第13部隊との邂逅
あれから更に数日がたったある日、俺の端末に1つの通知が来ていた
目を通すと第13部隊の人からで会いたいらしく場所が書かれていた、翔さんに今日は遅れることをメッセージで送り、呼ばれた場所に向かう
そこにはテーブルを囲む4つの椅子に座る3人の禍姫がいた、俺から見て左側には黒髪のショートヘアに赤色の十字の刺繍の眼帯を付けた少女
右側には口元を襟で隠すようなブカブカの制服を着た、薄紫の髪を伸ばした少女
中央には金色に銀色のインナーカラーの髪のロングヘアーの少女の3人だった、そして真ん中の少女が座るように促してきた
「よく来てくださいましたね、どうぞお座りください」
「どうもです、あの私に何か?」
「1つ提案をしたくて、第4部隊を抜け私達の部隊に移籍しませんか?」
何を言ってるのだろう、俺が他の部隊に?行くわけがない
表情に出ていたのだろう、眼帯の禍姫が言葉を発する
「聞けば第4は貴様を攫われたみたいではないか、吾輩達ならそんな無様は決してさせない
故に我らの元に来るがいい」
その発言にムッとして言い返す
「あの時の相手は教団の教主です、他にも幹部が2人もいました
それに皆は私を助けに来てくれました、決して無様ではありません
話がそれだけなら私は失礼します」
「その通りですね若菜、言い過ぎですよ」
金髪の少女が眼帯の少女⋯若菜を窘めていた
そして会話を続ける
「不快にさせたことは謝罪します、ですが第13部隊に来てほしいのは本心ですよ
それに貴女が第4部隊に所属してれば、いつかは教団と貴女の大切な人達が戦う事になるでしょう
前は他の部隊の人も居ましたが次も居るとは限りません」
この人が言いたいことはわかった、つまり第4部隊だけなら俺を守りきれないと判断し自分達の部隊に入れたいのだろう
だけど俺は守って欲しくて第4部隊に⋯皆の元に帰ってきたわけではないのだ
「守る守られるのではなく、私は第4部隊にいたいのです」
「そうですか、蒼空さん貴女は私達13部隊こそ相応しいと思うのですが
では言葉を変えましょうか⋯⋯貴女を守る為に翔達が無理をする可能性があります、貴女は彼らを失った時その喪失感に耐えられますか?」
その言葉に息を飲んだ、ここはゲームではなく現実⋯⋯再挑戦何て出来ない可能性の方が高いのだ
恐らくだが、俺は翔さんが死んだらまた生きる意味を探すのを止めてしまうだろう
「反論できない、それが答えですね
厳しいかも知れませんが貴女は自身に関しては何が起きても耐えてしまうでしょう、ですが関わりのある人の喪失を耐える事に貴女はもう耐える事が出来ない
蒼空さんの禍姫としての傷はそこなのでしょう?」
俺は何も言えず黙り込んでしまう、目の前の少女の言うことは正しい
生きる意味を他人に委ねて依存してしまってるのだろう、自分でもこれはいけないと思うが考えを変えることが自分では出来ないのだ
そして居ないはずの人の声が聞こえた
「僕の部隊員に何かようかな?晄さん」
「おや、これは翔さんではないですか
私は貴方を呼んだ覚えはありませんが、そう言えば蒼空さんに名乗るのを忘れてましたね、私は第13部隊のアンカー、光耀 晄と言います、よろしくお願いしますね」
「ふむ、同じく第13部隊所属の禍姫たる霖錠 若菜だ
そしてこの無口が吾輩と同じ禍姫の無拍子 白菜、覚えておくがいい」
これで3人の名前が判明した、金髪の少女がアンカー光耀 晄、眼帯の少女が禍姫の霖錠 若菜、もう1人が禍姫の無拍子 白菜
この3人が第13部隊のメンバーになる、ゲーム内では特殊な能力を持つ禍姫の2人だ
「さて翔さん、どうでしょうか?蒼空さんの移籍の件は」
「認めるわけ無いでしょ、同じアンカーなら禍姫との繋がりがどれ程大切かは分かるはずだけれど」
「ですが蒼空さんが第4部隊に所属してからそこまで経っていませんよ、それに第4部隊は器用貧乏が目立ちます、確かに様々な場面で動くことは出来ても他部隊と比べると様々な場面で劣っている事がわかります」
「それなら第13部隊だって時間をかけた作戦だと厳しいんじゃないかな、確かに制圧とかだと君達には劣るかも知れないけど他の部分では僕達は負けてないと思うけど?」
完全に俺を置き去りにして2人が言い争いを初めた、この2人どこかで繋がりが合ったのだろうか?また俺の知らない設定だ⋯⋯現実だからこういった事も増えていくのだろうが、もはや原作知識も当てにならない
翔さんは言葉を続けた
「はぁーねえ晄さん、君はもう少し思い込んだら直ぐ行動する癖を直したほうがいいと思うよ?
どうせ本当に蒼空さんの為の行動だったんだろうけどね」
「何を言っているのですか?私は最初から蒼空さんの事を思って勧誘しているのですよ?
そもそも翔さんも仰ってたではないですか、禍姫との繋がりを
そもそも禍姫は皆さん傷ついているのです、これ以上傷を増やさないことが私達アンカーの役目でしょ?」
「晄さん、君はどうしてこう⋯⋯なんて言えばいいんだろ
それで自分の部隊に勧誘とか他に合ったでしょう」
晄さんが何を言っているのかわからないような表情で首を傾げた
今の発言で分かった、晄さんはあれだ思いついたら即行動するタイプの人だ
その後の事とかを深く考えず本当に俺達の事を思って行動したのだ
「晄さん、私は第4部隊に居たいです
確かに皆に危険が迫ったら、失ってしまったら耐えられないでしょう
それでも皆と一緒にいたいんです」
俺の気持ちを訴える、晄さんが聞き届けけてくれるかは分からない
何せ今回で思考が酷く飛躍してるのも判明したのだ、これでどう考えるのか、変な方に飛躍する可能性も存在する
「成る程?さてどうしましょう」
「いやどうしましょうじゃなくてさ、移籍の件は諦めなよ」
「ですが⋯⋯上層部に既に提案してしまったのです、もし蒼空さんが了承してくれた場合の移籍の許可を」
「何やってるの!?いやでも了承してないから問題ないのかな」
本当に何をやってるのか、もし了承してたらそこから一気に部隊を移る事になっていた
行動力が凄すぎる、そこまでなら良かったのだが晄さんは続けた
「因みに、次の作戦は私達第13部隊と第4部隊の共同任務で上層部はそこで蒼空さんの部隊配置の変更を考えているみたいです」
「えっと、そこに蒼空さんの意志は?」
「上がそこまで考慮してるとは思えません、因みに移籍先の候補は第1部隊、第5部隊そして私達の第13部隊ですね
第1部隊と第5部隊は作戦に組み込まれてないので私達両部隊の評価が低い場合の移籍先候補でしょうね」
「でしょうねじゃなくてさ、僕の所に作戦概要が来てないって事はまだ次の作戦は決まってないってことだよね」
「ええ、まだ決まってません
教団が動いている以上は慎重にならざるえないみたいですね」
成る程、晄さんが動いたせいで他の部隊も巻き込んで来たのかな
第1部隊はカノンさんの部隊で最高戦力だ、第5部隊は守りに特化した部隊⋯⋯人類圏から余り離れる事がない部隊、第1部隊と第5部隊は正反対の部隊だけど何でこの2つの部隊が候補になったのか
それより問題は、晄さんを見る
「つまり私は次の作戦をこなすだけではなく、納得させるだけの成果が出なかった場合第4部隊から離れなくてはいけないということですね」
「その、すみません」
「ふむ、吾輩はそこまで聞いていなかったが大分やらかしたみたいだな」
「うぐ」
若菜さんに言われ晄さんは気まずそうに視線を逸らした、完全に最初の威厳が消え去ってポンコツ少女に見えてくる
晄さんから目を逸らし翔さんを見る
「こうなったらやるしか無いね、夏向と零にも報告しなきゃだから部隊室に向かおうか、蒼空さんもそれでいいよね」
「はい行きましょうか、それでは失礼します」
そして第4部隊室に向かったのだった