リコ視点
あれからは、たまに帰ってきては、一日とか二日とかしか家にいなくて、すぐにどこかへ行く。
……私のお婆ちゃんみたいだなぁ。
ふらっと寄ってきたと思ったら、その日の内にまた冒険の続きをしてしまう。
ルリハは今のイーブイ……
”ニンフィア”と旅してる。
ルリハが旅から帰ってくる度に色々話を聞いた。
……しかし、ルリハの場合いくつか問題がある。
それは……
「また怪我してる!!」
「いやいや、ちょっとヘマしちゃってさ。切っただけだよ〜」
「腕を!?」
大体怪我を増やして帰ってくる。
大体血が出てる。
ルリハの服の下には傷があった。
骨折とかする前のものだと思う。
初めて見た時はこれ軽い怪我じゃなくない?って思って、でもルリハはただ転んだだけだと思うと言った時はちょっと怒った。
ルリハは自分の身体に関心を向けなさすぎだ。
一応、なるべく傷跡が隠れる服を選んだつもり。
今はまだ残ってるのかはわからないけど……
でもまだ自分の身体に無頓着すぎる。
ちょっと怪我しても「平気」。
熱が出ても「寝れば治る」。
無理してたら「大丈夫」。
そういう問題じゃない!!
それで、しばらく忙しかったらしくて、帰ってくる頻度が減ってきた頃には。
私はもう10歳……
ポケモントレーナーになれる年齢。
パルデアから出て、カントー地方にあるセキエイ学園に入学した。
そこでは私の相棒ニャオハに出会った。
『可愛い〜!』
『ニャッ!!』
出会った時は引っかかれたり色々あったけど……
今では普通に撫でさせてくれるし、隣で寝てくれる。
ニャオハにもルリハのことを色々と話していた。
「私には妹がいてね〜!」
「私たち以外にはほぼ無表情を保ってたんだけどね!」
「あの子ね、自分を大事にしないの!」
「ルリハは私より背が高くて……」
「そもそも、ルリハは昔から無茶ばっかりして!!」
ニャオハにはよく呆れたような目で見られた。
それで、学園が大型連休に入った。
私の友達のアンを見送る前に、ルリハに連絡してみた。
『しばらく会ってないし、学園まで遊びに来ない?』
そう送ったら、
『いいよ』
たった三文字送られてきた。
やっぱり忙しかった?
でも承諾はしてくれたし……
ーーー☆★☆
夕方。
アンをバスまで見送ってから。
日が沈んでいくところを眺めながら、私はベンチに座って、スマホロトムを見て待っていた。
うーん、学校内じゃなくて、校門前とかのほうがよかったかな?
隣ではニャオハが毛づくろいしていた。
「ニャオハは、ルリハと会うの初めてだよねぇ」
「ニャオハ〜」
ロトン♪
スマホロトムの通知音。
「ん?」
私は通知を見て、目を輝かせた。
「あ、ルリハからだ!」
メッセージアプリを開く。
『ねえ、私』
……?
首を傾げていると、続けてもう一個メッセージが送られてきた。
『お姉ちゃんの真上だよ』
真上?
……
「えっ?」
私は顔を上げ、空を見上げた。
……
あれ?
私、疲れているのかな。
大型連休に入って、気が抜けたせいで幻覚でも見えてるのかもしれない。
だって……
「……何か、黄色いでっかい物体が見える……」
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