白紙の日録   作:てらつき

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探偵テストが始まっているのだ!

 

そう確信したみくる。

 

 

あんなの『どうしてここに』という問いに、早速自分が必死に勉強して身につけた知識を披露することにした。

 

 

「お答えしましょう!

かの有名な探偵、シャーロック・ホームズは、靴の汚れや傷から相手がどこから来たのかを言い当てます!」

 

 

みくるは自信満々に、どこからか手持ちルーペを取り出した。

レンズの下には可愛らしいリボンが取り付けられている。

 

「あなたはズバリ……!」

 

 

レンズをあんなの足元へ向けた。

 

 

 

……

 

 

 

 

 

 

 

 

ルーペの先にあるもの。

 

 

靴下。

はい、以上です。

 

 

「……靴、履いてなぁぁぁぁいッ!!!」

 

住宅街に絶叫が響き渡った。

 

 

 

当然といえば当然である。

 

何しろあんなは、ここへ来る直前まで”自分の部屋”にいたのだから。

 

 

 

 

「(え、もしかしてこっちの子を推理させるつもりだったの!? 確かに、どこから来たのとか言ってたような……)」

 

 

そう思って、リーノにも向けるが、彼女に至っては裸足だった。

 

「靴下すらない!!」

 

 

あんなもリーノが裸足なことに気づき、しゃがみ込んだ。

 

「リーノちゃん、靴下どうしちゃったの?」

 

「靴下って何?」

「「え゙っ」」

 

まさかの回答である。

 

 

 

リーノの服も必要最低限に肌が隠れてるような、ただ白い布を被ったような服だ。

 

何故だろうか。

しかしそんなこと考えている場合ではない気もする。

 

 

靴がないと二人とも不便だろう。

というか裸足で町中を歩いたらコンクリートとか色々と危ない気もする。

 

と、いうことで。

 

 

ひとまず三人で靴屋へ向かうことにしました。

 

 

 

 

ーーー☆★☆

 

 

 

靴屋

 

 

店内には、色とりどりの靴が並んでいる。

スニーカー、パンプス、革靴、サンダル……その他諸々。

 

テレビから流れているのは天気予報。

さっきの事故があったとは思えないほど穏やかである。

 

 

 

「リーノちゃ~ん」

 

「?」

 

あんなにはすっかり妹扱いされてるリーノ。

 

 

「これでよし!」

 

あんなが彼女に選んだのは、ピンク色のスニーカー。

そこには赤色のリボンがついている。

 

椅子に座らせたリーノに履かせてあげたのだが。

 

 

「どうかな?」

 

「……」

 

「リーノちゃん?」

 

 

返事がない。

 

首を傾げるあんなだが、リーノは何も言わずに靴を眺めている。

気に入らないという様子ではない。

むしろ不思議そうにリボンを軽く引っ張っていた。

 

ブンブンと足を振り上げたり下ろしたり。

 

 

 

「……可愛い?」

 

 

リーノは少しだけ考えてから、小さく頷いた。

 

「かわいいよ〜」

 

「よかったぁ~! すっごく似合ってるよ~!」

 

 

言葉そのものを話せないわけではない。

ただ、知っている言葉がところどころ曖昧なのかもしれない。

 

一方、みくるは難しい顔をしていた。

 

 

そんな真剣な思考を遮るように、あんなが二足の靴を持ち上げた。

 

片方はピンクに近い薄紫。

もう片方は茶色。

 

 

薄紫の方はリーノに選んだものと似ている。

 

「お揃いも捨てがたいな〜って思うんだけど……どっちがいい?」

 

「こっち!」

 

みくるは薄紫の方を指差した。

 

「……じゃな〜〜〜いッ!!」

 

 

流れでつい素直に答えてしまった。

これは漫才か何かだろうか。

 

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