勝利の女神:NIKKE〈WORLD TRIGGER〉   作:ライダーマスク

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第2話

《語り部SIDE》

 

 

「アニス、10時の方向に狙撃タイプのラプチャー3機!」

 

私ーーー[分隊04-F]の隊長である“ラピ”は同じ分隊員であり甘栗色の髪のボブカットヘアーにベレー帽をあみだに被り、黒と黄色を基調とした戦闘服が特徴の"アニス”にそう指示する。

 

「またぁ!?どんだけいるのよ!」

 

アニスは不満を吐きながら携行しているグレネードランチャー式の火器である[リバティーンテイル]で狙撃タイプのラプチャーにグレネードを放ち撃破した。

 

「全くなんでこんなにラプチャーが来るのよ! そもそも何時までこんな場所で待ってないといけないのよ!」

 

「救援が来るまでよ」

 

「それって死ぬまでって訳じゃないよね?」

 

「アークから来る指揮官1人とニケ1人が合流するまで」

 

私はアニスから何度も聞かされた言葉に同じような文言で返事を返した。

 

「ラピも見たでしょ!? アークの輸送機が墜落するとこ! あんな状況じゃ生存者なんていないよ!」

 

「―――まだ救援部隊の死亡報告は入って来てない」

 

「エブラ粒子が濃い状況で[アーク]から死亡砲報告なんて来るわけないじゃない! 救援要請をしてからオペレーターのシフティーとも通信がつながらないのよ!」

 

「確定した情報が無いまま、憶測で下手に移動したら万が一生きている部隊はどうするの?」

 

「確かにそうだけど、あんな状況で助かるとでも!? ニケならともかく人間である指揮官様はとっくに死んでるわよ!」

 

「………」

 

アニスのいう事も一理ある。

でも、アークから正確な情報が無いまま私達だけ別の場所に逃げても今戦闘しているラプチャーに追われるだけ。

 

万が一私達が逃げ切っても、ランデブーポイントに無事だった救援部隊が来て孤立したら目も当てられない。

 

だからこそ私達はランデブーポイントで救援部隊を待つしかない。

ここを離れて良いのはアークから来る部隊全滅の報告を聞いてから。

 

そう考えながら次にアニスを宥める文言を考え、ラプチャーと戦っていると―――

 

壊れかかっていた私とアニスが隠れている遮蔽物の前に白い台形の壁が地面から生えるように出現した。

 

「!?」

 

「え!?」

 

私とアニスが驚く中、出現した台形のバリケードを中心に同じ形のが左右に1つずつ同じバリケードが出現した。

 

一体これはなにがおこっているの…。

 

アニスも困惑している。

だが、この遮蔽物は少なくともラプチャーの攻撃から私達を守るように出現した。

 

少なくともラプチャー側が起した現象ではない。

もしかして特殊能力を持ったピルグリム?

 

そう考えながら警戒を続けると、私達の後方から2人の人影が出現した。

 

「合流します!」

 

「味方だ!」

 

2人の人影の内、1人はニケでもう1人は指揮官の格好ではなく黒い戦闘服を着ており両手にはマガジンが装填されているスコープ付の火器―――セミオートスナイパーライフルを持っている。

 

「うわ!ビックリした!」

 

アニスが正体不明の2人に驚く。

 

「エリシオン製のニケ[シルバーガン分隊]所属の“マリアン”です。臨時の指揮官と合流しました!」

 

「中央政府ニケ管理部所属。前哨基地指揮官兼特殊別動隊隊長の“ムラクモ・セブン”だ。階級は大尉。現在救援部隊の指揮官死亡を聞いて現場に急行し臨時指揮官をしている」

 

現れた2人は登場するや否や自分達が味方であるように名乗りを上げた。

 

「え、あの墜落する輸送機から生き残ったの!? ここまで見えて聞こえた爆発の中で!?」

 

「私はなんとか無事でしたが、本来の指揮官は―――」

 

「現状報告は後でだ。今はこっちに来ているラプチャーを撃破する事が優先だ」

 

そう人間であろうムラクモが両手に構えているセミオートスナイパーライフルのマガジンを外して弾倉を確認。

 

問題ないのかチャージングハンドルを手前に引き、グリップ上部にある安全装置を解除するような操作をした。

 

手馴れた手つきで火器を扱っている。

 

「ニケは良いとして…そもそも貴方は人間よね?」

 

「ああ。少なくとも人間だ」

 

「あの爆発でどうやって生き残って……ちょっとまって、そこのマリアンが言っていたけど本来の指揮官はって」

 

「死んだ。マリアンだけ助かっていたが孤立。偶然近くの作戦地域で独自の作戦を行って完了して帰還途中に彼女の救難信号をキャッチして合流した」

 

そう言いながら出現したバリケードに身を乗り出すと同時に持っていたセミオートスナイパーライフルを構えて引き金を引き、縦列に並んでいたラプチャー数機を一気に破壊した。

 

人間が扱う火器がラプチャーに通用している?

 

「え!? 人間が撃ったスナイパーライフルがラプチャーを破壊した!どうなっているの!?」

 

「詳細な報告は後だ! 今は迫ってくるラプチャーを対処する方が先決だ。俺が展開している[エスクード]は強固だが耐久力は無限じゃない。マリアンは機関銃手、2人は?」

 

そう言いながら遮蔽物に隠れながらもセミオートスナイパーライフルを使いラプチャーを撃滅していくムラクモ・セブンと名乗った人間。

 

ラプチャーを破壊できる火器を使える時点で怪しいところはある。

 

でも、この人間は私たちの敵ではないし今状況をた季節に対処している事から指揮官はベテランである事は間違いない。

ならば―――

 

「ムラクモ・セブン大尉―――身分証を提示してください」

 

「ああ」

 

マガジンを交換しているムラクモ・セブン大尉がそう返事をしながら片手で身分証を提示した。

 

私はそれに触れて私とアニスの指揮権を彼に移行する。

 

「指揮官コードアクセス。―――[分隊04-F]の指揮権をムラクモ・セブン大尉に移行―――完了」

 

「ちょっとラピ!」

 

「今は悠長に正体の探り合いを出来る状態じゃないわアニス。それにその指揮官は少なくとも前任よりもできる。指揮官コードにアクセスしたときも問題はなかったわ」

 

「まったくもう! こうなったら破れかぶれで行くしかないって事ね!」

 

アニスもなんとか現状を飲み込んで、この場は私の意を組んでくれた。

 

「とりあえず2人の指揮権は俺に移ったか。まずは状況の打開だ―――」

 

ムラクモ・セブン大尉―――改め指揮官はそれから私達の兵科を聞いて即座に作戦を立案。

 

「―――以上だ。具申は?」

 

「ありません」

 

「マリアンと同じです」

 

「私もないわ」

 

「なら戦闘開始だ―――エンカウンター!」

 

「「「エンカウンター!!」」」

 

そして私とアニスはマリアンと指揮官と共にラプチャーとの交戦に入った。

 

「マリアン! 接近してくるラプチャーに弾幕を張れ! アサルトライフルの君はマリアンでカバーできないラプチャーを破壊! 隙あればアンダーバレルにあるグレネードで纏めて吹き飛ばせ!」

 

指揮官の指示通りに動く私とマリアン。

 

私はマリアンではカバーできない接近してくるラプチャーに向かってアサルトライフルである[ミリタリア]で破壊。

 

指示通りに隙が出来ればアンダーバレルにあるグレネードランチャーを用いて数機を纏めて吹き飛ばす。

 

マリアンという機関銃手が居るだけで前線の維持がやりやすくなっている。

しかも―――

 

「グレネードランチャーの君はグレネード装備した廃墟上層にいる2時と12時にいるラプチャーを! 狙撃タイプとドローンタイプは俺がやる!」

 

「了解!」

 

アニスは指揮官の指示通りに敵を見つけて[リバティーンテイル]のグレネードで指定された敵を会破壊。

 

指揮官は遮蔽物を移動しながらセミオートスナイパーライフルで次々と狙撃型やドローンを墜としていく。

 

この指揮官が来てくれてから圧倒的に戦いやすくなった。

前任の指揮官の指揮はともかく具体的な指示がないままラプチャーの殲滅だけ。

 

明らかに彼と前任では天と地ほどの差があるくらい戦いやすい。

 

そして―――

 

「―――敵影なし」

 

指揮官の一言と共に私とアニスを襲っていた数十機のラプチャーは全て残骸と化していた。

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