第4部隊の隊室ににて、先程の事を翔さんが2人に話す
そうすると夏向さんがため息を付いた
「はぁー、面倒な事になったわね
まあ作戦に関しては予想は付くわ、問題は第13部隊がどう動くかにあるわ」
「夏向は次の作戦に関して何か知ってるの?」
翔さんが聞くが、確かに俺も疑問だ何せまだ作戦の日時すら決まっていないらしいのだ
「少し考えればわかるわ、東京エリアに資材や物資を送るにもそこまでの道筋の安全はまだ保証されていないわ
なら次の作戦は道中の安全の確保⋯⋯私達が居る群馬エリアから東京エリアの間、つまりは埼玉エリアの安全の確保になる可能性が非常に高いわ」
「成る程ね確かにまだ安全は確保されてないし、資材を運ぶにも今は行き来に第6部隊が付きっきりの状態
幾ら護送を専門としていても疲労が溜まるし、その可能性が高いね」
「その通りね、そもそも第6部隊は他部隊の作戦道中の護送や物資、人に機材の護送もしているわ
いつまでも東京エリアに縛られていては他の作戦や他隊への支援さえも滞る
上もそれは分かるだろうし作戦は十中八九この作戦になるわね」
翔さんと夏向さん2人の意見は一致したみたいで埼玉エリアの開通作戦が高いらしい
そこで零さんが声をあげる
「うーん、ねえ2人とも教団がちょっかいをかけてくる可能性はあるの?」
「そうね、正直な話分からないわね⋯翔はどう思う?」
「僕は何かしらしてくる可能性はあると思う、だけど前回みたいに複数名では動かないんじゃないかな
蒼空が行動するなら、教団としても気にしないわけには行かないだろうしね」
「私ですか、すみません私のせいで」
そう、俺が人類圏の中心たる群馬エリアからでたら教団は気づくだろう、そもそも今回の件も俺がどこの部隊に移籍されるかという問題が中心になってしまっている
ほぼ俺の責任だ
そしてまた考えが暗くなってきた所で翔さんが撫でてくる
「誰も蒼空のせいだと思ってないよ」
「そうね、誰かの責任だとするなら他部隊への移籍の件は第13部隊の責任よ、そして蒼空が自由に動けないのは教団連中のせいね」
「うんうん、蒼空ちゃんは悪くないからね!そんな表情する子はこうだー!」
3人に慰められた、それだけではなく翔さんには撫でられ、零さんは俺の頬を触り無理矢理笑顔の表情にしてくる
それだけで此処にいていいと改めて思わせてくれる
「さてと、ここから私達がするべき事は作戦が発表されるまでの間に何をするかを決めることね
出来ることは、訓練と勉強くらいかしら?」
「うぇ、じゃあ訓練したいかなーと思ったり?
勉強はもうやだし」
「零⋯⋯貴女この間のテスト何点だったの?」
「私達、禍姫にはテストの点なんて関係ないじゃん!テストなんて受けるも受けないも自由だしさ!」
零さんが言葉を告げれば告げるほど夏向さんの表情が冷えていく、これは後で零さんは夏向さんに勉強を強制させられる事になるだろう
「え~と、取り敢えず零に関しては夏向に任せるよ」
「ええ後でみっちり教えるわ、逃げ出さないようきちんと監視してあげる」
零さんの表情が絶望に染まっていく
そんなに勉強が嫌なのか、まあ前世で俺も勉強は嫌いだったけど命のやり取りよりは気楽だと思うのだがそこは個人の考え方の違いか
そんな時、翔さんの端末がなった
「これは、予想があたったみたいだね
行き先は埼玉エリア、今から3日後に出発予定⋯作戦内容は群馬エリアから東京エリアを繋ぐ道の確保になる」
「そう、他には何かあるかしら?」
「うん、蒼空に霧の吸収をしてもらった後に霧を遠ざける機械の設置を1キロメートルごとに設置
それで霧を近づけないようにするみたいだね、ただし霧があると作動しないから蒼空の吸収が必須になる」
「機械?ああ防壁に付けられてる機械みたいな奴?あれって霧を遠ざける効果があったんだ」
零さんが機械に付いて疑問を放つがより夏向さんの表情が可哀想なものを見る目になっていく
「本当に禍姫?こんなの最初に教わる事よ、そもそも霧を抑えることが出来ないならとっくに人類は滅んでいるわ
まあ定期的にメンテナンスをしなければいけないから完璧に防げるわけでもないわね」
「そうだね、それに霧を払えば他の場所に霧が集中して、より強力な禍獣が生まれる
だからこそ霧を無くす事が出来る蒼空さんに期待が寄せられているわけだし」
その通りだ、原作で俺が死んだ後は機械でどうにかしようとしていたが禍獣は物語の後半になれば成る程に強くなっていった
結局最後まで物語を読む前に死んだから最終的にどうなったのかは俺には分からない
「それと最後に教団幹部の1人が付近で確認されたみたいだよ」
「教団幹部の1人ですか?えっと確認されたのは一体誰でしょう?」
俺の質問に翔さんが教えてくれた
「確認されたのは僕達が出会ったのとは別の人物みたいだね、儚さんからの情報では幹部の1人みたい
七罪の1人で嫉妬の銘を持っている、名前はヴァイラス⋯スキルはウイルスや病気を操る事が出来るみたいだけど端末にはこれ以上の事は送られてきてはいないかな」
嫉妬のヴァイラス、確かに登場していたけど他の皆はともかく俺がいるならまったく問題ない
正直ヴァイラスは教団の幹部最弱で性格も好戦的ではなく無理だと判断したら直ぐに逃げる
だけど人類圏には決して入れてはならない存在だ、入れたら最後で気づく前に病原菌が蔓延してしまう、まあこれも俺のスキルなら解決できるから問題ない
「教団幹部ね、ウイルスに病原菌の操作
蒼空、言っとくけど吸収して解決とか考えてないわよね?」
「ふぇ!」
「翔、これを見張っていて頂戴
少しは変わったかと思ったけど、余り変わってないわ」
「そうだね、無茶しないように見てなきゃ何をしでかすか」
何か変な声がでた、表情には出してないのに何故かバレた
でも吸収すれば解決するし⋯⋯言葉にすれば怒られる予感しかしない、限界量の見極めは出来るから大丈夫と言えば良いかな?いや怒られるか
「うーん、あれ?十三部隊の禍姫にウイルスとか効くの?」
「あ、そうだった
確か白菜さんのスキルは無効、晄さんから聞いた話では外部からの干渉を受け付けずにどんなスキルも通用しないとか」
俺もわすれてた、若菜と白菜の二人組ってヴァイラスの天敵だ、スキルを受け付けない白菜とあらゆる事を拡張、拡大する若菜の二人はヴァイラスを完封出来る
ただし本当に幹部が1人だった場合に限る
この間のメアやウォーが来た場合は2人では対処できない、教団幹部との戦いはスキルの強さや実戦経験の多さではなく相性が物をいう
カノンさんや悠利さんが勝ちきれなかったのも、零さん瑠流さん彩さんの3人でステラを閉じ込められたのも相性差が大きいのだ
「今回の作戦が合同なのは幸運でもあるわね」
「そうだね、ヴァイラスは13部隊に任せて僕達は他の脅威の対策に専念する
取り敢えずはこんな所かな、僕は13部隊に話を共有しにいくけど皆はどうする?」
「私は零に付いてるわ、防壁に使われている機械の存在さえ忘れているとは思ってなかったもの」
「あはは、お手柔らかにお願いしたいかなーて思ったり?」
「分かった、蒼空はどうする?」
俺はこの後何をしようか、付いていっても意味はないし勉強しようとも思えない
だけど寝るには早い時間だ
「う〜ん、私は軽く散歩してから寮に帰ることにします」
「遅くならないようにね、それじゃまた明日」
「ええまた明日、行くわよ零」
「また明日ねー!」
「はいまた明日」
そして皆が部屋を出ていき、軽く歩いてから俺は寮に戻ったのだった