10000文字行きませんでした、8500文字です。
普通に長いので、時間がある時とかに見ることをオススメします。
あと、何となく察してると思いますが普通に書くのも時間かかってます。
これくらいの文字数だと投稿頻度はめっちゃ下がるとは思います。
それも目安にアンケートに答えてくれたら嬉しいです。
私としては長くても全然いけますよ〜。
皆さんが時間がかかってもいいというのでしたら、ですが
話が長くなりましたね。
では、本編どうぞ♪
ルリハ視点
現在逃走中の私たち姉妹は、屋根の上で下の様子を見ていた。
ふと、お姉ちゃんの首にかかっているペンダントを見た。
確かに私のキーストーンのものとは全然違う。
まあ、服の中に入れてるから使うときしか取り出さないし今は見えないけどね。
まあ今は逃げてる途中だし、また今度説明するよ。
……でも、結局これ何なんだろう。
ちょっと気になるな……
「いましたっ!!」
突然下から響いた声にビビって、ライトのモンスターボールを投げかけた。
危ない危ない。
ニンフィアなら力加減ができるからまだマシとはいえ、下手したら校舎の屋根が吹き飛ぶところだった。
どうやらさっきの人と一緒に来ていたらしい女の人が、下から私たちを指差していた。
……あの人、部下いるの!?
年齢はあまり離れてないようにも見えたのに。
もしかして、何らかの怪しい組織か何かにいるとか?
だって色々物騒だし!!
「ルリハ、逃げるよ!」
「うんっ!」
ニャオハが真っ先に屋根の端へ走った。
「ニャオッ!」
軽々と下へ飛び降りた。
お姉ちゃんも続いて、ゆっくり降りようとする。
………
「きゃっ!?」
足が引っかかって、尻もちついた。
「お姉ちゃん!?」
「いたたた……」
やっぱり転んだ。
一方、私も屋根を蹴る。
「よっ」
身体をひねって、空中で一回転。
地面に降り立ってすぐ、回転の勢いで前転して、ピタッと着地した。
そう、着地した。
「「……」」
転んでいるお姉ちゃん。
なんか凄い着地した私。
「……何かごめん」
「なんで謝るの!?」
「いや、なんとなく」
「ルリハが運動できるのは知ってるからいいんです〜!!」
「そっか」
「でも空中で一回転する必要はあった!?」
「癖で」
「どんな癖!?」
「飛び降りた時になるべく衝撃を和らげたくて意味ないけど空中回転する癖」
「意味わかんないけど?!」
「あと、衝撃を和らげる前転がやりやすくなるかなと」
……お姉ちゃん、やっぱり旅に連れ出したほうがいいのかな。
なんて考えていたら、
「そこか!」
建物の裏から今度は男の人の声。
「えっ、まだいるの?」
あの人……部下二人いるの?
一人じゃないんだ。
やっぱり何かしらで凄い人なのかな?
有名な方?
………
いや、そんなこと考えてる場合じゃないよね。
この癖、なくしたい。
「行け! サイドン!」
男がモンスターボールを投げる。
光とともに現れたのは、大きな灰色のポケモン。
「ドザァァァァッ!!」
お姉ちゃんは怯んでる。
ニャオハはやる気。
「……」
いや……
サイドンってくさタイプの技四倍弱点じゃん。
私は隣を見る。
「ニャオ……!」
お姉ちゃんのポケモン、ニャオハ。
くさタイプ。
……
もしこの人たちが何らかの組織にいて、ペンダントを奪うことが目的だとしても。
まさか、調べなかったの?
その組織が、小規模だから調べられなかった?
それとも手持ち、それしかいないの?
あるいは煽り?
『ニャオハなんて相手になりません』的な?
……だったら性格悪いなぁ。
「ルリハ?」
「あ、何でもない」
まあいいや、私も戦おう。
「ニンフィア!」
ボールを投げる。
「フィーアッ!」
光の中から、ニンフィアが飛び出した。
うん、可愛い。
今日も可愛い。
私より可愛い。
いや、比べるまでもない。
本気で可愛い。
最強に可愛い。
……ヤバい。
可愛いしか言えない。
世界中どこを探したって、この子より可愛いポケモンなんて……
いや、いるかもしれないけど。
私の中では一番可愛い。
ルルなんかよりニンフィアをメインにしたほうがいいんじゃないかな。
というか私いらなくない?
世界アイドルはニンフィアのほうがいいじゃないかな?
……普通に売れそう。
ニンフィアがニャオハの隣に立った。
「ニャオ?」
「フィーア!」
おお、気が合いそうだし、仲良くなりそうな雰囲気が!
……じゃなくて!!
「ニャオハ、このは!」
「ニンフィア、ようせいのかぜ!」
「ニャオッ!」
「フィーアッ!」
ニャオハが数枚の葉を飛ばす。
同時に、ニンフィアが風を巻き起こした。
だけど、
「ドザァッ!」
サイドンは腕を振った。
ニャオハのこのはを払い落とし、ようせいのかぜを受けても大きく怯む様子はない。
……様子見だったけど、もう少し強く行っちゃってもいいかも。
相手の男は、それを見て笑ってた。
「はっははは! そんな出来損ないの攻撃で、サイドンを倒せるものか!」
「……」
ほう?
出来損ないと。
今、私のニンフィアの攻撃を?
「……」
よし。
ニンフィア、今だけ持ち物をこだわりメガネにしよう。
んで、フェアリーテラスタルフェアリースキンこだわりメガネはかいこうせんでもぶっ放……
「そっか。倒す必要、ないんだ……」
「?」
倒す必要がない?
ああ、確かに。
私は正々堂々戦ってたことが多かったけど……
「ニャオハ!もう一回、このは!」
「ニャオハッ!!」
ニャオハがまたこのはを放つ。
一枚、また一枚と目に張り付く。
ニャオハがそこに突っ込む。
顔を踏んだ。
すると、サイドンは何故か眠ってしまった。
……そっか、ニャオハは確か肉球からリラックスできる良い香りを放てる。
目を塞がれて、目の前が暗かったら寝ちゃうか。
このはそのものの威力じゃなくて、ニャオハの放つ香り。
それを利用して、サイドンを眠らせたんだ。
正面から戦う必要ないもんね、正式なジムバトルでもあるまいし。
なるほど。
流石お姉ちゃんだ。
「やった!ニャオハ!」
「ニャーオ!」
確かお姉ちゃんとニャオハは一ヶ月とか前に会ったばかりだったっけ?
初めて会ったポケモンと、少しずつ分かり合って、その子のことを知って……
そして、力だけじゃない方法で一緒に乗り越える。
やっぱり、トレーナーとポケモンの絆って……
……
あれ?
私、いい感じに締めようとしてるけど、追われてなかった?
どうしてだろう。
感動のシーンなのに、全くゆっくりできない。
そうだった。
追われてた。
何回忘れるんだろう、私。
「お姉ちゃん、逃げよう」
「あっ、そうだった!」
私たちは再び走り出した。
途中にある屋根へ登って、少しでも距離を稼ぐことにした。
「ニャッ」
ニャオハは軽く跳んで屋根へ。
「よっ、と」
私は普通。
そしてお姉ちゃん。
「よ……っと……!」
……
「手貸そうか?」
「まだ大丈夫!」
「でも追ってきてるよ」
「えっ!? ちょ、待って待って!」
私は屋根の上から手を伸ばす。
お姉ちゃんがその手を掴んだ。
「せーのっ」
「わあっ!」
ぐいっと引き上げる。
勢いで私まで尻もちついた。
「はぁ……ありがとう……」
「どういたしまして」
その後も、お姉ちゃんが屋根を登る。
苦戦する。
私が引っ張る。
また走る。
また登る。
また苦戦する。
……
結論。
時間がかかりました。
「ルリハ……速いぃ……」
「あっ、ごめん」
……今度、ランニングとか誘おうかなぁ。
朝六時くらいから。
「……お姉ちゃん」
「なに……?」
「大型連休中、朝一緒に走らない?」
「…………何時?」
「六時」
「嫌」
「即答!?」
そんなに運動嫌いなの!?
旅には体力が必須だよ!?
……あ、お姉ちゃんは旅するって言ってないか。
じゃあいいのか……?
ーーー☆★☆
私たちは追っ手から逃げながら、どうにか屋根の上まで登った。
「はぁ、はぁ……!」
「大丈夫?」
「だ、大丈夫……! それより、早く……!」
そうだ、早く逃げないと。
私は前を向いて――
「「…………」」
姉妹二人揃って足を止めた。
目の前には、何もない。
その先に広がっているのは壁と空だけ。
「……行き止まりだね」
「行き止まりだね、じゃないよぉ……!」
ですよね。
せっかくここまで登ってきたのに。
……あるのは、時計台?
でも、こんなところ登っちゃ駄目だろうな。
まず生徒がここまで登ってくることまで考慮もしてないだろう。
……というか、お姉ちゃんを何回も引っ張り上げながら登ってきたのに。
頑張った時間、返してくれないかな。
早く逃走ルートを見つけないと……
「待て!」
「「!」」
後ろから声が飛んできた。
振り返る。
さっき、ペンダントについて聞いてきた白と黒のツートンカラーの髪をした人。
そして、その部下らしい男女二人。
追いつかれた。
「お姉ちゃん、下がってて」
「ルリハ……?」
私は一歩前に出た。
ニンフィアも私の隣へ歩み出た。
「フィア……!」
さっきまでの可愛い鳴き声とは違う。
低く、相手を警戒する声だった。
私は三人をまっすぐ見据える。
白黒髪の人も、私たちを見ていた。
「大人しくペンダントを渡せば、手荒なことはしない」
……
いや、全然説得力ないんですけど。
というかもう十分手荒では?
ここまで追い回して。
サイドンまで出して。
屋根の上まで追い詰めて。
今さら、『手荒なことはしません』と言われても。
私はにこっと笑ってみせた。
「はじめまして! 私、リコの妹のルリハです」
続いて、腕を広げ、足元にいるニンフィアを示す。
「で、こっちが相棒のニンフィア」
「フィア!」
…………あれ?
なんだろう。
今、白黒髪の人に『はじめまして』が思いっきり刺さった気がする。
思いっきりどころじゃない。
クリーンヒットしたかも。
なんでか分からないけど、普通にごめん。
「ルリハ、本当に大丈夫なのぉ……?」
「うん、平気のはず」
私は振り返って、軽く笑う。
お姉ちゃんは心配してるみたいだけど。
別にね。
だって私……
………
一応アローラ地方以外のチャンピオン取ったし。
色々回った。
色々戦った。
色々勝った。
色々個性強い人と会った。
よーし、アローラも制覇してやるぞー。
……と思ってたところで、お姉ちゃんが大型連休になったらしくって『会いに来ない?』みたいな感じの連絡が来た。
そりゃチャンピオンよりも姉を優先するでしょ。
なので一度パルデアの家へ戻って、手持ち六体は管理が面倒なので二匹ポケモンを預けて、チルタリスでカントーへ。
久しぶりにお姉ちゃんと再会して、せっかくだからこのあとは一緒にカントーを回ろうかなって思ってたのに。
何故か現在、屋根の上で謎の三人組に追い詰められています。
どうしてこうなった。
「……アメジオ」
「え?」
白黒髪の人が、突然そう言った。
一瞬、何のことか分からなかったけど。
「俺の名は、アメジオだ」
「アメジオ……」
アメジオか……
聞いたことないな。
部下二人連れてるってことは実力もありそうだし、有名なトレーナーとかかなと思ったけど、少なくとも私は知らない。
アメジオは私から視線を外すと、モンスターボールを構えた。
「ソウブレイズ!」
ボールが開く。
「ソウ……!」
炎を纏ったポケモンが、アメジオの前へ降り立つ。
ソウブレイズか。
……へぇ。
私もボールへ手を伸ばす。
ニンフィアでも戦える。
でも、ここは場所が悪い。
校舎を壊してしまったら大惨事だ。
チルタリスで一旦離れて引き寄せよう。
そうすれば、逃げれる時間も稼げるし、ライトも出せる。
「お姉ちゃん、ここは私に……」
『任せて』と。
そう続けようとした、その時だった。
「……ん?」
「見ぃつけたぁぁぁぁっ!!」
上空からそう叫ぶ声。
次の瞬間には煙が舞っていて、自分の長い髪が大きく舞い上がって、思わず腕で目元を覆う。
薄目で前を確認する。
降り立ったのはオレンジ色の大きなポケモン。
かえんポケモンのリザードンだ。
その背中には、一人の男の人が乗っていた。
……いや、というかかくれんぼなんて参加してないんですけど。
むしろ、今私たちがやってるのは鬼ごっこに近いような……
あと、逃走中に突然空から知らない人が、『見つけた〜!』って降ってくるの、こっちからすると恐怖でしかないんですけど。
風が弱まってから腕を下ろす。
リザードンの背中からは男の人が飛び降りる。
今度は何?
今日、不審者に会いすぎじゃない?
学校のセキュリティ大丈夫?
というか誰!?
アメジオも突然の乱入者に眉をひそめていた。
「何者だ!」
リザードンのトレーナーは、アメジオを見る。
「そりゃ、こっちのセリフ」
そして今度は振り返って、私たちへ視線を向けた。
「俺はこの子たちに用事がある」
この子たちってことは……
え、私も?
というか、『何者だ』は私たちのセリフでは?
本日二組目です。
私たちに用事がある知らない人。
怖いなぁ、カントー地方。
こんなに治安悪かったっけ。
「我々も同じだ。……では、ポケモンバトルで決める」
「えっ」
何を?
私たち?
本人の意思はいずこへ?
「ソウブレイズ!」
「ソウ!」
男の人も笑っている。
「望むところだ!」
「リザァ!」
「「……」」
話が早い。
早すぎる。
アメジオが前に出ようとした後ろの部下二人へ告げた。
「手出しはするな」
そして……
「ソウブレイズ、むねんのつるぎ!」
「ソウッ!!」
両腕の剣に、更に熱い炎が宿った気がした。
対する男の人も。
「リザードン! かえんほうしゃ!」
「リザァァァァッ!!」
……それ、特性大丈夫?
炎と炎。
二匹の技が、屋根の上で激突。
窓ガラスが割れた。
……あの、一応ここ学校なんですけど。
大丈夫?
屋根壊れない?
先生に怒られない?
というか怒られるだけで済む?
弁償とかになったら私知らないよ?
突然後ろから腕を掴まれた。
「ルリハ! 逃げるよっ!」
確かに、勝手にバトル始めてくれたなら、私たちがそれを見てる必要ないよね。
……え、時計台にかかってるハシゴに登るの?
怒られない?
大丈夫だよね?
お姉ちゃんが先に登っていくので、私もそれに続く。
「逃がすか!!」
アメジオの部下の男の人が気づいた。
……あ、さっきサイドン出してた人。
「ニャッ!」
ニャオハが男の人の顔を踏んだ。
続いて、ニンフィアが踏まれて下がった頭の後ろを踏んだ。
「ぐえっ!?」
二連続。
しかも多分ニンフィアの方が重いはず。
私はハシゴを登りながら、その光景を見た。
え?
可哀想?
……
私、知〜らないっと。
追ってくるあっちが悪いんだし。
「フィーア♪」
それに、ニンフィアは何事もなかったような顔で私の肩に飛び乗ってきた。
うん、やっぱり可愛い。
背後では炎と炎がぶつかり合う轟音が、まだ響いていたけど、私は何も聞いていないことにした。
ーーー☆★☆
どうにか登り続けて、私たちが辿り着いたのは時計台の上だった。
その先まで来て、私たちは足を止めた。
道がない。
正確には、向こう側に屋上的なものはある。
それだけが救いだ。
でも……
「これ、飛ぶしかないね」
「と、飛ぶって……ここを!?」
お姉ちゃんが下を覗き込む。
そしてすぐに顔を引っ込めた。
「む、無理無理無理! 高いよぉ!!」
「でも戻ったら、さっきの人たちいるよ?」
「それはそうだけど……!」
「ニャ! ニャー!」
「ニーンフィア!」
先に覚悟を決めたらしいニャオハとニンフィアが、私たちを急かすように鳴く。
「わ、わかってるって!」
お姉ちゃんが困ったように答えて、向こう側までの距離を見る。
まあ、いけるでしょ。
……多分。
「お姉ちゃん」
「……うん」
私たちは顔を見合わせた。
一緒なら、大丈夫。
そんなことを、言葉にしなくても分かった気がした。
「「せーのっ!」」
二人同時に地面を蹴った。
その時。
向こうではリザードンとソウブレイズの激しいバトルが続いていたのだが……
ソウブレイズが放ったサイコカッターが軌道を外れて、私たちの方へ向かってきていた。
気づいたときにはもう目の前だった。
思わずニンフィアに手を伸ばした。
自分の身体でニンフィアを庇おうと。
私は怪我してもいいけど、ニンフィアは……!
しかし、それは杞憂だったようで。
次の瞬間、眩しい光が辺りに広がった。
お姉ちゃんの首元のペンダントが、強く輝いている。
そして、私たちを包み込むように緑色の光が広がっていた。
サイコカッターは光のバリアの表面に当たると、弾けて消えた。
一瞬、ニンフィアが”まもる”を使ってくれたのかと思ってたけど、こんな大規模なものが出せるわけが……
それどころか身体が浮いてるし、落ちない。
まるで時間まで止まったみたいに、私たちは空中に留まっていた。
腕を広げてニンフィアを抱き寄せた拍子に、私は自分の手に目を落としていた。
「…………私の手……光ってる?」
明らかに光ってる。
共鳴してるみたいに。
何で?
分からない。
分からないけど……
不思議と嫌な感じはしない。
顔を上げると、私たちの目の前には、光の中に小さな何かがいた。
宝石のような甲羅を持つ身体。
亀のような姿をした、ポケモン。
初めて見る。
図鑑でも見た覚えがない。
でも、その子の瞳は星みたいに輝いていた。
そっくりだ。
私の目と、瓜二つ。
懐かしい?
違う。
嬉しい?
それも、よく分からない。
初めて会ったはずなのに。
「……なんか、凄い」
結局、出てきた感想はそれだった。
語彙力どこ行ったんだろ。
小さなポケモンが私のほうを向いた。
目が合う。
するとその子は嬉しそうに笑った。
そして、そのポケモンは身体が光に包まれる。
その姿は再びお姉ちゃんの胸元へ。
ペンダントへ戻っていった。
同時に、私たちを包んでいた緑色のバリアも消える。
「「………」」
身体がぐらりと揺れる感覚。
重力が戻った。
「ちょっと待っ――」
「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「きゃあぁぁぁぁぁぁっ!!」
いきなり!?
せめて心の準備くらいさせてぇぇぇッ!?
お姉ちゃんはニャオハを、私はニンフィアをぎゅっと抱きしめる。
そのまま真っ逆さま……
「リザァァァッ!!」
――とは、ならなかった。
私より下に落ちてたお姉ちゃんが、横から勢いよく飛んできた大きな身体に受け止められた。
私はその上の方で。
お姉ちゃんはリザードンの腕の中。
そして私はというと……
「よっと!」
「えっ!?」
リザードンの背に乗っていた、さっきの男の人に受け止められた。
近い。
とんでもなく近い。
というか知らない人に抱えられてる。
「……降ろしてもらっていいですか」
「今は無理だな」
「ですよねぇ」
空だし、色々とね……
下にはアメジオたちがいるし。
「って、え!? リザードン!? ルリハは!? ルリハどこ!?」
「上にいるよ」
「よ、よかったぁ……!」
私を見つけた瞬間、ものすごく安心した顔をするお姉ちゃん。
……そんなに心配しなくてもいいのに、と思ったが、今のは普通に心配するか。
男の人が、私たちを見下ろした。
「四人とも、無茶なことするな」
それ、いつもお姉ちゃんに言われてる言葉です。
今日だけで何回怒られたっけ。
「だが……その度胸は気に入った」
褒められた。
……のかな?
今日は変なことばっかり起きる。
知らない人に追われて。
ポケモンバトルに巻き込まれて。
時計台から飛んで。
謎のバリアが出て。
知らないポケモンが現れて。
変なことばっかりで、私まで変になっちゃったのかもしれない。
だけど、なんとなく……
本当に、なんとなくだけど。
止まっていた時計の針が、もう一度動き始めたみたいに。
私の中でも、何かがカチリと音を立てて、また時を刻み始めたような気がした。
まるで……
私の物語が、もう一度始まったみたいに。
「…………」
いや待って。
ちょっと良い感じに考えてたけど。
まず、この人誰?
名前すら知らないんだけど。
そのとき、ゴォンと時計台の鐘が鳴った。
夜空へ響いていく、大きな鐘の音。
私は黙って、その音に耳を傾ける。
何故か今はこの音をちゃんと聞いておきたいと思ったから。
男の人が後ろを振り返る。
そこには、ソウブレイズと共にこちらを見上げるアメジオ。
「悪いな、勝負は別の機会だ。 リザードン!」
リザードンが大きく翼を広げ、一気に高度を上げた。
「グォォォッ!」
「うわっ!」
「ニャオ!」
「しっかり掴まってろよ?」
お姉ちゃんの場合リザードンに抱かれてるし掴まるとこない気が……
……まあ何とかするでしょ。
あと、なんでこの人私のこと抱えたままなの?
それより私、正直この人のことを全然信用してない。
だって名前も知らないし。
急に空から現れたし。
『見ーつけたー!』とか叫んでたし。
かなり怪しい。
正直ここから飛び降りてチルタリスで逃げちゃいたいんだけど。
でも、今は従ったほうがよさそうかも。
アメジオといいこの人といい、目的が本当にわからない。
「ニャオ!」
ニャオハの声が聞こえてきた。
私は顔を上げた。
「……あっ」
大きな満月が、夜空に浮かんでいた。
その光が、暗い空を照らしている。
「綺麗……」
もしも、私が旅に出なかったら。
もしも、今日お姉ちゃんに会いに来なかったら。
もしも、チルタリスで違う方向へ向かっていたなら。
この景色は、見られなかったのかもしれない。
私たちが姉妹で一歩前へ踏み出したから見られた景色。
きっと、お互いに一人だったらここまで来ることもできなかっただろう。
「凄いね、ニャオハ!」
「ニャッハ!」
二人の声が聞こえる。
人とポケモン。
トレーナーとパートナー。
その繋がりは強い。
そして、絆が芽生えている。
私はそんな二人を見下ろしてから、もう一度月を見上げる。
「綺麗だね〜」
「フィーア♪」
……あの日も、こんな月だったっけ。
旅に出たいとお姉ちゃんに告げた時の月。
なんとなくあの月。
お姉ちゃんみたいに見えた。
もし、彼女が月なら、私は星なのかな。
月のそばに、小さく光っていられる星。
……なんてね。
リザードンのトレーナーさんは、そんな私たちを見ても何も言わず。
ただ、少しだけ微笑んでいた。
お姉ちゃんの胸元には静かに揺れる、不思議なペンダント。
今日まで、ただダイアナさんから貰った大切なものだったそれは。
今、私たちを知らない世界へ連れ出そうとしている気がする。
新しい出会い。
新しい冒険。
そして、私自身も知らない、何かへ。
まるで、これは――
「はじまりのペンダント……」
本文は何文字くらいがいいですか?
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1000〜2000 (今くらい)
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2000〜4000
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4000〜6000
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6000〜8000
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8000〜10000
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10000文字以上
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バラバラでいい