ちぇんそーまん 作:ルゥー創作するのは間違っているだろうか?
「抱かせ...て」
デンジはその言葉を無意識に言っていた
マキマは無言でその身体を抱きしめる
「ゾンビの悪魔を処理しちゃうから、ここで少し待っててくれる?」
マキマは柔らかい声でデンジに囁くように告げる
「ハイ」
デンジの返事を聞いてマキマは微笑むと倉庫の方へと歩き出す
「すげー...やわらけえシート」
デンジは車の中でぐっすりと眠りについた
「ゾンビの悪魔だね、まだ息はあるかな?」
「...」
「その死体は活用させてもらおうかな、プリンシ」
カサカサと蜘蛛の悪魔が闇から顔を出した
「ゾンビの悪魔と全ての死体を回収して」
その言葉に反応してプリンシは一瞬にしてゾンビの悪魔と死体を蜘蛛の糸で包み込み抱えるとまた闇に消えていった
マキマは金色の瞳を付き人たちに向けた。
「ここで見たことは、全て忘れて」
柔らかな声だった。
まるで、ちょっとした頼み事でもするかのように、マキマは微笑んでいる。
「あ……」
「う……」
二人の表情が、ふっと緩んだ。
目の前で何が起きたのか。ここへ来るまでに何を見たのか。彼らの記憶は、マキマの言葉によって塗り替えられていく。
倉庫でゾンビの悪魔を処理したのはマキマ自身。
そう、二人は疑いもなく認識していた。
マキマは満足そうに微笑むと、何事もなかったかのように踵を返した。
こうして、彼女がこの場所で行ったことを知る者はいなくなった。
そして、車の中で眠る男の子。
デンジ。
それが、マキマが新たに拾った少年だった。
「それじゃあ、出発します」
「お願いします」
マキマはそうにこやかに笑うと外を眺めた
帰ったらお酒おいしく飲めそうだな、と呟く
隣を見るとデンジが無防備に眠っていた
"操るのは難しい"
ならば
"人間を飼い慣らす"
そうマキマは微笑んだ
「あ...あれ?」
デンジが目を覚ますと体は横たわり柔らかいものが顔の下にあった
え、あ、コレって膝枕ってヤツじゃねえか?
デンジは飛び起きた
「俺、寝ちゃって---------」
「おはよう、デンジ君。よく眠れた?」
「あ、ハイ」
頬を赤らめ頭を掻くデンジ
ぐうぅぅぅううううう...
デンジのお腹の音が盛大に鳴った
「朝ごはん、次のパーキングで食べよう」
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「助けてくれぇ、悪魔が娘をぉ!!!」
遠くから聞こえたその小さな声をマキマは捉えた
デンジにとってはうどんとフランクフルトを待っているとても、とても大事な時間だった
付き人もマキマに付き従いその場をさっていくがデンジは気がつかないほどだった
「腹ヘッタ...」
デンジは今か今かと痺れを切らしていた
「公安退魔4課です、詳しく教えてもらってもいいですか?」
使える悪魔かもしれない
マキマは口角を上げ歩みを進めた
マキマはしゃがみ込み、優しくおじさんの話を聞く
「悪魔があ、おれの娘をぉ!あっちに連れて行きやがったんだぁあ!!」
マキマはスッと立つと指を刺した方向を見つめ、おじさんに微笑んだ
「任せてください」
「どうしますか?応援呼びます?」
付き人はマキマの横で騒ぎ立てている
「デンジ君!」
「はい?」
女に呼ばれてデンジは首だけ向ける
金を出してくれたツラのいい女が手招きしていた
デンジが動かないのでマキマが歩み寄る
「向こうの雑木林の先に悪魔が一匹いるんだ。見えるかな?」
マキマが指差す方向を目を凝らしてみるデンジ
「?」
いや、フツー...見えねぇだろ?
心の中で呟くデンジ
「あれを退治してきて欲しいんだ」
マキマがデンジの視界に入ってきた
「...え?退治?これからうどんとフランクフルト...」
デンジはマキマから視線を外し、店の中を覗き込む
「返事はハイかワン」
マキマの声にデンジは振り向く
「使えない犬は殺処分されちゃうんだって」
言うこと聞かないとこの女に俺、殺されちゃうワケ〜っ?!
ごくん、と唾を飲むデンジ
「わん」
「いい子だね」
マキマはそう言ってデンジに手を振る