おい待てここmod入ってんじゃねぇか!   作:怒飲焼

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第9話〜事後処理、一般人、「K」〜

「………………」

 

「どうしたんですか?早く朝ごはん食べましょう」

 

スンとした顔で珈琲を飲むアイン

 

(朝チュンのコーヒーって誰が始めたんだろうな…)

 

アインの炒れたコーヒーはダニエルには敵わないがかなり美味しい

朝食はトーストにカリカリベーコン、ふわふわのオムレツだ

 

「……なぁ…アイン…その…昨日のことだが…」

 

「カルメンには秘密にしましょう」

 

即答するアイン

だが、ホッとしているゲントを睨みつけるアイン

 

「ですが…無かったことにするとは言っていません」

 

安心しきっていたゲントの目の前にナイフが突きつけられる

 

「乙女の処女を奪ったのですから…責任は取ってもらいますよ?」

 

(そういえばこいつ…クソめんどくさい奴だったな…)

 

本編でもアンジェラを作ったのにカルメンの面影を負いすぎてアンジェラに向き合わず、ライブラリーオブルイナに繋がる事件を起こすに至ってしまった

 

「……分かった。今すぐは無理だが…お前が望むなら、絶対に」

 

「……はぁ…威勢だけは良いですね」

 

まんざらでもない顔をしながら珈琲を飲むアイン

 

(……まぁ…ここで暮らすのも悪くないしな…)

 

数か月、この研究所で暮らしてきて、ゲントの考えにも変化が生じていた

最初は誘拐まがいだったこともあってあまり好きにはなれなかった

そっけなく接しようものならカルメンが凹んでカーリーにボコボこにされる

だから表面上は明るく仲良いイメージで過ごしていたのだが…

 

(いつの間にか素で楽しんでたんだよな…)

 

ゲントは喧嘩したりしても少ししたらケロリとしているタイプだ

どれだけ嫌な人でも少し感謝されたり良い所を見せられると評価が爆上がりする

だからこそなのか…今、この研究所に残ろうと考えたときも後悔はしなかった

 

「アイン、絶対に幸せにするよ」

 

「ッ………うるさいです……」

 

耳まで赤くして目を逸らすアイン

そのまま朝食を済ませ、準備を整えてから管理室に向かう

一緒に管理室に行ったとき、カルメンが少し震えていたのは気のせいだろうか

____________________________________________

「今日は先日訪れた2体のうちもう1体をお願いするわ」

 

どうやらポーキュバスの作業は全身防護服の職員1人でやることになったらしく、ゲントは新たな幻想体の作業に向かう

収容室のドアに手をかけ、中に入る

 

「おや…今日は男の人かい…こんにちは」

 

中にいたのは全身を拘束具でガチガチに固められた女

肌色の拘束着にまるで跪いている姿勢には見覚えがある

 

(捨てられた殺人者か…まぁ…カーリーもいるし問題ないやつだな)

 

捨てられた殺人者…一般人

アブノマの中でもトップクラスに弱く、そこから付けられたあだ名が「一般人」

この研究所にはカーリーもいるし、魔弾の射手もいるから問題ないだろう

 

(ちゃっちゃと作業終わらせるか)

 

「こんにちは。俺はゲントだ」

 

「自己紹介までしてくれるのかい…嬉しいねぇ…私は…モーリーと名乗っておこうかな」

 

モーリーと名乗った彼女と様々な話をしていく

最近気づいたことだが、ゲントは作業中のダメージを受けないらしく、アインから許可を貰って長時間の作業を行っていた

彼女の身の上話や世間話などをしていくうちに1時間が経過した

 

「よし…聞きたい話は大体聞けた。素直に協力してくれて助かった」

 

「………もう話は終わりかい?」

 

「ああ。モーリーが素直に話をしてくれたお陰で随分早く終わったよ」

 

「そうかい。それは良かった。今度、また来てくれるかい?」

 

「ああ。また時間があるときに来るよ」

 

「楽しみにしているよ」

 

ニコリと笑うモーリー

彼女に別れを告げて収容室を後にする

 

「お疲れ様。体調は?どこかおかしいところはない?」

 

前よりも更に元気の無くなったカルメンが声をかけてくる

彼女は心配そうにゲントの身体を触る

 

「大丈夫だ。お前こそ元気が無いぞ?休めてないんじゃないか?」

 

「ううん…大丈夫。私ばっかり休んでちゃダメだから…」

 

そう言いながら去っていくカルメン

その背中は少しでも触れたら壊れてしまいそうだった

 

「……カルメンは最近、コギトの研究が詰まっていることを憂いているようだ」

 

隣に来たアイン

彼女の目は心配で満ちていた

 

「……心配なんだ。彼女が折れて、どこかに行ってしまうのではないかと」

 

アインはギュッと自身の腕を強く掴む

不安を拭い取ろうとするように

 

「折れかけてるなら、俺らが支えればいい」

 

ゲントの言葉にハッとするアイン

ゲントの推測だが、アインはカルメンを神格化し過ぎていたのだ

だから彼女の心の痛みにも気づかず、彼女は自殺してしまった

 

「……そう…だな…私もカルメンと話してみる」

 

そう言いながらアインはカルメンの後を追っていった

 

(これなら少し…マシになるだろ)

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