それでは、どうぞご覧ください。
角不可思議に逃げられた後、澪はあんなたちに連れられて探偵事務所に戻り、あんなから怪我の手当てを受けていた。
「これで終わりです」
「ありがとう……ごめん、迷惑かけて」
「いいんですよ。むしろ澪さんは頑張り過ぎなくらいなんですから、今くらいは休んでてください」
すると……
『次のニュースです。今日昼頃、まことみらい市の廃墟のホテルと商店街近くで、相次いで爆発が発生しました』
「!これって……」
『幸い怪我人や建物への被害はなく、警察は現場の状況から、ガス爆発が原因として――――』
テレビで角不可思議による爆発がニュースとして報道されていたが、それはガス爆発が原因とされていた……不可思議の存在が明るみになっていない以上、こう報道されるのは仕方無いのかもしれないが……
「澪さんが傷ついてるのに……」
「あんな……」
あんなはどこか複雑そうな表情をして、そんなことを呟いていた。それに対し……
「気にしなくていいよ、いつものことだし……それに、不可思議の存在を知らないほうが幸せだよ」
「澪さん……」
澪はあんなにそう言ったのだ。
「それにしても、あれは一体何なんだ……?」
「何だか角も生えてたし……」
ジェットとみくるは、ファントムと戦っている最中に急に現れた角不可思議について考えていた。
「あれは角不可思議、僕も戦ったことがある。ただ……」
「ただ……?」
「あんな角はしていなかったし、爆発もしなかった……」
(それに脚不可思議の特徴まで……)
澪もあの不可思議の見たことのない特性について、疑問に思っている様子でいた。すると……
『速報です!まことみらい市内に謎の生命体が現れ、暴れているとの――――』
「っ!」
『場所は――――』
そんな情報が飛び込んできており、澪はすぐさまそこに向かおうとしたが……
「くっ……!」
まだ怪我が痛むようで、少しばかり顔をしかめていた。
「!澪さん、まだ安静に――――」
「でも――――」
「ダメです!まだ怪我も治ってな――――」
「それでもいかないと……!!」
あんなが止めようとするも、澪は何としても角不可思議を倒しに行こうとしていた……それはまるで、何かに取り憑かれているような執念を感じる行動にも見えた……。
「何で……そんなに傷ついてまで……」
あんなは澪への心配からか、悲しげな表情を浮かべながらそんなことを訊いていた……それに対し……
「この時代で不可思議を倒せるのは僕しかいない……戦わないと、誰かが不可思議の犠牲になる――――たとえ自分がどんな状況でも、僕がやるしかないんだ」
「あっ……」
「澪さん……」
そう言い残して澪は探偵事務所の外に出て、角不可思議のいる場所に向かうためにラピスライザーを出してそれに跨った。そこに……
「……」
「あんなちゃん……?」
澪のことを追いかけてきたのか、あんなが近くまでやってきていた。あんなのそばにはポチタンが、そして後ろにはみくるとジェットの姿もあった……。
「私も行きます」
「!?」
あんなは突然、そう口にしたのだ。当然、予想していなかった言葉に澪は驚きを隠せずにいたが……
「もちろん、澪さんの邪魔は絶対にしません……けどせめて、私にできることをしたいんです!」
「でも――――」
「それに……澪さんには無事でいて欲しいから……」
「……」
その言葉を聞き、澪は少し考えた後……
「はい」
「!これって……?」
「どうしても行くんでしょ?」
あんなに予備のヘルメットを渡したのだ。
「!……はい!」
あんなはそれを被ると、ラピスライザーの後ろに乗った。
「私たちも後で行きます!」
「今度は怪我すんなよ?」
「!……うん、分かったよ」
そして、あんなは澪の腰に手を回すとしっかりと掴まり……
「飛ばすよ」
「はい!」
「ポチ!」
共に不可思議のいる場所に向かって行くのだった……。
◇
澪とあんなが角不可思議のいる場所へと向かい初めて数分……
『GyAAAAAAAAAA!!』
「いた……!」
ラピスライザーを飛ばしたおかげか、想定よりも早くその場所に辿り着くことができていた。そこには、角不可思議から逃げ惑う人々がおり……
「ふっ!!」
『GyA!?』
澪はすぐさま角不可思議に走り出すと、そのまま飛び蹴りを食らわせた。そうして人々を角不可思議から距離を取らせ……
「皆さん!早くこっちに!」
「は、はい!」
「……オープン」
あんなが人々を避難させているうちに、澪はドライバーを取り出して胸に巻いた。そして……
「……リベンジだ――――」
ライドエグズ0をその中心にセットし……
「エッグリューション!」
「変身」
「キャット!」
「アイスクロウ!フローズンキャット!」
「ラピス!」
仮面ライダーラピスに変身すると、角不可思議へと立ち向かっていく。
「ラピスブレイカー!」
「はぁっ!」
『GyA!?』
ラピスはブレイカーで積極的に角を狙って攻撃を加えるも……
『GyA!!』
「っ!?」
そのスピードと突進力で、逆に反撃を受けてしまう。さらに……
『GyAAAAAAAAAA!!』
「ぐっ!?」
角不可思議が角にエネルギーを溜めて再び爆発を引き起こしたことにより、ラピスはそのまま吹き飛ばされしまっていた。
「澪さん!」
「ポチ!」
その光景を見て、人々を避難させた後で隠れて様子を見ていたあんなとポチタンは、思わずそう叫んでいた。そこに……
「あんな!」
「状況はどうなってる!」
「みくる!ジェット先輩!」
遅れてみくるとジェットが到着したのだ。
「!澪さん……!」
「まだ戦えるまでには回復してなかったか……!」
2人はラピスが苦戦している様子を見て、不安そうな様子を見せていたが……
「じゃあ……これならどうかな?」
『GyA……?』
そう言うと澪は、二対の翼の紋章が描かれたエグズを取り出し、ドライバーの中心にセットした。そして……
「エッグリューション!」
「朱雀さんに――――なぁれ!」
「スザク!」
レバーを操作してエグズを割った。すると、全身のフレームアーマーが朱く染まっていき、頭部は猫耳型のものを維持しながらも朱雀の顔のようなものを混ぜたものとなり、額には朱色の羽根の冠を模した紋章が刻まれる。さらに複眼は翠玉色に変化し、両肩には翼を模したフレームアーマーが、背中にはまるで朱雀の翼を畳んだような装甲、脚には朱雀の爪を模したフレームアーマーが装着された。そして……
「ブレイズストーム!」
「ラピス!スザクフォルム!」
仮面ライダーラピス・スザクフォルムへと姿を変えたのだ。
『え……えぇええええええええ!!?』
ゲンブフォルムの他にも異なる姿に変化したラピスを見て、あんなたちは思わず驚きの声を上げていた。それを余所に、ラピスは背中の装甲を展開させて飛び上がると、角不可思議の真上を取ろうとした。それに対し、角不可思議は再び爆発を起こそうと角にエネルギーを溜め始め、周囲に高温を伴った竜巻を起こしたのだ。
「っ!」
(このエグズの力なら上からでも狙える……でもあそこは高温で――――高温………!そうか!)
「キャット!」
ラピスは空中を飛び回りながら、ブレイカーにライドエグズ0をセットし……
「熱くなった角を急に冷やしたら――――どうなると思う?」
『GyA?』
そう言って左に持っている剣を逆手に持つと……
「エグズフロストエッジ!」
「ふっ!」
その場で回転して氷の竜巻を起こし……
「スザク!」
「はぁっ!!」
それを翼で風を起こして角不可思議に向かって押し出したのだ。
『GyA!?』
押し出された氷の竜巻は、そのまま角不可思議の角に吸収されていくとラピスの想定通り見事に凍り……
「急激な温度変化で――――割れる」
『GyA!!?』
近づいてきたラピスが指でつついただけで、真ん中から折れてしまったのだ。そして……
「エッグシード!」
「これで君の得意武器は使えないね」
レバーを操作したラピスは、高い場所へと飛び上がり……
「じゃあ……終わらせようか――――」
「スザク!」
「セパレート!」
「はぁっ!!」
右足に炎を纏わせ、翼を広げて飛び降りると、角不可思議にとどめのキックを食らわせようとした。角不可思議はもう1つの武器である脚でこの場から逃げようとするも……
『GyA!?』
足元がいつの間にか凍りつき、動けなくなっていたのだ……ラピスは角を凍らせたのと同時に脚も凍らせ、逃げることができないようにしていた。そして……
『GyAAAAAAAAAA!!?』
そのまま最大の武器を失い、逃げることもできなくなった角不可思議をラピスは見事撃破することに成功したのだ。
「「や……やったぁ!!」」
「ポチ!」
「まさかあんなのがあるとはな……」
その光景を見たあんなとみくる、ポチタンは喜び、ジェットは安心したように溜息をついていた。
「ふぅ……何とかなっ、た……」
「澪さん!?」
ラピスは変身を解除して6つのシードエグズを回収すると、まだ怪我が完治していない影響や疲れなどが溜まっていたのか、その場に倒れ込んでしまう……。
「み、澪さん!?」
「だ、大丈夫ですか!?」
あんなとみくるがすぐさま澪に駆け寄ると……
「大丈夫だよ……ちょっと疲れただけだから……」
澪は安心させるように笑みを浮かべながら、そう言ったのだ。
「もう……心配したんですからね?」
「ご、ごめん……」
「……でも、無事で良かったです」
あんなは澪に笑みを見せながら、安心したようにそう口にしていた。すると……
「おーい!そろそろ帰るぞー?」
「ポーチー!」
「うん!」
「はーい!」
ジェットとポチタンが3人のことを呼び、澪も何とか立ち上がると全員で帰路に着くのだった……。
読んでくださり、ありがとうございます!
今回はラピスの2つ目の並列フォームであるスザクフォルムを登場させました。スザクフォルムは高速飛行や風と炎を操る力を持ち、三次元的な機動力を強化した形態となっています。モチーフはもちろん、四神の1体である朱雀となっています。
次回は原作の話を書いていく予定です。
それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いします。