勝利の女神:NIKKE〈WORLD TRIGGER〉   作:ライダーマスク

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序章:動き出した運命
第0話


〈語り部SIDE〉

 

 

 

 

嘗て地球で繁栄を極めていた人類。

 

しかし、その繁栄は突如とした現れた人間以外の生物を象った機械生命体―――後に[ラプチャー]と呼ばれる存在達による侵攻を受けて瞬く間に消え去った。

 

圧倒的な戦力と歩兵では倒し切れない大群。

戦車、戦闘機、爆撃、砲撃、電子戦、あらゆる戦況で大敗を喫した。

 

だが、人類は諦めることなく新たな武力を生み出した。

 

人間の女性を人間に似せた戦闘用機械ボディへ移植した対ラプチャー人型決戦兵器[ニケ]。

 

ギリシャ神話の勝利の女神の名を冠した彼女達はラプチャーを次々と撃破。

 

さらにその中でも最強とされるニケ達と伝説の指揮官で構成された[ゴッデス部隊]の活躍によりラプチャーの侵攻を食い止めていった。

 

だが、1人の堕ちた勝利の女神によってニケ達はラプチャーが新たに獲得した対ニケ攻撃手段である[侵食]により数々のニケやゴッデス部隊のニケを脅かし人類を敗北に誘った。

 

最終的に人類は総人口の9割以上まで減らし、地上波ラプチャーの手に堕ちた。

 

数少ない人類は地下に建造された最後の地下都市である[アーク]を建造し避難。

奪われた地上を取り戻そうと1回2回と大規模な地上奪還作戦を始めたが悉く失敗。

 

さらに、ニケ指揮官の士官学校創設に関わった[新星]と称された指揮官はその責任と腐敗した情勢により裏切られ死亡扱いとされ―――

アークの希望の象徴である[アークの星]である勝利の女神は人間のエゴによって燃え尽き―――

アークを生かす為にラプチャーに勝利の女神を贄として捧げ続けた。

 

もはやアーク自体も既に存続の危機に立たされており、もはや人類の絶滅は自明の理であった。

 

そんな状況に1人の男が現れた。

 

出自が不鮮明、幼少期、少年期、青年期も家族などの記録が無いアークの深層で誕生した7番の強化人間。

 

異端者の不死を無に帰し、勝利の女神の枷を破壊する解放の血を持った男。

 

その男は本来数年先に帯刀するはずが、それよりも前にニケ指揮官の士官学校を卒業直後、新人では生存不可能であった地上での任務を達成。

 

さらには本来人間では扱えないニケの武器を持ち、勝利の女神と並び立ち、人間とニケ双方からも強者足る存在として活躍した。

 

そして、とある作戦。

ニケを対等な存在として扱い、ニケと同じように戦える彼の存在を危険と判断したと人類の保護、そして地上奪還のための行政機関である[中央政府]の一部上層部が彼を陥れる無謀な作戦を強制参加。

 

その作戦はラプチャーが占拠する大規模資源施設の奪還だった。

戦力差は歴然、それでも前に進むしかなかった彼はニケ達を率いて戦った。

 

そして随伴していたニケ達は全滅、自身も風前の灯火だと思われた。

 

だが、そんな先で彼はかつてラプチャー1次侵攻で失われたロストテクノロジーの1つを手にした。

 

[トリガー]

それは既存の技術とエネルギーを使わない兵装。

使用者に未知の生体エネルギーである[トリオン]を生みだす器官を生成。*1

その時代の兵器とは一線を画す戦力を手に入るしろもの。

 

そんな兵装と彼は出会い、かつてその兵装を使いラプチャーと戦い最後まで人類を護った前任者がのちの時代に託すため人己の全トリオンと命を注ぎ強化された[黒(ブラック)トリガー]に触れた。

 

前任者の戦いの記憶を読み取り[黒トリガー]に眠る前任者の残滓にその力で何を成すと問われた。

 

彼はこう答えた。

 

―――「全部とは言わない…。せめて自分が届く範囲の全てを護り、勝利の女神達が自由になれる世界を作りたい」

 

その答えに残滓は[黒トリガー]に遺された残滓は彼が望む力を[黒トリガー]にインプット。

 

残滓は未来を託し、彼に[黒トリガー]の使い方を教え消えた。

 

彼は[黒トリガー]を使い部下を全滅させたラプチャーの大群を殲滅。

 

遂には大規模資源施設の奪還に成功し、自らを陥れた一部の上層部を見返した。

 

それから達成不可能とされた作戦を成し遂げた彼の功績は作戦を命じた者たちによって隠蔽。

大尉という昇進だけだった。

 

そんな状況に彼を不憫に思い、同じ志を持つ1人の中央政府副司令官が中央政府やアークに蔓延る謀略や政争やしがらみにとらわれない為に相応の立場とアークにおける地上奪還前哨基地の責任者を任命。

 

それから彼は前哨基地の指揮官であり地上奪還の前に立つ[新星]再来として活躍していった。

 

そして運命が始まる日へと時間は進み―――

 

 

 

□

 

 

 

 

「どうすれば…ッ」

 

とある救援任務で地上で1人孤独に戦うニケが、携行火器であるSMG(サブマシンガン)[ファースト・アフェクション]で迫りくるラプチャーを迎撃していく。

 

長い茶色身をおびた髪にスカイブルーのエクステ、白と青色の専用の戦闘服を着たニケ―――[マリアン]。

 

彼女は本来行方不明の地上調査部隊を調査しに来た[分隊04-F]から要請された救援要因として人間である指揮官とこの作戦地域に投入されるはずだった。

 

しかし、マリアンと指揮官を乗せた輸送ヘリが突如として爆発を起こし墜落。

墜落の衝撃でパイロットの人間、そして指揮官が死亡。

 

更に墜落したヘリの音を聞き数十機のラプチャーが集まり、自らの敵であるマリアン(ニケ)を破壊するべく押し寄せていた。

 

マリアンは戦闘においてベテランであり、量産型のニンケとは違い製造されてから名前を持っている高性能のニケ。

 

しかし多勢に無勢であり、どんなベテランでも孤立無援と成ればどんなに抗っても孤立無援。

 

そして―――

 

「遮蔽物が!?」

 

マリアンをラプチャーの攻撃から守っていた遮蔽物が破壊され、ラプチャーが放つ弾幕にその体が晒された。

 

さらに配される寸前でマガジン内部の弾薬を使い果たしリロードしている最中という最も無防備な状態。

 

人間よりも頑丈でありラプチャーとの戦闘に耐えららえるガッデシアムと呼ばれる金属で構成されたニケでも大量の弾幕を浴びれば大破は免れなない。

 

更にニケの弱点である脳を破壊されては復活も出来ない。

 

「(ここまで…なの…ッ)」

 

もはや助かる状況ではない。

 

そう諦めかけたマリアンは両目の瞼を閉じた時―――

 

「―――エスクード!」

 

勇ましくも若さが残る男の声*2がこの場に響いた。

 

そして、マリアンは何時まで経ってもラプチャーの攻撃が自身に届かず、その攻撃が何かに防がれる音が聞こえた事に違和感を持った。

 

閉じた瞼を開くと、自身とラプチャーの間に白いバリケード上の壁が生成されていた。

 

自身がカバーに使っていた遮蔽物はラプチャー1次侵攻の名残で廃棄された防壁。

 

その遮蔽物は破壊されたが、それとは別に新造された綺麗な近未来デザインの台形に近いデザインのバリケードが出現した。

 

「これ…は…一体?」

 

突然起きた不可思議な状況に困惑するマリアンだが、すぐさまその隣に1人の存在が着地してきた。

 

「―――大丈夫か?」

 

「あ、あなたは…」

 

マリアンの隣に現れたのは1人の男。

顔つきは明るめの20代で整った顔立ち。*3

服装は人間の指揮官服ではなく自らも戦うような戦闘服。*4

身長は180㎝ほどある者だった。

 

「俺はニケ管理部所属、前哨基地司令官兼特殊別動隊隊長の“ムラクモ・セブン”。階級は大尉だ。君の事は後で聞く。今はこの状況を突破するぞ!」

 

「は、はい!セブン大尉!」

 

「いい返事だ。早くリロードを済ませて奴等(ラプチャー)を排除するDMR―――起動(オン)!」

 

ムラクモは武器の名と起動音を呼ぶとその手に大型の黒いセミオートスナイパーライフルである[DMR]*5を顕現させ構える。

 

「了解です!―――エンカウンター!!」

 

マリアンも己の武器であるサブマシンガンのリロードを終わらせ突如として出現したバリケードを遮蔽物として使い戦闘態勢に入った。

 

ラプチャーが支配する地上で1人の人間であるムラクモとニケであるマリアンが共闘を始めた。

 

そしてこの出会いが人間とニケ、果てはラプチャーに関わる全ての運命の歯車を回し始めた。

*1:
オリジナル設定

*2:
イメージCVは梶裕貴

*3:
顔のイメージは雄々しさとイケメン度が増した三雲修

*4:
服のイメージは木崎レイジのトリオン体の服装を長袖にして、前腕にはエスクードを籠手形状にした装甲にコンバットグローブを装備したイメージ

*5:
デザインはタイタンフォール2のLB-DMR

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