何を見せられているんだ?
私は一体何をしているのだろうか?
リューは困惑気味に溜息をついた
クラネルさんとの距離感がおかしい剣姫のイチャイチャっぷりといったら...
リューが顔を真っ赤にするくらい恥ずかしかった
(……何を見せられているんだ?)
リューは思わず目を疑った。
近い。
いや、近すぎる。
何故あそこまで顔を近づける必要があるのだろうか。
「……私は一体、何をしているのでしょうか」
深々と溜息をついたリューは、そっと顔を背けた。
しかし、気になって仕方がない。
再び物陰から覗き込む。
……やはり近い。
リューの頬が、じわじわと赤く染まっていった。
(剣姫は……クラネルさんのことが?)
いや、待て。
あの剣姫が、たまたま興味を持っただけかもしれない。
……そう、きっとそうだ。
(しかし、シルも少なからずクラネルさんを……)
リューは額に手を当てた。
(私は一体、何を考えているのでしょうか)
そもそも、なぜ自分がこんなことを気にしなければならないのだ。
視線を戻すと、アイズは相変わらずベルのすぐそばにいた。
「…………」
リューは静かに顔を覆った。
(……もう、見ていられません)
そんなリューの苦悩など知る由もなく、アイズはベルの顔を覗き込んでいた。
「まだ起きない……」
ふと、アイズは以前リヴェリアに膝枕をしてもらったことを思い出した。
ベルの頭を膝の上に乗せじっとベルを暫く見つめた後、その掌を掴んだ
ガレスのようにゴツい訳じゃないし、フィンのように小さくもない...
「私とあまり変わらない……かな」
アイズは自分の掌とベルの掌を見比べ、こてんと首を傾げた。
剣を握る手だから、もっと大きいと思っていた。
「あっ、あの……」
不意に声が聞こえた。
アイズが顔を上げると、ベルが真っ赤な顔で二人の手を見つめていた。
「……起きたの?」
「は、はいっ!?」
ベルが起きた!
アイズは掌をゆっくりと離す
「すっ、すみません!今、ここどきますから?!」
膝の上からばっ、とベルは身を起こす
「おはよう、えっと...」
「...お、おはようございます」
「大丈夫?」
「は、はい!ありがとうございます」
頰を赤く染めベルはお礼をアイズに告げた
「一緒に戻りながら、少し話そうか」
そう言ってアイズは立ち上がる
「は、はい!」
「えっと...あなたのお名前は?」
「べ、ベル・クラネルです!アイズ・ヴァレンシュタインさん...ですよね?」
「うん、そう。よく知ってるね?」
「 実はそうでもなくて、
頭を掻くベルにアイズは微笑む
「そっか、あまり知らないんだね」
「あ...はい。で、でもジャガ丸くんが好きっていうのは知ってます!戻ったら、是非奢らせてください!ヴァレンシュタインさんっ」
「え、いいの?」
瞳を輝かせるアイズ
「もちろんです、僕が起きるまで守ってくれてたんですよね...って、あっ?!」
「ベル?どうしたの...」
顔を青くするベル
「あの、覆面の冒険者って見てないですか?緑のマントの女の子のエルフなんですけど...」
「見てないよ?」
「そんな...先に戻ってるのかな」
後ろを振り返るアイズ
「この辺りにいる気配はないよ」
辺りに集中するアイズ
「少なくとも私には分からない」
「そっか、ヴァレンシュタインさんが言うなら...」
肩を落とすベル
「気配を隠しているのならいる可能性はあるかもしれないけど...今の時点で姿を隠しているのだから会えるとも思えない」
「そうですよね...」
大きく溜息を吐くベル
「でも、君を見つけた時に違和感があったんだけど。きっとすぐ近くで見守ってくれていたと思うよ?」
「本当ですか?また会ったらちゃんとお礼言わないと...」
「会えると良いね」
「はい!」
「それで、どうして君は私がジャガ丸くんを好きなこと知ってたの?」
「それも実は神様からで...」