「帰りを全く考えてない、か」
魔力消費を考えず階層をどんどん下げていくベルにリューは助言するために動き出した
ベルを制止するため先回りをして
「魔法の連発は控えたほうがいい。魔力を消耗しすぎてしまう」
ベルの前に突然現れたのは覆面冒険者だった
「あなたは、あの時の!」
赤い瞳を見開くベルは奇跡の再会に喜びを溢れさせた
お礼を言わなきゃ!!!
リューの姿を認めた
しかし、彼女は怯むことなく一歩踏み出した。
迫り来る一体の攻撃を身を翻して躱し、すれ違いざまに剣を振るう。
鋭い一閃。
横合いから飛びかかってきた一体を蹴り飛ばし、体勢を崩した別の一体を剣の一振りで斬り伏せる。
一切の無駄がない。
敵の動きを見極め、最小限の動きで攻撃をかわし、確実に仕留めていく。
数で押し切ろうとしていた
最後の一体が地面に倒れる。
リューは剣を収めると、何事もなかったかのように踵を返した。
「……まったく。無茶をする冒険者には困ったものです」
その呟きは、これから追いつくべき少年に向けられたものだった。
迫り来る
「僕だって!」
ベルに襲いかかるコボルト
そして、次の瞬間。
ベルは掌に力を込める
「いけない、やめてください」
リューの声は届かなかった
(せめて、一発で仕留められれば……!)
少しでも頼れる冒険者だと思われたい。
「ファイアボルトォオオオオッ!!」
一際大きく炎が巻き起こった
放たれた一撃が敵を打ち倒す。
「……やった!」
そう口にした直後、ベルの膝から力が抜ける。
「あ...れ?」
視界がぐらりと揺れ、地面が目の前に迫ってきた
しまった!
私が出てきたことでクラネルさんは必要以上の魔力を注ぎ込んでしまった
「クラネルさんっ!?」
リューが駆け寄ったときには、もう彼の意識は遠のいていた。
近づいてくる冒険者たちの気配に、リューは顔をしかめた。
「息はある……やはり、
ひとまず命に別状がないことを確かめると、リューは周囲を見回した。
このままでは、いつ
迷っている時間はなかった。
リューは剣を振るい、
これで
リューは一息つく
露わになった空間にベルを仰向けに寝かせると、その顔を一瞥した。
「……結局、彼を止められなかった」
そう呟いた直後、再び冒険者たちの気配が近づいてくる。
リューは後ろ髪を引かれる思いでその場を離れ、物陰へと身を隠した
「あれは!!」
リヴェリアは目の前の光景に周囲を見渡した
「ベル・クラネル」
アイズが彼の名前を呼ぶ
「……
リヴェリアはベルの様子を確かめ、わずかに表情を緩める
「もうこんな階層まで1人で来ちゃったんだ...」
アイズはじっとベルを見つめる
「お前の時よりも早い、危ういな。師事する者がいないと聞いたし、冒険者としては...」
瞳を細めるリヴェリアはアイズを見る
「リヴェリア。この子に、強さの秘訣を聞き出したい」
アイズの真っ直ぐな瞳は強さを求めていた
「強さの秘訣か...」
リヴェリアは目を伏せた。
かつてのような無茶はしないと思いたい。だが、この少女は一度目標を見つけると、周囲が見えなくなることがある。
ベル・クラネルに触発されれば、再び無茶をしかねない。
「...ダメかな?」
リヴェリアからの返事を待ちきれずアイズは問いかけた
「あるのかどうか分からんが。それでお前の気が済むのなら聞いてみるといい。みんなが待っているから先に行ってるぞ?早く戻ってこい」
「うん」
アイズは頷き、ベルの側にちょこんと座った