よろしくお願いします。
本日中にもう1話投稿予定です。
世の中には、知らないほうが幸せなことというものがある。
たとえば、いつも買っている黒パンが実は三日前に焼かれたものだったとか。
たとえば、近所の頑固な爺さんが若い頃には王都で名の知れた剣士だったとか。
あるいは、自分の住んでいる村の裏山に、どう考えても普通ではない何かが眠っているらしいとか。
そういうものは、知らなければ知らないまま、平和に暮らしていられる。
しかし、一度知ってしまえばそうもいかない。
何しろ、こちらの都合などお構いなしに、問題というやつは向こうからやってくるのだから。
「……で、これは何なんだ?」
エルム村集会所の木製の大きな卓を囲んで、俺は腕を組んでいた。
もっとも、今の俺は8歳児である。
以前なら普通に座れていた椅子も、今では座面が高すぎる。
仕方がないので、二枚重ねた座布団の上に座っているのだが。
「……何か、締まらねえな」
思わずぼやく。
「がはははっ! いいじゃねえか、可愛くて!」
「うるせえ、バルド」
向かい側に座っていた大男が、腹を抱えて笑った。
バルド。
エルム村の自警団をまとめる男であり、俺にとっては2年来の知り合いである。
ちなみに、俺の身体が女神ルミエラの趣味によって8歳の少女に変えられて以来、ことあるごとに俺をからかってくる。
いつか、しっかり仕返しをしてやりたいものだ。もちろん、筋力は使わずに。
何しろ今の俺が本気で殴れば、仕返しどころか殺人事件になってしまう。
「……それで、ガント爺さん」
俺は隣に座る老人へ視線を向けた。
「……昨日の岩崩れのあと、また石切り場に行ったのか?」
「今朝、バルドと一緒にのう。村長に報告するにも、もう少し様子を確かめておいたほうがよかろうと思ってな」
ガント爺さんが頷いた。
村で長年木工職人をしている老人で、昨日の岩崩れでは危うく下敷きになるところだった。
もっとも、本人はすっかり元気を取り戻している。今朝もご飯をきちんと食べてきたらしく、顔色は悪くなかった。
「……昨日の今日で危ねえだろ」
「無論、崩れた岩壁には近づいておらん。じゃが、広場の端まで転がってきた岩の欠片に妙なものが挟まっておったんじゃ」
そう言って、ガント爺さんが卓の中央に置かれた黒い根を指差した。
「……こいつか?」
「うむ。普通の木の根なら、岩の隙間に入り込むこともあろう。じゃが、こいつはまるで石そのものに食い込んでいるようじゃった」
「……石そのものに?」
俺は眉をひそめた。
「うむ」
ガント爺さんが持ってきた、卓の中央に置かれているものを確認する。
「……木の根、だよな?」
そこには、黒い紐のようなものがあった。
長さは俺の腕ほどで、太さは大人の親指くらい。表面は黒く、ところどころに赤黒い筋のようなものが走っている。
一見すると、少し気味が悪い見た目の腐った木の根のようだった。
しかし、木の根というには明らかにおかしなところがあった。
「……妙だな」
俺は椅子からずり落ちないように気をつけながら身を乗り出した。
木の根というものは、植物によって形状も性質も大きく異なる。太いものもあれば、細いものもあるし、水を蓄えるものもあれば、土の奥深くへ伸びるものもある。
そして、腐れば色が変わることもある。だから、黒い根そのものが珍しいわけではない。
細い根が出ていないのもの太い根の途中が切れたのならそういうこともあるだろう。
だが、それだけではない違和感があった。
「……ほう?」
「表面の質感が妙なんだ。木の根なら、もっと樹皮らしい感触や木質の繊維が見えるはずなんだが……」
俺は、黒い根の切断面へ目を凝らした。
「……こいつは、木っていうより何か別の生き物の一部みてえだ」
俺は指を伸ばしかけ、触れる直前で手を止める。
「……なあ、これ、素手で触っても大丈夫なのか?」
「わからん」
「わからねえのかよ!」
思わず叫んだ。
ガント爺さんは、からからと笑った。
「じゃから、こうして見てもらっておるんじゃろうが」
「……ったく」
俺は溜息をついた。
『まあまあ!』
頭のなかに、聞き慣れた声が響いた。
『何ですの、その黒いものは! 何やら不気味ですわねえ!』
――ルミエラ。
『はいっ! あなたの女神、ルミエラですわ!』
――お前、始末書は進んでるのか?
『…………』
――おい。
『……い、今は休憩中ですの!』
――休憩しかしてないんじゃねえのか?
『……おーっほっほっほ! 細かいことを気にしていては、大きな浪漫は掴めませんわ!』
――現実から逃げるな。
俺は額を押さえた。
女神ルミエラ。
泉を司る上位女神にして、救いようのない駄女神。
幼い少女の可愛らしさをこよなく愛し、力こそパワーと信じて疑わず、幼女が巨大武器を振り回す姿に神生のすべてを捧げている。
そんな女神に目をつけられた結果、俺は元38歳の木こりから、筋力だけが世界最高の8歳の少女へと変えられてしまった。
女神本人は非常に満足しているらしいが、俺はちっとも満足していない。
というか、今すぐ元に戻してほしい。
「……マキ?」
バルドが不思議そうに俺を見つめていた。
「……どうした?」
「……いや、何でもねえ」
「また、俺たちには見えねえ誰かと話してたのか?」
「…………」
俺が答えられないでいると、バルドがにやりと笑った。
「図星か」
「……うるせえ」
何故分かった。
いや、まあ、俺が時々何もないところへ向かって怒鳴っているのだから、分かって当然なのかもしれない。
「それより、今はこれだ」
俺は黒い根へ視線を戻した。
「昨日の岩崩れがあった場所で見つかったんだよな?」
「うむ。岩の割れ目に挟まっておった」
ガントが頷いた。
「しかも、妙なことにのう。石に深く食い込んでおったんじゃ」
「……石に?」
「そうじゃ。まるで、柔らかい土へ根を張るようにの」
木の根は、長い年月をかければ岩の亀裂へ入り込み、その隙間を押し広げることがある。
それ自体は、珍しい現象ではない。
しかし、昨日の石切り場は少しおかしかった。
岩壁の亀裂、突然の崩落。そして、今まで見たこともない黒い根。
これらは何か関係があるのだろうか。
「……村長には?」
「もう話してある」
バルドが答えた。
「今朝、俺とガント爺さんで説明してきた。しばらく石切り場には誰も近づけねえことにしたよ」
「……それが賢明だな」
「それで、相談なんだが」
バルドは真面目な顔になった。
「この根っこを、街の冒険者ギルドに持っていこうと思ってる」
「……冒険者ギルド?」
「ああ。あそこなら、魔物や妙な植物について詳しい連中もいるだろうからな」
俺は小さく頷いた。確かに、それがいい。
エルム村は小さな辺境の村だ。
農夫や木こりは多いが、魔物や魔法について詳しい専門家はほとんどいない。素人だけで調べるより、専門家に相談するべきだろう。
「……で、誰が持っていくんだ?」
「俺だ」
バルドが答えた。
「今日、街へ行く荷馬車がある。そいつに乗せてもらおうと思ってな」
「……なるほど」
俺は頷いてから、少し考えた。
「……なあ、バルド」
「ん?」
「俺も行っていいか?」
「……お前も?」
「ああ」
俺は真面目な顔で続けた。
「そろそろ、今の身体でも仕事を続けられるようにしておきてえんだ」
昨日の薪割りは、ひとまず成功だった。
最初こそ薪割り台を壊してしまったものの、力の加減を覚えてからは、ちゃんと仕事ができた。しかし、村の仕事だけで生活していけるとは限らない。
それに、いずれは女神が教えてくれた《始まりの泉》を探す旅へ出なければならないのだ。そのためには、今の身体で外の世界を歩く方法も考えなければならない。
「冒険者ギルドなら、木材の採集や伐採の依頼もあるんだろ?」
「……まあ、あるにはあるな」
「だったら、俺にもできる仕事があるかもしれねえ」
バルドが腕を組んだまま、しばらく俺を見つめる。
どうするべきか、考えをまとめているような顔つきだった。
「……そうだな」
ゆっくりと頷いた。
「お前の事情もあるし、一度相談してみるのは悪くねえか」
「……おっ」
「ただし!」
バルドが、びしっと指を立てた。
「勝手に危ねえ依頼を受けたりするなよ?」
「……わかってるって」
「本当だろうな?」
「俺は木こりだぞ。魔物退治なんざ専門外だ」
俺は肩を竦めた。
すると、バルドが豪快に笑った。
「がはははっ! 倒木で大牙猪を潰して、バカでかい岩を斧一本でぶった斬った奴がよく言うぜ!」
「……それとこれとは別だろ」
俺はむっとしてバルドを睨みつける。
力が強いからといって、何でもできるわけではないし、少なくとも、俺は冒険者になりたいわけではないのだ。
ただ、これからも木を伐って飯を食っていきたい。それだけなのだから。
『……まあまあ!』
女神が、嬉しそうに声を上げた。
『ついに冒険者ギルドへ行かれるのですわね!』
――ああ、行くだけだぞ。
『素晴らしいですわ! 冒険者ギルドといえば、剣士に魔術師、騎士に弓使い! そして、数々の強敵が集まる場所!』
――別に強敵を探しに行くわけじゃねえよ。
『そこに、身の丈を遥かに超える巨大な双斧を携えた可憐なる幼女が颯爽と現れる!』
――おい。
『そして、居合わせた歴戦の冒険者たちを、圧倒的な筋力で黙らせるのですわ!』
――喧嘩を売りに行くんじゃねえ!
『はああああっ! 何という浪漫!』
俺は、静かに天を仰いだ。
……こいつの始末書、あと何百枚残っていたんだっけな。
◇◆◇
エルム村から最寄りの街、リーネルまでは、荷馬車でおよそ二時間半の道程だった。村の南側を通る街道に沿って進めば、昼前には到着する。
俺は宿屋に戻り、マルタに事情を説明した。
「街へ行く?」
マルタが眉をひそめた。
「ああ」
「マキが?」
「ああ」
「駄目だよ」
「何でだよぉぉぉっ!」
即答だった。
俺は思わず叫んだ。
「こんな小さな子を、一人で街へ行かせられるわけないだろう!」
「一人じゃねえって! バルドも一緒だ!」
「バルドが?」
「ああ」
俺が頷くと、マルタは腕を組んで少し考えた。
そして、溜息をついた。
「……まったく」
「ん?」
「あんた、前より頑固になってないかい?」
「そうかな?」
「そうだよ」
マルタは呆れたように笑ったが、すぐに真面目な顔で言った。
「でもね、マキ」
「何だ?」
「街には、村とは違う人間がたくさんいるんだよ」
「ああ」
「今のあんたを見て、38歳の木こりだなんて思う人はいない。見知らぬ大人に声をかけられても、簡単について行っちゃ駄目だからね」
「あのなぁ、俺を何歳だと思ってんだよ」
「8歳だねえ」
「中身は38歳の男だって!」
「でも、見た目は8歳だろう?」
「……ぐぬぬ」
相変わらず反論できなかった。
マルタは、そんな俺を見て小さく笑う。
「まあ、バルドが一緒なら大丈夫だろうけどね」
「……じゃあ」
「ただし! 帰りが遅くなるようなら、ちゃんと知らせるんだよ」
「わかったよ」
「それと、食事はきちんと取ること」
「ああ」
「知らない人からお菓子をもらってもついて行かないこと」
「だから、俺は38歳だって!」
「ふふっ。わかってるよ」
絶対にわかっていない。
俺は深々と溜息をついた。
すると、マルタは厨房へ戻り、小さな包みを持ってきた。
「ほら。お昼の分だよ」
「おお」
黒パンと燻製肉、それから赤い林檎が一つ。昨日と同じ弁当だった。
「……ありがとよ」
「どういたしまして」
マルタが微笑んだ。
「ああ、そうだ」
「……ん?」
彼女は棚から小さな帽子を取り出した。
深緑色の布で作られた、つばの広い帽子だった。
「……何だ、それ?」
「子供用の帽子だよ。昔、ティオが使ってたものさ」
「へえ」
「ちょうどいい大きさだと思ってね」
そう言って、俺の頭に帽子を被せてきた。
「おい、何だよ急に」
「動かないでおくれ」
マルタは帽子の位置を整えると、顎の下で紐を結んだ。それから、少し離れて俺を眺める。
「……うん。よく似合ってるよ」
「…………」
俺は、近くの鏡を覗き込んだ。
そこには、緑色の帽子を被った小さな少女が映っていた。
栗色の髪、琥珀色の瞳。
生成り色のシャツに深緑色の上着、首元には赤いスカーフ。腰には道具袋を提げ、背中には小さな背嚢を背負い、そして、頭には緑色の帽子を被っている。
どう見ても、童話に登場しそうな森の少女といったいでたちだった。
「……木こりっていうより、森にお使いに行く子供だな」
思わず呟くと、マルタがくすくす笑った。
「いいじゃないか。可愛くて」
「……可愛さは必要ねえんだけど」
『必要ですわぁぁぁっ!』
――出たな、ロリコン女神。
『何をおっしゃいますの、マキちゃん! 可愛らしさは世界の宝! 神々の至宝! ああ、その帽子も実によくお似合いですわ!』
――ルミエラ、始末書は……。
『……い、今から頑張りますわぁぁぁっ!』
女神の声が遠ざかっていった。
少しの間だろうが、静かになりそうだった。
◇◆◇
荷馬車は、思っていた以上に快適だった。
御者を務めるのは、村を拠点に行商をしているオスカーという中年の男である。
日に焼けた顔に、太い眉と人のよさそうな笑顔が特徴の気さくな男だった。
「いやあ、まさかマキトの旦那がこんな可愛らしいお嬢ちゃんになるとはねえ!」
「……好きでなったわけじゃねえよ」
「はっはっは! そりゃそうでしょうな!」
オスカーは楽しげに笑いながら、馬の手綱を握っていた。
荷馬車には、村で作られた木工品や乾燥させた薬草、毛織物などが積まれている。俺とバルドは、その荷台に座らせてもらっていた。
「……それにしても」
俺は、街道の両脇に広がる景色を眺めた。
風にそよぐ草原。
種蒔きを待つ小麦畑。
遠くに見える鬱蒼と茂る森。
そして、緩やかに続く丘陵地帯。
エルム村の周辺は、実にのどかな土地だった。
「……いい天気だな」
「おう。街へ行くにはちょうどいい日だ」
バルドが空を見上げながら頷いた。
俺は帽子のつばを少し持ち上げる。
風が気持ちいい。
昨日は丸一日、薪割りと巨大斧の扱いに追われていたからだろう。こうしてのんびり景色を眺めるのは、久しぶりな気がした。
「そういや、バルド」
「ん?」
「冒険者ギルドって、どんなところなんだ?」
「何だ。お前、行ったことねえのか?」
「ないな」
俺は首を振った。
異世界へ転生してからの2年間、俺はほとんどエルム村の周辺で働いていた。街に出たことは何度かあるが、冒険者ギルドへ立ち寄ったことはない。
何しろ、俺は木こりなのだ。
冒険者とは縁のない生活を送っていたのである。
「うーん、そうだなあ」
バルドは少し考えた。
「冒険者ギルドってのは、簡単に言えば仕事の仲介所だ」
「……仕事の?」
「ああ。魔物退治や護衛はもちろん、薬草採集や荷の運搬、遺跡の調査なんかも扱ってる」
「……へえ」
「それに、職人や商人向けの依頼もあるぜ。危険な森でしか採れねえ木材とか、魔物の素材とか、そういうものを集める仕事もな」
なるほど。
想像していたよりも、ずっと幅広い仕事を扱っているらしい。
「……ってことは、木こりの仕事もあるんだな?」
「ああ。ただし、危険な場所に入るには資格や許可が必要になることもある」
「……資格か」
確かに、当然だろう。
この世界では森の奥には当たり前のように魔物がいる。きちんと警備されている街道に出てくることは基本的にないが、魔物に荒らされて人が住めなくなってしまうような地域もあるらしい。
それこそ、何百年も前には国ひとつが1匹の魔物に滅ぼされたなんて話もあったらしい。
普通の木こりが、何の準備もなく森の奥に入れば命に関わる。
だからこそ、ギルドが魔物退治や護衛の仕事を仲介するのだ。
「なるほどな」
「まあ、お前の場合は別の意味で大変そうだけどな」
バルドがにやりと笑いながら言った。
「ん? どういうことだ?」
「何しろ、見た目は8歳の嬢ちゃんだろ?」
「…………」
「受付で門前払いされるんじゃねえか?」
「……やめろよ、縁起でもねえ」
俺がむっとした顔で言い返すと、バルドが、がははと笑った。その笑い声を聞きながら、俺は自分の手を見つめた。
小さな手に細い指。どう見ても、子供の手だ。
それなのに、この身体には世界最高の筋力が宿っている。
そして、頭のなかには38年間の記憶がある。
「……まあ、何とかなるだろ」
俺は小さく呟いた。
『当然ですわ!』
頭のなかに、女神の声が響いた。
――ルミエラ。
『ち、違いますわ! 今は休憩中ですの!』
――まだ何も言ってねえよ。
女神は気にした様子もなく続けた。
『何しろ、あなたにはSTR9999という世界最高の筋力があるのですもの!』
――ああ。
『冒険者ギルドの受付嬢も、きっと腰を抜かして驚きますわ!』
――いや、俺は普通に手続きをしたいんだけど。
『そして、歴戦の冒険者たちがあなたの力を見て、口々にこう言うのです!』
――おい。
『「なんだと!? あんな幼女が我々よりも強いだと!?」』
――一人で芝居を始めんなって。
『そこにマキちゃんが巨大な双斧を構えてこう言うのですわ! 「力こそパワーだ!」と!』
「言わねえよぉぉぉぉっ!!」
荷馬車の上に、幼女の絶叫が響き渡り、オスカーがびくりと肩を跳ねさせた。
「……だ、旦那?」
「……あ」
俺は膝に顔を埋めた。
バルドがまた腹を抱えて笑っていた。
「がはははっ! また独り言か!」
「……うるせえ!」
俺は顔を真っ赤にし、心のなかで女神へ怒鳴る。
――お前のせいだぞ!
『おーっほっほっほ! 今日もマキちゃんは元気いっぱいで素晴らしいですわ!』
……こいつ。
本当に、いつか一度きっちり説教してやる。
俺は固く心に誓った。
◇◆◇
リーネルの街が見えてきたのは、太陽が空の高いところへ昇った頃だった。
「……おお」
俺は荷馬車の上で、思わず身を乗り出した。
遠くに、大きな石造りの壁が見える。その内側には、赤茶色の屋根を持つ建物が幾つも並んでいた。
中央には、ひときわ背の高い時計塔のような建物がそびえている。
街の外側には畑が広がり、街道沿いには多くの荷馬車や旅人たちが行き交っていた。
エルム村とは、随分違う景色だった。
「……賑やかだな」
「おう。リーネルは、このあたりじゃ一番大きな街だからな」
バルドが頷いた。
「王都から北に向かう商人も、山越えをする冒険者も、だいたいここを通る」
「……へえ」
俺は街並みを眺めた。
前世の日本で暮らしていた頃から考えれば、それほど大きな街ではない。しかし、二年間も小さな村で暮らしてきた俺には随分と立派な都市に見えた。
やがて荷馬車が門へ近づくと、衛兵が二人、こちらへ歩いてきた。
「おう、オスカー。今日は木工品か?」
「ええ。いつもの荷物です。それと、今日はお客さんを二人乗せてましてね」
「客?」
衛兵が荷台を覗き込んだ。
バルドが片手を上げる。
「よう」
「何だ、バルドか。久しぶりだな」
「おう。ちょいとギルドに用事があってよ」
「そうか。そっちのお嬢ちゃんは?」
「…………」
またか。また、この流れか。
どうやら今の身体になってから、初対面の人間には必ず「お嬢ちゃん」と呼ばれる運命らしい。
「……マキだ」
俺は、むっとしながら答えると、衛兵はにこにこと笑った。
「そうかそうか。いい名前だな」
「……どうも」
「街へ来るのは初めてかい?」
「……いや、前にも来たことはある」
「おっ、そうなのか。じゃあ、おじさんが心配することもないな」
衛兵は、相変わらずにこにこと笑っている。
完全に子供扱いだった。
俺が深々と溜息をついていると、バルドが口元を押さえて肩を震わせていた。
「笑うな」
「くくっ」
「おい!」
「わ、悪い悪い……!」
まったく、いつもいつもこいつは面白がりやがって。
門を通り抜けると、並んだ商店や露店からは商人たちの呼び声、石畳の大通りを踏みしめる馬の蹄と荷車が石畳を転がる音、通りの奥からは鍛冶屋だろう鉄を打つ音など、街の喧騒が一気に耳へ飛び込んできた。
そして、どこからともなく焼き菓子の甘い匂いまで漂ってくる。
「……おお」
俺は、美味そうな匂いに思わず鼻をひくつかせた。
どうやら近くにパン屋があるらしく、焼きたてのパンと蜂蜜の匂いが混ざっている。
「……美味しそうだな」
小さく呟いた。
『まあまあ!』
女神の声が響いた。
『マキちゃん、お菓子がお好きですの?』
――まあ、嫌いじゃねえけど。
『でしたら、あちらの焼き菓子を買って差し上げましょうか?』
――は?
俺は一瞬聞き間違いかと思った。
女神が買い物をする?
そんなことができるのだろうか。
『わたくし、女神ですもの! 焼き菓子の一つや二つ、神の奇跡で――』
――ストップ!
『……え?』
――奇跡の力ってそんなにポンポン使っていいものじゃねえはずだろ? また始末書増やされちまうぞ。
『……まあ! まあまあまあ! なんてことでしょう! マキちゃんがわたくしを心配してくださるなんて!』
――違う! 何か面倒なことになりそうだからだよ!
『ふふふ、分かっておりますわ! ああ、なんと素晴らしい日なのでしょう! 今日という日を記念日にして祝うよう神託を出さなければ!』
――そういうのを止めろって言ってんだよ!
『マキちゃんの優しさでわたくし、かつてないくらいにやる気が溢れておりますの! 始末書も捗るというものですわ! おーっほっほっほ!』
俺は、少しだけ、いや、かなり後悔した。
昨日の助言のこともあって絆されてしまっているのか、調子に乗らせてしまったかもしれない。
ルミエラが悪い女神じゃないのは分かっている。
だが、だからといって信用できるかと言われるとそうじゃない。何しろ、俺を勝手に幼女へ改造した張本人なのだから。
◇◆◇
リーネル冒険者ギルドは、街の中央広場から少し離れた場所にあった。
入口に立派な木製の扉があり、その上には剣と杖、それから盾を組み合わせた紋章が掲げられた、二階建ての大きな石造りの建物だった。
建物の前には荷馬車を停める場所があり、鎧を着た冒険者や大きな荷物を背負った旅人たちが頻繁に出入りしていた。
「……ここか」
「おう。リーネル冒険者ギルドだ」
バルドが頷く。
見上げたそれは、思っていた以上に立派だった。
冒険者ギルドといえば、前世で遊んだゲームでは、定番の場所としてよく登場する施設である。
冒険者登録や、依頼の受注、魔物素材の買い取りのほか、パーティーメンバーを探す場所として酒場が併設され、いかにも荒くれといった見た目の冒険者たちが酒を飲んで騒いでいる場所という印象だった。
もっとも、現実の異世界にある施設がゲームと同じとは限らない。
俺は、少しだけ緊張した。
「……よし」
俺は帽子を被り直し、バルドに声をかけた。
「行くか」
「おう」
バルドが扉を開ける。
――ざわざわざわ……。
扉が開かれた途端、中からざわめきと熱気があふれ出し、冒険者ギルドへと一歩踏み込めばそれらは一層強まった。
広い室内には、多くの人々がいた。
長剣を背負い、革製の軽鎧を纏ったバルドと同じくらいガタイのいい男。
短い杖を腰に下げ、深いスリットの入った紺色のローブを着た若い女性。
俺と同じような身軽そうな服に胸甲だけを付け、弓と矢筒を背負った背の低い少年。
頑丈そうな金属の全身鎧を身につけ、バケツをひっくり返したようなフルフェイスの兜を被った大柄なおそらく男。
そして、入り口から少しだけ奥まった酒場らしい場所では、冒険者パーティーと思しき6人ほどの男女が酒盛りをしているかと思えば、さらに奥まったテーブル席で昼間から酔いつぶれているらしい全身鎧の爺さんもいた。
人種も様々だった。
バルドによれば、俺やバルドと変わらない人間姿の者――普人もいれば、いわゆる亜人と呼ばれる種族もいるらしい。
酒盛りしている6人組の中には、兎耳が頭についた人間顔の男や二足歩行している犬顔の者――どちらも獣人と言うらしい、がいた。
別のグループには、二足歩行しているトカゲかワニのような見た目の者――爬人と言うらしい、もいた。
そして、酒場で酔いつぶれている爺さんは耳が笹のように長かったが、おそらく森人だろうと言っていた。
元の世界でゲームが趣味だった身としては、思わずワクワクしてしまったのは仕方ないと思う。
また、どうやら冒険者だけが利用する施設ではないらしく、薬草の入った籠を抱えた老婆や、大きな荷物を運ぶ商人の姿もある。
室内の壁際には、大きな掲示板が幾つも並んでおり、そこに様々な依頼書が貼りつけられているようだった。
魔物討伐、護衛、採集、運搬といったいかにも冒険者らしいものから、建物の修繕や農作業の手伝いといったアルバイトかよと言いたくなるような依頼もあった。
「……なるほどな」
確かに、バルドが言っていたとおり、単なる魔物退治の仲介所というわけではないらしい。
俺がワクワクしながら掲示板の依頼書を眺めていると、周囲の視線が何故か俺に集まり始めているのに気付いた。
「ん?」
いや、何故かではない。
理由は、はっきりしていた。
「おい、見ろよ」
「誰の子供? かわいー」
「あんな小さい子が、何でギルドに?」
「姫様? 姫様がおられる」
「おい、爺さんちゃんと抑えとけ。また発作が出てるぞ」
「依頼書見てるがあの娘も冒険者なのか?」
「まさか、誰かの子供じゃないの?」
ひそひそと言うにはあまりにもはっきりとした声が聞こえてくるので、俺は静かに眉をひそめた。
……まあ、そうなるよな。
何しろ今の俺は、どう見ても幼い少女である。
しかも金剛と白銀は【収納】しているので武器を持っているわけでもない。
どう考えても、冒険者ギルドに仕事を探しに来た人間には見えないだろう。
「……気にすんな、マキ」
バルドは俺をかばうように身を近づけてくると笑いながら言った。
「……わかってるよ」
俺は、むっとしながら答えた。
バルドが寄ってきて親子とでも思われたのか、周囲からの興味の視線はすぐに散っていく。釈然とはしない思いはあったが、外見上仕方ないと諦めるしかなかった。
バルドとともに、建物の奥に設けられた受付カウンターに向かって歩き出した。
磨き上げられた木製の長いカウンターの向こうに、何人もの職員が座っており、書類を整理する者や冒険者と話す者、魔物素材の鑑定を行っているらしい者など、誰もが忙しそうに働いていた。
俺たちは、比較的回転が速く空いていた窓口に向かった。
そこに座っていたのは、若い女性だった。
年齢は二十代半ばくらいだろうか。淡い金髪を後頭部で綺麗にまとめ、落ち着いた青緑色の瞳をしている。白いブラウスに紺色のベスト、その胸元には、ギルドの職員証がついていた。
きちんとした身なりの、いかにも仕事のできそうな女性だった。
「いらっしゃいませ。リーネル冒険者ギルドへようこそ」
女性が丁寧に頭を下げた。
「本日は、どのようなご用件でしょうか?」
「おう。ちょいと相談があってな」
バルドが答えた。
「エルム村から来たんだが、妙な植物が見つかってよ」
「植物、ですか?」
「ああ。鑑定してもらいたいんだ」
「かしこまりました。では採集品をこちらにお願いします」
受付嬢が小さな木箱を差し出した。
バルドは、持参した黒い根を布ごと箱へ入れた。
女性は、布を慎重に開いてそれを確認する。
「……これは」
その表情が、僅かに変わった。先ほどまでの柔らかな微笑みが消え、真剣な顔になっている。
「……どちらで採集されたものですか?」
「エルム村の裏山だ。古い石切場で見つかった。俺達じゃ何なのかも分からなくてな、一応素手では触ってねえ」
「……石切場」
女性は眉をひそめ、黒い根をじっと見つめる。
「……少々、お待ちいただけますか?」
「ああ」
「専門の鑑定士を呼んでまいります」
彼女は立ち上がり、席を離れるその前に、俺に視線を向けてにっこりと微笑んだ。
「……ところで、こちらのお嬢さんは?」
来た。やっぱり来た。
「……マキだ」
俺は答えた。
「よろしくな」
「まあ。ご挨拶がお上手ですね」
ご挨拶がお上手。
ご挨拶がお上手、だと?
俺はもう38歳だぞ?! 挨拶くらいできるに決まっているだろうが!
しかし、受付嬢はそんな俺の内心など知る由もない。
「私はセシリアと申します。よろしくお願いしますね、マキちゃん」
「……ああ」
「今日は、お父さんと一緒に来たのかな?」
「…………」
俺は、ゆっくりとバルドを見た。
バルドも、俺を見ていた。薄ら笑いだったその顔が見る間にニヤけたものへと変わっていく。
「ぶっ! がはははははっ!」
「バルド! てめぇ笑うなぁぁぁっ!」
俺の叫び声に受付のセシリアが、びくりと肩を跳ねさせた。
「……え? えっ?」
俺は、むっとしながら答えた。
「俺は、こいつの娘じゃねえ!」
「……あ、あら?」
「それに、そいつは! バルドは、俺のただの知り合いだ!」
セシリアは、何度か瞬きした。
それから、少しだけ困ったように微笑む。
「そうだったんですね。ごめんなさい」
「……いや、まあ、いいけどよ」
俺が小さく息を吐いて答えると、彼女は首を傾げた。
「ところで、マキちゃん」
「……ん?」
「今日は、お父さんやお母さんと一緒ではないの?」
「…………」
俺は、両手で顔を覆い静かに天を仰いだ。
……駄目だ。
この人も完全に俺を子供扱いしている。
いや、見た目は子供なのだから、当然といえば当然なのだが。
「……あのな」
俺は、できる限り真面目な顔を作った。
「俺は、仕事の相談に来たんだ」
「……お仕事、ですか?」
「ああ。木こりなんだよ」
「…………木こり?」
「そうだ」
「……マキちゃんが?」
「そうだって」
俺は胸を張った。
「職業は《樵》。木を伐るのが仕事だ」
「…………」
しばらくの沈黙が続いた後、セシリアが笑った。
「……ふふっ、そうなのね。マキちゃんは将来木こりさんになりたいんだ?」
「……は?」
「偉いわねえ。お仕事に興味を持つなんて」
「…………」
俺はゆっくりと息を吸い込んだ。
「俺は!」
「はい?」
「本物の!」
「ええ?」
「木こりなんだよぉぉぉぉっ!!」
受付に、幼女の絶叫が響き渡った。
周囲の冒険者たちが、一斉に振り返り、バルドは腹を抱えて笑っていた。
セシリアは、まだ意味が理解できていないようで目を丸くしていた。
『おーっほっほっほっほ!』
頭のなかで、女神が大笑いしていた。
『まあまあ! 何という可愛らしい自己主張なのでしょう!』
――お前も笑うな!
『小さな身体で胸を張り、必死に大人だと訴えるマキちゃん!』
――だから中身は大人なんだよ!
『はあああっ! これもまた、至高の浪漫ですわぁぁぁっ!』
……何なんだよ。
どうして俺は異世界に来てまで、こんな目に遭わなきゃならないんだ。
◇◆◇
「……ええと」
セシリアは、少し困ったように微笑んでいた。
「……マキちゃんが、本当に木こりさんなのはわかりました」
「……本当か?」
「ええ。ただし、冒険者ギルドには規則があるんです」
彼女は、カウンターの下から一冊の厚い帳簿を取り出した。
「冒険者としての登録は、原則として満15歳以上でなければ認められません」
「……15歳?」
「はい。マキちゃんは、おいくつですか?」
「……38歳」
「…………」
セシリアが笑顔のまま固まり、バルドは再び吹き出した。
「がははははっ!」
「……笑うな!」
俺の怒鳴り声など聞こえないとばかりに、バルドは笑うのをやめなかった。
しかし、セシリアは笑わず、むしろ少し真面目な顔で尋ねてきた。
「……何か事情がおありのようですね」
「……ああ」
「差し支えなければ、お話を伺っても?」
正直な話、女神の祝福のことを話すのは差し支える気がする。
幼女になってまで最強の筋力と斧が欲しいという奇特な奴がいるのか分からないが、馬鹿がやってきて世界に元おっさんの幼女が増殖するのも、エルム村の山や森が荒らされるのも困る。
いや、待てよ?
そういえば、ルミエラは祝福権限を停止されてるとか言ってたっけ?
じゃあ馬鹿が大挙して押し寄せてきても、ルミエラの泉に大量の斧を不法投棄していくだけで幼女が大量増殖することはないのか。
それなら特に害はないな。
それに、黙っていてもどうせステータスを見られればわかることでもある。
それなら、嘘をついても仕方がないか。
「……あまり広めないでほしいんだが」
俺は、異世界転移のことは話さず、この2年間の事情を説明した。
元は38歳の木こりの男だったこと。
2年前からエルム村で、木こりとして働いてきたこと。
そして、つい先日、泉に斧を落としたら女神が現れ、勝手に身体を8歳の少女へ変えてしまったこと。
そのうえ、筋力だけは世界最高にされてしまったこと。
話し終える頃には、セシリアは完全に無言になっていた。
「…………」
「というわけだ」
「…………」
「まあ、信じられねえとは思うけど」
俺は肩を竦めた。
すると、セシリアはゆっくりと口を開いた。
「つまり、マキちゃんは元々成人男性だった、と」
「そうだ」
「それが、女神様の祝福で8歳の女の子の身体になった、と」
「ああ」
「そして、筋力が世界最高になった、と」
「そうだって」
セシリアは、しばらく黙って、何か考えているようだった。そして、静かに言った。
「少々、お待ちいただけますか? 支部長を呼んでまいります」
「支部長?」
「はい。これは、私一人で判断してよいお話ではありませんので」
そう言って、彼女は立ち上がり、カウンターの奥にあるドアの向こうへ消えていった。
俺はその背中を見送りながら、また面倒なことになったと感じていた。
「……何か、大事になってきたな」
バルドが、豪快に笑った。
「がはははっ! そりゃそうだろ!」
「何でだよ」
「世界最高の筋力を持った8歳の女の子なんざ、普通はいねえからな!」
「……まあ、そうだけどよ」
俺は深々と溜息をついた。
『おーっほっほっほ!』
女神の声が響いた。
『ついに来ましたわね! 支部長との対面!』
――ルミエラ。
『これはもう、マキちゃんの圧倒的な実力が認められる前触れですわ!』
――まだ何もしてねえだろ。
『きっと支部長も、あなたのSTRを見て驚愕することでしょう!』
――そりゃびっくりはするだろうが、それを目当てに来たわけじゃねえって。
『そして、こう言うのです! 「なんという筋力! ぜひとも我がギルドの最強冒険者になってくれ!」と!』
――8歳じゃ冒険者にはなれねえらしいぞ。
『あら! あらあらまあまあ! マキちゃん、とうとうご自分の年齢をお認めになったのね!』
――なっ! 違っ、そうじゃなくて!
『おーっほっほっほ! いいですわあ! 口では拒んでいても、心の底では本当は自分が幼女だと認めてしまっている! そしていずれは心の底から幼女に!』
「だから違うって言ってんだろぉぉぉぉっ!!」
俺は思わず叫んだ。
再び響いた幼女の怒鳴り超えに、周囲の冒険者たちの視線がまたしても俺に突き刺さる。
「がははははっ! お前、今日は本当に忙しいな!」
「……うるせえ!」
俺は、机へ突っ伏した。
……ああ。
もう、帰りたい。
まだ受付に来たばかりだというのに早くも宿屋の屋根裏部屋が恋しくなっていた。
本作における人種について
普人 : ヒューマン種。最も数が多く繁栄している種族。
全世界の6割を占める。マキやガンドもこの普人種。
獣人 : ビースト種。獣の因子を身体に発現している種族。
ケモ度の多寡によって身体能力の強化率が異なる。
森人 : エルフ種。長命の代わりに繁殖力が低い。
長命であるため、様々な分野における達人を輩出している。
爬人 : ドラゴニア種。鱗人とも呼ばれる。卵生で変温体質。
人種、亜人種の中で最も身体が大きくなる。
鉱人 : ドワーフ種。成人でも身体が普人種の半分くらいしかない。
手先が器用で力も強い。だいたい酒癖が悪い。
魔人 : デーモン種。身体構成が魔力でできている。
首領は魔王と呼ばれるが、別に世界の敵とかではない。
蟲人 : インセクト種。体表が外骨格に覆われている。
比較的寿命が短いが、成長速度が速い。
水人 : アクアリア種。水中生活に適応した種族。
水陸両生で鰓でも肺でも呼吸できる。
樹人 : ドライアド種。樹木の性質を備えており長命。
寿命を迎えると一族の墓場で樹木になるといわれている。
これらの9種族は、世界樹の枝からそれぞれ生まれ落ちたとされており、地域によって多少の違い(方言)はあるが、共通言語で話す。