ちぇんそーまん 作:ルゥー創作するのは間違っているだろうか?
公安対魔4課の扉が盛大に開いた
バァン!!!
「おうおうおう!ワシはパワー!ヌシらなんでワシだけ仲間はずれにするんじゃ」
「お前はうるさいから黙ってろ」
アキは前を向いたままそう怒鳴る
「なんじゃ、人間!偉そうに」
ズカズカとアキの背中に歩み寄ったパワーは、ふと顔を上げて凍りついた
金色の瞳が妖美に輝く
「パワーちゃん、いいところに来たね」
早川アキの隣から顔を覗かせたマキマはパワーに笑いかける
「マッ、マキマ?!もう...帰っておったのか?!」
「うん、紹介するね。デンジ君」
暫く沈黙の後、パワーはやっと早川アキの隣の人物に視線を送った
「....はあ?また人間.........、ん?」
スン...スン...
パワーはハッとして鼻を鳴らした
「パワーちゃんは鋭いね、彼は悪魔人...「血の匂いがする」
マキマの言葉を遮ってパワーは瞳を輝かせた
「あ?さっき、風呂入ったぞ」
クンクンと自身の匂いを嗅ぐデンジにパワーは近寄った
かなり近い!
「これじゃ!」
指を差したのは靴だった
「ああ...これは俺のだからな」
デンジは片足を持ち上げ靴を眺めた
ボロボロだ...
「服は貰ったけど」
マキマはデンジの様子を見ながら提案した
「あとでクリーニングに出そうか。新しいの買ってもいいけど」
「マジ?!いいんすか、マキマさんっ?!」
ぱぁっと表情を明るくするデンジは拳を握りしめ喜ぶ
「お前、マキマさんに馴れ馴れしいぞ!」
アキは不満たっぷりに毒づく
「だってオレにこんな優しくしてくれんのマキマさんしかいねーもん」
「はあ?」
アキの顔に青筋が浮かぶ
「早川君、これから少し上と話さないとだからデンジ君とパワーちゃんを連れて見回りに行ってきてもらえるかな。案内も含めて、ね?」
「っ?!冗談ですよね?!」
マキマは静かに笑う
「コイツらを連れてですか?!パワーも街中じゃ何しでかすかわかりませんよ?!」
「何かあったらすぐ呼んで。」
そう言って椅子から立ち上がるマキマはパワーの隣に並んだ
「いい子にできる?」
「でっ...できりゅ、っ!!」
パワーは冷や汗を流しながら3回頷く
マキマはデンジの肩に腕を回してネクタイをきちんと丁寧に絞めた
「デンジくんも、先輩の言うことよく聞いてね」
「ワンッ」
頰を染めデンジは声を上げた
「なんじゃ、その返事」
口を尖らせパワーはデンジを馬鹿にする
「オレはマキマさんの犬だからなァ!」
拳を突き上げデンジは早川アキの正面を向いた
早くしろよ、と言わんばかりに
「....めでたいやつじゃな」
「お前らちゃんと俺の後に着いてこいよ?」
アキは公安を出る前にそう2人に釘を刺した
「ここから俺たちのエリアじゃなくなる、分かるか?公安のデビルハンターも班ごとにエリアが分かれてるんだ」
「...」
返事はなく無言の2人にイラつきながら振り返るアキ
は?
1人足りない
「おい、パワーはどこ行った?!」
「知らねえ」
「はあ?!テメェ、マキマさんのために働くっていうのは嘘か?!」
「オレはマキマさんの為ならどんなことでもするぜ?」
「じゃあなんでパワーを見張っておかなかった?!」
「テメーの仕事だろ?」
「俺たちの仕事だよ、馬鹿野郎が!!!」
「ははーん、マキマさんにいいとこ見せれるってか?任せろ」
「お前に何ができるってんだ?」
デンジはニヤリと微笑むと胸のスターターを思いっきり引っ張った。
「?!」
かなりグロテスクに額からチェンソーが生える。
アキは目を見開き、口を開けた。
「悪魔、人間」
マキマさんの言っていた事を信じるしか無くなったわけだ……
アキは奥歯を噛み締める。
ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴーーーーーーンッ!!
凄まじい駆動音が街中に響き渡る。
チェンソーの刃が唸りを上げるたび、空気を震わせるような低い振動が足元から伝わってきた。
「オラァッ、オメーの好きな血だヨーン!!!さっさと戻ってこいやぁ!!!」
デンジはチェンソーを振り上げ、わざとらしく大声を張り上げた。
その声は都市の喧騒を超えて遠く向こうまで響き渡る。
血の匂い。
悪魔の血が染みついたデンジの靴から漂う、かすかな鉄臭さと同じものだ
それに加えて、チェンソーの悪魔となったデンジ自身からも、普通の人間とは明らかに違う気配が放たれていた。
もしパワーが近くにいるなら、気づかないはずがない。
「オーイ! 血が欲しいんだろォ!? ここにあんぞー!!」
チェンソーの爆音とデンジの叫び声が、辺り一帯に響き渡る。
そう、チェンソーの悪魔が大声で叫んだのだった。