──翔side──
何も出来ずに蒼空さんが連れ去られた、そして少し後に大型の銃を背負ったカノンさんと剣を腰に下げた悠利さんが合流し話し合いをしていた
「成る程、蒼空さんを連れ去ったのは恐らくは教団のトップであるステラでしょう
失敗しましたね、あの程度の相手に時間稼ぎを許してしまうとは」
「確かに、私かカノンどちらかでも先に行くべきでしたか」
2人が悔しそうに呟くが合流は厳しかったと予想される
「いや、相手は最初から妨害目的で行動していたはずだから悠利さんとカノンさんの合流は難しかった筈です
僕達が不甲斐なかったから」
「相手がステラなら仕方ありません、と言っても納得は出来ないでしょうが」
悠利さんが慰めるよう語りかけてくれるが、確かに納得は出来ない
こんな時、戦う力がないアンカーである事が悔やまれる
そんな無意味な思考をしていると本部と連絡を取っていた星沙さんが歩いてきた
「本部の意向はどうでしたか?」
カノンさんが問うと星沙さんは悔しげに顔をしかめる
そして苦々しげに本部の言葉を伝えてきた
「本部からは即時に撤退せよとの事でした、これ以上の作戦続行は認めないと
すみません、私達の力不足です」
「ぬわぁー!ムカつく!何なのあの頭でっかちはさ
無理難題をぶつけた上に仲間が攫われて撤退せよ何てさ!」
「むぅ~アヤも嫌だな」
星沙さんの言葉に瑠流さんと彩さんも続く、不満は当たり前だ
最初から失敗前提で仲間を攫われた、本部に教団が入り込んでるのは確定事項みたいな物なのにこの命令だ
「それでどうするの?このまま行動した場合は命令違反、更に相手が何人いるのかさえ不明
厳しい状況としか言えないわ」
「だからって素直に帰るのもなー、だって蒼空ちゃんは私達第4部隊の仲間なんだよ」
夏向さんや零さんも口を挟む、そして第12部隊の禍姫たる白鐘 真理さんも語る
因みに白鐘さんのスキルは治癒、既に斬り落とされた手は結合していた
「少なくとも敵は教団の教主、更に最低幹部が複数名いるだろう
厄介極まりない」
「ふむそれなのですが、どうやら敵は3人
教主ステラ、そしてメアとウォーという幹部の3人らしいですよ」
「何故それを知っている?」
「メアがはっきりと言ってましたね、1人でも十分だったとか言いながら襲いかかっててきましたから」
カノンさんの言うことが間違いないなら相手はたった3人、でもその3人が強力だ
3人だけというより3人もいると言った方が正しい
それにしても情報を与えるとかメアという幹部は何を考えているのか、もしくは何も考えていないのか
「でも問題はそこだけじゃないわ、助けに行けば強力な敵と戦うだけじゃなく本部の命令違反をする事になる
つまり普通に考えれば見捨てるしかない状況というわけね」
そうだ、何処まで考えても平行線だ
何も変わらずそこに戻ってくる、そこで僕は思いだす
あの夜の事を、結局蒼空さんは何が言いたかったのか、結局それは聴けず終いだった
それにあの時に彼女は笑っていた⋯⋯なら答えは
考えそして歩き出す
「まあそうね、行きましょうか」
「だよね、私はついて行くよー!蒼空ちゃんときちんと仲良くなりたいしね」
「いいの?夏向、零」
僕が歩き出したら2人共当たり前みたいについてきて少しだけ驚いた
でもこの2人なら付いてくると信じていた気持ちもある
「当たり前でしょ、同じ第4部隊の仲間なんだもの
それにやられっぱなしなのも嫌だしね」
「私は蒼空ちゃんと仲良くなりたいだけだよー」
「ありがとう、そんな訳だから第7部隊の皆とカノンさんに悠利さん、白鐘さんは違反にならないように帰ってください」
そしたら何故か星沙さんに不思議そうに見つめられ首を傾げられた
「何を言っているのですか?皆さんだけで救出出来るとは思えませんが
第7部隊は仲間を絶対に見捨てません、少しでも助けられる可能性があるのなら助けに行きます
そうですよね、瑠流に彩」
「あったりまえじゃん!ぬわぁ〜はっはっは!」
「アヤもねぇ~頑張るよぉ〜」
それに続いて白鐘さんも僕を見る
「私も行くわ、これ以上教団に好き勝手させる気はないわ
居場所はわかるの?」
僕は少し集中する、蒼空さんとのコネクトリンクは切れていない
そのため薄っすらとだが位置は把握出来る
だけどリンクが弱々しいのが気掛かりだ
「それじゃ皆で命令違反だね、うん場所はわかる
蒼空さんの居場所は地下だ」
「成る程、カノンさんどう見ます?これなら大丈夫では?」
「そうですね」
悠利さんとカノンさんが何かを確認し合うように2人で顔を合わせ皆を見渡し告げる
「命令違反のせいで動きにくいならこうしましょう、これより第1部隊、私こと久世 カノン及び第2部隊、天塚悠利の2名より第4部隊、及び第7部隊に特務任務を発令します
任務内容は雲津過 蒼空の奪還です
せっかくの権力ならこういう時に使うべきでしょう」
カノンさんが微笑み作戦を告げる、特別に行動が許されているカノンと悠利さんの2人だから出来る強権だろう
でもそれだと
「ねぇ、それだと2人に上から圧力がかけられるんじゃ?」
夏向さんの言う通りだ、幾ら2人でも何かしら言われる可能性がある、がなんてことのないように2人は顔を見合わせる
「言わせたい人には言わせとけばいいと思うのですが」
「ですね、どうせ小言を少し言われるだけでしょうし」
流石は最優と最強だろうか、後はどうやって助け出すかだが
夏向に目を向けると察した様に頷く
「それなら役割を決めましょう、まず蒼空に対しては翔で決まりだとして
残る教団員に当てる人を決めましょうか、翔はどんな組み合わせにするか考えた?」
「そうだね、先ずは悠利さんとカノンさんはメアに決まりかな」
「私達2人ですか?ステラに対処しなくてもいいのですか?」
悠利さんが問いかけてくるが、これが最善だろう
「うん、2人は既にメアとの戦闘経験があるからね任せたいかな
そしてステラに対して何だけど何か提案はあるかな」
僕の質問に反応をしたのは夏向と星沙さんだった
「私は零と瑠流そして彩の3人を推薦するわ、星沙も考えは同じでいいの?」
「はい、私も適任はこの3人だと思います」
「ぬうぇ!」
2人の発言を聞き瑠流さんが変な声を上げた、まあ取り敢えずは理由を聞くと
「ステラの能力何だけど幾つかの候補はあるわ」
「複数の能力を使って無かったっけ」
「違うわ、1つだけよ
あのCODEとかいう台詞で誤解させる様に仕組んでいるみたいだけどね」
「私としては見る事を起因として発動する能力だと推測しています、本当の能力は反転か反撃でしょうか?」
「私は逆転もしくは変化、事象の交換のどれかだと思うけど⋯⋯まあ全部推測だけど対処するなら3人の能力が適切ね」
成る程、それなら確かにこの3人かも知れない
目線が発動条件なら視覚を潰す事を優先するべきだ
だけど一種類なら対処されるかも知れないが、同時に植物、絵、氷の3種類で視覚を遮り続ければ時間稼ぎは可能だ
「成る程、ならステラの対処はお願いしたいけど良いかな?」
「勿論任せてよ!」
「アヤもいいよぉ〜」
「私も頑張るよ!」
零、彩さんに瑠流さんの3人が頷く
そして残りは
「ウォーの相手は私達ね、能力も何も分からないけど何とかするわ」
「戦闘は余り得意ではありませんが、私も全力を尽くさせてもらいます」
「先程は無様を見せたけど今回は期待していていいわ」
夏向に星沙さん、白鐘さんが続く
「そう言えば翔に聞きたいのだけど、蒼空と会ってどう助けるのかは考えたの?」
「助ける方法はまだ分からないけど、やらなくちゃいけない事があるんだ」
「やらなきゃいけない事?何かしら」
「エンゲージリンクだよ、蒼空さんと最初にあった時に教えて貰ったでしょ?嘘も隠し事も無しに蒼空さんと話さなきゃいけない」
「でも確かあれは禍姫から拒否が出来るって話じゃ無かったっけ?」
「そうだね、だから拒否されないよう無理矢理にでも繋ぐよ
そうじゃなきゃ蒼空さんを救う事は出来ないと思うんだ」
「そう、まあいいわ」
夏向が僕との会話を切り上げ周囲を見たと思ったら地面を見る
「因みにだけど蒼空は地下にいるのよね」
僕は頷く、そして
「ねえ、星沙ここの下は何?」
「えっと地下路線があった筈ですが、それが何か?」
「わざわざ、きちんと入口から入るなんて馬鹿らしくないかしら」
「ごめん夏向、何をしようとしてるのか分かったけど下に何があるのか分からないから少し落ち着こうよ」
「ごめんね、私も仲間を拉致されて少し苛ついているみたい
だから地下に直行する事にするわ」
そして地面が爆ぜ皆が地下に落下していく、禍姫の皆は直ぐにバランスをとり着地して行くが僕は何故かカノンさんに途中でお姫様抱っこされた
ありがたいが少し恥ずかしいかな
そして教団員が待ち受ける地下に無事に侵入?したのであった