双子悪役令嬢、婚約破棄からの魔王軍闇堕ち破滅の運命をソニックブームでこじ開ける   作:宵更カシ

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第5話 悪役令嬢転生

 普通の会社員と普通のOL。

 

 多少こじらせた趣味はあったけど、死ぬまでは上手くやっていたとレイナは思う。

 

 まさか戦闘機の趣味の違いで離婚する羽目になって、しかも離婚届にサインしようとしたときに死ぬなんてね。

 

 アンナと私は元々この世界の人間になるわけではなかった。

 

 原因は二人で会った女神様のドジだ。

 

「私の世界を救っていただきたいんです」

 

 彼女の作った世界は崩壊の危機に瀕していた。

 

 世界の破壊は女神の人事評価に影響するとかなんとかで・・・・・・まぁ要するに、彼女の失敗の後始末を頼まれたのである。

 

 私もアンナも乗り気だった。

 

「救っていただくために、好きなスキルや物を与えましょう」

「え? じゃあ空軍基地。あと空母と艦載機。あっ、ミサイル搭載量不安だし、ストレージ強化の魔法とか――」

 

 色々と云々。アンナになってしまう私の夫は女神に頼んでいた。

 

 その通りにはなった。実際、アンナの魔法はほぼ無限と言えるほどのストレージになったわけだし。

 

 一からステータスを上げるなんてまどろっこしいことはなし。戦闘機を使って好きなだけ魔物を空爆できる。

 

 与えられたセカンドチャンスを心から楽しもうとしたのだが――。

 

「「ちょっとどういうことよこれ!」」

 

 転生したのは乙女ゲーム『七人の勇者様』の悪役令嬢であった。

 

 このゲームは平民の主人公『ミカ・アニマ』が、勇者や勇者パーティーを育てる学園『ブレイブ学園』に入学し、魔法や剣を学びながら七人の勇者候補と出会い恋をするという、RPG要素のある乙女ゲームだ。

 

 最後は魔王を倒し、勇者候補の中の一人と結ばれてハッピーエンドとなるわけだけど、ミカが誰とも結ばれないルートや全員の好感度を下げて起こるバットエンドルートもある。

 

 私たちがなぜここへ来たのか。

 

 それは転生させた女神が後輩女神の元に私たちの魂を置き忘れ、間違って転生させてしまったらしい。

 

 それもこのゲームでは悪役の『メルヘン姉妹』だ。ヒューマンエラーならぬゴッドエラー。

 

 加えて一度転生したらもう一度死ぬまでそのままというクソ仕様。

 

 評価云々気にしてたくせに弛んでるなあの女神、とアンナは言っていた。

 

 しかし私にはどうってことのミス。むしろこれは願ってもいなかった幸運であった。

 

 なぜならこのゲームは私がやりこんだタイトルの一つで、ストーリー展開は勿論、自分たちの行動で発生するイベントまで頭に入っていたからだ。

 

 ・・・・・・まぁそれも、今日のことで全て台無しになったわけだけど。

 

「あいつ、遅いわね」

 

 アンナの帰りを待ちながら徐に空を見上げた。

 

「クルミちゃん、気絶してなきゃいいけど」

 

 レイナは身を寄せるように腕を組む。

 

 ま、魔王様だから大丈夫か・・・・・・多分。

 

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