──翔side──
翌日、蒼空を第7部隊に預け俺達は雲津過家に来ていた
8年も時間が立ち誰も管理をしなかったせいで草が生い茂り廃墟といえる外観だ⋯中に入り皆を見る
「別々に調べる?」
「いえ、一緒に行きましょうか仮にも教団幹部の生まれ育った場所なんだし何があるか分かったものじゃないわ」
「でも蒼空ちゃんが育った場所でもあるんだよねー」
「それじゃあ一緒に見て回ろうか」
1回はリビングにお風呂、トイレそして2人の両親の寝室が合った、特に気になる所は無かったが寝室で薬を見つける
「夏向、これ見たことあるかな?」
「何それ、赤色の薬?何処かで見たことあるような」
「埼玉エリアから帰還した後に刹那さんに見せて貰った薬だね、確か姫殺しって名前だった筈」
何でこんな所にあるのかは不明だ、蒼空の両親は9年前つまり蒼空が7歳の時に亡くなっている
夏向はその後もベッドの下などを探していた時、零が何かを見つけたみたいだ
「ねぇねぇ!これ見て」
「写真?何も不思議な所は無さそうだけど」
「この赤ちゃん蒼空ちゃんかな?可愛くない?」
「何しに来たのか忘れてない?」
写真には両親と思われる男女が赤ちゃんを抱っこしていた、子供が1人しかいないと言うことは蒼空だと思うけど
「取り敢えずその写真は置いておこうか、今は関係ないし蒼空には内緒だから持って帰れないよ?」
「ちぇー、しょうがないか」
「取り敢えずこの部屋はこんなものね、2階に行きましょうか」
2階には部屋が2つ合った、ドアには蒼空と書かれていたプレートと夕陽と書かれたプレートがあり誰の部屋かを示していた
「先に蒼空の部屋からかな」
「そうしましょうか」
部屋の中に入ると埃は溜まっていたがスッキリした部屋だった、ベッドに勉強机、クローゼット机には幼い頃の蒼空と夕陽そして両親が写った写真が1枚飾られていた
「物が少ないわね、とはいえ自分の意志が無いわけでもなさそうね」
「そうだね、本当は青色が好きだったのかな?」
2人の言う通り、青系統の色が多く見られるベッドのシーツや椅子等が薄水系統で派手さは無いが柔らかな色が存在していた
夏向と零が机の引き出しやクローゼットを開け色々見て回っている
「特に何かあるわけでもなさそうね、日記も書いてないのか存在してないわね」
「だねぇー大人しい子どもの部屋って感じ、ぬいぐるみとかも見つからなかったけど何してたんだろ?」
「写真を見る限り家族と仲良かったみたいだし、1人でいる部屋より家族の誰かと一緒にいる事が多かったんじゃないかしら
その結果が色欲からの執着の可能性もあるのが最悪ね」
見て分かるほど昔の蒼空は今より心が安定してそうだ、前世の妹を忘れたわけでは無いだろうけど今の家族と生きたい幸せになりたいと写真に写る表情は物語っているようだ
でもそれは全て色欲によって奪われた、最後に夕陽の部屋に入りそれが目に入る
「資料より増えてるわね、写真」
「流石にこれは」
資料では部屋の一部に貼られていた写真が今は他の壁にも貼られていた、しかも今の蒼空の写真がだ
「一昨日と昨日に夕陽は侵入してきていた、つまりはその時に撮った写真ね
今この家に居ないという事は出かけてるのか」
床を見るとこの部屋だけ確かに埃が無かった、頻繁では無いにしても帰って来ているのか
大量の日記帳の中で1つだけ日記帳が取り出され机の上に置かれていた
「この日記だよね?早速読んでみる?」
「そうね読んでみましょうか、翔いいわよね?」
二人の言葉に頷く、完結に纏めると9年前に両親に姫殺しを使い廃人にした後に事故に見せかけ殺害をしたとある、何でも生きていると蒼空を独り占めできないからと、蒼空は両親の異常に気づき何とかしようとしたが間に合わなかったその表情が素晴らしかったまた見たいと日記に記されている
「この頃、夕陽は7歳かしら?それでこれは相当狂ってるとしか言えないわね」
「う〜妹さんでもこれは許せないかな」
2人は嫌な物を見たと嫌悪を示し、夏向がふと1番最初のページを見直した
「ああ、成る程ね7歳じゃなかったのね」
「何か分かったの?」
「ええ、メアが言ってた嘘つき何だけど何が嘘なのか分からなかったのよね
だから取り敢えず夕陽に関する事は全て嘘の可能性を疑いながら見てたのだけど」
日記の1番最初のページを見せてくるが何がおかしいのか不明だ
「えっとこれが何?」
「他の日記帳も見てみれば分かるわ、そうね1番最初の日記帳を見てみましょうか」
そして大量の日記帳を見る⋯おかしい多すぎる7歳ならせいぜい合っても数冊程度しか無いように思うが数十冊存在している、そして夏向が1番最初に取り出した日記帳に記されている日付は
「凄まじいと思わない?十年前の日記よ、夕陽は産まれても居ないはずなのに
そして全く字の描き方が同じなのよね」
「別人が書いたわけじゃない?」
「そもそも姫殺しは教団が生み出した薬でしょ?薬に関しては可能性は幾つかある、両親も教団員だったけど夕陽が裏切った
そして夕陽はそもそも蒼空の妹じゃなかった」
「それおかしくない?だって夕陽も写真に写ってたよ?」
それはそうだ、だとすると別人が書いたとしか思えない
「そこよ、嘘はそこだわ」
「えっと何処?翔分かる?」
「ごめん、僕も分からないかな」
夏向は他にも数冊日記を広げ見せてくる、何かを確認する様にページを捲り目当ての物を探し見つけたのか僕達に差し出してくる
「教団幹部は不死だったわ、霧になったり水になったり何らかの方法で死んでも復活していた
じゃあ色欲は?もしかしたらと推測したのだけど正解みたいね」
開かれたページの一文、『自分が死ぬ事で今母胎の中に存在する子供に憑依し乗っ取る事で御子の妹になる事が出来る⋯愉しみだな、育ったら色欲に溺れさせてみたいな』と記されていた
つまり最初から色欲はこの家にいて、夕陽が産まれる前に自殺し夕陽に取り憑いた⋯これが真相になるのか
「色欲こいつだけは蒼空にこれ以上接触させる訳にはいかないわ、真実を知ったらどうなるか分かったものじゃないわよ」
「ねぇ、蒼空ちゃんは昔からと思ってたけど産まれた瞬間から教団に目を付けられてたってこと?」
「聞いた話だけど教団には未来視のスキルを持った人がいたらしい、何者かに殺されたみたいだけどね
教団は産まれる前から蒼空が御子だと把握してたって事になる」
蒼空を守る為と思って来てみたけど予想以上の情報が出てきた、蒼空に隠して置かなければ駄目だ、バレた場合の蒼空の心がどうなるか予想が付かないのが問題だ
「うん決めた、帰ったら私今度こそ2人よりなかよくなるから!」
「何を言ってるのよ、零も十分中がいいと思うわよ?この間一緒に服を買いに行ったんでしょ?」
「結局買ってないし、あの時は他にも沢山人いたし!
それなのに翔は頭を撫でるの許されてるし、夏向だって髪をとかしたり警戒心を抱かせないで手をつなぐこともできてるじゃん!私だけ出遅れてるの」
「警戒心って猫みたいに言うのね、取り敢えず帰りましょうか
零はせいぜい頑張りなさい」
「そうだね、帰るよ零も騒いでないでさ」
「中が良いからって余裕かましてるの!、見ててよね絶対に私の方が仲良くなるんだからね」
零に対しても蒼空はかなり心を開いてるように見えるけどな、この前真っ先に蒼空を助けに動けたのも、僕達が来るまで持ちこたえて守り抜いたのも零だし
本人だけが気づけてないのかな、そして僕達は雲津過家を後にした