「皆!心配させてごめんなさい!でももう大丈夫!今日から頑張りましょう!」
昨日、カルメンと話をしてから起きて、軟禁が解けたため会議に出席したらカルメンがめちゃくちゃ元気になってた
前みたいな明るい笑顔で職員たちに声をかけていく
(まぁ…これで自殺は流石にしないだろ…)
エノクはまだ生きてるし、エノクの実験はやらなければ失敗することなんてない
(ま、風呂産まれねぇけどいいだろ!ガハハ!)
「おはよう!ゲント!」
そんなことを考えていると前にカルメンがヒョコッと出てくる
「おはよう」
「昨日は…その…ありがとね…」
恥ずかしそうにはにかむカルメン
「別にあれくらいならいつでもやればいい。溜め込んだら出来るもんも出来なくなるからな」
「うん!ね、ねぇ…今日の夜も…いい?」
「ああ。また部屋で」
スキップで去っていくカルメン
ゲントも作業に向かおうと歩き出そうとした時、誰かに肩を強く掴まれる
後ろを振り向くと目がガンギマったアインがいた
「………ねぇ…今の………何?」
「………?」
何故か詰まらせながら話すアイン
その目は今にでも何かが切れそうだった
(ああ……そういやコイツカルメンのこと好きだったな……)
「別に。ただ夜にちょっと(話)してただけだよ」
「本当?今夜も(SEX)するの?」
「ああ。あいつが今日も(話)したいって言ってたからさ」
「そ、そうなんだ……」
何故かショックを受けたように数歩ふらついてから何処かへと去っていくアイン
その目は虚ろで、何かをブツブツと呟いていた
「んだアイツ……」
この日も変わらずに絶望の騎士、モーリーの順に作業していく
そして最後、魔弾の射手の収容室に入る
「よっ!元気?」
「ああ。銃の調子も良さそうだ」
「そういえば、この前はありがとな」
魔弾の射手はモーリーが脱走した際、率先的に職員の避難の援護射撃をしてくれたらしい
モーリーの共犯者となった職員の足元を撃ち、怯んだ隙に他の職員を逃がしてくれていたらしい
「それにしても。意外だな。お前が撃ち殺さないなんて」
「私を人を撃ち殺したがる狂人だと思ってないか?」
「いや合ってるだろ」
代償踏み倒すために愛する人撃ち殺すのはもうイカれてんのよ
「……まぁ…お前の同僚を殺すと…お前が悲しみそうだから…」
「ついこの前まで頭吹き飛ばしてたやつがよく言うよ」
「もう1ヶ月は我慢してるだろう!」
「
いきり立つ魔弾の射手にゲントがツッコム
この女と喋ると色々精神的に疲れる
「それよりも!前よりそれが増えてるのはなんなんだ!」
魔弾の射手が手元の手袋を指差す
手袋を睨む魔弾の射手
魔弾の射手はやたら自分以外のギフトを嫌がっている
彼女の前でパイプを蒸す時は自身の炎を貸して、機嫌が良くなる
よく分からないやつだ
「まぁ…定期作業はこれで終わりだ。次はまた1ヶ月後」
「……もう少し短期間にしないか?」
魔弾の射手が身を乗り出してそう提案してくる
ゲントは依頼や作業の組み合わせを確認する
「…3週間に1回」
「1週間だ」
魔弾の射手が即答する
だが、1週間に1回はアインの定めた作業頻度に引っかかってしまう
「……2週間」
「1週間」
「ダメだ。2週間が限度だ」
そこのラインは譲れない
互いに見つめ合う
「………わかったよ。2週間に1回でいいよ」
何とかスケジュールに嚙み合うように調整出来た
ため息を吐いて外を出ると、収容室のドアの前で1人の女性が立っていた
「おお、エリヤ。どうしたんだ?」
「あっ…その…」
書類を抱えてワタワタするエリヤはそのまま書類を地面に落としてしまう
慌てて書類を拾おうとしてさらに書類を撒き散らしてしまう
「手伝おう」
「あ、ありがとう…」
実はエリヤとは実質的に入社が同時期であり、今いる唯一の同期としてたまに一緒に珈琲を飲んだりなどしている
やはり彼女はこのおっちょこちょいな性格を危惧されて実験から外されることが多々ある
(カルメンが死んでからこいつは…はぁ…考えるのは辞めよう)
「それで?なんでここで待ってたんだ?」
「あの…ちょっと相談があってさ…」
その日は作業が全部終わっていたので、そのままカフェに向かう
ゲントは飲み物を頼んでエリヤに向かい合う
「で?相談ってのは?」
「その…この頃私さ…いろんな研究から外されてるじゃない…」
「ま、まぁ…薬品溢したり間違って違うボタン押してたりしたらな…」
「うう…」
本当にエリヤのおっちょこちょいさにはドキドキさせられる
一瞬目を離したら変なことになってるんだ
ミスで焦り、焦りでミスる…悪循環だ
「その…どうやったらアインさんに認めてもらって貰えるかなって…」
(マジか…このタイミングかよ…)