転生した俺の野球人生には、パワプロの育成システムがある   作:1番道路

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青陵ブルーウイングスを破り、準決勝進出を決めた桜台フェニックス。

次の相手は、強力な打線を誇る南原ドラゴンズ。

七歳の二刀流・朝倉悠真は、新たな強敵に挑む。


第二十三話 準決勝、新たな強豪との対決

 準決勝。

 

 なんともいい響きだ。

 

 昨年、市内大会で優勝した俺たち桜台フェニックスは、今年も順調に勝ち進んでいた。

 

 いや、順調というのは少し違うか。

 

 一回戦の北町ライオンズ。

 

 二回戦の白峰シャークス。

 

 そして、準々決勝の青陵ブルーウイングス。

 

 どの試合も決して簡単ではなかった。

 

 特に青陵との試合は、最後まで勝敗の分からない接戦だった。

 

 だが、俺たちは勝った。

 

 去年の敗戦から学び、守備と走塁を強化してきた成果が、ようやく形になったのだ。

 

 そして今日。

 

 俺たちは次の対戦相手について、田島監督から説明を受けていた。

 

「次の相手は南原ドラゴンズだ」

 

 南原ドラゴンズ。

 

 初めて聞く名前だった。

 

「この大会では、ここまで三試合で二十点以上取っている」

 

「二十点!?」

 

 大地が驚いた声を上げた。

 

 周囲の選手たちもざわつく。

 

 なるほど。

 

 相当な強打のチームらしい。

 

「特に上位打線が強い。三番と四番はどちらも四年生で、長打力がある」

 

 田島監督が続ける。

 

「ただし、打撃の強いチームだからといって、必要以上に怖がることはない。大切なのは無駄な走者を出さないことだ」

 

「はい!」

 

 俺たちは声を揃えた。

 

 確かに、その通りだ。

 

 長打を打たれても、走者がいなければ失点は最小限で済む。

 

 逆に、四球や失策で走者を溜めれば、一気に大量失点する危険がある。

 

 少年野球では特に重要なことだろう。

 

(……面白そうだな)

 

 俺は自然と笑みを浮かべた。

 

 強打のチーム。

 

 できれば投手として対戦してみたい。

 

     ◇ ◇ ◇

 

 練習が始まった。

 

 今日の重点項目は、外野からの中継プレーと走者を置いた場面での守備だった。

 

「悠真!」

 

「ん?」

 

 大地が俺を呼んだ。

 

「今日は俺、絶対エラーしないからな!」

 

「頑張ろう!」

 

「お前もちゃんと投げろよ!」

 

「もちろん!」

 

 大地は笑いながら守備位置へ戻っていった。

 

 俺もショートへ向かう。

 

 もっとも、現在の俺の肩力では、外野の深い位置から強烈な送球をすることは難しい。

 

 だからこそ、中継プレーが重要になる。

 

 俺たちは繰り返し、外野からの返球を受けて各塁へ送る練習を行った。

 

「ショート、中継!」

 

「はい!」

 

 外野手が投げたボールを受け取る。

 

 素早く身体を回転させ、三塁へ送球。

 

 ぱしんっ!

 

「よし!」

 

 山本コーチが頷いた。

 

「今のはいいぞ、朝倉!」

 

「ありがとうございます!」

 

 すると、視界の隅に通知が現れた。

 

『ピロン♪』

 

――――――――――――――――――

 

【練習評価】

 

守備連携訓練

 

評価:A

 

【獲得経験点】

 

技術ポイント+12

敏捷ポイント+8

精神ポイント+5

 

【改善項目】

 

中継位置の判断速度

 

――――――――――――――――――

 

(……なるほど)

 

 まだ改善の余地はあるらしい。

 

 悪くない。

 

 どれだけ成長しても、こうして課題が見つかるのはありがたい。

 

     ◇ ◇ ◇

 

 練習終了後。

 

 俺は田島監督に呼ばれた。

 

「朝倉、ちょっといいか」

 

「はい!」

 

「次の準決勝だが、お前には先発を任せようと思っている」

 

 ……おお!

 

「本当ですか!?」

 

「ああ。ただし、長いイニングを投げさせるつもりはない。今までどおり球数と身体の状態を優先する」

 

「分かりました!」

 

 俺は大きく頷いた。

 

「藤原にも準備してもらう。お前が投げ終わったら、いつもどおりショートへ回ってもらう予定だ」

 

「はい!」

 

 なるほど。

 

 先発は俺。

 

 その後は藤原先輩が投げる。

 

 悪くない継投だ。

 

 もちろん、藤原先輩は本来チームの主力投手である。

 

 俺が先発するからといって、エースの立場が変わるわけではない。

 

 今の俺は、短いイニングを任せてもらう投手だ。

 

 それでも十分に嬉しかった。

 

「それから、打順は三番だ」

 

「はい!」

 

「打撃でも期待してるぞ」

 

「頑張ります!」

 

 田島監督は満足そうに頷いた。

 

 ……よし。

 

 投手として先発。

 

 打者として三番。

 

 まさに二刀流ではないか。

 

     ◇ ◇ ◇

 

 その日の夜。

 

 俺は育成システムを開いていた。

 

――――――――――――――――――

 

【朝倉悠真】

 

年齢:7歳

学年:小学2年生

 

【投手能力】

 

球速:78km/h

コントロール:F55

スタミナ:G

 

【野手能力】

 

ミート:F40

パワー:G20

 

【特殊能力】

 

アベレージヒッター

対エース○

 

【取得可能なコツ】

 

粘り打ち

リベンジ○

 

――――――――――――――――――

 

(……さて)

 

 経験点は十分にある。

 

 だが、身体能力には成長段階による制限がある。

 

 七歳になったことで上限は緩和されたものの、無理に能力を伸ばせばいいというものでもない。

 

 俺は少し考えた。

 

 今回の相手は強打のチーム。

 

 ならば、重要なのはコントロールだろう。

 

 四球を減らし、打者が打ちにくいコースへ投げ分ける。

 

 それだけでも失点する危険は大きく減る。

 

(……よし)

 

 俺は技術ポイントと精神ポイントを消費し、コントロールを強化することにした。

 

『ピロン♪』

 

【コントロールがF55からF58になりました】

 

(おお!)

 

 身体の感覚が少し変わった。

 

 指先の動きが、以前より繊細になった気がする。

 

 もちろん、これで全ての球を狙った場所へ投げられるわけではない。

 

 実際の投球で再現できるようにするには、練習が必要だ。

 

 だが、確かな前進だった。

 

 俺は満足して画面を閉じた。

 

 準決勝。

 

 相手は強打の南原ドラゴンズ。

 

 そして、俺は先発投手。

 

(……楽しみだな)

 

 七歳の二刀流。

 

 その実力を、また一つ証明する機会がやってきた。




第二十三話をお読みいただき、ありがとうございます。

準決勝の相手は強打の南原ドラゴンズ。悠真は再び先発投手を任されました。

次回、第二十四話「強打のドラゴンズ、七歳の先発投手」。
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