──零side──
「ゴホッゴホうぇ~ペッペ」
目を覚ますと同時に咳き込んだ、何か口の中がしょっぱい海水が口の中に入ったぽい
何が起こったのか思い出そうとし、視界に入った存在がいる、片方は意識を失ってるのか眠ったままの蒼空ちゃん、もう片方は見知らぬ人物
考え事るまでも無く的だろう、だけど万一の為話しかけてみる
「ああ、うん、ねえ蒼空ちゃんに何か用事?
私は第4部隊所属の氷堂 零だけど君は?」
「はぁ~面倒だ何で起きちゃうかな?面倒臭いな
まあ名乗るくらいはしてあげるよ、教団所属にして七徳が1人、勤勉のフリュイド
勤勉とは即ち出来ることをこなし出来ない事はやらない精神性の事だ」
私の知ってる勤勉と違う、頑張り努力し学ぶ事が勤勉だと私は思うんだけど
「きみが考えてることは分かるよ、一般的にわたしの在り方は怠惰と思われるだろうけど
違うんだよ、無理なものは無理、出来ない事は出来ないんだ、ならば無駄な事をせずに出来ることをした方が結果は出る
それからわたしを怠惰扱いしないで欲しいな、怠惰はメアだよ、わたしは勤勉だ」
よく分からない、後で夏向に聴いてみようかな
そんな事より今はどうやって蒼空ちゃんを救出するかだ、幹部が相手なら1人では厳しい、だけどやるしか無いか
「きみではわたしに勝てないよ、諦めてくれないかな」
フリュイドが言葉を発すると同時に水が回転しながら左右から襲いかかってきた
水なら凍らせる事が出来ると思いスキルを発動するが
「イッタ!?」
凍らずに私の肩を貫いた、普通の水じゃない?そう言えばさっき海水だったような
でも海水だって凍るはずなのに、うう~夏向にもっと勉強見てもらえばよかった
「氷のスキル、確かにわたしの天敵だけど使い手がこの程度なら相性なんて意味がない
わかる?わたしと戦うのは無駄無意味無茶な行動にすぎない、きみは御子を守ろうとしてるみたいだけど只の無駄死にになるんだよ」
「ふふ、無駄かどうか試してみなよ!」
氷を槍状に射出するがフリュイドの目の前に水の壁ができ明後日の方向に流された
「水は流れれば盾となり圧縮して放てばレーザーになる、そして使い方によってはこういう事も出来る」
フリュイドの背中に水が渦巻いたと思ったら空中に浮かび上がった
凍らせようにも思うように凍らない、運よく凍ってもその上から新たな水が覆い被さり意味をなさない
「面倒だな諦めなさい、あなたではわたしに勝てない」
そしてまた水流がレーザーとなり襲いかかってきた、取り敢えず氷壁で防げるが試みるが容易く貫いてきた
「頑張りや努力では辿り着けない領域もある」
「分かってるよ!そんな事は、私じゃ第1部隊や第2部隊それに他の部隊の皆にさえ手が届かない事を知ってるよ!
でも私は1人じゃない、今まで一緒に第4部隊の皆が歩いて来てくれた、だったら私だって蒼空ちゃんと共に歩まなきゃ駄目なんだよ」
氷を礫状にし飛ばすが水流であっさり流された
私は頭が悪い、でもやっと蒼空ちゃんの環境が良くなってきた事くらいはわかる、蒼空ちゃんはこれから歩み始めなきゃいけないんだ
ここで助けられなきゃ多分、蒼空ちゃんを本当の意味で救ってあげることは2度と出来ないんだ
「そうだよ、私は1人じゃない皆がきっと来てくれる」
「無理だよ、嫉妬のヴァイラスに教団員が1人ここに来ている辿り着けるはずがない」
きっと来てくれる、だって第4部隊だけじゃなく第13部隊もいる
だったら私は皆が来てくれるまで蒼空ちゃんを守り通す
翔や夏向が来てくれれば謎も解いてくれる、私は教団みたいに1人じゃ無くて部隊で動いてるんだ!
相手の水流を見据えスキルを発動する、やはり凍らない
体を捻り避けは出来るが、体に傷が増えていく
どれもこれも小さな傷だが、動きが鈍くなってきた
「まだ諦めないの?そろそろ本当に死ぬよ?」
フリュイドが水流レーザーの数を増やしてくる、それを見て⋯⋯蒼空ちゃんの方に曲がり消えた
──蒼空side──
危なかった、起きるのが後少し遅かったら取り返しがつかなかった
何とか吸収が間に合ったが体がダルい、それにしても相性が最悪な筈だけど零さんはよく耐えられたと思う
水と氷なので相性は良いように思うけど実際は逆だ、悪い、何せ相手は水じゃなくて水流、常に流れ続けるスキルだから凍りにくいし凍ったまま流れ続けてしまう
「蒼空ちゃん、大丈夫?」
「はい、零さんのお陰で大丈夫です
それより零さんの方が怪我が⋯⋯すみません私のせいで」
「違うよ!蒼空ちゃんは悪くないよ、だから謝らないでね」
やっぱり零さんは優しい、こんな俺さえ気づかってくれて
フリュイドを見ると明らかに面倒臭そうに俺を見ていた
「余計面倒な事になった、気絶しててよ御子たるきみをあまり傷つける訳にはいかないんだからさ」
「それはどうも、ですが零さんが傷ついてるんですよ?
いつまでも意識を失ってるわけには行かないので」
とは言ったものの俺と零さんの2人じゃ逃げ切れるのか怪しい、いっその事俺が無抵抗で付いていけば何とかなるか?
「ねえ、蒼空ちゃん私は蒼空ちゃんと遊ぶ未来の為に頑張ったんだよ?無駄にしないでよね」
「⋯⋯すみません、はいサポートは任せてください」
流石にこの考えは駄目だ、だけど頑張って無理ならやっぱり俺が付いていって皆の無事を約束してもらおう
零さんがジト目で見つめてくる、何か思考を見透されたるみたいで気まずい
取り敢えず目標として翔さん達が来るまで持ちこたえよう
「はぁ~面倒すぎる」
水流が襲いかかっくる、レーザーでは無く只の水流となっていた
万が一にも俺を死なせないためにレーザーの使用を止めたみたいだ、それを俺は零さんに当たらないように吸収する、そこで少し目眩がした
水流が消えた瞬間、間髪入れずに氷の礫を零さんが撃ち込むがそれは新たな水流に流される
「うう~、攻撃が当たらない」
「敵の攻撃も私達には当たらないのでお互い様ですよ、零さん落ち着いて行きましょう」
俺の言葉にフリュイドが静かに目を閉じた、そして俺の周囲に水球が生まれるが吸収し消滅させる、より体が重くなった
そして何かを確信したのかフリュイドは目を開け頷く
「成る程、きみ体があまり強くはないな?それに吸収出来る許容量も残り少ないと見た
つまりだ、きみ達の行動は只の時間の無駄で終わる
所詮きみ達が教団に抗うなんて無茶なことだったんだ」
悔しいが言い返せない、吸収しようにも無限に出てくる水全てを吸収出来るわけじゃない
零さんも傷だらけ⋯⋯そして足音が聞こえフリュイドが浮くために使っていた渦が爆ぜた
「無茶だとか無駄だとかごちゃごちゃ煩いわね、そんなのあんたに決める権利なんて無いわよ
それに仲間が世話になったようね、容赦するつもりは無いから」
「二人共大丈夫?今すぐ禍深度を下げるからね」
夏向さんと翔さんが来てくれた、だけど勝てるとは限らない
翔さんから禍深度を下げて貰おうとした瞬間、離れた位置にいたフリュイドの首が斬り落とされた
「久しぶりですね、勤勉のフリュイド取り敢えず死んでください」
「儚さん?何で」
「よく分からないけど、こっそり付いてきてくれたみたいなんだ」
首が斬り落とされたフリュイドは液体となり再生する、幹部連中は殺されたくらいで死ぬ奴は存在しない出鱈目さだ
「次から次へと面倒臭い、ヴァイラスはどうしたの」
「嫉妬の方には刹那が向かいました、そして死ね」
儚さんは会話中でも切りにかかる、こんな物騒だっけ儚さんって、もう少し冷静だったような気がしたが何が合ったらこうなるのか
「元とはいえ私も教団幹部でした、なので言うべきでしょうか
教団時代において忠義とは即ち自分の目的の為に全てを排除する精神性の事でした
でも第1部隊の私は違います、輪回 儚としての忠義は仲間と共に歩み共に笑い、仲間を信じる精神性の事
貴方達には分からないでしょうね、結局強力もしないで1人で行動する教団員には」
儚さんの言葉にフリュイドは何も言わなかった