名探偵プリキュア×仮面ライダーマイス 〜時越えし希望〜 作:アキ1113
それでは、どうぞご覧ください。
「き、キュアアルカナ・シャドウって……!」
「プリキュア、なの……?」
怪盗団ファントムにいるはずのるるかがプリキュアになったことに、2人は困惑していたが……
「さぁ……来なさい」
「「!……はぁあああああああ!!」」
アルカナ・シャドウの言葉に顔を見合わせると、同時攻撃を仕掛けた……が、
「「!?」」
それは簡単に避けられ、2人の視界から姿を消した。周りを見渡しアルカナ・シャドウの姿を探す2人だったが……
「えっ?――――っ!?」
肩を誰かに叩かれたミスティックが振り返ると、そこにはミスティックの頬を指でつつくアルカナ・シャドウの姿があった。そこにアンサーが攻撃を仕掛けるも……
「あっ……!」
「動きが単純すぎ。次の一手、答えが透けて見える」
軽々と躱され、そんなことも言われてしまう。続けて2人は、同時に飛び上がると急降下してキックを食らわせようとするも……
「「っ!」」
「動きが大きくてワンパターン――――
アルカナスターレイン」
煙が晴れた頃には既に高いところに登られており、アルカナ・シャドウはそこから無数の光線を2人に向けて放ち、そのまま吹き飛ばしたのだ。すると、その場で膝をつく2人に……
「……随分と一生懸命なのね――――偽物なのに」
「「えっ……?」」
「あの探偵さんは気付いてるみたいだけどね?」
◇
「訊きたいこと……?」
「はい――――このカードに書いてある『すりかえられたニセモノ』という部分……ある意味ではあってますよね?」
「……!?」
2人がるるかのことを追って屋上に到着した頃、展示室に残っていた澪はオーナーにそんなことを訊いていた。それに対し……
「……その通りよ」
「ど、どういうことなんですか……?」
オーナーは澪の言葉を肯定していたのだ。困惑する職員に対し……
「この美術館の展示品は……全部偽物、なんですよね?」
「えぇ!?」
澪は真実を口にしたのだ。
「偽物って……い、いつから!?」
「展示されたときからずーっとよ!」
「はい!?」
「……一応訊きますけど、何で偽物を?」
「……あーたの考えは?」
オーナーにそう訊かれた澪は、こう答えた……。
「僕があなたの立場ならこう考えます……『盗まれるくらいなら、最初から展示しなければいい』と。随分と警備などに自信があったのも、最初は本当にそう思っているんだろうなというくらいで考えていました……でも、このカードの内容を知った直後の反応――――」
『お、オーナー!』
『!そ、そうだわ!すぐに確認を――――』
「普通ならいの一番に反応するはずなのに、あなたは職員さんに言われてから確認していた……最初から偽物である可能性は考えてはいましたけど、あれを見てその考えはさらに現実味を帯びました」
澪はもともと、首飾りが偽物だというのは可能性の1つとして想定していたようで、オーナーのあの行動が決め手となったようだ……。
「……流石だわ名探偵さん。あーたの言う通りよ……みんなに見せて自慢したいけど、盗られたら嫌だから……ホント、コレクター魂って複雑よね……」
その言葉を聞いた澪は……
「その気持ちは分からなくもないですけど……次は本物を展示してくださいね?きっと、見に来る人――――特に子供とかも喜ぶと思いますから」
そう言い残し、先に行った2人の後を追うのだった……。
◇
「に、偽物って……!」
その事実を聞いた2人は、信じられないといった様子で固まってしまっていた。
「偽物の……ウソの首飾りが人を引きつけ、マコトジュエルも宿るなんて、ウソも満更悪いものじゃない……そう思わない、名探偵さん?」
「あ……で、でも――――」
ミスティックは返す言葉がないのか、中々言葉を出せずにいたが……
「違う!!」
『!』
「ウソをついて人のものを盗るなんて……許されることじゃない!!」
アンサーはそう言うと、ウォッチの針を一周させ……
「アンサーアターーック!!」
「っ!」
それをアルカナ・シャドウに向けて当てようとした。それに対してアルカナ・シャドウはロッドで攻撃を防ぎ、それを跳ね返したのだ。すると……
「あーあ、予告状なんて出すから……チョー面倒なことになってるし?」
「ちょっと!!」
「アゲが決めてあげる!ウソよ、覆え――――チョベリグにしちゃって、ハンニンダー!ふっ!」
「ハーン、ニンダー!」
アゲセーヌが現れ、マシュタンが預かっていた首飾りをハンニンダーに変えてしまったのだ。ハンニンダーは首飾りの首にかける部分をムチのようにしながら、アンサーとミスティックに攻撃を仕掛けていっていた。2人はそれを飛び退くことで避けて着地するも、ハンニンダーとアルカナ・シャドウに挟まれる形になってしまっていた。そして、ハンニンダーは宝石の部分を光らせ、アルカナ・シャドウもそれと同時に2人迫り、挟み打ちで攻撃しようとしてきた……が、
「変身」
「キャット!」
『!?』
「え――――」
「アイスクロウ!フローズンキャット!」
「ラピス!」
そこにラピスが現れ、ハンニンダーに蹴りを食らわせたのだ。何故か味方であるはずハンニンダーに蹴りを食らわせようとしていたアルカナ・シャドウも、急に現れたラピスに驚きを隠せずにいた。
「ハンニンダー!?」
「なっ――――ま、マジありえないんですけど!?」
アゲセーヌも蹴り飛ばされたハンニンダーも、急に現れた乱入者に驚愕していたが……
「「ラピス!」」
「2人とも、今だよ!」
「「はい!」」
それを余所に、隙を作ったラピスは2人にそう声をかける。そして……
「「オープン!プリキットミラールーペ!」」
「「ポチタン!」」
「ポチ!」
ポチタンが2つのマコトジュエルを生み出し、それを受け取った2人はルーペにセットした。
「見て!」
「感じて!」
「「謎を解く!」」
「「これが、私たちの、アンサーだ!!」」
「!?」
「「プリキュア!フライングスペクトル!!」」
それから1羽の鳥のような光がルーペから放たれ、ハンニンダーへと向かっていき……
「「キュアっと解決!」」
そのままハンニンダーを貫いてから浄化したのだ。
「アルカナ・シャドウ……マジチョベリバ……!」
ハンニンダーを倒されたことによって、アゲセーヌはそう言いながらこの場から去っていった。一方で……
「はっきり分かった……今のあなたたち2人じゃ、ファントムには勝てない」
アルカナ・シャドウもそう言い残して去ろうとしていた……が、
「きゃあああああああああ!!?」
『!?』
下の方から悲鳴が聞こえてきた。ラピスがすぐさま下を見ると……
『GyAAAAAAAAAA!!』
時計盤の数字の『Ⅴ』が胸の辺りに刻まれた牙不可思議が暴れており、集まった記者たちに襲いかかっていた……が、
(でもあいつ、牙が大きい……?)
その牙不可思議の両方の牙は通常の牙不可思議よりも発達しているのか、地面につかない程度に長く、大きくなっていたのだ。
「な、何なのあれは!?」
「あれは、怪物……?」
初めて不可思議を見たアルカナ・シャドウとマシュタンは、程度は違えど驚いていた。すると……
『GyA?』
「「!」」
『GyA!!』
「「!?」」
牙不可思議はアルカナ・シャドウとマシュタンを見つけたのか、何と牙を伸ばして攻撃をしてきた。突然のことに、狙われた本人たちは反応できずにその場から動けずにいた。そして、そのまま牙が直撃――――
「危ない!!」
「「え――――」」
するかと思われたが、何者かにその場から押し飛ばされることで、牙に当たることはなかった。だが、その代わりに何かが激突したような大きい音が響いた。その直後、アンサーとミスティックが後ろを向くと……
「ぐっ……」
「「ラピス!!?」」
そこには、アルカナ・シャドウとマシュタンを庇って牙不可思議の攻撃を受け、それによって吹き飛ばされ壁へと激突したラピスの姿があった。
「大丈夫、このくらいはどうってこと――――」
ラピスは何とか立ち上がったが……
「っ……!」
どうやら左腕を怪我したようで、痛みを感じながらも下にいる不可思議のところに向かおうとしていた。そうして、アルカナ・シャドウとマシュタンの横を通ろうとした時……
「……何で、私たちのことを……?」
アルカナ・シャドウがそう尋ねると……
「誰であろうと不可思議から助ける……絶対にね」
「……!」
「それに……もう目の前で、誰かを失いたくないんだ」
「え……?」
そう言ってラピスは、ライドエグズ0をドライバーから外し……
「エッグリューション!」
「ゲンブ!」
ゲンブエグズをセットすると、レバーを操作してエグズを割り……
「アイアンディフェンダー!」
「ラピス!ゲンブフォルム!」
ゲンブフォルムへと姿を変えたのだ。
「ふっ!」
ラピスは屋上から下にいる不可思議に向かって飛び降りていくが……
『GyAAAAAAAAAA!!』
牙不可思議は角を空中にいるラピスへと伸ばし、そのまま叩き落とそうとしてきた。だが……
「ゲンブ!」
「よっ!ほっ!」
『GyA!?』
ラピスはドライバーのレバーを素早く開閉すると、空中に障壁をいくつも出現させることでそれを盾兼足場代わりとして、牙不可思議の攻撃を避けつつ翻弄していく。そうして牙不可思議に接近したラピスは……
「ふっ!はぁっ!」
『GyA!?』
腕のシールドで防御しつつ、障壁を纏わせた脚で素早くカウンター攻撃を加えていた。その攻撃によって、吹き飛ばされた牙不可思議は地面を転がり……
「ゲンブ!」
『GyA!?』
ラピスはその隙に、障壁で牙不可思議の周りを囲むことで動きを封じたのだ。そして……
「エッグシード!」
「悪いけど、これで終わりだよ」
ラピスはドライバーのレバーを操作すると一歩足を引き、その脚に障壁を纏わせてから一気に加速し……
「ゲンブ!」
「セパレート!」
「はぁっ!!」
『GyAAAAAAAAAA!!?』
そのまま動きを封じるために障壁ごと破りながら牙不可思議にキックを食らわせ、そのまま撃破することに成功したのだ。
「ふぅ……よし……!」
「「やったぁ!」」
「ポチポチ!」
ラピスの手にはシードエグズが4つあり、牙不可思議が倒されたことに対し、アンサーとミスティック、ポチタンは喜びの声を上げ……
「あれが、仮面ライダー……」
「……」
「アルカナ……?」
「!何でもない……行こ」
「え、えぇ……」
その間に、アルカナ・シャドウとマシュタンは姿を消していったのだった……。
◇
「美術館のスタッフによると、展示品は全部偽物だったということですが?」
「じ、自慢したいけど!盗まれるのが怖くて!!ほ、本物を展示するから、ゆ、許してあそばせ〜〜!!?」
不可思議が倒されて騒ぎが収まった後、偽物を展示していたことがばれたオーナーは、集まった記者たちに質問攻めにされていた。その様子を見て……
「今回、予告状を出して世間を騒がせたから、本物を展示することになった」
「アルカナ・シャドウ……もしかして、これが目的だったの……?」
みくるとあんなは、アルカナ・シャドウの目的についてそう考えていた。すると……
「2人ともお待たせ」
「「澪さん!」」
「その……怪我は?」
「左腕だけだから、そう大したことないよ」
美術館内にある救護室で怪我の手当てを受けた澪が、あんなたちのところに戻ってきていた。
「それに
「「あれ……?」」
澪の言葉に首を傾げる2人だったが……
「いや、何でもないよ」
「「……?」」
そう言って誤魔化されてしまっていたのだ。一方で……
「……」
アルカナ・シャドウは怪盗団ファントムのアジトへと戻ってきていた。すると……
「あー……マコトジュエルのことは残念だったな?まぁ、気にするこたぁねぇよ。失敗は成功のもととも言うしな?それに、今回は謎の怪物も出てきたしな……無事に戻ってきてくれて何よりだ」
アルカナ・シャドウが落ち込んでいると思ったのか、ゴウエモンがそんな言葉を掛けたのだ。そんな言葉を掛けられた本人はというと……
「大丈夫よ……私に失敗はないから」
アルカナ・シャドウからるるかへ戻りながら、ゴウエモンにそう返していた。そして……
「……」
(ラピス……あなたは私に似ている。それに、あの言葉はどういう……?)
るるかは外の方を見ながら、そんなことを思っているのだった……。
読んでくださり、ありがとうございます!
今回は、ゲンブフォルムの活躍回となりました。そして、澪のあの言葉を聞いたアルカナ・シャドウ――――るるかは何を思うのか……。
それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いします。