「…お前…なんでここに来たんだ」
「ほう。何故とは…貴様が1番よく分かるんじゃないか?」
「……随分簡素な言い方するんだな」
殺意を込めて睨むが、ガリオンは何処吹く風
それどころかそんな表情をするゲントを恍惚とした顔で見ている
「風の噂が、私の耳をくすぐってね……。この深い森の、さらに奥深く……そこに恐るべき『災い』を、密かに懐へと匿っている愚者がいる、と。……ふふ、怯える必要はない。私たちはただ、この世界の平穏を調律するために、こうして足を運んだに過ぎないのだから」
(…誰かが垂れ込んだのか?)
ガリオンが言うには、誰かのタレコミによって調律者は襲撃してきたらしい
(俺は…しくじったのか…)
そういえば、今日はミシェルを見ていない
もしかしたらもう逃げているだけなのかもしれないが…嫌な予感が脳裏をよぎって離れない
「はぁ…今はそれはどうでもいい」
「ほう?此方の件よりも更に重要なことが?」
「ああ。なんで、ダニエルを、殺した」
殺すまではしなかったはずだ
なんで、殺すまでしたんだ
その質問にガリオンは口角を少しあげる
「彼女は揺るぎなき意志という器を掲げ、私の望みを拒絶してな。少しばかり強引にその器を穿つ手段を選んだのだが……。ふふ…途中から、私の深淵がこれほどまでに昂ぶってしまったのだ」
「つまり、その曲がりに曲がった性癖で…俺の友達を殺したってことかよ」
怒りがぐるぐると腹の中で回る
こいつはこういう女だ
それは理解しているが、やはり許せない
「あ〜無理だ。カーリーが来るまでとか考えてたけど…やめだやめだ」
「ほう……目的という名の檻を自ら壊し、ただ血肉の渇きに従う獣へと成り下がるか」
「うっせぇんだよ。んな小難しい言葉をズラズラと並べやがって……」
ゲントは杖を取り出す
「宿敵」も、ゲントの怒りに応えるように鈍く光っている
「お前のその話し方嫌いなんだよ!毎回毎回理解するのに頭使わせやがって!」
「それはそれは……その歪んだ賛辞を、私の胸に飾る勲章として受け取っても、差し支えはないかな?」
ゲントから向けられた悪意を、ガリオンはニヤついた笑みで受ける
彼女からしたら今ゲントが感情に任せて襲ってこようとしてるのも愉しいのだろう
「宿敵」を構える
ガリオンは構えすらせず、ただニヤついてこちらを見てきている
ゲントは「宿敵」をガリオンに突きつけ、腹の底から湧き上がる激情と共に、その言葉をガリオンにぶつける
「今、お前はここで殺す」
大変お待たせして申し訳ありません!
かなり書くのに苦労しました……少し短めですがお許しくださいm(_ _)m