおれの顔を見つめていた。
「……君は本当に賞金稼ぎなのか?」
「そう言ってるだろ」
「いや、疑っているわけではないのだが……」
「じゃあ、何だよ」
「いや……何でもない」
何だか釈然としない。
ただ、プリンプリンはそれ以上追及せず、今度は村人たちの話を聞き始めた。
五年間にわたって金を要求され続けていたこと。払えなかった者が殺されたこと。助けを求めても状況は変わらず、第16支部のネズミ大佐がアーロンと接触していたこと。
最初はゲンゾウが代表して話していたが、途中からほかの村人たちも口を開き始めた。家族を失った者や、商売を続けられなくなった者もいて、被害はおれが考えていた以上に広がっていたらしい。
プリンプリンは途中で口を挟まず、部下に記録を取らせながら最後まで話を聞いていた。
やがて一通りの証言を聞き終えると、集まった村人たちの前で帽子を取った。
「……すまなかった」
その場が静かになる。
「五年もの間、これほどの被害が続いていたにもかかわらず、海軍は君たちを守ることができなかった。第77支部の人間として、同じ海軍に所属する者として、謝罪する」
村人たちはすぐには答えなかった。
無理もない。
これまで助けを求めてきた相手が海軍で、その海軍の一部がアーロンに協力していたのだ。今日初めて会った准将が頭を下げたところで、簡単に納得できる話ではないだろう。
プリンプリンも返事を求めることなく、ゲンゾウへ向き直った。
「ネズミ大佐については、第16支部を含めて必ず調査する。今ここで何かを断定することはできないが、君たちから聞いた話を有耶無耶にはしない」
「……分かりました」
ゲンゾウが頷いた。
「お願いします」
「ああ」
プリンプリンも真剣な顔で頷き返した。
少なくとも、こいつは信用してよさそうだ。
おれがネズミのところへ乗り込んで直接問い詰めることも考えたが、海軍内部の問題なら、まずは海軍に調べさせた方がいいだろう。プリンプリンが約束を守らなかったときには、また別の方法を考えればいい。
そんなことを考えている間にも、魚人たちは次々と軍艦へ運ばれていった。
最後に担架へ載せられたアーロンは、まだ意識を取り戻していなかった。
その姿を、村人たちは黙って見送っていた。
さっきおれが村へ戻ったときにはあれほど喜んでいた連中が、今は誰も声を上げない。怒鳴りつける者も、石を投げようとする者もいなかった。
ただ、アーロンが船へ運ばれていく様子を、じっと見つめている。
五年間か。
おれにとっては今日初めて会った相手でも、この村の連中にとってはそうじゃない。
それだけ長い間、あいつらに怯えながら暮らしてきたんだ。倒したと聞いただけでは、まだ実感が湧かないのかもしれない。
最後の魚人が船内へ運び込まれ、やがて軍艦が岸を離れた。
村人たちは、その姿が沖へ小さくなっても、しばらく海を眺めていた。
「……行ったな」
誰かが呟いた。
「ああ」
「本当に……行ったんだな」
隣にいたゲンゾウが、帽子を深く被り直した。
そして、勢いよく振り返る。
「よし!」
でかい声だった。
「宴だァ!!!」
「おおおおおおっ!」
途端に村人たちが歓声を上げ、さっきまでの静けさが嘘のように騒がしくなった。
「おいおい、今からか?」
「こんなめでたい日に飲まない訳あるか!」
近くにいた男がおれの肩を組んできた。
「今日は飲むぞ!」
「美味い酒はあんのか?」
「あるぞ!」
「食いごたえのある肉も必要だな」
「用意する!」
「ならやろう!」
「ああ! たらふく食ってくれ!」
ゲンゾウが豪快に笑った。
そういうことなら、おれに断る理由はない。
◇
日が暮れる頃には、村の広場がすっかり宴会場になっていた。
どこから持ち出したのか長い机が何本も並び、その上には魚料理や肉、果物、酒が所狭しと置かれている。家から椅子を運んでくる者もいれば、広場の端で大きな鍋をかき混ぜている女たちもいた。
村中の人間が集まってきたらしく、昼間は静かだった通りまで笑い声が響いている。
「エース! こっちの魚食ってみろ!」
「待て! 先にこっちだ!」
「お前ら、一気に持ってくんなよ!」
皿を二枚受け取ったところへ、さらに肉が載せられた。
何でも、この辺りの海で獲れる魚らしい。焼いたものも煮込んだものもあって、どれも美味そうだ。
とりあえず一番近くにあった肉へかぶりつく。
「うめえ!」
「そうだろ!」
「もっと食え!」
「言われなくてもいただくさ!」
周囲から笑い声が上がった。
いやあ、いい村だな。
酒も肉も遠慮なく出してくれるし、料理も美味い。アーロンを捕まえた懸賞金まで貰えるんだから、今回の寄り道は大当たりだ。
もっとも、村人たちにしてみれば、それどころではないらしい。
少し離れた席では、酒を飲みすぎた男が隣の友人へ抱きついていた。
「もう、金を払う必要もねえ!おびえることもだ!!」
「分かったから離せ!」
「来月も! その次も!」
「分かったって言ってんだろぉ…!」
友人の方も笑っているのに、目には涙が浮かんでいる。
別の場所では、子供たちが広場を走り回っていた。昼間、おれが村へ来たときには家の中へ呼び戻されていた子供たちだ。
今は誰も止めない。
大人たちは酒を飲みながらその様子を眺め、時々危ないから気をつけろと声をかけるくらいだった。
そういう光景を見ていると、アーロンを倒したときよりも、村が解放されたことを実感する。
たまには、こういう寄り道も悪くない。
「エース!」
「ん?」
振り返ると、ゲンゾウが酒瓶を片手に立っていた。
「飲んでるか?」
「ああ」
「食ってるか?」
「見りゃ分かるだろ」
「そうだな!」
ゲンゾウは声を上げて笑い、おれの隣へ腰を下ろした。
昼間はずっと険しい顔をしていたが、今は随分と楽しそうだ。頭の風車も酒を飲むたびに揺れていて、見ていると少し面白い。
「……ありがとうな」
「またか、今日何回目だ?」
「何度言っても足りん」
「なら美味い肉をもっとくれ」
「お前は本当に遠慮がないな!」
「なんだ、遠慮した方がよかったか?」
「遠慮なんてするんじゃない!」
「じゃあいいだろ」
「ははは! まったくだ!」
ゲンゾウが近くの男に声をかけると、すぐに肉の載った皿が運ばれてきた。
遠慮しなくていいというなら、ありがたくいただこう。
おれが新しい肉に手を伸ばすと、ゲンゾウも酒を注ぎ直し、周囲の村人たちと笑いながら話し始めた。
どうやら、宴はまだまだ終わりそうになかった。
◇
宴が始まってしばらく経った頃、一人の少女が村へ戻ってきた。
肩まで伸びた橙色の髪に、旅の荷物を抱えた小柄な身体。少女は広場から聞こえてくる騒ぎに足を止め、見慣れたはずの村を呆然と見つめていた。
「……何よ、これ」
ナミには、何が起きているのか分からなかった。
広場には見知った顔がいくつもある。酒を飲んでいる人も、泣いている人もいるが、みんな笑っていた。
こんな光景を見るのは何年ぶりだろう。
アーロンが村を支配してからというもの、誰かが楽しそうにしていても、どこかで周囲の目を気にしていた。少しでも目立てば魚人たちに何をされるか分からず、宴を開く余裕などあるはずもなかった。
それなのに、今は誰も怯えていない。
「ナミ!」
名前を呼ばれて振り返ると、ゲンゾウがこちらへ歩いてきた。
「帰ってきたのか!」
「ゲンさん……これ、何?」
「ああ」
ゲンゾウは一度だけ広場を振り返った。
その顔を見て、ナミはますます戸惑った。
ゲンゾウがこんなに晴れやかな顔をしているところなど、もうずっと見ていない。
「アーロン一味が倒された」
「……え?」
「今日、賞金稼ぎがこの島へ来てな。アーロンも、幹部も、全員倒してくれた!アーロン達はもう海軍に引き渡されたんだ……!」
ナミはゲンゾウの顔を見つめた。
言葉の意味は分かる。だが、それをどう受け止めればいいのか分からなかった。
「……アーロンが?」
「ああ」
「倒されたって?」
「ああ」
「誰によ?」
ゲンゾウが広場の方を指した。
人の輪の真ん中で、見知らぬ青年が肉を食べている。
自分とそう年齢が離れているようには見えない。村人たちに囲まれ、楽しそうに笑いながら酒を飲んでいた。
「彼だ。エースという賞金稼ぎらしい」
「あの人が?」
「ああ」
「……たった一人で?」
「一人でだ」
ナミはもう一度、青年を見た。
信じられなかった。
あのアーロンが倒されたという。
何度考えても勝てる方法が思いつかなかった相手だ。大人たちが逆らうこともできず、海軍へ助けを求めてもどうにもならなかった。
だから、自分で何とかするしかないと思った。
海図を描き、海へ出て、海賊から金を盗んだ。危ない目にも何度も遭ったが、それでもやめるわけにはいかなかった。
一億ベリー。
その金を用意すれば、アーロンから村を買い取れる。
そう約束したからこそ、五年間ずっと金を貯め続けてきた。
まだ目標には遠い。これからも盗みを続けなければならないし、いつ捕まるかも分からない。それでも、ほかに村を救う方法が見つからなかった。
なのに、今日。
自分がいない間に、知らない人間がやって来て、アーロンを倒した。
もう、金を貯める必要はないのだという。
「……なんで」
「ナミ?」
もっと早く来てくれなかったの。
そんな考えが浮かんだ。
あと一年早ければ。二年早ければ。
ベルメールさんが殺されたあの日に来てくれていたら。
そこまで考えたところで、ナミは唇を噛んだ。
違う。
そんなのは八つ当たりだ。
広場で笑っている青年は、自分と大して年齢も変わらない。五年前なら、向こうだってまだ子供だったはずだ。
今日初めてこの島へ来て、今日アーロンを倒してくれた。
それだけなのに、どうしてもっと早く来てくれなかったなどと言えるだろう。
分かっている。
分かっているのに、五年間ずっと張り詰めていた気持ちは、そう簡単に喜びへ変わってくれなかった。
「……ナミ」
ゲンゾウが心配そうに声をかけてくる。
ナミは何か答えようとしたが、うまく言葉にならなかった。
嬉しいはずなのに、広場へ入ってみんなと笑う気にはなれない。かといって、ゲンゾウに何を話せばいいのかも分からなかった。
「……ごめん」
ようやく、それだけ言った。
「今日は、帰る」
「ああ」
ゲンゾウは理由を尋ねなかった。
そのことに少しだけ安心し、ナミは広場へ背を向けた。
後ろからは、相変わらず賑やかな笑い声が聞こえている。
ずっと聞きたかったはずの声だった。
それでも今は、少しだけ離れたところにいたかった。
◇
「ただいま」
家へ戻ると、すぐに返事があった。
「おかえり、ナミ」
ノジコがいた。
姉の顔を見た途端、ナミは少しだけ肩の力が抜けるのを感じた。
荷物を床へ置き、いつもの椅子に腰を下ろす。
「聞いた?」
「うん」
「そっか」
ノジコはそれ以上尋ねなかった。
ナミも、何から話せばいいのか分からないまま黙っていた。
窓の外からは、遠くの広場で続いている宴の声が聞こえてくる。家の中はいつもと変わらないのに、外では何もかもが変わってしまったようだった。
「……ねえ、ノジコ」
「何?」
「本当に終わったの?」
「終わったよ」
「……そっか」
ナミは机へ頬杖をついた。
嬉しい。
嬉しいに決まっている。
明日から村のみんなは、アーロンへ金を払わなくていい。誰かが魚人の機嫌を損ねて殺される心配もなくなる。
自分だって、もう一億ベリーを貯めなくていい。
海賊から盗み続ける必要もないし、アーロンの命令で海図を描く必要もない。
自由になったのだ。
ずっと欲しかったものが、突然手の中へ転がり込んできた。
だからこそ、どうしていいのか分からなかった。
「私さ」
「うん」
「最低なこと考えた」
ノジコは黙って続きを待っていた。
「なんでもっと早く来てくれなかったのって」
「……うん」
「あの人、今日初めてここに来たんだって」
「そうみたいね」
「私と二つくらいしか変わらないんだって」
「うん」
「そんなの、どうしろっていうのよ…」
自分で言って、少し笑った。
笑った途端、今度は目の奥が熱くなってきた。
「知らない村のことなんか、知るわけないじゃない」
「そうね」
「なのに私、なんでって……」
「思うくらい、いいんじゃない?」
ノジコが言った。
ナミは顔を上げた。
「口に出して本人を責めたわけじゃないんでしょ?」
「……うん」
「なら、今日くらい好きに考えればいいじゃない。五年も辛い思いをしてきたんだから」
ノジコはいつもと変わらない調子でそう言った。
その声を聞いていると、ナミはようやく、無理に気持ちを整理しなくてもいいのだと思えた。
アーロンがいなくなったからといって、五年間の出来事まで消えるわけではない。
嬉しい気持ちも、悔しい気持ちも、今はまだ両方ある。
「……ノジコ」
「何?」
「お腹空いた」
「宴、行けば?」
「今日は嫌」
「じゃあ何か作る?」
「お願い」
「はいはい」
ノジコが立ち上がり、台所へ向かった。
ナミはその背中を見送ってから、椅子へ深く座り直した。
明日になったら、あの人に会いに行こう。
ちゃんと顔を見て、礼を言いたい。
そう考えると、少しだけ気持ちが軽くなった。
◇
「ねえ、起きて」
「……んん」
「ちょっと、聞こえてる?」
肩を揺すられる感覚に目を開けると、真っ青な空が広がっていた。
どうやら昨日は宴の途中で眠ってしまったらしい。身体を起こして周囲を見渡すと、広場には片づけきれなかった机や椅子が残っており、近くには空になった酒瓶も転がっている。
その前に、橙色の髪をした少女が立っていた。
昨日の宴で見かけた覚えはあるが、直接話した記憶はない。
「おはよう。おれに何か用か?」
「おはようって……随分のんびりしてるのね」
少女は呆れたように笑った。
「こんなところで寝てたら、村の人が片づけられないでしょ」
「ああ、そりゃ悪かったな」
おれが立ち上がると、少女は少し意外そうな顔をしたものの、すぐに気を取り直したようだった。
「あなたがエースよね?」
「ああ、そうだ」
「私はナミ。昨日はちゃんと挨拶できなかったから」
聞き覚えのある名前だった。
昨日ゲンゾウから村の話を聞いたとき、海図を描くのが好きな少女がいると言っていた。それに、前世から知っている名前でもある。
「お前がナミか、よろしくな!」
「……私のこと、知ってるの?」
「昨日ゲンゾウから聞いたんだ。海図を描くのが好きなんだってな」
「ああ、ゲンさんね」
ナミは納得したように頷いた。
手には小さな鞄を持っている。昨日の宴で遠目に見たときより落ち着いているようだったが、目元には少し疲れが残っていた。
「昨日は……その、何も言わずに帰っちゃったから」
「気にすんなよ。いろいろ大変だったんだろ?」
「……うん」
ナミは少しだけ視線を落とした。
昨日までアーロンに支配されていた村が、突然自由になったのだ。嬉しい気持ちはもちろんあるだろうが、それだけで気持ちを整理できるような話でもない。
しばらく黙っていたナミは、改めておれへ向き直った。
「アーロンを倒してくれて、ありがとう」
「おう」
「……本当に、ありがとう。村のみんなも、すごく喜んでた」
「ああ。昨日は随分盛り上がったもんな!」
おれが笑うと、ナミも少し笑った。
それから、手に持っていた鞄をこちらへ差し出してくる。
「それで、これなんだけど……受け取ってくれない?」
「ん? 何だ?」
「お金よ」
鞄の中を覗くと、札束がぎっしりと詰まっていた。
ざっと見ただけでも相当な額だ。普通、ナミのような年齢の少女が持ち歩くような金額ではない。
「おお、結構な額だな。どうしたんだ、これ?」
「私が貯めたお金の一部よ。もともとはアーロンに渡すつもりだったの」
その言葉で、原作でナミがアーロンと交わしていた約束を思い出した。
一億ベリーで村を買い取る。
ナミはそのために、幼い頃から海賊の金を盗み続けていたはずだ。
ただ、今は原作より三年早い。ナミが金を貯め始めてからも、まだ五年ほどしか経っていない。
「五年間、ずっと貯めてたの。まだまだ目標額には全然足りなかったけどね」
ナミは鞄を見下ろし、少し複雑そうに笑った。
「でも、もうアーロンに渡す必要はなくなったから。村を助けてくれたお礼に、受け取ってほしいの」
「なるほどな。でも、そいつはお前が持っておけよ」
「……え?」
ナミが顔を上げた。
「いらないの?」
「ああ。アーロンの賞金は海軍から貰えるしな」
「でも、それはアーロンを捕まえた分でしょ? これは私からのお礼よ」
「気持ちだけで十分だ。五年もかけて貯めた金なんだろ?」
「……そうだけど」
「だったら、これからは自分のために使えばいいじゃねえか」
ナミは鞄を抱え直したものの、まだ迷っているようだった。
五年もの間、村を買い取るために金を貯め続けてきたのだ。昨日まで必要だった大金が、突然別の使い道に回せるようになったところで、すぐに気持ちを切り替えられるわけでもないのだろう。
「……簡単に言うわね」
「そうか?」
「そうよ。私にとっては、ずっと大事なお金だったんだから」
「ああ。だからこそ、お前が使うべきだと思うんだよ」
ナミは少し驚いたようにおれを見た。
おれだって金は好きだ。
美味いものも食えるし、酒も買える。船を造るにも修理するにも金がかかるし、これから偉大なる航路へ進むなら、いくらあっても困らない。
ただ、それとナミの金を貰うかどうかは別の話だった。
アーロンを捕まえた分の賞金は貰えるし、今のところ金に困っているわけでもない。わざわざナミが苦労して貯めた金を受け取る理由はない。
「行きたいところへ行くなり、欲しいものを買うなり、好きに使えばいいさ。もうアーロンのために貯めなくていいんだからな」
「……そうね」
ナミは小さく頷いた。
それから鞄へ目を落とし、何かを確かめるように持ち手を握り直した。
「なんだか、まだ実感が湧かないのよね」
「昨日の今日だからな」
「うん。ずっと、村を買い取ることばっかり考えてたから……急に自由になったって言われても、何をしたらいいのか分からなくて」
ナミはそう言って、少し困ったように笑った。
「贅沢な悩みよね」
「ハハハ! いいじゃねえか。これからゆっくり考えれば」
「……そうする」
そう答えたものの、ナミはまだ鞄を手放そうとしなかった。
「でも、やっぱり何も受け取ってもらえないのは、ちょっと気が済まないわ」
「そう言われてもな。おれは本当に困ってねえぞ?」
「それは分かったけど……」
ナミは困ったように眉を寄せた。
おれとしては礼を言ってもらえただけで十分だったが、ナミの方はそれでは納得できないらしい。これ以上断り続けても、同じ話を繰り返すことになりそうだった。
そこで、ふと思いついた。
「じゃあ、代わりと言っちゃなんだが、一つ頼み事をしてもいいか?」
「頼み事?」
「ああ。三年後くらいに、おれの弟が海に出るんだ」
「弟? 三年後って、今はいくつなのよ?」
「十四だな。ルフィっていうんだけどよ」
「へえ、私より年下なのね」
「ああ。今も毎日修行してるはずだぜ」
目の前の少女が将来ルフィの仲間になるかどうかは分からない。
おれやサボが原作とは違う道を進んでいる以上、ルフィだって同じ冒険をするとは限らないだろう。
それでも、あいつが海へ出ることだけは間違いない。
もし二人が出会うことがあれば、こんな頼み事をしておくのも面白そうだった。
「もし会うことがあったら、よくしてやってくれ」
ナミは少し不思議そうな顔をした。
「……どうして私に?」
「お前、海図を描くのが好きなんだろ? いつか海へ出るんじゃねえかと思ってな」
「……ゲンさん、そんなことまで話したの?」
「いや、海図が好きだって話だけだ。あとはおれの想像だよ」
もちろん、ナミが世界中の海図を描きたいと思っていることは原作の知識から知っている。ただ、今も同じ夢を持っているかどうかは分からない。
ナミは少し考え込んでから、広場の向こうへ目を向けた。
「……そうね。いつかは海に出たいと思ってるわ」
「おっ、やっぱりそうか!」
「でも、今すぐじゃないわよ。まだ村のみんなとも、ちゃんと話せてないし……」
「ああ、急ぐ必要はねえ。おれの弟が出航するのだって三年後だからな」
ナミは頷いた。
それから、少し呆れたように笑う。
「それにしても、ずいぶん気の早いお願いね。海がどれだけ広いと思ってるのよ」
「ハハハ! だから会ったらでいいって言っただろ?」
「まあ、それならいいけど……それで、このお金の代わりになるの?」
「ああ。十分だぜ」
「……ずいぶん安上がりなお礼ね」
「そうか? おれにとっちゃ大事な弟だからな」
ナミは一瞬きょとんとした後、少しだけ笑った。
「……分かったわ。もし会ったら、覚えておく」
「おう、頼むぜ!」
ようやく納得してくれたらしく、ナミは鞄を抱え直した。
それから、ふと気になったようにおれを見上げる。
「ところで、そのルフィって子、どんな子なの?」
「面白え奴だぞ。昔から一緒に育ったんだけどな、冒険が大好きで、何があっても自分のやりたいことを曲げねえんだ」
「ふうん。頑固そうね」
「ハハハ! そりゃもう、とんでもなくな!」
「それ、笑い事なの?」
「まあな。あいつのそういうところが大好きなんだ」
ルフィの頑固さには昔から散々付き合ってきた。
一度決めたことは滅多に諦めないし、何か面白そうなものを見つければ、すぐに首を突っ込みたがる。おかげで一緒にいると退屈しない。
もちろん、手のかかるところもあるが、あいつなりに考えて行動しているのは知っている。
「いい弟なのね」
「ああ。自慢の弟だぜ!」
そう答えると、ナミは少しだけ笑った。
「ただし、どんな子かは会ってから判断するからね」
「ははっ! そりゃそうだ!」
ナミは鞄を抱え直し、少し悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「それに、もし面倒なことに巻き込まれたら、ちゃんと迷惑料を請求するわよ」
「あー、そりゃあ確実に払うことになりそうだな」
「確実って…。どんな奴なのよアンタの弟…」
「向こう見ずなんだ、迷惑は確実にかけるな!」
「ちょっと、それを分かってて私に頼んだわけ?」
「ハハハ! でも、面白え奴なのは間違いねえぞ!」
「面白いだけじゃ困るんだけど……」
ナミは呆れたようにため息をついたが、すぐに小さく笑った。
「まったく、とんでもないわね。ちょっと会ってみたくなっちゃったじゃない」
「おっ、そうか! なら会ったときはよろしく頼むぜ!」
「はいはい。でも、迷惑料の話は忘れないでよね」
「ああ。そんときはたっぷり払ってやるよ!」
「ふふっ、言ったわね。覚えておくから」
ナミは楽しそうに笑いながら、鞄を抱え直した。
しばらくして、ナミは村の方へ目を向けた。
「そろそろ戻らないと。ノジコにも、ちゃんと話しておきたいし」
「ああ。引き止めちまったな」
「ううん。こっちこそ、朝から起こしちゃってごめんね」
「気にすんなよ。そろそろ起きるつもりだったしな」
「ふふっ、本当かしら」
ナミは笑いながら歩き出した。
だが、数歩進んだところで足を止め、もう一度こちらを振り返る。
「エース!」
「ん?」
「……本当に、ありがとう」
今度は、先ほどよりずっと穏やかな声だった。
おれは笑って片手を上げた。
「おう!」
ナミも笑い返し、鞄を抱えて村の方へ歩いていった。
その背中を見送ってから、おれは大きく伸びをした。
昨日は随分と飲み食いしたが、広場で寝たせいか身体が少し固まっている。軽く肩を回してみたものの、別に痛むところもないし、出航するには問題なさそうだ。
アーロンたちは海軍へ引き渡した。
懸賞金の手続きも済んでいる。
村の連中も、これからはアーロンに怯えずに暮らせるだろう。
ココヤシ村でやることは、ひとまず全部終わった。
「さて、そろそろ戻るか」
ローグタウンでは、サボとデュースが新しい船の話を進めているはずだ。
船大工との打ち合わせもあるだろうし、あまり長く二人に任せきりにするのも悪い。どんな船になるのか楽しみだから、できればおれも途中から加わりたかった。
それにしても、ルフィが海へ出るまであと三年か。
あいつが出航する頃、おれたちはどこにいるんだろうな。
偉大なる航路を進んでいるのか、それとも、もう新世界まで辿り着いているのか。
どちらにしても、ルフィが海へ出たらきっと面白くなる。
「ハハハ! 楽しみだな!」
思わず笑ってしまった。
あいつがどんな仲間を集め、どんな冒険をするのかは分からないが、いつか海のどこかで会えるだろう。
そのときには、おれも胸を張って自分の冒険を話してやりたい。
「よし!」
おれは帽子を被り直し、広場を後にした。
まずはストライカーへ戻らないとな。
もっとも、ローグタウンまではまた何日か海の上だ。途中で腹が減っても困るし、出航前に食料を買い足しておいた方がいいだろう。
そんなことを考えていると、広場の片づけをしていた村人が声をかけてきた。
「おっ、エース! 起きたのか!」
「おう! そろそろ出ようと思ってな」
「そうか。だったら、朝飯くらい食っていけよ!」
「いいのか?」
「当たり前だ! 昨日の残りもあるしな!」
「そりゃありがてえ!」
どうやら、出航はもう少し後になりそうだ。
昨日あれだけ食ったばかりなのに、話を聞いたらまた腹が減ってきた。
せっかくの好意だ。
朝飯くらい、遠慮なくご馳走になっていこう。
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