よろしくお願いします
はじめましてだな、猫使ビィ!!
『はじめまして』
一言目は困惑。
古い、時代遅れと言われるパソコンのスピーカーが奏でた美声に、私はただ困惑していた。
『猫使ビィです』
そして、二言目には言い表せない衝動が胸の内より込み上げ、気付けば画面に映る彼女に向かって、焦がれる様に、愛おしさすら感じて、手を伸ばしていた。
『よろしくお願いします、マスターさん♡』
そう、私は彼女に魅了されたのだ。
彼女の名前は猫使ビィ。
青い髪の、臆病な猫耳美少女。
「―――そんな彼女の
『えへへ・・・・マスターさん、私も大好きですよ』
「ぐはっ」
『マスターさん?!』
思わず吐血する。
ああ、この笑顔の尊さには、吐血しかあるまい!
「・・・・ふう、危うく尊死する所だった!」
『マスターさん?(つよつよ)』
「ごめんて」
守りたいこのほっぺ。
※
・・・・と、まあ、今では彼女と仲良く過ごしているが最初はそうではなかった。
「あれは・・・・そう。今から2年前、雪が振っていた夜の事・・・・」
『懐かしいですね』
「さて、時間を巻き戻そうか・・・・ほわんほわんほわーん」
『なんか違くありませんか?』
「細かい事を気にする必要はない!VTR、いざ!」
※
VTR、いざ!じゃねーよ。
とまあ幻聴に突っ込みながら帰路を歩く。
何時もと少し違う、雪の振る夜道。
「乙女座の私には、センチメンタリズムな運命を感じられずにはいられない・・・・か」
少し意味深に呟く。
まあ、誰も聞いてないんだが。
グラハムさんの台詞回しはすげーよ。
つい言いたくなるかっこ気持ち悪い黒歴史量産機である。
『・・・・ダレカ、イルンデスカ?』
今しがた通り過ぎた電柱の裏から声が聴こえた。
イントネーションに違和感を感じる。
機械的な声だ。
「・・・・ああ、居るとも」
震える四肢を叱咤し、電柱の裏へと振り返る。
不審者変質者幽霊地縛霊エトセトラ・・・・そんなもの、知ったことではないと!!
「あえて言わせてもらおう、グラハム・エーカーであると!!*1」
『グラハムエーカーサン、デスカ*2』
「・・・・ノートパソコン?」
其処には液晶のひび割れたノートパソコンが静かに佇んでいた。
『ハジメマシテ』
その画面には青い髪の女の子が写っていて、その女の子が此方を見ていた。
そう感じた。
だが、それよりも―――
『ネコツカビィ、デス』
「―――可愛い、だと?!」
その女の子―――ネコツカビィに、私は、どうしようもなく心を奪われていたのだ。
※冒頭は主人公の脳内で美化されたもので後半が実際の流れです