おい待てここmod入ってんじゃねぇか!   作:怒飲焼

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第7話~ガキが…すくすく育てよ、不安なあの子、傭兵依頼~

「……エノクちゃん?何してるんだい?」

 

「…………」

 

(う~ん気まずい!)

 

リサとエノクを預かってから数週間が経ったが、やっぱり彼の視座は高いところにあることを痛感させれた

リサは年頃の我儘娘らしくちょちょいと話すだけで懐いてくれた

だが、エノクは中々通じ合えなかった

 

(原作でも確かエノクが大人びすぎて一緒にいたのいに対等じゃない…みたいなもんだっけ…)

 

記憶の片隅に残っている情報を引っ張り出す

彼はその達観した考えの末、自ら実験に志願し、実験で命を落とした

その事件はカルメンの心にも大きい影を落とし、研究所の崩壊を…

 

(こんな小さい子が実験体なんてダメだよな…)

 

何か小難しい本を読んでいるエノク

元々文系でこの世界でも勉強より鍛錬ばかりしていたゲントではわかりっこない内容だ

 

「もうエノク!一緒に遊びましょ!」

 

「嫌だ。今はこの本を読んでるんだ」

 

「も~!エノクったら!エノク!エノク!エノク!」

 

エノクの気を引こうと隣でグワングワンと揺らし続けるリサ

それにひるまずに本にかじりつくエノク

こうしていればただの双子なのに…

 

「こらリサ。エノクは今本を読むのが楽しいんだよ。邪魔しないであげて」

 

「もう!だったらアンタが私と遊んでよ!」

 

「いいぞ。あやとりか?お手玉か?トランプか?」

 

「全部!」

 

今のエノクに何を言っても無駄だろう

なら今は精一杯2人の近くにいてあげるしかない

 

「あ、ゲント…今いいかな?」

 

リサと遊んでいると部屋のドアが開かれ、ミシェルがひょっこりと覗いてきた

彼女の密告が調律者襲来の原因だからこそ彼女とは特に仲良くしようとしていた

彼女が押しつぶされないように

 

「ああ。すぐ行くよ。ごめんなリサ。ちょっとお兄さん呼ばれちゃったから行かなきゃ」

 

リサに遊んでいたトランプを渡して立ち上がる

行こうとした時にズボンの裾が引っ張られる

 

「………また遊んでくれる?」

 

「ああ!エノクも遊びたかったら言えよ!」

 

「…………」

 

上目遣いで見つめてくるリサと本から顔の向きは変えないが目線はこちらを向いているエノク

2人の頭を撫でてからまだかまだかと覗いてくるミシェルの方へと行く

 

「……仲良くなったね。エノクちゃんとリサちゃん可愛いよね」

 

「ああ。子供はああやって遊んでるくらいでちょうどいい」

 

ミシェルと廊下を歩きながら世間話をする

リサとエノクや他の研究員のこと、最近の研究のこと、この頃食べて美味しかった社食のこと

他愛ない話をしている間にミシェルの部屋に着く

ちなみにさっきまでいたのはリサとエノクの部屋だ

 

「ど、どうぞ」

 

「失礼する」

 

ミシェルがドアを開けてくれたので先に入る

後ろでドアの鍵が閉められた音とともに後ろから抱き着かれる

 

「…ここでいいのか?」

 

「私…今の研究が良いことなのか分からなくなってきたんだ…」

 

コギトの研究…最近E.G.Oの抽出に成功したらしく、カーリーがミミックを振り回していた

だがそれまでに多くの犠牲が出ているし、これからも出ていくであろうと思われている

最近はカルメンの元気も、研究所自体の活気も下がってきている

 

「………まだ分からない」

 

ここで、下手なことを言って彼女の不安をさらに煽る訳にはいかない

 

「実験で出る犠牲も無理やり実験台に運んでるわけじゃない。彼女達が自分から望んだんだ」

 

「だけど…」

 

「ここで今更俺らが引け腰で逃げたらそれこそ彼女達の犠牲が無駄になる」

 

後ろから抱きついているミシェルを前に持ってきて頭を撫でる

彼女は少し震えていた

 

「俺らが彼女達の犠牲に報いるにはやりきるしかないんだ」

 

「……………」

 

前から再度抱きついて黙ってしまうミシェル

ゲントも急かさずに頭を撫で続ける

 

「……分かった…もうちょっと頑張る」

 

ゲントから離れたミシェルの顔は晴れやかだった__________________________________________________

 

研究所から離れた外郭、ゲントは大剣を降るっていた

敵は掃除屋

今ゲントがいるのは路地裏

そんな中でも「路地裏の夜」と呼ばれる最悪の81分間

既に60分が経ったがゲントはペースを崩さずに大剣で掃除屋を吹き飛ばしていく

 

「ああクソ!数が多いな!」

 

「減らず口を叩くな!」

 

「お前は良いよなぁ!なんでそんな強いんだよ!」

 

ゲントと背中合わせになるように立ち回り、ミミックでゲントより多くの掃除屋を吹き飛ばしているのはカーリー

 

「あと何分だ!?」

 

「…30分!もう敵も少なくなってきた!」

 

ゲームをしているころは無尽蔵だと思っていたが流石に数には限りがあるようだ

何故、カーリーとゲントが掃除屋と対峙しているのか

それはカーリーが持ってきた依頼が関係していた

なんか絶望の騎士とか魔弾の射手、リサとエノクと戯れてたらカーリーが赤い霧って呼ばれるようになってたしそのネームバリューでたくさんの依頼を受けるようになっていた

だが1人では難しい依頼も増えていたため、カーリーからの直の指名でゲントが付き合っていたのだ

 

「なぁカーリー!今度から依頼はちゃんと見てくれよな!」

 

「細かいことはお前に任せると言っただろ!」

 

カーリーとゲントを指名してきた依頼

路地に出てきた血鬼を討伐して欲しいというものだった

最初は簡単な依頼だと思っていたが着いたら血鬼はいねぇし裏路地の夜だし

 

「ほんとに最悪だよ!」

 

「もう終わるだろう!弱音を吐くな!」

 

最後にカーリーがミミックを一閃

それで掃除屋は完全に倒されたらしい

 

「はぁ…はぁ…ほんとに………お前……」

 

ゲントは肩で息をしながらカーリーを睨む

カーリーは何も無かったかのように平然と立っている

 

「これは…依頼料は無さそうだな」

 

「ったりメェだよ何言ってんだ!?」

 

急に変なことを言い出すカーリーにゲントは厳しく突っ込む

結構お茶目というか…突飛なことを言い出すからなこいつ…

 

「……いや、今から依頼料を貰いに行くぞ」

 

「は?」

 

「さっきから物陰から見てた奴がいる。もう離れたようだが今からでもあとを追えるぞ」

 

そう言いながらカーリーは走り出してしまった

慌ててゲントも着いていく

 

「おい!?ホントに合ってるんだろうな!?」

 

「ああ!黙って着いてこい!」

 

特色フィクサーの全力疾走は疾風迅雷の如く速く、見失わないようにするのでやっとだ

 

「いたぞ!」

 

そう言いながらさらに速度を上げるカーリー

そのままカーリーは黒い外套を纏った人影へ突撃していった__________________________________________________

 

「クソ…せっかく誘き出せたのに…」

 

黒い外套を纏う男は、街中の人の間を縫って進む

彼は今台頭してきている赤い霧を始末しようと単独で偽依頼を出し、計画通り裏路地の夜に赤い霧を誘き出すことには成功した

だが、想定外の出来事が2つ

1つは赤い霧が想像以上に強かったこと

大量の掃除屋が襲撃してきても息一つ切らさずに叩き伏せてしまった

 

(それまでは予想していた…だが!なんだあの男は!)

 

もうひとつの想定外はゲント

事前情報ではそんな奴がいるなんて知らなかった

赤い霧には及ばないもののそれでも掃除屋を一方的に屠れる存在が赤い霧のそばにいるなんて…

 

(クソ…あいつらはきっと俺を探している…だがこれくらい来れば!)

 

「ん?影?」

 

逃げている男がたどり着いたのは周りに人がいない場所

月光で照らされていたはずの彼に2つの影が落ちる

 

「がァ!?」

 

そのまま上から降ってきたなにかに踏み潰される男

男の顔の両横には深紅の大剣と質素な大剣が突き刺さる

 

「フン…誰かと思ったら顔も知らない小物とはな」

 

「あ〜この人……ってカーリー知らないの?一応アンタが特色になるまではここらでいっちゃん強かった人よ?」

 

「私に正面から挑まずに姑息な手を使う時点で強くなどない」

 

(なんで!?なんでここがバレてる!?)

 

「さぁ、依頼料を貰おうか」

 

「ま、待て!事情があったんd……っギャ!?」

 

そのまま男の首は切り落とされる

この夜、恐怖の象徴だった裏路地の夜を生き残り、一応は区画を牛耳っていた1級フィクサーが落とされたことで赤い霧の噂は留まるところを知らず、また、赤い霧と共に語られる「茶」が頭角を表し始めた

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